あらすじ
自分の指から生まれた妹への感情を綴る『星の恋人』。肩を壊した高校球児と成長を続ける“ヒナ”との交流が胸を打つ『日下兄妹』。飛行機事故で遭難した2人の交流を描く『ヴァイオライト』。そして、衝撃の四季大賞受賞作『虫と歌』。深くてフシギ、珠玉の4編を収録。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読むたびに色々気がつく…そして味わいがかわる素敵な作品集。
「日下兄妹」「虫と歌」がお気に入り。
…生きてよかった…好きでよかった…この作品集に出会えてよかった…市川春子さんありがとう。
ぜひ〜
Posted by ブクログ
細い線、一見やわらかに見えるキャラクター、なのに、度肝を抜く圧巻の世界観。 やわらかな風と思って吹かれているうちに、やがて全て薙ぎ倒される様な。市川春子作品の、呆然の中に不思議なあたたかさを残す読後感に、すっかりと虜になっている。
Posted by ブクログ
市川春子先生は宝石の国で知りました。絵柄やお話のファンタジー感が好きで購入したものです。
どれも素敵な話で、読み終わりたくないな……とずっと思っていました。記憶を消してもう一回読みたい!!
Posted by ブクログ
曲線が多いのでふわふわして見える。
人物の書き込みが少ない。それになんかシャープで洗練された、骨って感じの書き方でなんかかっこいい。いい意味で人間味を感じないというか。
筋肉とか自然物の描写が細かくて人物画とのギャップで謎のリアリティ?世界観?が生まれている気がする。
筋骨隆々って感じの男の人が出てこないのはなんでだろう。タイプじゃないのかな。セーラームーンとか少女漫画に出てきそうなくらい華奢な人物しかいない
個人的にはヴァイオライトが好き。
雷の化身的なにかが脆い人間を哀れに思って助けようとするけど、結局主人公はそれの輝きで焦げちゃうってオチ。
けっこうシビアな内容なのに会話がコミカルかつ詩的でテンポよく話が進む。ちょっとわかりにくい
市川春子さんは見せたいものがクリアーにあってだから話の構造や流れにスッキリしているのかもしれない。
砂糖の下りはどういうことなんだろう。
未来はなにしようとしたんだ。
食べてる?砂糖を?すみれの手を食べた?
触れ合おうとしたのかもしれない。
超自然的ななにかと、でもお互いに触れ合うことができないのが切なくて、悲しくて
て感じですごくエモい。最高!
匿名
束の間の思い出短編集
人と人ではない生命、彼らが近づいてほんの少し分かり合えたかと思うと離れてしまう。その束の間の思い出を紡いだ短編です。
「世界の95%はわかっていない」というセリフが出てきますが、その一部が人間と意思疎通できたならこんな風なのかもね、と示唆されているように感じました。
細かなところにもさらっと意味が隠されています。ぜひ大きな画面で読んでほしいです。
Posted by ブクログ
日下兄妹の話がとても気に入っています。この話なら子供に読み聞かせれるかと挑戦しましたがまだ少し早かったようです。市川さんの作品はどれも好きですが個人的には虫と歌がお気に入りです。
Posted by ブクログ
不思議で寂しく、とても綺麗なお話の詰まった短編集でした。
なんとなくの想像ですが、どの作品も出会いと別れをテーマの一つに据えて描かれているような気がします。
それがただ悲しいだけのものではなく、残った人の心に一生残り続けるような出会いと別れ、そんな印象を受けました。
絵が綺麗やぁ。
どの作品も美しい
宝石の国で市川先生を知りましたが、短編でも素晴らしい世界観を描いていて感動しました。
むしろ、長編よりも好きかもしれない。
人間では無い者の話の短編集。
おまけ以外はどれも切ない話ですが笑い所も結構あって読みやすいです。
1回読んだだけでは分かりにくいですが、何回も読みたくなります。
Posted by ブクログ
各話、優しさを感じる面があるが、草花や虫等、小さな生物の営み、海や星それらが持つ美しさに人間が組み合わされた数々の物語に生命の儚さや脆さを感じ、胸が締め付けられるような読後感があった。
Posted by ブクログ
ジャンルはSFだろうか。
この作者はキャラクター重視の作画で、メカは登場するが綿密には描かない。
女性作家故に機械には関心がないのだろうか。
この作品集のテーマは「人と人外の疑似家族」ではなかろうか。
Posted by ブクログ
奇想が詰まった短編集。
どれも「どうやったらこんな話思いつくの?」という意外性に溢れていてセンスオブワンダーが光るアイディアに唸らされる。
自分の指から生まれた妹に恋する少年とか虫の弟とか聞くと「?」「??」なんですが、読んでるうちにその優しくあたたかく少し哀しい世界観に引き込まれる。
