上間陽子のレビュー一覧

  • 海をあげる

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    私にも筆者と同じ年頃の娘がいる。
    最近、歴史上の人物の伝記を短くまとめた本をよく読み聞かせてほしいと持ってくる。
    その中で少しずつ歴史に興味を持つようになった娘に質問をされる。
    今も戦争をしている国はあるの?
    私は、日本の戦争は終わったけれど、まだ戦争をしている国はあるよと答えた。
    でも、この本を読んで、ああ、まだ日本の戦争は終わっていなかったんだと思った。
    あんなにも美しい海を眺めながら、汚染された水に、軍機の爆音に悩まされている沖縄の人たちがいると知った。
    手渡された海はあまりにも重い。

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    2024年09月29日
  • 海をあげる

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    ネタバレ

    ノンフィクション大賞受賞作品だったのですね。でも本書はエッセイですよね。ノンフィクションといえば確かに内容的にもそう言えますがエッセイ要素のほうが大きい。

    たくさんのレビューがすでにあるので気後れしますがみなさんとはちょっとズレたところで少し感想を。
    本書通読でまず思ったのは、食べられることが生きる力であるということ。それは私自身がいつも思っていることでもありますが本書を読んで改めて痛感。

    まず最初の章は著者自身がご飯が食べられなくなった話から始まります。
    そしてその後の章では娘さんや調査で関わった人たちや母、祖母などの話が出てきますが、著書が娘さんの食欲に気持ちを支えられていると感じられ

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    2024年09月26日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    1章 大正のフェミニストって本当にアウェーの中で道を切り開いててすごいと思うし尊敬してる。でもみんな結婚してたくさん子ども生んでて育児にも追われてたんだよね。結局、結婚してない女には発言権無かったんだろうな、フェミニストなのに夫を支えるってそれまでと何ら変わらないじゃん、とも思ってしまう。

    2章 『侍女の物語』でも、子どもを生むことそれ自体については当たり前のように流されてる(ように自分は感じた)。非婚非産は悪しように書かれてるし。「フェミニズム」として、「女性の権利」として、「平等」としての根本てそこだと思うのに。「消極的自由」について書かれてるし、セックスワークとかについて話す時って薄っ

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    2024年09月15日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    ネタバレ


    貧困家庭で育つ女の子たちが売春をしたりキャバクラで働きながらなんとか生きている日々を切り取った話。

    家族や友達に恵まれてなんとか暮らしていける子もいれば、この先も不安にさせる子もいて、人間関係って大切だと思う。

    お友だちのお家で毎日晩御飯をご馳走になってた子がいて、そんな関係があるのは救いだなと思う。

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    2024年06月08日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    フェミニズムといえば勝手にとある女性コメンテーターさんが連想され、苦手に思っていましたが、フェミニズムに対するイメージが180度変わる程面白かったです。
    特に上間先生の活動や考え方には感銘を受けました。若ければ琉球大学に行って学びたいと思ったほど。

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    2024年05月14日
  • 言葉を失ったあとで

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    実践を積み重ねてきた二人だからこそ、提示できる視点、言葉、違和感。

    加害男性の人間的薄さやずるさが際立つ。

    DV更生プログラムはそういうことなのかとか、沖縄がネタにされがちな学問の世界のせこさとか、あー↘あー↗の連続。

    上間陽子さんの寮美千子批判が鋭い。善の陳腐さ、みんな被害者論の陳腐さ。

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    2024年04月11日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    ネタバレ

    貧困や暴力に苦しみ育ってきた沖縄に住む6人の少女のお話。
    彼女らが育ってきた環境は目を背けたくなるものばかりだが、そんな中で現状を少しでも変えようと自身で努力した1人の少女のお話は唯一のハッピエンドかに思えた。その少女の家庭環境は父親は居ないが、母親からの愛情を人並みに貰って育ったのが読み取れた。
    幾つになっても家庭環境は人生において大きく影響するものだと考えさせられる一冊だった。

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    2024年04月10日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    6人の沖縄の少女の物語。
    丁寧で誠実な仕事・研究。
    ハーマンが一箇所だけ脚注で触れられている。
    正解はない。一筋縄でもない。みな幸せになって欲しい。暴力がなく、安心がありますように。

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    2024年04月07日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    ハーマンについて実践的に論じてくれた上間さんの回がとりわけ素晴らしかった。トラウマ経験者にとって、震えながら読んだ。

    上野さんの半身で組織に関わる提言も素晴らしい。

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    2024年04月01日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    フェミニズムに関わる本とそれで描かれるフェミニズム要素について、4名の方が書かれてるんだけど、どれも異なる視点で面白かったです。読めてよかった!

