市川春子のレビュー一覧
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購入済み
そうきたか
この巻で一気にガラリと市川春子っぽくなった感じ。
25時のバカンスとか虫と歌とか、あの感じ。一つ一つの場面に驚かされる。しかも笑える笑
傑作だと思う。 -
購入済み
ここ10年で一番新しく美しい
他とそっくりな漫画を探せと言われても難しい。
ある程度似たようなテーマは絞れるが、
この作品を構成する組み合わせには到底近づけない。
自分の中ではここ10年で一番新しい漫画だった。
ブックライブだけで既に900冊以上は購入している。
正直漫画に対する熱が薄れていたときに素晴らしい作品に出合えてよかった。
アニメは原作を表現できてない描写もあるけれど、
それ以上に加点式で満点を超える出来栄えだった。
何よりアニメのおかげで原作を知れたので感謝しかない。
願わくばフォスたちにはハッピーエンドを迎えて欲しい。 -
Posted by ブクログ
奇想が詰まった短編集。
どれも「どうやったらこんな話思いつくの?」という意外性に溢れていてセンスオブワンダーが光るアイディアに唸らされる。
自分の指から生まれた妹に恋する少年とか虫の弟とか聞くと「?」「??」なんですが、読んでるうちにその優しくあたたかく少し哀しい世界観に引き込まれる。
設定は突飛だけど作中で描かれるのは人と人に似て非なる異形の触れ合い、魂の交流。友情だったり恋愛だったり家族愛だったり形は様々だけど、どの話でも重要なキーとなるのは誰かを慕い愛する人の想い。
特に印象に残ったのは表題作「虫と歌」。
虫から変異した弟がある日突然やってきて家族の仲間入りをするが……
ほろ苦く哀しい読後感。
最後の場面、机に突っ伏して苦悩する長兄の姿にどれほど胸を打たれたことか。
四季の移り変わりを切り取った場面が静かで美しく描写が淡々してるだけに、余命を知った上での選択が胸に迫りました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新刊だ~と喜んで買ったのですが、読んだ後その時の自分を殴りたくなるような重たい気持ちになりました…。
表紙の短髪ちゃんを見たとき、わたしもアンタークサイトが帰ってきたのか?!?!と思ったので、フォスの気持ちめっちゃわかる…。
色々と大きな変化がいくつかありまして、急に川の流れが速くなった感じなので、もうすぐ滝が現れるのかなあと思います。
想定外の方法での新キャラの出現、月人と先生の関係についての新しいヒント、月人の新しい攻撃手法、そしてこんな大事な時にフォスは耳無しならぬ頭無しになってしまったではないですか!!
話の途中で主人公の頭が変わるなんて許されるのはアンパンマンだけ!!(しかもアンパンマンは頭が変わっても顔の造形は変わらないし)
合金でできたフォスの体がフォス自身を握りつぶすところ痛々しかったし怖かったです。
腕も脚も別のものになってしまって、代えにした合金はフォス自身を追い出そうとしているし、そのうえ頭部も変わってしまってフォスフォフィライトといえる肉体は彼の中にどれほど残っているのでしょうか…。
いや、人間(宝石?)性自体残っているのかどうか。
腕やらが変わった時に記憶喪失になっていた前例がありますから、「アンタークサイトが心配」とか「先生の秘密を知りたい」とかフォスにとって重要な感情や思考しか残らず、それ以外のことはもう残っていない、もしくは0か1かみたいな極端な人(石)格になってしまってるのかもしれません。
頭部が変わるとなると、人間でいうと脳が変わるということですから、完全に性格や人格が変わってしまうでしょうが、宝石ちゃんたちはどうなるんでしょうか。
自分は何をもってして自分なのか、ということをふと考えてしまいました。
心、中身?それとも体、見た目?
フォスが謎の部屋から引っかけてとってきたゲーム盤のようなものも気になります。
オセロみたいなパズルみたいな遊び方をするんでしょうか。
あの部屋は先生の部屋?
