【感想・ネタバレ】裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たちのレビュー

あらすじ

それは、「かわいそう」でも、「たくましい」でもない。この本に登場する女性たちは、それぞれの人生のなかの、わずかな、どうしようもない選択肢のなかから、必死で最善を選んでいる。それは私たち他人にとっては、不利な道を自分で選んでいるようにしか見えないかもしれない。
上間陽子は診断しない。ただ話を聞く。今度は、私たちが上間陽子の話を聞く番だ。この街の、この国の夜は、こんなに暗い。
――岸政彦(社会学者)
沖縄の女性たちが暴力を受け、そこから逃げて、自分の居場所をつくりあげていくまでの記録。

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ネタバレ

なんで少女たちは裸足で逃げなければならなかったのか。沖縄に限った話じゃなくて、私たちにもきっと関係がある。
援助者である上間さんに少女たちが会えたことにほっとする。人生の中で、信頼できる人に会えること、その人からやさしい言葉をかけられることが、その後のしんどい出来事に立ち向かう力になるんだと思う。

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2025年10月20日

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沖縄に生きる女性たちにとっての日常的な選択、あるいは選択肢さえも見当たらない、その実態を描く。ショッキングな内容だが、読んでいて最初に流れ込んでくる感情は悲しみ。二胡の響きのようなものが通底する文章。

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2025年10月14日

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勝手にラブ&リスペクトしている岸政彦さんの『調査する人生』で岸さんと上間陽子さんとの対談を読んで、上間さんのことも同じくらい全力でラブ&リスペクトしていこうと決めた。
社会学者として第一線で活躍されていながら、自分のやり方は本当にこれで正しいのかと悩んだり、ずっと悔やんでいる過去の「失敗」があることを明かしたり、同僚への圧倒的な尊敬の念を吐露したり、なんて真摯で謙虚で素晴らしい学者の方だろうと思った。
沖縄出身の上間さんは、東京の大学へ行くも現在は沖縄に戻り、主に現地の少女たちに聞き取り調査をしている。
彼女たちの多くが、十代半ばで子どもを産み、その後シングルマザーとなり、キャバクラなどの風俗店で働きながら生きている。
家族、恋人、あるいは赤の他人から突発的に振るわれる暴力によってボロボロになった自尊心を、限界間際のところでなんとか保ち、子どものため、大切な友達のため、自分の未来のため、生きている。

「自分と直接関わりのない他者」の存在は、現在ではSNSを開けば簡単に垣間見ることができる。
アフリカで飢餓に苦しむ子ども、トランプ政権復活に絶望する市民、パレスチナの戦場で逃げ惑う人々、ここ数十年で何度も廃墟にされたキーウの街並み。
短い動画を見るだけで、そのあまりの惨状に目を奪われ、一瞬にして頽落から引き戻され、何かしなくてはという気持ちにさせられることも少なくない。

『裸足で逃げる』に書かれた少女たちの苦しみは、しかし、SNSのような手法で手短に伝えることは絶対にできないだろうと思う。
「苦しみ」と書いたけれど、『裸足で逃げる』を読んでいて感じたことは、もしかしたら彼女たちの中に、自分がいま苦しい状況にあるのだという自覚自体がそこまでないのではないかということだった。
暴力も、性被害も、未成年での出産も、風俗店で働くことも、自分の身の回りにずっと普通にあったから。
親も、そのまた親も、この環境で生きてきたから。
しんどいな、体きついな、とその都度ふと思うことはあっても、この現状を今すぐなんとしてでも打破しなくては、辛くない方へ向けなくては、というような感情を持ちづらい環境であるように思えた。
もし、そうであったら。
確かに存在はしているものの、本人たちもうっすらとしか気付けていない苦しみや辛さは、手っ取り早いSNSや短い映像では、到底捉えきれない。
上間さんのように、研究をする社会学者として、また一人の人間として、彼女たちの生活に入っていき、少しずつ信頼を得て、その言葉を聞いて、頷き、認め、時には迷いながら介入し、解説や分析を加えすぎることなく文字にする、という、途方もなく地道な作業を、続けていくしかないように思った。

