あらすじ
夏休み2週間以上、有休消化率100%…なのに、仕事の成果=1人あたりの労働生産性は、日本の1.5倍! ヨーロッパの中でも、まじめな日本人の気質に近く、日本と同じ物づくり大国・貿易立国であるドイツの“効率のいい働き方”の秘密とは? ドイツ在住25年のジャーナリストによる、日本人ビジネスパーソン必読の一冊。
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Posted by ブクログ
ドイツ人は効率化の鬼。定時枠(その時間に会社にいさえすればよい)にこだわりすぎて、だらだらしていようが、業務が非効率的だろうが、それによって残業しようがお構いなしの日本人ビジネスパーソンのなんと多いことか。ミスをしないように注意しながら紙の書類に手書きし、間違っていたら訂正を求められるという昔ながらのやり方が古すぎる件で『ビジネスパーソンのためのアサーション入門』とリンク。ドイツでは第二次世界大戦中、兵士にも休暇がちゃんと与えられていたという点や、残業時間を口座に貯められ、換金もできるなどと羨ましい制度(日本とは違いすぎる)。
Posted by ブクログ
ドイツ人は日本人よりもかなり多くの休暇を取っていながら、GDPは日本を上回っている。働けば働くほど国が豊かになるという考えは正しくはない。
長期休暇を取り身も心もスッキリさせることで、仕事に復帰した後も効率良く仕事を行うことが出来る。
ドイツでは残業をする程熱心に仕事をしている姿よりも、時間内にきっちり仕事を終わらせることを評価している。
政府の労働者へのサポートが手厚い。例えば、リストラしなければいけない状況になったときは短時間労働という形をとり給与を減らす。その減らした分の67%は政府が負担し支払う。
ドイツは2009年からの5年間で財政赤字を96%も減らし、2014年に歳入が歳出を上回っている。
私は勝手に、日本人は真面目で効率の良い働き方をしていると思っていたがそうではないのかもしれない。休みを取ることは悪いことではない。脳を整理することが出来るし、過労死を減らすことすらも出来ると思う。日本人はドイツ人を真似すべき点が沢山ある。
Posted by ブクログ
上司の北井さんと日本の働き方について話したのがきっかけで読んでみた。
日本と比べて年間38日分も少ない労働時間で、277万円多いGDP per capita.ってすごい差。それがなぜなのかについて書いてある本。
ドイツに駐在してた大林さんによると、日本は仕事を完璧にするけどドイツは完璧でなくても出してしまうからと言っていた。日本では体裁整えたり誤字脱字チェックしたりするけど、ドイツではそんなのに時間をかける価値はないと考えるらしい。
Posted by ブクログ
最も印象的だったのは「無為の時間は無駄な時間ではない。本当にリッチな人は、自分のために時間を使える人。」です。この価値観には強く共感しました。一方、その価値観ゆえのデメリット(サービスが低品質、時間プレッシャーが大きいなど)も語られており、なんでも良い面・悪い面があることも再確認できました。まずは生産性向上のため、時間の費用対効果を意識して仕事をします。
Posted by ブクログ
ドイツ人の生産性が高いのかを、様々な観点でまとめている。無駄が嫌いな国民性と、個人主義的な思想、それをベースとした法律、制度。「アゲンダ2010」「インダストリ4.0」にまで話題は及ぶなど、非常に広範囲なうえ、コンパクトで読みやすい
こういった予備知識を踏まえたうえで、インダストリ4.0を読み返すと、彼らの壮大なプロジェクトは、元々の土台にしっかりと支えられているのだと思った。たとえば工業のプロダクトや工程など、それらがドイツでは標準化されており、中小企業でも、どの分野で何が強いかなど、非常に明確になっているという話があったが、そもそも彼らは文房具まで標準化されているような国だ。合理的の範囲も深さも何もかも、日本とレベルが違う
労働者を守る制度などが、日本と格段に違う話もあるが、日本で同じ内容にしても全く意味がないだろう。そもそも法律を守る意識がドイツより低く、詭弁を働かすに違いない。そもそもドイツは、労働者を守る代わりに「生産性」を徹底的に追及される。その前提があってこそ、労働者に守る価値が生まれるわけだ。日本人の労働者は、守るほどの価値があるとは思えない。ただ、消費してもらうために、労働して対価をあたえなければ国としてやっていけないだろう
だが、本の終盤では負の側面も書かれている。ドイツは税金が高く、買い物自体がストレスになりがち。またサービスのレベルも低い。そうなると、ますます消費が億劫になる。そうなると消費者が求めるものを追及する意識が低くなるので、新しいサービス、製品がつくれないというのだ。
ドイツと日本は国民性や社会そのものも似ているという話を聞いたが、ドイツの考えは、いわゆる個人主義を尊重した自由主義の姿を徹底した姿に思える。統率者なき全体主義の日本が、どこまで参考にできるだろうか、とも思った
Posted by ブクログ
ドイツが生産性の高いのは政治の努力。労働時間の制約が厳しいのも政治。一般的的に社蓄と言われる部類が少ないのは個人主義の国民性。どうしたら追いつけるか?
