布施英利のレビュー一覧

  • 現代アートはすごい デュシャンから最果タヒまで

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    美術は好きなつもりでいたけど、なんてこった…
    現代アートがすごい、すごすぎてわからない。

    哲学をしているとよく、「哲学なんて難しそう」「そんなことして何になるの?」みたいなことを聞かれる。

    わたしとしては、「哲学するのが好き」「気づいたらやっていた」という感じだから、そこに利益も結果もない。「好き」に理由はないのと同じで。

    そんな自分が、現代アートに対して、自分がかけられていた言葉を掛けずにはいられない笑

    アーティストってすごい。。

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    2025年11月25日
  • 人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~

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    美術解剖学研究者である著者のリマスター版文庫。人体という不思議に迫った第一部と、芸術からそれらを振り返る第二部。三木成夫という解剖学者のワンダーな感じと、人体……生物の身体にそもそも備わっている自然を言語化すること、とても面白く読んだ。ヘッケルの言葉「個体発生は、系統発生を繰り返す」が染み渡った一冊。

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    2024年04月17日
  • 養老孟司入門 ――脳・からだ・ヒトを解剖する

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    『養老先生がその中の一ページを開く。内臓を取り去った解剖体が描かれている。「布施くん、ここにハエが止まっているだろう」養老先生は、その解剖体の男の、足にかけられた布の部分を指す。たしかに、左足の付け根あたりにハエが一匹、描かれている。「どうして、ここにハエがいると思う。考えてみなさい」それが養老先生のアドバイス法だ。あとは、自分が答えを出すしかない』―『序章 ― 一九八五年』

    養老孟司の著作は少なからず読んできたので、本書で布施英利が整理分析する養老哲学について違和感はない。平易な言葉で、かつ、論理的に、養老孟司が数多くの著作で記してきた少し急いたような論理展開について解きほぐす作業は、著者

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    2021年03月18日
  • 構図がわかれば絵画がわかる

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    「美術の見方を,身につけたい。いったい,何を学んだら,美術はわかるのか。大学を卒業した私は,美術史の研究には進まず,他の分野から美術の核心に迫る道を歩み始めた。美術史とは別の方法で,「美術の理論」をかたちにしたい。そう考えながら。ともあれ,あれから30年。いま,こんな本がある。」(おわりに より)

    美術について構図から見てみようといった感じの本。ところどころ著者のこだわりがみられる,特に仏像と美術解剖学についての掘り下げが深い(この辺は養老孟司に師事した影響が強いのだろう)。

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    2021年02月15日
  • 藤田嗣治がわかれば絵画がわかる

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    白を貴重にした美しい裸婦。

    愛らしい子猫。

    幻想的な風景画。

    若き日にパリで最も名声を博した日本人画家 藤田嗣治。

    おカッパ頭。
    丸メガネ。
    ちょび髭スタイル。

    芸術の都パリで時代の寵児となった彼は、太平洋戦争を前に帰国。

    従軍画家として戦場に立ち、戦争画を描き続けた。


    終戦後は日本を去り、ニューヨークを経由してパリに戻り、フランス国籍を取得。
    カトリックの洗礼を受け、美しい宗教画も多く残した。

    そして、二度と日本に戻ることなくその生涯を閉じた。

    パリの革命児なのか。

    悪の戦争画家なのか。

    丹念な取材と、美術の基礎知識、そして歴史的背景を丁寧に噛み砕いていく。

    「藤田

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    2018年10月29日
  • 色彩がわかれば絵画がわかる

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    勉強しなきゃと思っていた色彩学の基礎。
    しかし、色相環だの補色だのなんだのと、耳にしたことがある言葉が出てきた途端、なぜか興味を失ってしまった。

    そんな色彩学の基礎を洗い出すように説明してくれていて、ゲーテや利休に触れたり、著者の体験談などが過不足なく混じっていて最後まで興味をもって読み切ることが出来た。

    特に、色彩学の観点から見た絵画の解説は面白い。
    今まで説明されてきたことが、絵画解説によってある意味実践というような形で理解できる。

    色を学ぶ第一歩の時に、この本に出会えてよかったと思う。

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    2015年04月09日
  • 構図がわかれば絵画がわかる