『裸足で逃げる』は、以前からずっと気になっていたのだけれど、以前、上間さんの『海をあげる』を読んだとき、あまりにも苦しくて、読むに至れなかった。
今回、岸さんの本に背中を押され、ついに読んでみて本当に良かった。
上間さんは現在、沖縄の若年シングルマザーを支援するシェルター「一般社会法人おにわ」の代表を務めている。
「おにわ」を応援したい気持ちが強くなって、でも今すぐ沖縄に飛んで行くわけにいかないし、行ったところでわたしには何もできないし、ということでまずは微額ながら毎月寄付の登録をした。
いつか上間さんにお会いできる機会があれば、すごく嬉しい。

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2025年09月05日

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DV+シングルマザー+キャバ嬢

打越正行『ヤンキーと地元』のように男は上下関係を女にも強いて支配しようとするが、彼女たちはそれに回収されず、被害者であり続けることで逆に人生を自ら切り開いているのが印象的

底辺の、クソどうしようもない、美しい人生

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2025年07月13日

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日本の見えない現実をインタビューと観察から描きだしている。この本に出会えたことを嬉しく思う。読者に伝わる生々しい記述は、著者のとてつもない努力と協力者によって形になった素晴らしいものだと思う。

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2025年06月06日

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読みながら思い出したのが、海街ダイアリーの作者の吉田秋生の「ラヴァーズキス」と「河よりも長くゆるやかに」という作品でした。どちらにも、性被害を受けた後、性非行に走っていた少女が出てきます。

知識として、性被害を受けた人が、その後に性行動を活発化させやすいというということは、「裸足で逃げる」を読む前から知っていました。
ただ、それはあくまで独立した知識として知っていただけで、具体的な像としては結んでいなかった。だから、そうした「知識」と、それ以前に読んでいた吉田作品のキャラクター造形は結びついていなかった。

もちろん吉田作品のキャラクターはあくまでもフィクションなのだけれど、作者の性被害というものへの解像度の高さが反映されていたことに、今回、「裸足で逃げる」を読んだことの反映として気付いた。
そもそも代表作のバナナフィッシュ含め、性被害と、そこからの(そう呼ぶべきではないかもしれないけど)回復は、吉田作品の主要テーマの一つなわけで、今更ながらの気づきではあるのだけど。

吉田作品の感想になっちゃってますが…なんかこう自分の中にある、レイプ神話みたいなものに改めて気付かされるようなところがありました。



それともう一つ、読みながら思っていたのはDVや母娘関係を巡る臨床(カウンセラー)の立場から発信を続けている信田さよ子さんの指摘(上間さんとの対談本も素晴らしいです)。

彼女は、戦時下でのトラウマ的な暴力の経験が、戦後の夫から妻ないし子への家庭内力につながっていた、という事例も少なからずあったのではないか、という。

沖縄という場で、少女や少女であったひとたちが振るわれてきた暴力は、その恋人や夫や父や兄や、あるいは客や男たちからの直接的なそれとしてだけ理解すべきものではなく、明らかに重層的なもので、しかもその層の中には、彼女たちの本当の名前すらしらない、私の無意識なそれも含まれているのだと考えざるを得ない。

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2025年05月23日

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なんとなく、読むことを恐れていたこの本は、女の子たちの置かれた厳しい現実が描かれながらも、著者のあたたかな眼差しを感じる本でした。

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2025年03月28日

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沖縄で、家庭の問題(DVなど)で生活の問題を抱えている女性の生活史調査の本。筆者自身、そうした人々を支援する立場にあるとのことなので、研究書というよりは、ある意味ノンフィクション小説に近い感覚を抱いた。

以前、読んだ岸雅彦さんの本でこの本が挙げられていたので読んでみたが、ディティールがすごい。
ィティールとは、読者との間で理解を再現しようとする試みであるが、細かい組み立てが非常に面白く、印象に残る。
私自身、知らない世界であり、そこも含めて印象に残った。