Posted by ブクログ
世界最大の休暇大国と言われるドイツでの働き方の仕組みがよく理解できた。
ドイツでの休みの多さは、労働時間法という厳格な法律によって保たれていることが分かった。
また、長時間労働がメディアで報じられると企業イメージ的に悪い影響を与えること、残業が多い課の管理職は評価を落とし、短い労働時間で成果を上げる社員が評価されるという、「残業が悪」というのがドイツでの考え方のようだ。
本の前半は、ドイツでの労働環境や、労働時間が短く、労働生産性が高い仕組みについて書かれていたが、後半では、労働時間が短いことに対する負の面についても述べられていた。
最後に日本での労働環境改善のための提案が書かれている。
労働時間が短いドイツの問題点としては、低賃金労働者が多いことや、短い労働時間で成果を上げなければいけないプレッシャー、そしてサービスの質の低さなどがあげられており、この章が興味深かった。
日本では競争社会の中で他社と差別化を図るため、サービスがどんどん過剰化しているように感じる。
それに伴い消費者もどんどん質の良いサービスを求めるようになっており、これは悪循環になっている。
このサービスの良さは、日本の良さでもあるが、これが日本の労働時間の長さにも繋がっていると思う。
日本の企業では特にクレームが上がることを嫌がり、徹底的にクレームが出ないこと、サービス向上に対して膨大な時間、コスト、神経を費やす。
一方で、ドイツではサービスは基本的に有料のものという認識であり、サービスのためにかける時間とそれに対する成果を天秤にかけ、成果に繋がらないと分かればサービスに対して時間をかけることはない。
ドイツ人の考え方は極端に合理的である。
ドイツの働き方を全て真似することは難しいかもしれないが、効率良く、生産性の高い仕事の仕方はドイツをもっと見習うべきである。
Posted by ブクログ
4
ドイツの働き方や文化、法律などが分かりとても興味深い。社会保険制度の充実度と税金の高さ、責任の範囲が明確でチーム主義ではなく個人主義、規則を守る・個人主義の国民性であり無駄を嫌う。労働組合が強い、1日最大10時間労働。時間内に終わらせるための圧力やストレスがある。少子高齢化が進んでおり帰化を含む移民が20%。シュレーダーの痛みを伴う改革はすごい。ミニジョブにより失業者は減ったが低所得者層が増加。専門家の方がよさげだが塾が少なく子供の教育は親がやる文化らしい。働き方・仕事の範囲・文化の違いも踏まえると日本は独自のやり方を見出していくのがよいのではないか。
●ドイツの有給は30日給付でほぼ100%消化される。祝日は10日程度なので休日はさして変わらない。日本や韓国は50%程度、米国で75%程度。休暇中、平社員はメールチェックしないが、管理職はする。年初に休暇の日程をT内で決め順次取得する。交代なので、ねたみやお土産もない。
●ドイツでは仕事は人につくにではなく企業につくので、他の社員が担当者の代わりができるよう、書類や電子ファイルが分かりやすく整理することが徹底されている。余人を持って替え難いという現象が起きない。このため、文房具は規格化されており整理用品が充実している。
●首相シュレーダーが03年に発表した社会保険改アゲンダ2010がドイツ経済にとって重要な転換点。特に手厚すぎた失業保険制度の改革。毎月の税引き前所得が400€未満をミニジョブと定義し所得税と社会保険料の支払いを免除し低賃金労働を増やすとともに派遣社員の派遣期間を無制限にした。貧富の格差が出たものの失業率は一気に下がった。この改革は保守政党が提案してきた改革だったが、反対してきた社会民主党のシュレーダーが説得にまわり実現させた。17年現在の好景気とメルケル人気は、痛みを伴う改革を断行したシュレーダーに起因している。
