あらすじ
古代ギリシャでは、男性神の像はヌード(全裸)であったが、ヴィーナスなど女神像は服を着ていたという。そのヴィーナスがなぜ紀元前4世紀に服を脱いだのか? ヌードが美術の一大テーマになった理由は? 美術のヌード作品はなぜ見るものに恥ずかしさや後ろめたさを抱かせないのか? ヌードをめぐる美術史と時代ごとのヌード観の変遷を辿るうちに、どんどん美術がわかってくる! 内容例●ヴィーナスは突然、裸になった!? ●ルーブル美術館でツートップの人気を誇る『ミロのヴィーナス』とダ・ヴィンチの『モナリザ』、ヌードをキーワードにして眺めると不思議な共通点が浮かび上がってくる●ミケランジェロやロダンの「彫刻=3Dヌード作品」における筋肉・骨格の精密な描写と両性具有のイメージ●マネとティツィアーノの紙一重の表現●藤田嗣治のヌードに影響を与えたモディリアーニと黒田清輝●ラブドールが美術になった現代日本美術
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Posted by ブクログ
戦隊ヒーローの「スーツは尻が命ですから。」って爽やかな台詞が話題になったドラマがあるようですが、「ヌード像でお尻を見るときは、大腿筋や脂肪ばかり見ていないで、その奥にある骨格も想像して味わうと、趣が深い。(230頁)」って、この本もなかなかディープな世界ですね。
ちなみに私は、大腿筋に注目する境地にも達しておりません。
絵や彫刻を見る目線が少し変わったかも。
Posted by ブクログ
美術としてのヌードを実際の絵画、彫刻、歴史や解剖学の観点から解説している本。自分は美術についての背景知識があまりなかったけど楽しめた。ヌードの変遷とヴィーナス、マリアの関係は非常に納得できる面白い話だった。
ただ、解剖学について興味を持ってもらいたいのなら、なおさら最後のようなただ説明するだけの文章はない方が良いと思った。
「ヴィーナスは、その意義を失った芸術状のすべてのモティーフに襲いかかるのと同じ運命を辿った。すなわち彼女は宗教から娯楽に、娯楽から装飾へと変転し、次いで消滅してしまった。」