熊谷徹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
知っているようで知らない、ドイツ人の生活や価値観を知ることができる本。日本での生活に疑問や生きにくさを感じる時には、他の文化に触れることがいいように思います。
そんな本の中から個人的にドイツの「いいな!」と思うところと、「ちょっときつい!」と思うところを紹介します。
【⠀ドイツのいいところ⠀】
①何より大切なのは「静かな生活」
静かな環境や自然を堪能することは、ドイツ人がお金以上に大切にしているものの一つだそうです。自分自身も大きな音や情報量の多いショッピングセンターは苦手なのでかなり共感。旅行なんかも一か所に留まってのんびりすることを好むようで、「ドイツ人は休暇に何を求めるか」に対し -
Posted by ブクログ
ドイツ人の生産性が高いのかを、様々な観点でまとめている。無駄が嫌いな国民性と、個人主義的な思想、それをベースとした法律、制度。「アゲンダ2010」「インダストリ4.0」にまで話題は及ぶなど、非常に広範囲なうえ、コンパクトで読みやすい
こういった予備知識を踏まえたうえで、インダストリ4.0を読み返すと、彼らの壮大なプロジェクトは、元々の土台にしっかりと支えられているのだと思った。たとえば工業のプロダクトや工程など、それらがドイツでは標準化されており、中小企業でも、どの分野で何が強いかなど、非常に明確になっているという話があったが、そもそも彼らは文房具まで標準化されているような国だ。合理的の範囲も -
Posted by ブクログ
この本を通して改めて日本の労働環境は劣悪だと感じた。
個人の健康と自由を重んじ、仕事とプライベートが明確に区切られているドイツに比べ、業績拡大のためには個人を犠牲(過剰な残業や家でも仕事をする)にし、プライベートと仕事の線引きが曖昧になってしまう日本では個人の精神的幸福度に大きな違いがあると思った。
また、日本では病欠の場合、ただでさえ少ない有給を消化しなければらない。病欠で休んでいるとずる休みしているのではないかと疑われる為、病欠が認められていない。この時点で過重な労働を強いているのにも関わらず、雇用主が被雇用者に信頼を置いていない。まるで、人を駒のように扱うようだ。
そもそも有給とは労働 -
Posted by ブクログ
新型コロナウイルス下において、ドイツ国民のアンケート結果や、企業がとった対応などが経緯とともに詳しく書かれている。
確かに、政府の財政基盤が日本と比較して余裕があったり、罹患者や死者数などの深刻さがそもそも違うといった点があったりして、単純に日本と比較することはできない。
ただ、まずは法整備やルール化から始めていくドイツの特徴が大きく現れており、色々と参考になるところは多かった。
自分自身も、自己の割り当て業務は自宅で仕事を進め、チームワークで進めるべき仕事は会社で協働して進める、といった方法がいちばん生産性が高いと感じている。著者も言う「ハイブリッド型」での働き方は、日本でも有効なので -
Posted by ブクログ
表紙には「定時に帰る仕事術」とありますが、個人的な仕事術の本ではなく、システムの話です。
私も残業はほとんどしないし(家庭の事情でできないってのも大きいから、残業しないで仕事が回るようにできる工夫はしている)、有休は100%消化すべく頑張ってるので、興味深く読みました。
ドイツは、まず1日の勤務時間の上限が法律で10時間と定められていて、それを超えて部下を働かせると会社または上司が罰金を払わないといけない、となってるそうです。だから、みんな時間内に仕事を終わらせようとする。仕事を早く終わらせるためには優先順位を決めて、できないことはできないと予め上司に相談したり、顧客相手でも伝えたりする。 -
Posted by ブクログ
世界最大の休暇大国と言われるドイツでの働き方の仕組みがよく理解できた。
ドイツでの休みの多さは、労働時間法という厳格な法律によって保たれていることが分かった。
また、長時間労働がメディアで報じられると企業イメージ的に悪い影響を与えること、残業が多い課の管理職は評価を落とし、短い労働時間で成果を上げる社員が評価されるという、「残業が悪」というのがドイツでの考え方のようだ。
本の前半は、ドイツでの労働環境や、労働時間が短く、労働生産性が高い仕組みについて書かれていたが、後半では、労働時間が短いことに対する負の面についても述べられていた。
最後に日本での労働環境改善のための提案が書かれている。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ4
ドイツの働き方や文化、法律などが分かりとても興味深い。社会保険制度の充実度と税金の高さ、責任の範囲が明確でチーム主義ではなく個人主義、規則を守る・個人主義の国民性であり無駄を嫌う。労働組合が強い、1日最大10時間労働。時間内に終わらせるための圧力やストレスがある。少子高齢化が進んでおり帰化を含む移民が20%。シュレーダーの痛みを伴う改革はすごい。ミニジョブにより失業者は減ったが低所得者層が増加。専門家の方がよさげだが塾が少なく子供の教育は親がやる文化らしい。働き方・仕事の範囲・文化の違いも踏まえると日本は独自のやり方を見出していくのがよいのではないか。
●ドイツの有給は30日給付でほぼ1