●ドイツでは労働時間は厳しく規制されている。残業は最長2hまで。長時間労働に対する社会的イメージのマイナスの大きい。特に大企業の管理者は、1日10hの労働時間を超えないように口を酸っぱくして注意するとともに、10hが近づくと社員のPC画面に、法律違反なので直ちに帰宅するように表示される。また数か月を経て累積した残業が100を超えると労働時間を減らされる。残業代は1分毎でありかなり高額。残業が必要ということは社員不足を意味するという文化。またチーム精神が希薄で、自分が与えられた仕事だけをやっていればよく、自分の仕事や責任の範囲が明確。残業が多いのは効率が悪く無能と判断される。
●ドイツ人は法律や規則を守ることを重視する民族であり、労働時間が短い最大の理由は法律による規制。日本にある清濁併せ呑む、水清ければ魚棲まずといった形容はなく、白黒や善悪を明確する文化。調和よりもはるかに個人主義が強い。「人々は全体の調和よりも個人の利益を追求し、最低限の秩序を守るために、法律や規則で市民や企業の行動を律する必要がある」という考え方。
●ドイツ人は無駄な仕事や無駄な時間をひどく嫌う。仕事をするときには、費用対効果を常に意識し仕事をする前に、意味があるのかを真剣に議論する。管理職は仕事や課題がなぜ重要なのかについて社員を説得する必要がありやる気や労働効率に大きな影響を及ぼす。この作業に時間を投資することで具体的にどのような成果を期待できるのかを常に考えながら働いている。また、労働時間が10hを超えると効率が目に見えて落ちミスの可能性が上がるので長時間労働はしないと考える人が多い。新しいアイデアを生むためには気分転換や何もしない時間が必要。
●ドイツでは塾や予備校が非常に少なく、子供の宿題や予習は親の役目。中高一貫校であるギナジウムに行かないと大学に行けず、それ以外は実技学校であるレア―ルシューレに行く。9歳前後の成績でこれが決まる。ドイツの学校はほとんどが半日制であり、子供の教育は学校だけに任せることは間違いと考えている。知識の習得だけではなく、人格形成でもあるのだから、親が責任を持って実行しなくてはならないと考えている。
→個人的にこれはかなりイマイチな制度。復活制度はあまりないようで9歳で将来がほぼ決まるのは早すぎる。また、個人主義の文化なので仕方ないが、子供の知識・人格に親が関わりすぎて、子供の見識が狭くなりそう。貧富の連鎖の続き、機会の平等が保たれないのが最大の難点。中途半端な親がやるより、プロに任せるべきと思う。
●ドイツでは労働組合が非常に強い。ストが頻繁。取締役会を監督する組織である監査役会のメンバーは、従業員数によって50%から33%程度労働組合であり、間接的経営にも参加している。セイフティーネットが非常に充実した社会的市場経済もドイツの特徴。
ドイツ人は、概して、法律や規則に従って行動することを好み、安定や秩序を重んじる。カオス(混乱・混沌)が嫌いで、常にリスクをについて考えをめぐらし、石橋を叩いて渡る保守性を持った国民。欧州の中でも日本人の基質と近いものがある。
→「近い」のニュアンスにもよるが、個人的にはかなり違う。法律や規則の順守、合理主義、個人主義など文化の違いはかなり大きい。欧州の中では近い側なのかもしれないが。
ドイツ人は頑張るを評価しない。あまり頑張らなくても短い時間で成果を上げる社員が評価される。
●ドイツの社会性経済により、貧困率が低く、自殺率も低い(これは税金が多く平均化される点や貧困率の定義のため?)。法律によって短い労働時間と長期休暇・健全なWLB、勤労者を守り、多重防護システムである社会性経済により、労働意欲を高め、高い労働生産性によって国富を着実に増やし、競争力の高い製品で貿易黒字と恒常的な経済成長を実現し、政府の借金を削減して財政を健全化している。またドイツ経済を支える移民の存在も重要。ドイツ在留外国人は人口の10%で、帰化がもう10%であり広義の移民は20%。日本と同様に少子高齢化が進むドイツは移民政策で成功しているよう。
