布施英利のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美術に詳しくなくとも、著者とともに旅行&鑑賞をしている気分で楽しく読むことができた。
ただ作品を見るだけでは、なんとなく好きか嫌いか、すごいかそうでないか、しかわからない。しかし、その背景、作者の生い立ちや、絵画に込められた想いやストーリー、技法を知ると、美術は科学的でもあり哲学的でもあることがわかる。すると、鑑賞の価値は全く違ったものになる。
自身もそうだが、美術の良さがイマイチわからない人たちには、前提となる知識不足が原因だ。闇雲に作品をつくらせる、美術史を暗記させるだけの日本の学校教育を変え、アートを楽しむための素養を身につけさせる必要があると感じた。
ダ・ヴィンチの作品を楽しむための視点を与えてくれたことはもちろん、美術の楽しみ方を教えてくれる読みやすい一冊であった。 -
Posted by ブクログ
あの独特な髪型の、布施先生の色彩学についての本。
色の三原色とか、三属性(明度、色度、彩度)とかは、どこかで見知っていたことだ。
でも、ここにはそれ以上のことがある。
心理学者カッツによる、色の現れ方の九分類。
表面色、面色、空間色なんていう概念が出てくる。
布施さんの説明は、本書だけにとどまらずとても明晰なのだが、その布施さんの説明でさえ、頭がでんぐり返りそうになる概念なのだ。
表面色は、物の表面についている、私たちが目にしている色。
空間色は、透き通っているけれど色がついているもの―例えば色水のようなもの。
これら二つは質感を伴うものだが、これに対して面色は物の質感のない、「空間そのものの色」なんだそうだ。
こういう実感しづらい色の感覚を見ていくと、やはり色は学習して、そのようにみるものだなあ、と感じる。
暖色、寒色などは、それを見て暖かいと感じるかどうか、正直に言って微妙だと思う。
そういうものとして、どこかで学習したものとしか思えない。
そう思いながら読み進めていくと、色は言葉で見る、ということ(つまり、言葉として分節できるものをまず認識しよう、ということ)がでてきて、はあ、やはりそうか、と納得。
赤が人にとっての根源的な色だという話も、とても印象的だった。 -
Posted by ブクログ
三原色を中心に、色彩の基本中の基本を解説する新書。
原色と補色、色相、明度、彩度といった義務教育時代に習ったことを思い出しながら読み進めることができた。解説が丁寧である。自分がいかに何も覚えていないか、基本的な知識がないかがわかる。
ただ、
とくに強烈な原色を目に焼き付ける時、頭がバランスを求めて補色を足す作用が働くという点はなるほどと思わされる。
ところで、本書は徹底的に色について解説がなされているし、多くの作品を色つきで紹介をしてくれているが、作品を鑑賞する眼はこれだけでは養われないだろう。ただ、抽象性の高い現代芸術を鑑賞する際、本書で提示されている色彩感覚がヒントになると思う。
光文社新書に羊頭狗肉はありがちだが、勉強になったからいいやという感想。