例えば、「カバンにドレスを詰め込んで」という章では、DVを受け、障害のある子を産んだシングルマザーの話だが、生まれた当時はカバンに夜職のドレスを詰め込んで看護学校に通いながら夜職でお金を稼ぎ、今では看護師になりカバンに我が子の服を詰め込んで施設を見舞いながら、看護師としてしっかり働けているという対比。
「新しい柔軟剤 新しい家族」という章では、15歳の時に妊娠し、相手からも親からも見捨てられ1人で子供を産んだ女の子が、東京からきた彫師の男の子とであい順調な生活をはぐくみ妊娠し、新しい子を産むまで。彫師が出産日に警察に捕まるなどあったが、無事新しい家族が生まれる。今では天気によって赤ちゃんの衣服の柔軟剤を変えています、というディティールを描いている。

大文字の概念枠組みで彼女たちの人生を分析するということではなく、彼女たちの見てきた景色や時間に寄り添いながら、彼女たちの人生をできるだけまとまった「生活史」の形式で残すという目的が果たされている。

勿論、この本に書かれている事例は、「綺麗にまとめられすぎている」という批判もあるかもしれない。(事例は勿論悲惨なのだが、文章的にというか、このディティール自体が綺麗に見えすぎるのかもしれない。)事実私もそう思った部分はあった。ただ、この本の目的は、岸さんの言葉を借りるとすると、「私たちが、沖縄の少女に出会わされてしまう」、ことが目的なのだと考える。意識的に関わろうとしなければ関わらない世界に対して、こうしたディティールをとおすことで、確かにその世界が存在するといった印象を強く残された時点で、この本の目的は達成されていると思う。

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2025年01月10日

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ネタバレ


貧困家庭で育つ女の子たちが売春をしたりキャバクラで働きながらなんとか生きている日々を切り取った話。

家族や友達に恵まれてなんとか暮らしていける子もいれば、この先も不安にさせる子もいて、人間関係って大切だと思う。

お友だちのお家で毎日晩御飯をご馳走になってた子がいて、そんな関係があるのは救いだなと思う。

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2024年06月08日

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ネタバレ

貧困や暴力に苦しみ育ってきた沖縄に住む6人の少女のお話。
彼女らが育ってきた環境は目を背けたくなるものばかりだが、そんな中で現状を少しでも変えようと自身で努力した1人の少女のお話は唯一のハッピエンドかに思えた。その少女の家庭環境は父親は居ないが、母親からの愛情を人並みに貰って育ったのが読み取れた。
幾つになっても家庭環境は人生において大きく影響するものだと考えさせられる一冊だった。

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2024年04月10日

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6人の沖縄の少女の物語。
丁寧で誠実な仕事・研究。
ハーマンが一箇所だけ脚注で触れられている。
正解はない。一筋縄でもない。みな幸せになって欲しい。暴力がなく、安心がありますように。

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2024年04月07日

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白状すれば私は偏見の塊で、生きる為にその選択肢しかなかった女の子達のことを考えたこともなかった。終始胸を抉られるような気持ちだった。
このジャンルはこれからも読み続けていきたい。そうしなければならない。

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2023年12月28日

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価値観が一気に変わりました。
そういうお仕事に抱いていたイメージとは裏腹に生きるために必死で働いている女性がいることを再確認できました。

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2023年11月07日

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とても感動的であり、ショッキングな内容でもある。
最初はこの書籍の多くの部分を占める会話文が読み難くて閉口したが、訛りを含んだその会話こそが真実なのだ。

東京で生まれ育った自分には別世界のような少女達の体験。
著者の根気強く優しい視線にこちらも涙が出そうになる。

真実を知り、伝えることが沖縄の現実を変えて行く原動力になって欲しい。
何か自分に出来ることはないのか?