●ドイツの問題点。ミニジョブや派遣で低賃金労働者が増加。短時間で成果を上げることや上司の休暇に合わせた締切など時間内に終わらせる圧力やストレスが大きい。サービス砂漠:サービスの質が低く態度が悪い、客に迷惑をかけても謝らない、ドイツはチップ制でありサービスは無料ではない、日曜・祝日は一斉に商店が閉まる、閉店法で夜も20時まで。できることは自分でやる精神があり、サービス砂漠に慣れてしまうらしい。発明はうまいがビジネスが下手(FAXやハイブリッドカー・MP3など)。他国に比べてドイツ消費者は新技術への関心が少なくビジネス化のハードルが高いとも言われる。
●ジョブ型とメンバーシップ型の違いもあり仕事の範囲が明確化していない日本がドイツと同じやり方をするのは難しいかもしれない。両立も含めて独自の働き方を見出していくのが重要ではないか。
Posted by ブクログ
ドイツ人の凄さがわかる本
年間30日(実際には40日)の有給休暇を完全消化し、1日10時間以上は働かない。
でも国民一人当たりのGDPは日本より高い。
そしてそれを可能にしている 強烈な個人主義と最低限の秩序を守るため法律遵守を重んじる性格。
社会的市場経済に基づいて手厚い社会保障制度。
Posted by ブクログ
何もない時間は
新しいアイデアには重要
ドイツ人にとって休暇は
人生で一番大切なことで神聖なもの
年初に休暇計画を立て
同僚と話し合いながら有給計画をする
第二次世界大戦中、
前線で戦う兵士にも10日間の有休があった
歴史的にも古い習慣
ドイツ人の性格
規則、法を重んじる
無駄が嫌い=費用対効果を考える
本当にリッチな人とは
お金だけをたくさん持っている人ではなく
自分の時間をたくさん持っている人だ
ドイツは
9歳前後の教育で一生の進路が決まる
管理職を目指す人は
ドムナジウム(中高一貫校)
他は実技学校(レアールシューレ)に行く
学校だけに任せず
親が責任もって教育させる
休みが多いのになぜ経済が絶好調なのか?
シュレーダー首相の政策98-03年
『アゲンダ2010』
・失業保険給付額を減らす
・低賃金層を拡大
そのかわり
所得税や社会保険の支払い免除
・公的年金を65から67歳へ引き上げ
・派遣の緩和
痛みを伴う政策を実行
休暇は減らさず競争力を高める方法
労働法で有休の強制
1日10時間以上働けないと
決まっていて破ると上司が自費で
罰金を払わないといけない
査定も悪くなる
ドイツは
頑張ってるだけで評価しない
過程より結果重視
→生産性上がるがストレスが多い
サービスがとても悪い
サービスにも10%のチップを要求
・打ち合わせは紙一枚かつ一時間以内
・自分に与えられている権限内だったら
すぐ責任で判断
・重要なのは午前中
・誰が見てもすぐ業務を担当できるようにする
Posted by ブクログ
ドイツは文房具の規格化が世界で一番進んだ国。
ドイツ人は行方不明の書類を見つけるために時間を無断するのを嫌う
ドイツ語のごちゃごちゃという意味のchaosは劣悪という意味が含まれている
ドイツには監査役会という労働者や株主の代表が取締役会を監査するための組織がある
ドイツの勤労者は様々な法律や社会保障制度などの多重防護システムによって守られている
ドイツの社会的市場経済は政府が大きな役割を果たす経済体制である。
ドイツの企業は日本以上に成果主義を重視する。がんばっているということでは評価しない。
国民負担(=社会保障負担率と租税負担率)はドイツ47.4%、日本39.9%、アメリカ37.5%と格差緩和傾向が強い
ドイツのサービスが悪いのは当たり前
ドイツではサービスは無料ではない
残業が多い社員は会社への忠誠心があるという過去のメンタリティの残滓を完全になくす
★生産性を上げるための工夫
メールの処理には時間がかかるので口頭で済む連絡は口頭で済ます
退社するときには次の日にするべき課題を箇条書きにして自分の机の上においておく
会議は長くても1時間以内
全ての社員がアクセス出来る共有サーバーを作り誰がみてもすぐに業務を担当できるようにする
Posted by ブクログ