「そうですね?」は誰に向けての言葉なのか…。
宝石ちゃんたちにバレるとまずいから証拠隠滅のため消えた…?(三角や丸のちっちゃいのは25時のバカンスのイソギンチャクちゃんたちに似てましたね)
先生がもし月人と何らかの関係があるとして、今までの不審な行動の数々からしてどうも月人より上の立場にいるように思えるのですが、それならなぜ宝石ちゃんたちへの攻撃を止めるよう指示しないのだろう?
あのゲーム盤が超!超!重要でゲーム上の宝石チームと月人チームの闘いに先生が巻き込まれてしまっているとか??(ジュマンジやん)
造ったものの終わりは考えていなかった、ゲーム盤を造った先生自身、もしくはそれを造り、先生に与えた人は勝敗や勝負のいきつく終点は考慮していなかった。
だから、永遠に闘いを続けていかなければならない。
どうすれば闘いが終わるのか、あの世界自体から抜け出せるのか先生にはわからないからどうしようもできない。
ゲーム盤と牌は先生の望みに応えて消えてくれた。
次回「フォスフォフィライト!新しい顔よ!!」
どうぞお楽しみに。
ちなみに特別版の付録エコバッグの柄にもなっている、5巻登場のもふもふわんこはどうやら「ふわもこ」という名前に落ち着いたようです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作品集としてはこちらが先で「25時のバカンス」が後になります。本来であれば古いものから読むのですが、訳あって今回は順番無視です。
25時のバカンスに漂う雰囲気が「海」・「冬」・「月」なら、こちらは「大地」・「春&夏」・「太陽」といったところでしょうか。
あちらは表紙の加工も海ぽかったのに、こっちは表紙をめくったらバッタとかカマキリとか見えて見なければよかったと思いました。
4話おさめられていますので1話ずつ感想を書きます。
「星の恋人」
「宝石の国」ではわからなかった著者の世界観というか作品の方向性を「25時のバカンス」で悟ったので、こちらも間違いなく何か爆弾が仕込まれているに違いないと用心しましたが、突然の腕を鎌で切り落とすという展開にやはり思考が一瞬停止しました。
パパが「宝石の国」の金剛先生みたい…!と思ってドキドキしたのですが、こちらは眠そうではありませんね。
つつじがホットサングリアを飲んでるコマが好きです。
「ヴァイオライト」
このお話、何度読んでも意味がわからない…。何かの物質、鉱物の名前?と思ったのですが、造語なんでしょうか。すみれ(violet)と光(light)を混ぜたのかな?
以下わたしなりの解釈です。
MIRAI AIRLINEという航空会社を経営している両親の元に生まれた未来くん(会社名はもちろん息子の名前から付けた)は修学旅行のため、お父さんがパイロットで機長、お母さんがCAを務める飛行機に乗っていた。
ところが人知を凌駕する存在が小指を引っかけたために雷が飛行機に直撃し、飛行機は空中で破裂。未来くんは空中に投げ出されてしまう。自責の念に囚われた人知を凌駕する存在は未来くんを救うべく、人に似せた偽物(天野すみれ
)を作り出し未来くんと行動させる。
未来くんを何とか灯台の近くへ導いたすみれは役目を終え限界がきたため、人としての姿を保てず消えてしまう。
しかしもう力の残っていない未来くんはよろめいて崖から落ちかけてしまう。すみれは最後の力を振り絞って何とか未来くんを助けようとするが助けられなかった。
…しばらくの後。
またもや人知を凌駕する存在はくしゃみをしてしまったか何かで嵐を起こし船を難破させてしまった。そこで再び生き残った人間を導くべく同性の偽物を作り出すが、すみれとしての記憶が残っていた彼女は未来くんを探し始めるのだった。 おわり。
お砂糖をこぼした理由は何だったのだろう。
「日下兄妹」
前半、男子高校生のやり取りが面白いですが、一転後半は切なくなって泣きそうになってしまいました。
ヒナが肩を治すと言った時、ユキが「肩はいい。10年かかって壊した」と答えるのがなぜかとても好きです。
きっと最後はこうなるとどこかでわかっていたのに、やっぱりヒナが消えてしまうのは悲しかったです。
ヒナが何を考えているのか、きっとこういう顔をしているのだろうな、というのが表情がないのにわかるというのが不思議です。
キティちゃんに口がないのは、口があると表情が決まってしまうので、人それぞれが好きに表情を解釈できるように敢えてつけていないと聞いたことがありますが、それと同じなのかもしれません。
ハラと別れる時に自分が剃った頭にマキロンを塗ってあげるヒナ優しい。
トイレに閉じこもったヒナを誘い出すシーンは天照大神が岩戸に隠れてしまった時と同じですね(笑)
「虫と歌」
表題作です。いちばん好きかもしれない。
シロウが死んでしまったときも悲しかったのですが、やっぱり歌が死ぬと分かった時が悲しかった。いや、歌も人間ではないのだとわかった時がショックでした。
詩が大学に行きたいと言った時、晃はどういう思いでやってみろと答えたのでしょうか。本当にそうなったらいいな、という気持ちだったのかたぶん無理だろうなという気持ちだったのか…。
気になるのが晃のことですが、彼は本当に人間なんでしょうか。最後、机の突っ伏していたのは泣いていたから?寿命で死んでしまった?絶望して自殺してしまった?