    『侍女の物語』『誓願』は前から気になってたけどいっそう読みたくなったな〜。最悪な構造の中で異なる立ち位置にいる女性たちが描かれる物語、気になる‥‥。

    あと私は身体が女性で同性パートナーがいて、それを割とカムアウトする方だけどこれって自分が男性だったらこんなにカムアできてただろうかと疑問に思っていて、それが上野千鶴子さんの文章で割と納得できて、読めてよかったな〜(ホモソーシャルにおいて獲得する価値のあるもの・消費するものが女性(性的に)で、その論理

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    2024年02月03日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    白状すれば私は偏見の塊で、生きる為にその選択肢しかなかった女の子達のことを考えたこともなかった。終始胸を抉られるような気持ちだった。
    このジャンルはこれからも読み続けていきたい。そうしなければならない。

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    2023年12月28日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    価値観が一気に変わりました。
    そういうお仕事に抱いていたイメージとは裏腹に生きるために必死で働いている女性がいることを再確認できました。

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    2023年11月07日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    とても感動的であり、ショッキングな内容でもある。
    最初はこの書籍の多くの部分を占める会話文が読み難くて閉口したが、訛りを含んだその会話こそが真実なのだ。

    東京で生まれ育った自分には別世界のような少女達の体験。
    著者の根気強く優しい視線にこちらも涙が出そうになる。

    真実を知り、伝えることが沖縄の現実を変えて行く原動力になって欲しい。
    何か自分に出来ることはないのか?

    同著者の「海をあげる」を引き続き読む予定。

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    2023年10月31日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    特に上間陽子さんの解説が良かった。やはり現場に入り込んでいる人の言葉は重いし、そして思いにあふれている。上間さんが紹介した「心的外傷と回復」を是非読みたいと思ったが、高額すぎて少し躊躇する。

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    2023年08月17日
  • 裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

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    記録上の出来事のどうしようもなさと、それでも気高く生きる(しかない)沖縄の女性たち。読んでいて居た堪れなくなってしまう。だからこそ、頼ることの大切さを身に沁みて実感するし、やっぱり自分は上間さんが書く文章が好きだと思わされる。

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    2023年08月14日
  • 言葉を失ったあとで

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    言葉を失ったあと…
    私達は何を語れるのか…
    言葉無く語れるものとは何か
    非行、虐待、嗜癖、性被害、世代間連鎖
    若年妊娠、援助交際…
    関係性の中で生きている私達

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    2023年03月26日
  • 言葉を失ったあとで

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    読もう、読もう、と思いながらもなかなか読めずにいましたが、ようやく読めました。

    印象に残ったことをここでは2つだけ書きます。

    選択不能性について。
    ものすごく少ない選択肢の中からしか選べない状況にある人がいるということを、私はどれだけ理解して「自己選択」「自己決定」の言葉を使ってきただろうかと、自分の理解の浅さを感じました。

    性暴力、DV加害をどのように見ていくかについて。
    頷くばかりで納得しかない感覚でした。
    怖さや危うさを改めて感じました。
    カウンセリングから、社会調査から、多くの方の声を聴いてこられたお2人の言葉には、とても説得力がありました。
    加害者の被害者性を取り扱うことのリス

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    2022年08月05日
  • 言葉を失ったあとで

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    信田氏と上間氏の対談をまとめた本。

    最前線で活躍する臨床心理士と社会学者の対話は前提となる知識が必要でところどころ難しく感じ、何度か読み直して理解を深めたいと思う。

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    2022年07月16日
  • 言葉を失ったあとで

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    アディクションの世界では知らない人がいない信田氏と沖縄の少女が置かれた実態を赤裸々に書かれた上間氏の対談本。ともに性と暴力について取り組んでいる二人の対話で盛り上がらない訳がないエキサイティングな対話集である。取り組む立場は違えど、ともに「言葉」を大事に取り組む二人の底での認識は共通する。対話集なので言葉は平易だが、行間に流れる言葉は深い。何回か出てくるが、「コロナが明らかにしたのは、日本の感染症対策の脆弱さもだけど、性差別、性被害の問題ですね」と、出るべくして出た本であり、性と暴力だけでなく、性差別も考えるヒントが満載であった。

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    2022年05月29日
  • 言葉を失ったあとで

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    「愛着障害」や、イメージが一人歩きしている言葉をちゃんと否定してくれていて良かった。言葉は当事者を救うものでなきゃ。

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    2022年05月19日