担当範囲が広がり、業務レベルがますます高度化するなかで、まさか勤務時間が短くなるはずもなく、恒常的に長時間残業をする働き方をなんとかしたいと考えている。
そのためには生産性の向上が欠かせない。業務レベルを落とすことのない本当の意味での残業ゼロを目指すにあたり非常に勇気をもたせてくれる一冊である。
いつかドイツという国で働いてみたいとも思わせる。
Posted by ブクログ
ドイツがいいとか悪いとかではなく,ドイツの社会人は,1年に150日休んでいる。
それでも仕事(社会)が回っていて,生産性は日本よりも高い。
その理由を説明した本。
ドイツ方式を単純に日本に導入するのは難しいと思いますが,
「短時間で成果を出す」ための努力は見習いたいものです。
Posted by ブクログ
25年間ドイツに暮らす著者が、高い有給消化率でも仕事が回るドイツの働き方などについて解説する2015年8月の本。ドイツでは休みを取ることが当たり前なので、その前提で仕事が進む。短い時間での成果が評価され、残業に対する評価が日本よりはるかに悪いというのはイメージどおりで、そういう仕組みだからこそ、仕事が回るように働いているのだと思った。派遣制度改革によって低賃金労働者が増加したことなどドイツの悪い事例も書いてて良かった。日本の働き方改革がどうなるのか、きちんと考えるきっかけにしたい。
Posted by ブクログ
テーマに沿って内容が系列立てて展開していて分かりやすかった。
これももしかしてドイツ仕込み?
ドイツ人と日本人は比較的似ていると言われるけど考え方というか発想の時点でかなり違うんだね。
社会構造や国民性の違いゆえ、ドイツのやり方をそのまま日本に持ち込んだところでうまく機能はしないと思うけど幾つかのテクニカルな項目は参考にしていいかなと思った。
それにしても年間150日以上休日とかドイツ人うらやましすぎる。
Posted by ブクログ
サービスというか利便性よりも法律を遵守するドイツ人、すごいな。
年次休24日をほぼ全員取得するのは良いけど、仕事が人に付いている日本では、本当にパラダイムシフトしないと無理でしょ、と思いました。
個人的には、ドイツ的効率性を目指して、メリハリ効かせたオンオフの切り替えを目指そうと考えました。
Posted by ブクログ
仕事は重要ですが、自分の時間を犠牲にすることに他なりません。我々ドイツ人にとって、休暇とは、人生の中で最も重要なものです。 裁判官との雑談より p17
休暇を含む自由時間=他人が侵してはならない神聖な宝物 p18
…ドイツ人の労働時間が短い最大の理由は、法律による規制だと考えている。 p81
本当にリッチな人とは、お金だけたくさん持っている人ではなく、自分の時間をたくさん持っている人だとドイツ人を見ていてつくづく思う。 p90
社会的市場経済
・「それぞれの」雇用契約(書)
・従業員を解雇から守るための法律
・短時間労働(クルツ・アルバイト)制度
・労働者の代表が監査役会メンバー
法律によって労働時間を制限すると同時に、仕事への高い集中度と具体的な成果を要求することによって、労働生産性を高くしている。 p169
日本人が取り入れたい、ドイツ流・報われる働き方27
2 打ち合わせや会議は、どんなに長くても1時間以内に。
5 退社する時、翌日達成すべき課題リストを机上に。
6 課題リストに優先順位を付け、処理できたら、さっさと退社する。
25 仕事の効率を引き上げるには、スポーツによる健康管理が重要。
… p172-177
Posted by ブクログ
平易な文で書かれていてスラスラ読むことができた。
ドイツ人と一括りするのは仕方がない部分もあるが、経済や政治、法的な観点からも書かれていて、単なる国民性に話をもってこないところはよかった。
いまいち社会的市場経済がわかりにくいというか、日本もそんな感じでは?という気がした。
この本が書かれたときと、昨今の働き方改革などを比べると少しは日本も人間的社会に近づいているんだなぁと感じた。