設定は突飛だけど作中で描かれるのは人と人に似て非なる異形の触れ合い、魂の交流。友情だったり恋愛だったり家族愛だったり形は様々だけど、どの話でも重要なキーとなるのは誰かを慕い愛する人の想い。
特に印象に残ったのは表題作「虫と歌」。
虫から変異した弟がある日突然やってきて家族の仲間入りをするが……
ほろ苦く哀しい読後感。
最後の場面、机に突っ伏して苦悩する長兄の姿にどれほど胸を打たれたことか。
四季の移り変わりを切り取った場面が静かで美しく描写が淡々してるだけに、余命を知った上での選択が胸に迫りました。
Posted by ブクログ
市川春子さんの作品の、漫画ならではの表現。本当に凄いなぁと思う。
前回読んだ時はあまり漫画に慣れてなかったのか若かったのか、ところどころで意味を解することができてなかった部分があった気がする。
今、やっとしっくりくる形で読むことができて、地味に感激している。
Posted by ブクログ
作品集としてはこちらが先で「25時のバカンス」が後になります。本来であれば古いものから読むのですが、訳あって今回は順番無視です。
25時のバカンスに漂う雰囲気が「海」・「冬」・「月」なら、こちらは「大地」・「春&夏」・「太陽」といったところでしょうか。
あちらは表紙の加工も海ぽかったのに、こっちは表紙をめくったらバッタとかカマキリとか見えて見なければよかったと思いました。
4話おさめられていますので1話ずつ感想を書きます。
「星の恋人」
「宝石の国」ではわからなかった著者の世界観というか作品の方向性を「25時のバカンス」で悟ったので、こちらも間違いなく何か爆弾が仕込まれているに違いないと用心しましたが、突然の腕を鎌で切り落とすという展開にやはり思考が一瞬停止しました。
パパが「宝石の国」の金剛先生みたい…!と思ってドキドキしたのですが、こちらは眠そうではありませんね。
つつじがホットサングリアを飲んでるコマが好きです。
「ヴァイオライト」
このお話、何度読んでも意味がわからない…。何かの物質、鉱物の名前?と思ったのですが、造語なんでしょうか。すみれ(violet)と光(light)を混ぜたのかな?
以下わたしなりの解釈です。
MIRAI AIRLINEという航空会社を経営している両親の元に生まれた未来くん(会社名はもちろん息子の名前から付けた)は修学旅行のため、お父さんがパイロットで機長、お母さんがCAを務める飛行機に乗っていた。
ところが人知を凌駕する存在が小指を引っかけたために雷が飛行機に直撃し、飛行機は空中で破裂。未来くんは空中に投げ出されてしまう。自責の念に囚われた人知を凌駕する存在は未来くんを救うべく、人に似せた偽物(天野すみれ
)を作り出し未来くんと行動させる。
未来くんを何とか灯台の近くへ導いたすみれは役目を終え限界がきたため、人としての姿を保てず消えてしまう。
しかしもう力の残っていない未来くんはよろめいて崖から落ちかけてしまう。すみれは最後の力を振り絞って何とか未来くんを助けようとするが助けられなかった。
…しばらくの後。
またもや人知を凌駕する存在はくしゃみをしてしまったか何かで嵐を起こし船を難破させてしまった。そこで再び生き残った人間を導くべく同性の偽物を作り出すが、すみれとしての記憶が残っていた彼女は未来くんを探し始めるのだった。 おわり。
お砂糖をこぼした理由は何だったのだろう。
「日下兄妹」
前半、男子高校生のやり取りが面白いですが、一転後半は切なくなって泣きそうになってしまいました。
ヒナが肩を治すと言った時、ユキが「肩はいい。10年かかって壊した」と答えるのがなぜかとても好きです。
きっと最後はこうなるとどこかでわかっていたのに、やっぱりヒナが消えてしまうのは悲しかったです。
ヒナが何を考えているのか、きっとこういう顔をしているのだろうな、というのが表情がないのにわかるというのが不思議です。
キティちゃんに口がないのは、口があると表情が決まってしまうので、人それぞれが好きに表情を解釈できるように敢えてつけていないと聞いたことがありますが、それと同じなのかもしれません。
ハラと別れる時に自分が剃った頭にマキロンを塗ってあげるヒナ優しい。
トイレに閉じこもったヒナを誘い出すシーンは天照大神が岩戸に隠れてしまった時と同じですね(笑)
「虫と歌」
表題作です。いちばん好きかもしれない。
シロウが死んでしまったときも悲しかったのですが、やっぱり歌が死ぬと分かった時が悲しかった。いや、歌も人間ではないのだとわかった時がショックでした。
詩が大学に行きたいと言った時、晃はどういう思いでやってみろと答えたのでしょうか。本当にそうなったらいいな、という気持ちだったのかたぶん無理だろうなという気持ちだったのか…。
気になるのが晃のことですが、彼は本当に人間なんでしょうか。最後、机の突っ伏していたのは泣いていたから?寿命で死んでしまった?絶望して自殺してしまった?
