【感想・ネタバレ】人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~のレビュー

あらすじ

私たち人間のからだは、魚であった時代の名残をたくさん抱えている。たとえば、私たちの顔で表情をつくり、口を開いて声や言葉を発する筋肉も、魚だった時代の「えら」の筋肉が変化したものだ。水中で生活する魚類では、顔面に味覚を感じる細胞が集中したが、上陸に伴い、ヒトでは乾燥を避けて口の中の舌でのみ味覚を味わうようになった。――伝説の解剖学者・三木成夫の「人間の見方」を、実際に講義を受けていた著者が解説。

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Posted by ブクログ

美術解剖学研究者である著者のリマスター版文庫。人体という不思議に迫った第一部と、芸術からそれらを振り返る第二部。三木成夫という解剖学者のワンダーな感じと、人体……生物の身体にそもそも備わっている自然を言語化すること、とても面白く読んだ。ヘッケルの言葉「個体発生は、系統発生を繰り返す」が染み渡った一冊

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

人体の捉え方が独特。文章は面白いが理解となると案外難しく思えた。多分自分が読解できていない。
再読が必要なり。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

芸大で三木成夫の教え子で、東大で養老孟司の研究室出身という美術解剖学教授による、三木の世界の解説とそれを美術に応用したもの

前半は、凄まじく興味深い次元の三木世界が読み易くまとまっている。
後半は、美術や作品などの解説が見事に絡んでいてる。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

 これはすごい本でした。私たちの体の中には5億年の脊椎動物の歴史が詰まっている。動物を裏返すと植物になり、動物の体内には植物的な世界があるという。
 私たちは12という数字をよく使っているが、脳幹の領域には12対の神経が出入している他にも胸椎は12、頸椎7と腰椎5は合計で12、など12という数字は体の中に潜んでいる。そもそも生命は一本の管から発展しているので、人間も一本の管が発達したものだ。
 ダーウィンの進化論だけではこれだけ多様で複雑な生命態様を説明することができないと考える人も多いが、私たちはもともと一本の管であり、これから魚やトカゲや猿になり人間となったということも、魚の鰓が退化して首や表情筋ができたことを考えると繋がって理解することができる。「変化」する力というものは凄い力である。たとえば1ヶ月入院するだけで筋力はげっそり落ちることを考えると、使わない筋肉はすぐ退化という変化を起こすのであるから、魚が首を持ちたいと何万年も努力すれば首ができるかもしれない。
 クロマニヨン人の脳はホモサピエンスの脳よりも大きかったようであるが、脳も使わなければ退化するということは、クロマニヨン人は現代人と同等以上に脳を使っていたということなのだ。文字がない時代に、私たちが文字を読んだり書いたりして使う脳を、文字を使わない世界で使っていたということなのだ。
この本は人体には脊椎動物5億年の歴史がw刻まれていることを、わかりやすく説明してくれています。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

著者の布施英利さんは、東京藝術大学博士課程(美術解剖学)修了後、三木成夫先生の紹介で養老孟司先生の助手として東京大学医学部で解剖学を学んでいる。
美術だけでなく医学としての解剖学も学んでいるので、人体の仕組みについても詳しい。

普段、無意識にしている動作で幾つも学びがあった。

・腕は真横までしか上がらない。腕を頭の上まで上げるには、肩を上げなくてはならない。

・指を動かす筋肉はどれだ。腕を握りながら指を曲げてみると、腕の筋肉がもごもごと動いているのがわかる。
確かに、ピアノやバイオリンなどで指を使い過ぎた時に起こる腱鞘炎は、酷使された「指そのもの」でなく手首以降の腕に現れる。

説明されれば「そうだよね」と実感できるが、肩を動かさずに腕だけ上げているように思い込んでいるし、指も指の関節当たりの筋肉で全て動かしているような気になっている。

ヒトのからだの仕組みって凄い。

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2024年08月23日

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