同著者の「海をあげる」を引き続き読む予定。

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2023年10月31日

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記録上の出来事のどうしようもなさと、それでも気高く生きる(しかない)沖縄の女性たち。読んでいて居た堪れなくなってしまう。だからこそ、頼ることの大切さを身に沁みて実感するし、やっぱり自分は上間さんが書く文章が好きだと思わされる。

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2023年08月14日

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沖縄で暴力や貧困に苦しむ少女たちに関する4年間の調査と支援の記録

映画「遠いところ」を思い出しイメージしやすかったが、様々なケースを伺えることによって問題が本当に根深く存在していることを思い知らされた。
丁寧に、当事者に寄り添って、聴いて、活字化していて、通常の文章では表せないような感情がリアル。

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2025年02月24日

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迫力があって、少女達のことがグッと心に残ったルポ。どこにも居場所がなかったり、子供と生活するためにキャバ嬢になった少女たち。それぞれの暮らしの中で、必死に生きていこうとする姿と彼女たちを支えていこうとする著者の姿勢に心を打たれた。生まれてくる環境を選ぶことは出来ないけれど、彼女達が人として尊厳を持って生きていける社会にしていかないといけない。

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2025年01月28日

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ネタバレ

「海をあげる」が良かったので手に取り。著者のメイン研究ということですが…すさまじかった。
このような女の子たちの話を他でも読んだことはあったと思うけれど、何と言うか土地柄と言うか地域性もあるのかな、東京などとは少し感触が違うように感じました。
そうしなければ生きていけない、という状態の究極に追いつめられている感じというか彼女たちのような人こそをサバイバーというのだなと。

どの人の話も苦しくなりますが、鈴乃さんの話が一番自分は揺さぶられた。
そこまでよく自分を引っ張ってきたなぁと、自分だったらとても同じようにサバイブすることはできなかっただろうなぁと。当たり前の事を当たり前にさせてくれない社会に対する闘いでもあるだろう、と上間先生は鈴乃さんのことを言っているけれど社会に楯突く間も惜しいのかもしれないし、そういう風には考えてないのかもしれないとも思う。ただひたすら子供を守って愛することに全力でいるのではないだろうか。そこに自分も揺さぶられたように思う。

上間先生の話を聞く姿勢、寄り添う姿勢は時には立場を超えて全力以上にならざるを得ない時があるのでしょう。
ここにでてくる女の子たちとその子どもたち、似たような立場に今ある女の子たちが幸せになれることを願います。

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2024年10月24日

Posted by ブクログ

東京にもありそうな話だが、生ぬるい暑さやドヨーンとした沖縄ならではの雰囲気を感じながら読むと、なんだか気持ちまでドヨーンとした。家庭環境により身体を売ることしかできなかった少女たちだが、中でも1人だけ子育てしながら看護師になった子の話は感動した。

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2024年06月06日

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新聞で上間さんの文章を読んで本を読みたくなった。最初のまえがきから辛かった。でも読んでいくうちにこの子たちが前を向いて行くところに少し光が見えた。どうか引き戻されることなく穏やかに暮らせますように。

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2024年05月25日

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家族や恋人、見知らぬ男性から暴力を受けた10〜20代の少女達の居場所を、著者は丹念に調査し真摯に話しを聞いてきた。与えられた環境の中で懸命に生きる少女達の姿に心を打たれた。同じ日本で生まれていてもこれほどまでの暴力や貧困に喘ぐ人達がいる事にこの本を通して知ることができて本当に良かった。

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2024年05月09日

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まさに当時自分と同世代であった沖縄の女の子たちが、閉鎖された苦しみの中を自分だけで生きてきたことを初めて知りました。
こんなつい最近に、ましてやきっと今も、女の子たちにここまでの困難が強いられていることは、本当に心が苦しいです。

知ることから始まるけど、知るだけではだめだなと思いました。
上間さんの、海をあげるのインタビューをよく思い出します。丁寧に選び取って、慎重に心に重ねていくような、重みのある言葉。あとがきの一つ一つの言葉も頭に残っています。

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2024年03月13日

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上間陽子さんの作品、「海をあげる」に続き2作目。この作品の方が早く出版されたのだが。
「海をあげる」を読んだ後、しばらくしてNHKの100分de名著フェミニズム編で上間陽子さんが出演していた。
落ち着いた、とてもいい印象だった。
で、その後の読書なので、前回よりも好意的に読むことができた。沖縄の少女たちに寄り添うことを決意した生き方を応援したい。

研究者の本としては、自分の感想がゆるゆるに書かれているのが、前回違和感があったのだが、今回は、ま、いっか、と思いつつ読めた(笑)
上を向かないと涙がこぼれる、といった筆者の気持ちが挿入されるのが、どうも苦手ではあるが、こういう書き方が必要なのだな、とは思うので。
ちょっと緩いところもある、研究者然としていない本だからこそ、多くの読者がこの本を手に取ることになったのだろうし。

ところどころ、映画の「遠いところ」と重なった。(この映画は本当によかった)この映画で描かれているシスターフッドがここでも描かれている。殴られた後2人で撮る写真のシーン、まさしく同じようなやり方で、笑い泣きしながら、女たちは励まし合ってきたのだよね。


「ハーフザスカイ」の直後に読んだので、何度も「ハーフザスカイ」で書かれた性虐待のことを思い出した。沖縄の出来事も重く苦しいものであるのに、それが軽く思えるほどに、世界で起こっている女性の性虐待は悲惨で酷い。
この胸の痛みは知ることでしか感じることはできない。
これらの本を書いてくれる人たちに感謝です。

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2024年03月10日

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読後感がおもたいけど、現実なんですよね。また、著者の本も読んでみたいです。貧困の連鎖を社会が考えていきたいですね。

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2023年10月09日

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あまりに暴力が多すぎて読んでいてつらかった海をあげるを読んだ時と同じような感覚になったけど、人を傷つけることをなんとも思わない人(特に男)がこんなにもいると思うと絶望してしまうのにでてくる女の子はみんな強い 強がっているだけかもしれないけど懸命に生きている 絶対に幸せになってほしい なっていてほしい

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2023年09月14日

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海をあげるを手に取った時最初に感じたフィクションなのか事実なのかが今回も読んでいてずっと頭の中でグルグルしてた。圧倒的に暴力を振るう人間の多さに絶望。逃げる思考が育まれない環境なのか知識を得れないのか分からないけど今は少しでも減っていてほしい。

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2023年08月10日

Posted by ブクログ

読むものとして、インタビューの内容がそのまま書かれている部分が多いので、沖縄の方言が少し難しいなと思う部分があったが、そのまま書かれているからこそ彼女たちの心情や声が加工されていない生の声として聞こえてくるような気がした。
自分の環境とは異なる環境のもの、自分が知らなかったことは受け入れづらい部分があるものだが、なきものにせず知ることから始めようと思った。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

私は、沖縄の貧困を知らなかった。
若い少女たちが置かれた状況で自分なりに闘い、自分の人生を作ろうとする、書き手も愛に溢れた文章を書く良い本でした。
今度は、少年たちの闘いについても調べてみたいと思いました。

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2023年03月30日

Posted by ブクログ

わかってはいたけど重くて過酷。家族に苦しめられていた女性たちが子供を産み、男性に苦しめられていたにも関わらず次々と恋人を作っているところは奇妙に映るが、過酷な現実をサバイブしている彼女たちの心境と選択を外野が非難するべきではないだろう。筆者が予想よりも彼女たちと深く関わっていて驚いた。生身で飛び込まないと得られない話もあるのだろうと敬服。

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

壮絶、沖縄の男性が皆こんなんじゃないと思うけど、ここに出てくる男性は皆、平気で女性を殴る。
父親も兄も教師も彼氏も。
十代で妊娠し、離婚し(夫が働かない、挙げ句にDV)シングルマザーで子どもを育てるためにキャバクラや風俗で働く。
教師たちもすごく面倒見がよくて(ひと昔前の時代)子どもたちのことを見捨てず考えてくれてるけど、暴力は振るうらしい。
そしての暴力を受けても当たり前だと受け入れてる女たち。
読んでいて辛かった。
この著者は沖縄が地元でこの問題に目を背けず、彼女たちの力となり支えている、生半可な気持ちじゃできないと思う。
まるで別世界、異次元のことのように(まず私のまわりには皆無)感じたけど、こうやってる今も殴られている女性がいると思うとやりきれない。

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2024年06月30日

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