Posted by ブクログ
サービス品質がよろしくないのはどうかと思うが、生産性を高めるところは大いに見習うべきだ。
…ドイツでは仕事が人につくのではなく、企業についているのだ。
ドイツの企業では、管理職も含めて、「余人を持って代え難い」、つまり「その人でなくては仕事がつとまらない」という状況は、ほとんどない。そのかわり、担当者が2週間会社に来なくても、他の社員がお客さんの問い合わせにすぐ対応できるように、書類や電子ファイルをわかりやすく整理しておくことが徹底されている。
…グループの調査を重んじる日本に比べると、ドイツははるかに個人主義が強い社会である。「全ての人は、自分のことだけを考え、神様は全ての人のことを考える」という言葉は、個人主義社会ドイツを象徴する言葉だ。…
ドイツ人は、「人々が全体の調和よりも、個人の利益を追求する社会で、最低限の秩序を守るためには、法律や規則で市民や企業の行動を律する必要がある」と考えているのだ。
私は、ドイツ人が法律遵守を重んじる性格は、この国の強烈な個人主義の裏返しだと考えている。
ドイツ人は、無駄な仕事をしたり、無駄な時間を費やしたりすることをひどく嫌う。ドイツの大半のオフィスで書類がすぐに見つかるように整理されている理由の1つは、彼らが書類を捜すために時間を無駄にしたくないと考えているからだ。
また、ドイツ人は、仕事をする時に「費用対効果」の関係を常に考えている。費やす時間や労力に比べて、得られる効果や利益が少ないと思われる場合には、仕事を始める前に、「そのような仕事をする意味があるのか」と真剣に議論する。
■日本人が取り入れたい、ドイツ流・報われる働き方
1.自分に与えられている権限の中で決められることは、自分の責任で判断する。
2.打ち合わせや会議は、どんなに長くても1時間以内に。
3.出張報告書や打ち合わせのメモを書く時には、最も重要な内容だけを簡潔に記し、ペーパー1枚にとどめる。
4.メールの送り先の数は、最小限に。
5.退社する時には、次の日に達成するべき課題を、箇条書きにして自分の机の上に置いておく。
6.課題リストには優先順位をつける。
7.まず顧客の問い合わせを最優先で処理する。
8.重要で複雑な課題は、集中度が高い午前中に処理する。
9.社内の問い合わせなどの場合は、メールを極力書かず、口頭で済む連絡は口頭で済ます。
10.どんなに忙しくても、労働時間が10時間を超えそうになったら、代謝する。
11.繁忙期でも1週間に1度は早い時間に退社して、仕事とはまったく別の活動を行い、気分転換を図る。
12.会社から与えられた1年あたりの有給休暇の日数が14日間ならば、思い切って14日間全部消化してみる。
13.ただし、長期休暇は課の全員が交代で取るようにすることが重要だ。
14.長期休暇中はには、…会社のメールは読まない。
15.全ての課員がアクセスできる共有サーバーを作り、誰が見てもすぐに業務を担当できるようにする。
16.サーバー内の電子フォルダーは、年度や件名などで、できるだけ単純に分類し、誰でもすぐに書類を見つけられるようにする。
17.誰かが長期休暇を取る時には、顧客から問い合わせがあっても、他の社員がすぐに対応できる体制をとる。
18.生活リズムを朝型に変更し、1日を有効に使う。
19.早く退社できるように、昼休みは45分以内にとどめる。
20.9時から17時の間は、タバコやコーヒーの休憩
21.特定の仕事を仕上げなくてはならない時には、電話がかかってきても出ない。
22.最優先で仕上げるべき仕事がある時には、アウトルックのカレンダーを、終日「ビジー(多忙)」とマークする。そうすれば、他の人に打ち合わせなどの予定を入れられない。
23.社内の打ち合わせが多すぎると、特定の仕事に集中できない。自分で入れる打ち合わせの予定は、1日当たり1回に限る。
24.社内の打ち合わせがない週を、月に1回設ける。
25.仕事の効率を引き上げるには、スポーツによる健康管理が重要。