恐ろしいと感じるのは決して暴力的なものに対してだけでないのだと思い知らされた感じです。
ずっとあると思っていた日常が、その先の未来がないとわかったときに感じる絶望とそれらを実際失った後の余韻に漂う虚無を描くのがこの人は巧すぎる。
Posted by ブクログ
「星の恋人」
自分の指から別の人ができるとは思わないわな。お父さんがイケメンです。
「日下兄妹」
一番好きかも。妹が欲しくなるお話。
「ヴァイオライト」
ラストがすっきりしないかも。ん〜〜〜?とちょっと考えるお話。悲しいお話。
「虫と歌」
世界がこうしてできていたら面白いかも。
と思いつつ、真実を知ってしまうと、悲しさと理不尽さに悲しくなってしまう。
Posted by ブクログ
とても深い物語ばかり。好きです。
根底にあるのが、人の愛の物語な気がする。優しさと切なさが苦しい。
根からの悪人が出てこない。でもだからこそ、なんだかやるせない。
大切にします。
Posted by ブクログ
今までに聞いたことのないようなセリフ回しなのに妙にしっくりくる
必要最低限の線で書かれた人物たちが必要最低限の言葉で重大なことを軽く喋ってしまうシュールさ
作中の言葉を借りるならば市川先生の漫画は99%の見えないもので構成されてて残りの1%がこちらに向かってキラキラと光っているんだと思う
Posted by ブクログ
とても良かったです!!登場人物みんなかわいらしくて最後の二話は感動しました!暖かかったです。日下兄弟が一番好きです。始めは気持ち悪いと思ってたんですが…
虫は苦手なものの25時のバカンスより気持ち悪さが無く、すっきり読めました。こちらの方が私にはあってるかな。
Posted by ブクログ
植物 に人の細胞を植え付けて生まれた少年と、彼の薬指から生まれた少女(星の恋人)。たった一人だけでも助けたかった雷の化身(ヴァイオライト)。恩返しのために孤独な少年の妹になった流れ星のかけら(日下兄妹)。天才科学者が作った人型昆虫のこどもたち(虫と歌)。
特別製で偽物のもろい命と、彼らをめぐる愛についての短編集。
ふしぎワールド全開
この作者の漫画は初めて読んだ。
短編集とのことで、1話目から度肝を抜かれたが、どの作品も同じようなふしぎワールドが広がっていて、読むうちにだんだん心地良くなってきた。
(そしてオチも読めるようになっていった)
あっさりとした絵柄と、文体と口語体がほどよく混ざったふしぎな言い回し、なんとも独特な世界だと思う。
サンプルでは一話目がほとんど全部読めるので、サンプルを読んで良いと思ったら買うべきだと思う。
逆に、サンプルの時点で合わないと感じたらオススメしない。
個人的に好きなのはタイトルにもなっている『虫と歌』。
Posted by ブクログ
ちゃんと読まないとなんというか逃してしまうんだけど、面白い作品だった。
星の恋人、が結構好きで、設定がよかったな。なんとなく全体的に寂しい感じがするのはなんでなんだろう。
Posted by ブクログ
人のまねの出来ない科学的発想と軽やかな描線、人を喰ったキャラ、そして真面目な生命の謎に対する探求である。社会性がほとんどない分、その射程は遠くまで届くだろう。
Posted by ブクログ
日下兄弟、が一番分かりやすく好きになりました。何度も何度も読んで他の話も理解できてきた、かな。
表題の『虫と歌』が非常に切ないです。
でも暖かいです。
全体的に会話のテンポが良い。
Posted by ブクログ
残酷で、後味は決して良くないのに、それでいてどこか優しくて、折に触れて読み返したくなる。
そんな不思議なエピソードばかりの短編集。
個人的には「日下兄妹」が一番好きです。
Posted by ブクログ
「星の恋人」
「ヴァイオライト」
「日下兄妹」
「虫と歌」
読む人によって解釈の違いはそうないが得るものは違うと思う。
作者が賢いのか賢くないのかよくわからない。
空気を作るのが上手い。
文字を使わずに世界を表現できるのは素晴らしいと思う。
「日下兄妹」が一番好き。
帯(裏表紙側)に書いてある各作品のあらすじがセンスない。なんか漫画の雰囲気と方向性が違う。
Posted by ブクログ
奇想天外かつ、ちょっとしっとりした作風。
数少ない短編漫画の佳作だと思う。
もっとさっぱりしたのがいい人は九井諒子の短編集や「世界八番目の不思議」などがいいかも。
Posted by ブクログ
初めて読む作家さんですけれども、割かし良かった! かと存じます…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
色々な短編が入っているんですけれども、タイトル通り、昆虫やら花やら…ともかく自然に関わることが出てきて喋ったり踊ったりするような? 若干ファンタジー要素も含んだ作品群だと思うんですけれども、個人的にはファンタジー要素というのは苦手なんですけれども、これは割かし早い段階で馴染めましたかねぇ…。
↑ファンタジー要素はあるんだけれども、根は地面に…というか現実に下ろしてるよ、みたいなところが僕の気に入ったところでしょうか…思わず涙してしまうやうな…そんな場面もあったかと思うんですけれども、感受性が鈍磨しているせいなのか、僕は泣けなかった…
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、再読必至の本だと思います! 一読しただけだと絵がちょっと分かりにくい? というか、あまり見慣れないタイプの絵なので混乱するかと思います…ので、やはり再読を…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー