あらすじ
安倍政権が最重要施策のひとつに掲げている「働き方改革」が連日、マスコミで取り沙汰されています。
その狙いは、日本のビジネスパーソンの長時間労働にメスを入れ、生産性を向上させること。
この点で日本の先を行くのがドイツです。
ヨーロッパの経済大国として、経済を引っ張るドイツ。
日本より労働時間が短く、生産性は高い。なぜ、これが可能になったのか。
「この国のサラリーマンたちの労働時間の短さと、休暇の長さには驚嘆させられる」という在独ジャーナリストの著者が、その秘密を解き明かします。
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Posted by ブクログ
ドイツに長年滞在する著者。
日本とドイツの働き方について様々な資料をもとに語る。
それにしても、両者の働き方が違いすぎる。
国民性の違いか、価値観の違いか。
日本人は自分たちの働き方を客観的にみるとよいかもしれない。馬車馬のように働くこともまた人生だし、ドイツ人のように家庭を第一に考えるのもまた人生。
周りがやっているから、と他人の価値観に流され、他人に左右されるような人生は送りたくはない。
おもてなしの文化、有給取得率、サバティカルという制度。
自分の視野を広げるためにまた読もう。
Posted by ブクログ
文化の違いはあるけれど、面白い。
10歳からギムナジウムや実践学校など教育ルートを選択する。
10歳までの夏休みや冬休みに宿題なく、身体と頭を休めるため、全力で休暇をする習慣。
日本と比べると習慣や体制の違いが社会にも影響している。
働き方改革と言っているが、子供の学校環境から変えていかなければ、日本はもっと時間ビンボーに落ちていく。
Posted by ブクログ
以前働いていたところで初めて飲みに付き合った時、いない人のことを「定時ぴったりで帰るよねー」とディスってて吃驚した。内容も内容だし、新人の前でいきなり陰口かい、とうんざりした…。
まあ残業するのがジョーシキなのですな。そんなん無理なので就職しないで生きるわ。
Posted by ブクログ
■日本人は自由時間を犠牲にして長く働いているのに一人当たりの労働生産性も可処分所得もドイツよりかなり低い。だからこそ日本の働き方改革には大きな意味があるともいえる
■なぜドイツの労働時間が短いのか
①法律
・ドイツでは労働時間についての法的規制が日本よりはるかに厳しい
・まとまった休暇を取れる枠組みも法律で設けている
・ほとんどの企業が1日10時間の上限規制を厳守している(適用除外あり:企業の管理職,病院の医長,住み込みで介護する人 など)
②効率を重視し無駄を嫌うドイツ人のメンタリティ
・「滅私奉公」の精神は無きに等しい
■日本で働き方改革を実現するための第一歩は「労働契約書」の締結を義務付けること
・日本企業で社員の行動を律するのは労働契約書ではなく,上司や同僚との信頼関係
・ドイツは書面にして制裁措置を決めておかないと必ずルールは破られるという「性悪説」,日本は大半の人はルールを破らないという「性善説」に基づく信頼社会
■日本企業では社内メールの数がドイツ企業よりもはるかに多い
■ドイツにはメールを送る際,相手を手間取らせないように極力要点を絞った内容にするという共通認識がある。
■日本企業では「報連相」が大切だとされるがドイツではそのようなことはない。いくら社内での連絡を密にしても成果が生まれなかったら,全く評価されないという前提がある。過程より結果が重視される。
■ドイツのサラリーマンは「時間管理」をとても重視する。ドイツ流時間管理の要諦は仕事に優先順位をつけること。
■まずは自分が抱えている仕事を書き出して「見える化」するヴィーダーフォアラーゲという伝統的な手法を用いる
■ドイツでは仕事のリストを作って1日10時間の勤務で締め切りまでに終えられないと判断したら上司に「これは無理です」と率直に打ち明けるのが普通。
■仕事を抱え込み1日10時間を超えて働いてもドイツでは全く評価されない。
■身の回りからできる「働き方改革」のヒント
①課のサーバーに共有ファイルを作り同僚にアクセスを許す
②仕事を一人で抱え込まない
③自分がオフィスに不在の時のために代理を決める。代理とは休みがダブらないように注意する
④社内メールの量を減らす。「cc」の人数を減らす
⑤仕事に優先順位をつける。優先順位が高い仕事から処理する。優先順位が低い仕事は翌日以降に回す
⑥課題をリストアップして「見える化」を図る
⑦課題をリストアップして締め切りまでにすべて終えることが不可能とわかったら上司に「締め切りにまでに終えることはできません」と率直に相談して他の同僚の応援などを求める
⑧その課題がどの程度の付加価値を会社にもたらすかを課題に取り組む前に考える。付加価値に比べて手間がかかりすぎると思ったら上司に相談する
⑨休暇中退社後には会社のメールを読まない
⑩社内の会議の時間は長くても1時間
⑫健康を守るためには「義理」を欠き社内の飲み会への参加は最小限にとどめる
⑬国際学生機関の海外インターンシップ制度を使ってドイツ人の働き方を現地で体験してみる
■木を見ず森を見るドイツ人
■ドイツ人技術者の細部へのこだわりは日本人技術者と共通する部分がある。しかし日本人と大きく異なるのは健康的で幸せな生活を送るという労働の本来の目的を見失っていないところ。彼らはそのために仕事の効率性を念頭に置く
■ドイツ語に「頑張る」という単語がない
■ドイツで仕事ができる人,特に管理職に抜擢される人はどうすれば最小限の労力で目的を達成できるかについて常に最大の注意を払う
■ToDoリストを用いて仕事を取捨選択し重要度が低い仕事は後回しにしたり時には無視したりして限られた時間を最も重要な仕事に費やす
■日本政府が短期間で大胆な決断を下すことは考えられない。コスト計算や根回しなど細部にこだわるあまり,いつになっても話が先に進まない状態になりかねない
■日本で働き方改革を成功させるには国民の健康と安全を優先するという社会的合意を作り上げ意識改革をすることが先決
■日本がドイツのような契約社会ではなく信頼関係を重視する社会だからこそ働き方に対する意識改革なしには本格的に残業時間を減らすことは難しい
■誰にもできることの限界がある。私はこの限界に達したのだ
・ドイツ人的な論理性を秘めたよい言葉
Posted by ブクログ
日本のサービス精神は素晴らしいと思う。でもその過剰なサービスを見直すことによって、長時間労働を防げるのではないかと思った。
日本で働きたかったら本当に自分が好きな仕事しないといけない。そうしないと長時間労働によって人生の大半の時間を無駄にしてしまう。
人生を楽しく充実したものにしたかったら、この本を読んで考える必要があるなと感じた。
Posted by ブクログ
フィンランドの流れからこちらも。細かい違いはあれど、基本的にはフィンランド同様プライベートを重視し、業務を時間内に終わらせるため効率の良さを追求している。厳しい労働時間規制に罰則もあり、法律を守らなければいけないという社会的合意がある。日本も同じように厳しく規制して欲しいが、本書を読む限り企業側の言い分ばかり取り入れているので無理そう。働き方に関してはフィンランド、ドイツと見てきたので、他の国、特にヨーロッパ圏以外の働き方も読んでみたい。
Posted by ブクログ
最も印象的だったのは「メメント・モリ」です。死を意識するから、生に誠実に向き合えるのはその通りだと思いました。そのコンセプトを人生と仕事の関係にも当てはめる合理性は非常に共感できました。特に、同じ成果を上げるなら、残業時間が少ない者を評価する、というのは憧れます。憧れるだけでなく、自分もそれに近づけるよう、生産性に徹底的にこだわりたいです。
Posted by ブクログ
働き方について先進的なドイツと多くの問題点を抱える日本を比較紹介する内容。特に見習うべきだと感じたのはドイツ人の根本的な考え方だ。1つ目は『残業をして得られる成果は全く評価されない』、2つ目は『不当な働き方を強いるような企業の社員は皆すぐ辞めて行く』の2つだ。この感覚があるからこそ、法整備も伴い、効力を発揮するのだと思う。この感覚が日本人に根付かない限りドイツのようにはなれない。同じく先の大戦での敗戦、復興を経験した国同士がどうしてこうも違うのか、ドイツ人の国民性に繋がる歴史的背景も調べてみたいと思う。
Posted by ブクログ
この本を通して改めて日本の労働環境は劣悪だと感じた。
個人の健康と自由を重んじ、仕事とプライベートが明確に区切られているドイツに比べ、業績拡大のためには個人を犠牲(過剰な残業や家でも仕事をする)にし、プライベートと仕事の線引きが曖昧になってしまう日本では個人の精神的幸福度に大きな違いがあると思った。
また、日本では病欠の場合、ただでさえ少ない有給を消化しなければらない。病欠で休んでいるとずる休みしているのではないかと疑われる為、病欠が認められていない。この時点で過重な労働を強いているのにも関わらず、雇用主が被雇用者に信頼を置いていない。まるで、人を駒のように扱うようだ。
そもそも有給とは労働基準法により保証されている権利であり、100%消化できないのはおかしいし、連続で取りづらい風潮もおかしい。
全体主義で和を重んじすぎても、結局苦しむのは個人である。
総じて、社会全体で働き方に対する意識を変える、長時間労働が出来ないように厳しく取り締まるなどの強制力を持たなければ永遠に根底から働き方改革することは不可能である。
後進国への行進は止まらないだろう。
Posted by ブクログ
表紙には「定時に帰る仕事術」とありますが、個人的な仕事術の本ではなく、システムの話です。
私も残業はほとんどしないし(家庭の事情でできないってのも大きいから、残業しないで仕事が回るようにできる工夫はしている)、有休は100%消化すべく頑張ってるので、興味深く読みました。
ドイツは、まず1日の勤務時間の上限が法律で10時間と定められていて、それを超えて部下を働かせると会社または上司が罰金を払わないといけない、となってるそうです。だから、みんな時間内に仕事を終わらせようとする。仕事を早く終わらせるためには優先順位を決めて、できないことはできないと予め上司に相談したり、顧客相手でも伝えたりする。
罰金!と思うかもしれないけど、日本はその逆で、残業した方が残業代というご褒美をもらえるような仕組み、言い換えれば残業しないで早く帰る方が罰金を払わされてるようなものと言えるのではないかと思いました。
働いた分を払わないのはいけない、という論理になるけれど、そうならないのは10時間上限が厳しく守られているからなのだと思います。
また、残業させない方が企業にとって得になるはずなのに?と思うけれど、日本は基本給が低く抑えられてて、残業して初めてまともな給料になるという記述があり、なるほど、と思いました。
(残業してようやくまともな給料になるのだとしたら、残業しない方が罰金を払っているようなものだという説もあながち行きすぎた言い方ではないとなおさら思う。)
また、日本は野党側の論理が強いのは、ドイツには中小企業が多く、またその地位も高く守られているからというのもあるようです。
なかなか、ドイツのようにはならないかもしれないけど、私は一人でも残業なし有休100%消化を目指すし、欧州並み2週間休暇を取れるようにやっていく!
願わくば、残業なしで成果を上げていることを評価して欲しいけれど。
Posted by ブクログ
以前読んだ同著書の本とだいぶ内容がかぶっているような印象。日本でもちゃんと契約を結んで働くことと、有給の病欠が必要なのはもっともだ。気配りのつもりやセキュリティ的になどと言ってやっている無駄なことも廃止すべき。ドイツではやってないし、他の国、例えばアメリカとかでもやってないでしょう。「お客様は神様です」の誤用がここでも注釈なしで紹介されている。日本と違って統一した休みが少ない理由のひとつとして「州や宗教によって休みが異なるから」というのは新しい発見だった。表紙のイラストの必要性は感じられず。
Posted by ブクログ
著者が言わんとすることは理解できた。長時間労働に慣れきってしまっている日本人の意識は改革する必要がある。その一方で、ドイツと日本の法制度の違いも理解しなければならない。ドイツみたいに法的に休暇を取る仕組みになっていれば改革は進むが、今の日本の法制度では難しいだろう。日本人はある意味思考停止している。常にフレッシュな目で何がベターか考える続ける必要がある。自戒を込めて。
Posted by ブクログ
ドイツと日本の働き方、法律含め仕組みの違いが、述べられている。
ドイツは国による厳しい監視がある。また休みを取り易い雰囲気もある。
労働生産性に配慮することが、日本に有益である。
そして、健全な労働環境を実現するための、国民的合意を形成することが何より重要。
Posted by ブクログ
ドイツ系企業に勤めているが、ルールを重んじ、無駄なことは排除する合理主義的な働きをするドイツ人を理解する上で参考になった。また、働き方改革を進める上で、ドイツをそのまま真似したり日本を批判するのではなく、歴史的、文化的、宗教的背景を知った上であるべき姿をもっと議論してもいいのではないか。
Posted by ブクログ
2025/09/29
ワーキングタイムアカウント(労働時間貯蓄口座)
性悪説
1日10時間の労働時間が法律で決まっているためでできないものはできないとはっきり言える
最小限の労力で最大限の成果を。
Posted by ブクログ