26.少なくとも自分が属する部や課の上司や同僚に説明して、理解を得ることが必要だろう。
27.自分が会社で仕事をできる陰には、家族の協力もある。したがって、退社時間を早めて、家族を大切にすることも重要だ。
Posted by ブクログ
ドイツ人と日本人の価値観の違いだろう。ドイツ人はプライベートな時間を最優先する。会社への忠誠心は薄い。頑張っても結果がなければ評価されない。日曜日に営業すれば売り上げがUPするという考え方はない。
Posted by ブクログ
『読者の皆さんの中には、「そんなことを言っても、仕事が山積しているし、お客さんが待っているのだから、長時間働かざるを得ない。30日間の有給休暇や1日10時間以下の労働など、日本では夢物語だ」と思われる方が多いだろう。
しかし、世界にはドイツのように、人間的な労働条件を実際に導入しているにもかかわらず、成功を収めている国がある。いつまでも「日本は変わらない」と思い込んでいたら、日本は絶対に変わらない。限られた時間の中で自分の持てる想像力を最大限に発揮して、仕事に高い付加価値を生み出すことだ。』
これを読んで何かが変わるわけではないが、自分の働き方について、もう少し自分でコントロール出来るように工夫・努力しようと思った。
Posted by ブクログ
2年前に発行された本なので、素直にドイツの働き方礼賛という気持ちで
読んでないですが、それでも働き方改革が叫ばれている今は
かなり旬な内容だと思いました。
すぐに日本で活かせる部分も少ないですが、まずは気持ちからだったり
仕事に向かう姿勢だったり、家族や友人と過ごす時間にいかに価値を持つか
そういうことが大切だと教えてくれる本だと思います。
いいとこどりは日本人の得意とするところなので
こういう面でもぜひ日本らしさを築いてもらいたいですね。
Posted by ブクログ
有給消化率100%、夏休みは2週間以上なのに、仕事の成果は日本の1.5倍。ドイツ流「効率のいい」働き方の秘密。(2015年刊)
・はじめに
・第1章 有給30日、消化率100%でも仕事が回るドイツの働き方
・第2章 休みが多いのにドイツ経済は絶好調のなぜ?
・第3章 日本の1.5倍ドイツの高い労働生産性の秘密
・第4章 アメリカ型資本主義は目指さないドイツの「社会的市場経済」
・第5章 短い労働時間、高い生産性の一方でドイツ流の問題点
・第6章 報われる働き方のために日独いいとこ取りのススメ
・おわりに
ありがちなタイトルであるが、内容は至って真面目。ドイツ在住25年の著者の観察は重みがある。しかし、我々日本人の参考となるのだろうか。
この本でも整理整頓の重要さを指摘しているのは面白い。長時間労働が能率を落とし、非効率的であるという指摘尾うなずけるが、残業なしで、成果をだ出さなければいけない世界というのも息苦しいものである。どちらが良いとか、ドイツ流を日本に持ってくるということではなしに、日本流を模索するヒントとなりそうな1冊である。
Posted by ブクログ
ドイツ人のサラリーマンは、1年に150日休んでいる」
ちなみに、BMW社では、自宅や休暇中に仕事上のメールを読むと、その時間は、働いた時間として算入
社員をうつ病などのトラブルから守る上で、30日間の有給休暇の重要性はむしろ増している。
1944年の末のように、ドイツ軍が各地で劣勢に陥り、前線では1人でも多くの兵士が必要だった時期にも、10日間もの休暇が認められていた
Posted by ブクログ
休暇が人生で一番大切。
1月に1年間の休暇の計画を立てる。
有休休暇は100%消化。どんなに不況になっても減らさない。
有休休暇中の病気は、病気休暇をもらえ休暇を増やせる。
仕事は個人ではなく組織で受ける。
つまり、制度として仕事時間が短く休みが長いが、
仕事への高い集中度と具体的成果の要求が高いことで、労働生産性が高い。
一方で、ドイツのサービスは悪い。無料ではない。
めったに謝らない。