布施英利のレビュー一覧

  • 人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~
    美術解剖学研究者である著者のリマスター版文庫。人体という不思議に迫った第一部と、芸術からそれらを振り返る第二部。三木成夫という解剖学者のワンダーな感じと、人体……生物の身体にそもそも備わっている自然を言語化すること、とても面白く読んだ。ヘッケルの言葉「個体発生は、系統発生を繰り返す」が染み渡った一冊...続きを読む
  • 養老孟司入門 ――脳・からだ・ヒトを解剖する
    『養老先生がその中の一ページを開く。内臓を取り去った解剖体が描かれている。「布施くん、ここにハエが止まっているだろう」養老先生は、その解剖体の男の、足にかけられた布の部分を指す。たしかに、左足の付け根あたりにハエが一匹、描かれている。「どうして、ここにハエがいると思う。考えてみなさい」それが養老先生...続きを読む
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    「美術の見方を,身につけたい。いったい,何を学んだら,美術はわかるのか。大学を卒業した私は,美術史の研究には進まず,他の分野から美術の核心に迫る道を歩み始めた。美術史とは別の方法で,「美術の理論」をかたちにしたい。そう考えながら。ともあれ,あれから30年。いま,こんな本がある。」(おわりに より)
    ...続きを読む
  • 藤田嗣治がわかれば絵画がわかる
    白を貴重にした美しい裸婦。

    愛らしい子猫。

    幻想的な風景画。

    若き日にパリで最も名声を博した日本人画家 藤田嗣治。

    おカッパ頭。
    丸メガネ。
    ちょび髭スタイル。

    芸術の都パリで時代の寵児となった彼は、太平洋戦争を前に帰国。

    従軍画家として戦場に立ち、戦争画を描き続けた。


    終戦後は日本...続きを読む
  • 色彩がわかれば絵画がわかる
    勉強しなきゃと思っていた色彩学の基礎。
    しかし、色相環だの補色だのなんだのと、耳にしたことがある言葉が出てきた途端、なぜか興味を失ってしまった。

    そんな色彩学の基礎を洗い出すように説明してくれていて、ゲーテや利休に触れたり、著者の体験談などが過不足なく混じっていて最後まで興味をもって読み切ることが...続きを読む
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    同じ著者による『色彩がわかれば絵画がわかる』が面白かったのでこちらも読んでみました。さすがの安定感、高いクォリティで、両方読むと絵画の「色と形」がわかるようになっています。