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    同じ著者による『色彩がわかれば絵画がわかる』が面白かったのでこちらも読んでみました。さすがの安定感、高いクォリティで、両方読むと絵画の「色と形」がわかるようになっています。

    本書の素晴らしい点は、著者の美術に対する姿勢。あとがきにそのあたりがよくあらわれています。

    (引用注: 著者の美大生時代の考えとして)何百年も昔の絵であっても、いつでも「今」それがすばらしい。それは歴史とは無関係だ。(中略)
    そこで私はこう考えた。歴史の中に美術はあったが、しかし美術の中に歴史はない。(中略)
    ならば、美術史という方法論では、美術の本質はとらえられない。(中略)
    美術史とは別の方法で、「美術の理論」を形

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    2014年07月28日
  • 色彩がわかれば絵画がわかる

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    絵を見るときだけではなく、生きているときの色の見え方が変わる。著者はとても丁寧に「色とは何か」を「言葉を尽くして」説明しているから。
    著者曰く「 色は、言葉で見るものだ」(p.178)。
    私たちは目で見ているのではなく脳で色を見ている。網膜に届いた光はそのままでは単なる刺激でしかない。それを意味のある形や色や輝きや質感のある何かに統合しているのは脳の働き。
    色を誰かと共有するには、描いて再現するか言葉で再現するかしかない。言葉で受け取った色を感じることができるのも言葉の力。
    ふむ。
    とはいえ、本人の名誉のために付け加えると、著者は脳内「だけ」で何かわかったつもりになることは厳しく戒めている。体

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    2014年02月25日
  • 構図がわかれば絵画がわかる

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    久々に面白い新書だった。「構図」と題してる割にそれ以外の叙述が多く、賛否が分かれると思う。個人的には、釈迦の生涯といった脱線振りが良かったけど、純粋に絵画鑑賞の案内書を求めている人には納得できないかもしれない。絵画の書籍というより、美術との向き合い方を紹介した本というべき。
    でも、これを読んで益々東博の円空展を見にいきたくなってしまった。

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    2013年02月04日
  • 人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~

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    人体の捉え方が独特。文章は面白いが理解となると案外難しく思えた。多分自分が読解できていない。
    再読が必要なり。

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    2025年06月22日
  • 人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~

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    芸大で三木成夫の教え子で、東大で養老孟司の研究室出身という美術解剖学教授による、三木の世界の解説とそれを美術に応用したもの

    前半は、凄まじく興味深い次元の三木世界が読み易くまとまっている。
    後半は、美術や作品などの解説が見事に絡んでいてる。

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    2025年06月11日
  • 現代アートはすごい デュシャンから最果タヒまで

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    デュシャンからはじまるという現代アート。その代表的な作家をあげて、わかりやすく説明されている。知っている作家もあれば、知らない作家あって面白かった。しかし、素人としてはどんな作品かを知らないものが多く、口絵も少ないため説明が頭に入ってこなかったりした。もちろんネット検索すれば出てくるが、最後の方はバテ気味で読み終えた。
    以下の点は、まだ消化できずにいる。
    ・デュシャン以降、絵画は死んだ。しかし、その後に来たものはやはり絵画だった(ダミアン・ハースト『桜』、ゲルハルト・リヒターのくだり)。
    ・サブタイトルの「デュシャンから最果タヒまで」。そして、最果タヒからデュシャンに繋がる、と本書は締められて

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    2024年05月17日
  • 人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~

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     これはすごい本でした。私たちの体の中には5億年の脊椎動物の歴史が詰まっている。動物を裏返すと植物になり、動物の体内には植物的な世界があるという。
     私たちは12という数字をよく使っているが、脳幹の領域には12対の神経が出入している他にも胸椎は12、頸椎7と腰椎5は合計で12、など12という数字は体の中に潜んでいる。そもそも生命は一本の管から発展しているので、人間も一本の管が発達したものだ。
     ダーウィンの進化論だけではこれだけ多様で複雑な生命態様を説明することができないと考える人も多いが、私たちはもともと一本の管であり、これから魚やトカゲや猿になり人間となったということも、魚の鰓が退化して首