タイトルのとおりのことを書いてある、労働改革を考えるための内容です。「◯◯では、」が多く、「出羽守」と揶揄されるタイプなのは否めませんが、なんだこりゃっていう本ではないですし、そればかりかタメになりました。
日本人の労働時間が多いといっても、本書掲載のグラフを眺めるとアメリカや韓国に比べるとまだまだ少ない。ドイツと比べて1人あたりの労働生産性がだいぶ低いと言ってもアジア圏では最上位レベル。でも、もっとうまく労働しようという本は、本書以外にもちらほら本屋で見受けます。
少子化と高齢化がますます進んでいく今後、国力や生活レベルががたんと落ちて落ちぶれないためには、ドイツなどを見習うのはリスクヘッジなのではないか。労働時間を減らそうというのは、もっと怠けようというよりも、もっと労働を洗練させようという腹積もりのほうを強く意識して考えたらいいのでしょう。もちろん、人生そのもの、人間性そのものを考えるというような、ワークライフバランスを大切にする価値観を尊重する意味でも。
会社側、法人側の業績拡大だとかの論理を取る形で日本の政府や社会は動いているけれども、人間側の人間性を大切にする論理をないがしろにしてちゃ、疲弊してしまい、消費者としての面の機能が落ちるでしょうし、豊かな文化だとか人とのつながりだとかも育ちにくいかもしれない、と本書を読みながらいろいろと思い浮かべるように考えていました。
人間性をもっと大事にして、現状の、労働で拘束されながら時間の浪費を強いられる状況をよくできたら、人間の消費者としての面がもっと豊かに育つのではないでしょうか。すると、経済も回る。たとえそうやってみて同じ生産性で経済面は変わらなかったとしても、ウェルビーイングやQOLが高いほうがポテンシャルがありますよね。
また、けっこう深く感じたのですけれども、ドイツ人って、平均するともしかしてかなり孤独なひとたちだったりするのではないか。それは、すごく合理的だっていうからです。孤独についての本を読むと、合理的な考え方が進んだら、たとえば希望なんていう不合理なものをあまり持たないようになっていくっていうんですけ、実際のところはどうなんだろう。あと付け加えるのは、ドイツ人は、義理を欠くのがふつうですし、日本のようなおもてなしやサービスとは真逆のポジションにあることです。なんでもかんでもドイツ人が優れているわけでもないのです。
さて、ここからは引用とそれに対するコメントを。
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日本はドイツと違って、労働時間に関する法律の強制力が弱い。そのため、多くの企業で長時間労働が横行しており、有給休暇の消化率も低い。
端的に言うと、日本の法律は労働者の保護(健康や自由)より、企業側の論理(業績拡大)を優先させている(p15)
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→本書は2017年発行なので、前提としている日本の残業時間は月100時間未満です。現在は月45時間・年360時間まで引き下げられています。ドイツでは、一日の労働時間は多くても10時間までで、6カ月間の平均労働時間は1日8時間以下にしなければいけないそうです。つまり、8時間を超えて働いた日があったら、どこかで6時間にしたりして、トータルでは超過勤務は無しということにしないと法律を侵してしまうのでした。それでも、労働者一人当たりが1時間ごとに生み出すGDPは、ドイツ人が日本人よりも46%多いのです。とても効率的です。
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ドイツから見ると、日本の労働組合は「おとなしい」という印象を受けてしまう。
ドイツの法律で1日10時間を超える労働が禁止されているといっても、当局の監視が弱ければ形骸化してしまう。
その点、ドイツでは「事業所監督局」(Gewerbeaufsicht)という役所が労働時間や労働環境を厳しく監視しており、抜き打ち検査も行われている。(p50)
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→一日10時間以下の労働時間をきちんと守らせるために、こういった国家による強い監視がドイツにはあるのでした。これがないから、日本では労働で健康を害してしまう人が多いのではないかという話に繋がっていました。また、過労死や自殺者が多いことも、こういった点からの改善を望むのはまっとうではないかと思えます。
