【感想・ネタバレ】人体、5億年の記憶~からだの中の美術館~のレビュー

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Posted by ブクログ

美術解剖学研究者である著者のリマスター版文庫。人体という不思議に迫った第一部と、芸術からそれらを振り返る第二部。三木成夫という解剖学者のワンダーな感じと、人体……生物の身体にそもそも備わっている自然を言語化すること、とても面白く読んだ。ヘッケルの言葉「個体発生は、系統発生を繰り返す」が染み渡った一冊

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

 これはすごい本でした。私たちの体の中には5億年の脊椎動物の歴史が詰まっている。動物を裏返すと植物になり、動物の体内には植物的な世界があるという。
 私たちは12という数字をよく使っているが、脳幹の領域には12対の神経が出入している他にも胸椎は12、頸椎7と腰椎5は合計で12、など12という数字は体の中に潜んでいる。そもそも生命は一本の管から発展しているので、人間も一本の管が発達したものだ。
 ダーウィンの進化論だけではこれだけ多様で複雑な生命態様を説明することができないと考える人も多いが、私たちはもともと一本の管であり、これから魚やトカゲや猿になり人間となったということも、魚の鰓が退化して首や表情筋ができたことを考えると繋がって理解することができる。「変化」する力というものは凄い力である。たとえば1ヶ月入院するだけで筋力はげっそり落ちることを考えると、使わない筋肉はすぐ退化という変化を起こすのであるから、魚が首を持ちたいと何万年も努力すれば首ができるかもしれない。
 クロマニヨン人の脳はホモサピエンスの脳よりも大きかったようであるが、脳も使わなければ退化するということは、クロマニヨン人は現代人と同等以上に脳を使っていたということなのだ。文字がない時代に、私たちが文字を読んだり書いたりして使う脳を、文字を使わない世界で使っていたということなのだ。
この本は人体には脊椎動物5億年の歴史がw刻まれていることを、わかりやすく説明してくれています。

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2024年05月14日

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