大変興味深く読ませていただきました。
作者自身の下地の厚さを感じました。データをもとに話は進められていきますが、G7他国の比較も交えながらの説明なので規模感を掴みやすかったです。
ドイツ人の自然に対する感性が日本人に近いこと、また省エネ技術の卓越性から、日本にも同様のエネルギー革命を起こせるのではないかとついつい考えてしまいます。いや考えなければならないですね。
EUの政策に対する手のはやさ、また政策の規模の大きさというのは日本も見習わなければならないですね。
第4章内の、裁判所が民間企業の環境保護努力を不十分と認定する事例が増えているというのは興味深かったですが、国が資本主義の根幹に手をつけるというのもどうかと感じました。
ペルーに発電所を持たないドイツ電力会社をペルー人農民原告が提訴するという奇怪な例もありましたが、グローバル概念の恐ろしさを再確認しました。緑の党や環境保護団体が穏健派であることを祈るばかりです。
また第5章内の、Not in my backyard(裏には建てないで)の概念は面白かったです。通念への賛同が得られても、こういう枝葉の問題に気がつくことができないと大きなビジネスというのは興せないなと感じました。