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なお、アメリカでは法律で最低有給休暇日数が定められていない。ドイツに比べると労働者の権利が制限された、経営者に都合のよ"休暇小国"である。
アメリカのサラリーマンは、休暇中に自分の仕事を同僚に奪われることを恐れる傾向があり、まとまった日数の休暇を取らないことでよく知られる。その背景には、法律で労働者の休む権利が保障されていないという実態がある。(p74)
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→このくだりを読むと、日本はもともとアメリカ型の労働タイプなんだろうな、という気がしてきます。「ビジネス!」「経済!」と仕事を優先してやっていくことにすると、自然とこうなるものなのかもしれません。また、アメリカ人が自分の仕事を奪われる懸念を持っていることについては、恐怖と不安で市民をコントロールする性格のあるアメリカ国家の性格とも一致しますし、経済が最優先という志向には必ずつきまとう強迫観念もはっきり見えていて、大きく言えば「お国柄」なんですが、刷り込まれて染み込んでいるような傾向なんだろうなと思いました。
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また、ある日本人の知り合いは、「日本は健常者でなくてはならない社会だ。身体を壊すと冷たい国だから」と言っていた。日本で有給休暇の消化率を100%に近づけるためにも、有給の病欠を認めるべきだ。(p87)
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→日本人は保っている「秩序」の性質ってこれだと思います。ヘンだと思うもの、まともじゃないとするものは排除する気質がある。ここはなんとか、みんなで克服していけたらいい部分ではないでしょうか。あまりに不当にいきづらい人たちが生まれさせられてしまいますので。
といったところでした。本書が書かれた頃よりも、労働環境は改善への道に乗っているような気がします。それがまだまだだとしても、もっと生きやすく、働きやすく、という方向を向いているのはちょっと喜べます。訴えかけた人や、その声を受けてプランを考えた人、関わった政治家の人たちなどなどの尽力ですね(まだまだ労働改革は終わっていないですが)。
Posted by ブクログ
ドイツと日本での仕事に対する向き合い方を比較している。1日10時間労働を厳守し、残業をしないドイツ。一方、仕事の効率より属人化した頑張りにより対応していこうとする日本。ドイツを礼賛、日本を卑下している。
確かに、法制度、会社組織など残業せず仕事を終わらせるための形を作り上げているドイツに対し、日本はそのあたりはあいまいで人間関係に流されてしまっている。
長時間労働をしないためのドイツの制度はよく分かるのだが。限られた時間の中でどのようにドイツ人はパフォーマンスを上げているのかという具体的な説明はない。効率を追い求める国民性との説明に終始しているだけだ。もの足りない。
なぜドイツは日本より短い労働時間で、日本を上回るGDPを計上できる経済力を持っているのか。その具体的な方法を知りたかった。
Posted by ブクログ
P108
To doリストを作り、優先順に対応する
10時間勤務で締め切りまでに終えられないと判断したら上司に率直に打ち明ける
その日にやるべきことを決めて、全力投球する
OutlookやGoogleカレンダーに仕事を入力し、終わったら消すスタイルもあり
Posted by ブクログ
『ドイツと日本「労働」の違い』
・強い力をもつドイツの労働組合
・長期休暇を取得可能なドイツの社内体制
・会社側・社員側に具体的な決罰ルールと罰則
大きな違いは温情主義の差だろうか。日本にとってドイツ式は諸刃の剣かもしれない。
Posted by ブクログ
カッコいいなあ、ドイツ。無駄を嫌うというのはわかる。命と健康が1番大事だよな、ほんとそれ。全然関係ないけど、ソーセージが食べたいなあ。
Posted by ブクログ
文化の違いや法の違いが
ドイツと日本では大きいと分かった
仕事の生産性が悪い日本
効率が悪く残業をしている人は頑張っているという
風習をとにかく取り払わなければいけない
ただ、自分には何ができるかという
ヒントになることは書かれていなかった
ドイツと日本の違いを
この本を通してよく分かったが
だからどうすればいいのか。と思ってしまった
たった一度の人生
楽しみながら生きたいと思うのは
日本人も同じなのでは?
そのために何が出来るかが
著者なりの言葉でもう少しほしかった
Posted by ブクログ
読もうと思った理由
働き方改革(長時間労働)について諸外国での例からヒントになると思ったから
気づき
・ほとんどのドイツ企業では1日10時間の縛りが厳密
に守られている。実際大半の企業では午後6時ともな
れば一部の管理職をの除いて社員の姿は見られなくな
る
・ドイツ人は効率を重視し、無駄を嫌うバイタリテイを
持っている
・日本では大半の人は「ルールを破らない」という性善
説(信頼)が社会の基盤となっているが、ドイツでは
「書面にして制裁措置を決めておかないと、必ずルー
ルは破られる」という性悪説(契約)が基盤となってい
る
・労働契約書はどちらか一方の権利と義務を主張するた
めだけのものではない。ドイツでは企業・社員の双方
に権利と義務があると考えるのが常識だ
・ドイツ企業なら上司は社員の健康と安全を最重視する
ことを義務付けられているので、体調の悪い社員に業
務の続行を命じることはありえない
・法律や規則を何よりも尊ぶドイツ人はみな、法律だか
ら仕方ないと割り切っている
・アメリカのサラリーマンは休暇中に自分の仕事を同僚
に奪われることを恐れる傾向があり、まとまった日数
の休暇をとらないことで知られる。その背景には法律
で労働者の休む権利が保障されていないという実態が
ある。ドイツの大半の企業では半年の試用期間を経れ
ばすぐに30日間の有給休暇が与えられる
・気分転換には最低2週間が必要
・BMW、アウデイなどの大企業は短くても1か月、長
ければ1年間の長期休暇を与える「サバテイカル」と
いうものを導入している
・会社組織というものは管理職も含め欠員があっても回
るものであり、「余人をもって代えがたい」という人
はほぼ皆無だということがわかる
・ドイツ企業は社員にさまざまな権利を認めているが、
その権利を悪用した場合、容赦なく制裁の鉄槌を振り
下ろす
・ドイツでは同じ目標を達成しても、残業時間が短いほ
うを高く評価する。効率性重視
・人間関係を重視する日本の商慣習では多くの顧客がい
つでも担当者に連絡するのが当たり前と考える土壌が
ある。その担当者と2週間も連絡が取れなくなるとい
うことは言語同断であるがドイツでは代理の同僚がき
ちんと対応すれば顧客は満足する
・ドイツでも重要な会議の根回しや稟議がないことはな
いがそういったことに日本ほど時間を割かない。いく
ら社内での連絡を密にしても成果が生まれなかったら
全く評価されないという前提があるからだ。過程より
も結果が重視される
・ドイツの中小企業は日本の中小企業に比べると国際的
なマーケテイング力が強い。よって国内での下請けと
いう認識も少なくなる
・ドイツでは費用対効果を度外視してまで無料のサービ
スを提供することはない
・ドイツ企業ではいくら重要な取引先からの依頼とはい
え他の社員に残業を強いるような仕事は断るのが当た
り前だ
考えさせられることがたくさんあり、社会全体の考え方、商習慣、法律仕組みなどかなり違うのでヒントになることはかなりあったが、日本のいいものは残す、悪いところは諸外国を少しづつまねるというのがよいのではないか。ドイツのやり方は知識としてまず持ち、考え方を理解し意識することが大事だと思いました。
Posted by ブクログ
日本しんどい。変わらないし。
みんな、死んでもお金あるほうがいいんだよね。
改善って、なんでも上乗せにすることかな。
引き算、しようよ〜。
真面目っていい言葉だけど、クソがつくと悪影響。
生きてる意味、考え直したい。
ドイツの真似ができるか?
保育園時代から変えないとね。
でもね、ドイツの生産性がそんなに高いなら、
いっそ休んでみるのもいい考えかも。
金は無くなるだろうけど、
金より大事な何かが見つかるかもしれない。
Posted by ブクログ
「日本社会では『頑張り』や『粘り強さ』が賞賛される傾向が、いまなお根強い。これも、日本で過労死や労働自殺が大幅に減らない原因の1つだが、もはやこうした精神主義とは決別すべきだろう。」(p155)
同じ成果ならなるべく頑張らない方がいいよね、という話を人にしたことがあるのですが、きょとんとされたことがあります。何言ってるんだろう、この人、みたいな。
働き方改革にようやく着手した日本。残業時間の削減が叫ばれていますが、具体的な方法として取り組まれているのは、事務の機械化ぐらいでしょうか。だらだら残業、付き合い残業はやめようみたいな。結局個人のせいにして、ちゃんと考えようとしない。相変わらず「頑張ること」が評価されるし、お客様にも「尽くす」ことが求められる。労働力の投入量を減らさなきゃ、何にも解決しないのにね。
労働時間は短いのに、経済は絶好調のドイツ。その労働環境と日本の労働環境とを比較して、日本の問題点を明らかにした本です。身の回りからできる「働き方改革」のヒントも載っているのですが、やっぱり個人で環境を変えることには限界があるなぁと思います。でも勇気をもって悪循環を断つよ!!
Posted by ブクログ
2018年42冊目
3Bの8月度テーマ本
日本人とドイツ人の働き方の違いから日本人の高残業体質について語る。
働き方変革と言われているが、実現するにはドイツのように法の強制力や
管理側が個人で責任をとるなど体質の変化が必要だと感じた