布施英利のレビュー一覧
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本書は、養老孟司の弟子である著者が、養老先生の書き下ろしの著作を読み解いていくことによって、その思想の世界を明らかにしていこうとするもの。
取り上げられる著作は、書き下ろしの5冊に、代表作と目される『唯脳論』と『バカの壁』を合わせた以下の7冊。
①『形を読む』(1986年)
②『唯脳論』(1989年)
③『解剖学教室へようこそ』(1993年)
④『考えるヒト』(1996年)
⑤『バカの壁』(2003年)
⑥『無思想の発見』(2005年)
⑦『遺言。』(2017年)
読んだのはほぼ半分くらいか。脳から身体、身体から脳へと、養老先生の思考は著作を通して語られていると作者は言う。久し振りに養老先生の本を読みたくなった。 -
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著者の布施英利さんは、東京藝術大学博士課程(美術解剖学)修了後、三木成夫先生の紹介で養老孟司先生の助手として東京大学医学部で解剖学を学んでいる。
美術だけでなく医学としての解剖学も学んでいるので、人体の仕組みについても詳しい。
普段、無意識にしている動作で幾つも学びがあった。
・腕は真横までしか上がらない。腕を頭の上まで上げるには、肩を上げなくてはならない。
・指を動かす筋肉はどれだ。腕を握りながら指を曲げてみると、腕の筋肉がもごもごと動いているのがわかる。
確かに、ピアノやバイオリンなどで指を使い過ぎた時に起こる腱鞘炎は、酷使された「指そのもの」でなく手首以降の腕に現れる。
説明されれば「そうだよね」と実感できるが、肩を動かさずに腕だけ上げているように思い込んでいるし、指も指の関節当たりの筋肉で全て動かしているような気になっている。
ヒトのからだの仕組みって凄い。 -
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養老孟司の代表作7冊の内容を紹介し、養老がその生涯を通してどのような問題を考えつづけてきたのかということをまとめた本です。
著者は東京藝術大学の大学院生だったときに、特別研究生として東京大学解剖学教室の養老のもとで学ぶことになります。本書では、そのころの養老にかんする回想も織り交ぜつつ、彼の思索の展開が語られています。
ただし、こうした著者の経歴からわかるように、本書は哲学や思想の観点から養老の議論の解説をおこなったものではありません。養老の著作から多くの文章が引用されており、いわば養老自身に語らせる養老孟司入門というべき内容になっています。五音と七音の短い文で養老の思想を要約する試みがなされているものの、著者自身の養老解釈が前面に提示されることはありません。とはいうものの、わたくし自身はこれまで養老の著作を読んでいると、しばしば具体的なエピソードに翻弄されてしまい、なかなかその真意をつかむことがむずかしいように感じることがあったので、本書のように彼の思想を簡潔にまとめられたものを読むことで、頭の整理ができたように感じています。
著者は、養老がしばしば「塀の上を歩け」と語っていたと述べています。塀の内側に入ればインサイダーとして閉じてしまい、だからといって塀の外側に落ちたらアウトサイダーに終わってしまいます。養老はこれまで、脳の一元論へとますます突き進んでいくかのように思える現代の社会状況をシニカルにながめつつ、自然と身体に目を向けることのたいせつさを語っていたという印象をもっていたのですが、現代社会を否定し自然に回帰することが養老の本意ではなく、危うい綱わたりのような思索をつづけてきたことに、あらためて気づかされたように思います。 -
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ダミアン・ハースト
動物の死体とスポットペインティング二つの系譜
「桜」抽象かつ具象 濃い絵の具で垂直性へのこだわり 絵画が死んだあとの絵画
ゲルハルト・リヒター
写真(=何かの複製)と
デュシャン(=レディメイド=何かそのもの)=究極のリアリズム
河原温
Today Series 午前零時からの、その「一日」のうちに完成させる
杉本博司
まず頂点にアタックしてダメならレベルを落としていった
人が初めて世界を見た時の眼差し
毎日、日常の中で眺め続けても飽きないだけの強さがあること
デュシャン
「言葉の二重性」
レーモン・ルーセルの小説に影響 音にすると同じ言葉だが別の意味 -
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デュシャンから始まり、最果タヒまで。
現代アートを彩る作家群をおおまかに区分けして数人ずつまとめた比較的読みやすい本でした。
個人的にエリアソン、リヒター、河原温、AKI INOMATA、最果タヒあたりが好きなのでまとめて読める本書に引かれて購入しました。
入門編?新たな視点を切り開く編?少しどっちつかずかなという印象はありますが、手軽に読めるところは良かったなぁと思います。
とくに最果タヒの話は面白かったです。(文章にも熱が入っていたように感じます)
装丁や合間のページ作りも最果タヒ意識がすごいし、そもそも「デュシャンから最果タヒ」を結びつけている点でもかなりの推しっぷりがみられます。
たしかに言葉は多くの現代アートにとってもかなり大切な要素ではあるのですが、少し強引かな、とも。
小学生でもわかる現代アート…まずは難しく考えすぎなくても良いというところで「現代アートはすごい」なんてちょっと拙い印象のある題名になっているのかな、とは思うのですが、結局のところ現代アートをしっかり楽しもうと思ったら、各種文脈や作家の個性、作家自身の「言葉」をしっかりと知る必要があるという点ではちょっと物足りない一冊ではあります。