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    2024年05月14日
  • 色彩がわかれば絵画がわかる

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    色彩の成り立ちや歴史,絵画における実践例について書かれた本で,理論についてはいろいろ羅列してある感じ。気軽に読める本である。

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    2021年02月20日
  • ダ・ヴィンチ、501年目の旅(インターナショナル新書)

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    美術に詳しくなくとも、著者とともに旅行&鑑賞をしている気分で楽しく読むことができた。
    ただ作品を見るだけでは、なんとなく好きか嫌いか、すごいかそうでないか、しかわからない。しかし、その背景、作者の生い立ちや、絵画に込められた想いやストーリー、技法を知ると、美術は科学的でもあり哲学的でもあることがわかる。すると、鑑賞の価値は全く違ったものになる。
    自身もそうだが、美術の良さがイマイチわからない人たちには、前提となる知識不足が原因だ。闇雲に作品をつくらせる、美術史を暗記させるだけの日本の学校教育を変え、アートを楽しむための素養を身につけさせる必要があると感じた。
    ダ・ヴィンチの作品を楽しむための視

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    2020年09月10日
  • 構図がわかれば絵画がわかる

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    絵画において構図はかなり重要な要素を占めている。しかしながらその構成要素を理解してその観点から見るということはなかったので今後活用したい知識。
    垂直線、水平線、対角線、円や三角形といった形などの平面的要素、一点から三点まである遠近法、二から四次元などの奥行き、光と色、人体や解剖学。構図に直接的に関係しない仏教美術に関する知識は、それをここに入れることが本としての構図として見本を示しているとのこと。

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    2020年01月05日
  • 「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか

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    美術解剖学なるものを教える著者による作品。
    絵を描くときに人体の構造(骨格と筋肉)を知っているか知らないかではキャラクターの質感や存在感に大きな差が現れるため、芸術の分野でも解剖学を学ぶらしい。
    皮膚がない筋肉だけの人体模型かっこよすぎん?いろんな筋肉が重なって出来上がる人体の造形美に改めて感動した。
    個人的に進撃の巨人も愛読していたからこんなに細かいところまで考慮して描写していたのか、と驚いた。

    次の本でもっと詳しい人体の構造を学びたい

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    2019年11月16日
  • ヌードがわかれば美術がわかる(インターナショナル新書)

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    戦隊ヒーローの「スーツは尻が命ですから。」って爽やかな台詞が話題になったドラマがあるようですが、「ヌード像でお尻を見るときは、大腿筋や脂肪ばかり見ていないで、その奥にある骨格も想像して味わうと、趣が深い。(230頁)」って、この本もなかなかディープな世界ですね。
    ちなみに私は、大腿筋に注目する境地にも達しておりません。
    絵や彫刻を見る目線が少し変わったかも。

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    2019年03月15日
  • 藤田嗣治がわかれば絵画がわかる

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    藤田嗣治のことだけでなく、
    絵の見方がわかったのはよかった
    とても面白い本です
    絵画にハマりそう

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    2018年12月22日
  • 色彩がわかれば絵画がわかる

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    あの独特な髪型の、布施先生の色彩学についての本。

    色の三原色とか、三属性(明度、色度、彩度)とかは、どこかで見知っていたことだ。
    でも、ここにはそれ以上のことがある。

    心理学者カッツによる、色の現れ方の九分類。
    表面色、面色、空間色なんていう概念が出てくる。
    布施さんの説明は、本書だけにとどまらずとても明晰なのだが、その布施さんの説明でさえ、頭がでんぐり返りそうになる概念なのだ。
    表面色は、物の表面についている、私たちが目にしている色。
    空間色は、透き通っているけれど色がついているもの―例えば色水のようなもの。
    これら二つは質感を伴うものだが、これに対して面色は物の質感のない、「空間そのも

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    2017年12月16日