恐ろしいと感じるのは決して暴力的なものに対してだけでないのだと思い知らされた感じです。
ずっとあると思っていた日常が、その先の未来がないとわかったときに感じる絶望とそれらを実際失った後の余韻に漂う虚無を描くのがこの人は巧すぎる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前々から読んでみたいと思っていたのですが、宝石の国を買いに行ったら隣にこれと虫と歌が置いてあって、ピーン!ときたこちらを先に購入しました。
ビニールをはがしたら、表紙に透明な浮き出る加工がしてあってとてもきれいでした。うわあ~と声がでました(笑)
カバーを取ると、その加工の模様が描かれていてよくわかります。シャンデリアみたいです。
描き込んである緻密な絵ではないので、ちょっとわかりづらいところも正直あるのですが、もう気にならないくらいすべてがとても素敵で漂う空気がもうたまらないといった感じです。
この世界の空気を吸って生きていたい。
とても詩的で、漫画でこんな風な表現ができるのだと、普段あまり漫画を読まないからかもしれませんが、とても感動しています。
漫画も小説もだいたい一度読むとしばらくいいかな、という感じですが、これは何度も、もう何度も読み返してページをめくって一コマ一コマを丁寧に見てしまいました。
各話の最後のページの裏にちょっとした挿絵が入っているのがかわいい。わたしは「月の葬式」のよみちが小さな男の子に月のぬいぐるみ?を差し出してる絵が好きです。
3話収められていますので、1話ずつ感想を。
「25時のバカンス」
表題作です。全編と後編があり、3話の中でいちばん長いお話です。
宝石の国のふわふわわんこがとっても好きなので、ヒメに寄生した3匹(?)のイソギンチャクちゃんたちもとってもかわいくて好きになりました。
弟くんの目を見た時ドキッとしました。
海で写真を撮ってもらっているシーンのカチッという音、最初読んだときは乙女が煙草の火をつけたのだと思ったのですが、もう一度読んだときにドライバーで顔を外しているのだと気づきました。
登場人物がみんな魅力的で(それは他のお話もいっしょですが)、姉弟がいちばん気に入っていますが、次点で八木くんも高得点です。
弟の目をつくって、最高得点を射止めたまま粉々にされるところまでが乙女の考えだったのかな、と最後の夕陽に照らされるシーンを見て思いました。
あっ今読み返したらヒメに寄生したのはイソギンチャクではなくどうやら貝のようです。
「パンドラにて」
教科書ぐらいでしか読んだことないのですが、星新一みたいなお話です。
ナナが服を脱いで罰(×)をつけられるシーンにドキッとし、切り分けられたイチジクのミルフィーユのようなもの(もしかしたらトリュフかも)の層が気に入ってしまい、見開きのダンスのシーンがとてもきれいで見とれてしまいました。
ロロもといクアドラが飛び降りたあと、ページをめくればナナと再会するか、哀しい顔で去っていくナナを見送っているのだと思ったのに、まさかあんなことになるとは。
「新しい星で新しいダンスパーティーをしましょう」
いつかどこかで使いたいセリフ。
「月の葬式」
3話の中で唯一男性が主人公のお話です。
ボタンがカラーンと落ちた次のページ、服を捲り上げた体を見て何が何だかわからなくなってしばらく混乱しました。この漫画の中で一番ショックでした。
すごくグロテスクで気持ち悪い。でも美しい。見たくないけど見たい。でもそのうち見られなくなりそう。
リモコンを見つけてもう死んでしまったと思ったから、穴だらけになっても生きていてよかった。しかも治せる!ほっとしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「25時のバカンス」
中身を食べられて貝殻になったお姉ちゃんと片目が赤い弟のお話。
幸せになってくれ。
「パンドラにて」
宇宙にあるお嬢様学校の不良生徒と、無口な新入生とのお話。
ラストがいまいちすっきりしないが、好きな人は好きそう。
「月の葬式」
医者志望だった天才男子高校生と、病気を煩っている月の王子様のお話。
体の皮膚がボタンになっちゃうってかわいいけど、結構グロい病気が印象的。
本当に兄弟ぽい2人が見てて寂しい気持ちになっちゃう。
もー市川さんの作品って本当に人間だけの物語が無いよね(笑)
いつも人間じゃないのが出てくるから面白い。 -
Posted by ブクログ
面白い・・・が、時々、読み返していると怖くなる時がある、この『宝石の国』の世界観に惹きこまれ過ぎている自分が
ストーリーの質が異様に高いからこそ、私はこの作品と、市川先生を推している訳だが、どちらかと言うと、私は話の内容よりも色使いに惚れているな、うん
基本、カラーなのは表紙と裏表紙、申し訳ない程度に登場人物で少々
本編は白黒だ
でも、それだけで、市川先生の色彩センスの高さがズバ抜けている、と肌で感じられる
ここまで、キラキラしている色を塗れるのは、数多い青年漫画家でも、市川先生を含めて一握りだろう
また、謎が明かされる毎に、それよりも大きな謎が目の前に出現する、まるで悪意って名称の、同じ形が一つとしてないパーツを組み立てて作ったトラップもしくは時限爆弾めいたストーリーを支えている、フォスフォフィライトたち、キャラクターの存在も、私の評価を高くする理由の一部分を占めているフォスフォフィライト達は、作中でこそ、人の形にこそ近しいが、あくまで、宝石で体が作られている生命体(?)だ。けど、外側や戦闘力こそ人外のそれだが、友情や自分の進むべき路、恩人への疑心で悩む様は、実に人間臭さが宿る
このチグハグさこそ、市川イズムなんだろう
正直、未だに判らなくなる時がある、この『宝石の国』から何を学ぶべきか、を
美しい友情だろうか、自分の就いた職に対して持つべき誇りだろうか、自分の意思に反して得る羽目になった力の扱い方だろうか
その作品から漫画家の言いたい事を全て受け取れないのを承知していても、もっと、市川先生の中を覗き込みたい、覗かせろ、もっと曝け出せ、そんな衝動に駆らせる、『宝石の国』、ホントに凄まじい作品だ
この5巻もまた、引きが実に上手く、単行本派の私としては絶対に買わねばならなくなった(笑)
これからが、ますます楽しみでしょうがない
一日でも早く、アニメ化して欲しいもんだ
講談社は新たな名作アニメを生み出す力くらい持っている、と勝手に期待させてもらっている
アニメ化が叶ったなら、できりゃ、巻末のオマケ漫画も、ちゃんと動画にして欲しいな。これがあってこそ、『宝石の国』なわけだし
お勧めの話は、第三十四話「反転」だ。決して、スカッともしないし、面白可笑しい回じゃない。どちらかっつーと、暗いかな、フォスフォフィライトが「真実を見極めたい」って欲求に飲まれ、危うく、トモダチをまた失いかけた事で深い自己嫌悪に陥るから。でも、その自分を責める様にこそ、読み手を魅了するモノがある
この台詞を引用に選んだのは、フォスフォフィライトの進む道、歩み方が、この世界に何を齎してしまうか、を暗に示しているように感じたので。正しい、は「正しい」だけであって、イイも悪いもない。人を救いもすれば、人を傷つけもし、何も変えないことだってある。だからこそ、「正しく」あるには、自分を厳しく律し、他人に自分を戒めてもらう必要があるんだろう