    本書の素晴らしい点は、著者の美術に対する姿勢。あとがきにそのあたりがよくあらわれています。

    (引用注: 著者の美大生時代の...続きを読む
  • 色彩がわかれば絵画がわかる
    絵を見るときだけではなく、生きているときの色の見え方が変わる。著者はとても丁寧に「色とは何か」を「言葉を尽くして」説明しているから。
    著者曰く「 色は、言葉で見るものだ」(p.178)。
    私たちは目で見ているのではなく脳で色を見ている。網膜に届いた光はそのままでは単なる刺激でしかない。それを意味のあ...続きを読む
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    久々に面白い新書だった。「構図」と題してる割にそれ以外の叙述が多く、賛否が分かれると思う。個人的には、釈迦の生涯といった脱線振りが良かったけど、純粋に絵画鑑賞の案内書を求めている人には納得できないかもしれない。絵画の書籍というより、美術との向き合い方を紹介した本というべき。
    でも、これを読んで益々東...続きを読む
  • 色彩がわかれば絵画がわかる
    色彩の成り立ちや歴史,絵画における実践例について書かれた本で,理論についてはいろいろ羅列してある感じ。気軽に読める本である。
  • ダ・ヴィンチ、501年目の旅(インターナショナル新書)
    美術に詳しくなくとも、著者とともに旅行&鑑賞をしている気分で楽しく読むことができた。
    ただ作品を見るだけでは、なんとなく好きか嫌いか、すごいかそうでないか、しかわからない。しかし、その背景、作者の生い立ちや、絵画に込められた想いやストーリー、技法を知ると、美術は科学的でもあり哲学的でもあることがわか...続きを読む
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    絵画において構図はかなり重要な要素を占めている。しかしながらその構成要素を理解してその観点から見るということはなかったので今後活用したい知識。
    垂直線、水平線、対角線、円や三角形といった形などの平面的要素、一点から三点まである遠近法、二から四次元などの奥行き、光と色、人体や解剖学。構図に直接的に関係...続きを読む
  • 「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか
    美術解剖学なるものを教える著者による作品。
    絵を描くときに人体の構造(骨格と筋肉)を知っているか知らないかではキャラクターの質感や存在感に大きな差が現れるため、芸術の分野でも解剖学を学ぶらしい。
    皮膚がない筋肉だけの人体模型かっこよすぎん?いろんな筋肉が重なって出来上がる人体の造形美に改めて感動した...続きを読む
  • ヌードがわかれば美術がわかる(インターナショナル新書)
    戦隊ヒーローの「スーツは尻が命ですから。」って爽やかな台詞が話題になったドラマがあるようですが、「ヌード像でお尻を見るときは、大腿筋や脂肪ばかり見ていないで、その奥にある骨格も想像して味わうと、趣が深い。(230頁)」って、この本もなかなかディープな世界ですね。
    ちなみに私は、大腿筋に注目する境地に...続きを読む
  • 藤田嗣治がわかれば絵画がわかる
    藤田嗣治のことだけでなく、
    絵の見方がわかったのはよかった
    とても面白い本です
    絵画にハマりそう
  • 色彩がわかれば絵画がわかる
    あの独特な髪型の、布施先生の色彩学についての本。

    色の三原色とか、三属性(明度、色度、彩度)とかは、どこかで見知っていたことだ。
    でも、ここにはそれ以上のことがある。

    心理学者カッツによる、色の現れ方の九分類。
    表面色、面色、空間色なんていう概念が出てくる。
    布施さんの説明は、本書だけにとどまら...続きを読む
  • 「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか
    『進撃の巨人』も読んだことがないので、幾分つらい部分もあったけれど...この人の講義はきっと面白いんだろうな、と思わされた。
    『巨人』を読んでいる人には、もっと興味深いだろう。
    まあ、今回辛うじて覚えたのが、起始と停止という言葉だったのかもしれない(苦笑)
    個人的には解剖用の献体をどうフォルマリンで...続きを読む
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    思ってた「構図」ではなかった。
    「構図」の概念みたいな事が書かれているのかな?
    絵画を見る時の視点が増えました。
    仏陀の話は興味深かったです。
  • 「進撃の巨人」と解剖学 その筋肉はいかに描かれたか
     ちくま文庫の美術解剖学の本に続き、本書を読む。前書と違い、連載マンガを題材にし、軽い(軽すぎ?)タッチで人体の仕組みを概括。特に筋肉と骨について説明する。類書を読んでたせいかさすがに、言葉とか概念は理解できてたようだが、マンガを題材というのが新鮮で、少しその理解が進んだ。他の書と大きく違う軽いノリ...続きを読む
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    絵を描くときの勉強になった。縦横三角色彩遠近法、みななるほど。マイナス★は仏陀の生涯の部分(2段組みになったところ。編集者もそう思ったんだろうな)。この本のテーマにはちょっとそぐわないか。仏像の誕生について、筆者が関心を寄せているということは分かったけど。
  • 構図がわかれば絵画がわかる
    構図。
    それはあれこれの図形をいかに画面上に配置するかという、視覚的な問題だと思っていた。

    この本を読んでその認識が変わった。
    構図は、視覚的要素のみを扱っているわけではない。

    画面左下に人影が描かれていたとき、それは単なる黒い点ではない。「人」という意味が、見る者にはっきりと伝わってくる。

    ...続きを読む