櫻いいよのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世の中にはほんとにいろんなわけわからん人がいるなと、Yahoo!ニュースを見てると思うわけです。(SNSもしかり)
たとえば『世間が許さない』を多用する人がいるけれど、あれは世間を代表する立派な人でもなんでもなくて単純に『自分が』許せないだけだし、『あなたのため』という気持ち悪い修飾語で自分の思い通りに事を進めようという鬱陶しい人もたくさんいるし、よく知りもしない人間をコケ落としたり、何の意味もない正論を武器にしたり…とにかく世の中にはいろんな人がいる。
そんななかで、そういう人の放つ言葉や思考全部に『うるせえ、黙ってろ』と言うのがわたしの友人、櫻いいよなわけです。
乃々香は不倫の末に誕生した子として、生まれる前から罪の証のように言われ、清志郎は血の繋がりのない連れ子を2人連れていて、漸は育ち方ゆえに他人と食事をするのを厭う。なんだかへんてこな5人が坂の上の家で同居してるうちに、それぞれがちょっとずつ自分の意思で成長していく。
なんて書いたら薄っぺらく聞こえてしまうけれど、それはわたしの語彙力の問題であって作品のせいではない。とにかく読んでほしい。
相手が誰であっても、自分の常識というなんの保証もないもので相手を縛ってはいけない。決めつけてはいけない。
子どものしたことだからとなめてはいけない。
過去にされたことをいつか許さないといけないなんてことはない。許さなくてもいい。
楽な場所が居場所なわけでもない。窮屈でも自分が生きたいと思える場所で、存分に生きたらいい。
そして、モラハラ野郎にはワインをかけましょう(とても重要)
誰も彼もを心に受け入れられるわけではない。でも勾配のきつい坂道を登り切って訪れた人には、少しくらいは開いてもいいのかもしれない。
家族未満のひとつ屋根の下に暮らす5人がわたしはいとおしいし、漸のつくったごはんをいっしょに食べて明日を笑って生きてほしいと思う。
いわゆる『世間』の言葉なんぞに耳を貸すことなく、そして時に『うるせえよバーカ!』と吼えたりしつつ、強かにしなやかに生きていきたいものです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ父子家庭で育ち、面倒を見てくれていた祖母の死をきっかけに、海が見える田舎から、海のない都会に引っ越した高校生の香月。
なかなか新しい学校に馴染めないまま時が過ぎ、隣の席の男の子がお菓子作りをしてることを知る。
そして、祖母が作ってくれていたようなお菓子を自分でも作りたいと思い、隣の席の男の子、立海に頭を下げお願いし、お菓子作りについて教えてもらうことに。
何度も挑戦するがなかなか上手くいかず、人と関わることを避け友達もできず、父の再婚の匂わせにモヤモヤし、昔暮らしていた田舎に帰りたいと思い、久しぶりにその時の友達と会って、たくさんの話をするが、自分がついていけない話ばかりされ、ここはもう自分の居場所じゃないんだと感じる。
自分に良くしてくれる立海や弟とでさえ、仲違いしてしまうが、それでも周りの人の手を借りながらも、成長していくお話。
私はお菓子作りが好きなので、この本を手に取って読んでみました。
なかなかお菓子作りが上手くできないのも、家族やクラスメイトと上手く関われないのも、昔の方が良かったと思う気持ちも、共感できました。
ですが、不器用でも頑張り屋さんの主人公を見て、私も頑張ろうと思えました。
特にラストは感動し、涙が止まらなかったです。
とても素敵な作品に出会えて良かったです。 -
Posted by ブクログ
いいよさんの児童書新刊だよー!
三冊並べると表紙がとってもきれいだよね。
主人公のつばさちゃんは、とても『櫻いいよ』らしさの詰まった女の子だとおもう。
みんな違っていい。個性は大事。
女の子だから、男の子だから。
女の子だからといって、男の子だからといって。
あーもう、ぜんぶうるせえよ!好きにさせろよ!!
という、友の叫びが終始聞こえるような一冊。
好きなものがあるなら、それを自分なりに大事にすればいいし、好きなものがまだないなら、これから見つければいいし、見つからなくてもそれならそれでいい。誰の言葉を信じて、誰と時間を過ごし、どんな自分で日々を過ごすか。
それって子どもとか大人とか関係なく人生ずっと続く命題のようなもの。
つばさちゃんも凪良くんも、みんなみんな好きなように生きてほしいと思うけども、好きなように生きられないのがこの世界だから、せめて好きな自分で一秒でも長く過ごせるように。
わたしたち大人はそんな世界を残してあげないとな、などと思ってみたり。
良くも悪くも他人を気にしすぎなこの世界で、他人よりも自分を気にかけて生きていけるようになればいいなぁ。
そんな『世界』にしていきたいものです。 -
Posted by ブクログ
いいよさんのお話はどうしてこうも引きこまれるのか…。
最後は希望を感じられる終わり方だったけど、状況が完全によくなったわけじゃない。でも現実ってこうだよね、と変にリアルを感じる。
大人になったら笑って話せるのかもしれない、たいしたことないと思うのかもしれない、でも"今"の私にとっては?
人から信用されてなかったと知る悲しみや裏切られたと感じる怒りはなかなか忘れられるものじゃない。
それでも由加が悠真に言った言葉は好きだなと思った。またどっかに行くと思われててもいい。信じてくれるまでずっとそばにいる。いつか変わるかもしれないっていう心配も無駄だったなって思わせる。かっこよかった。 -
Posted by ブクログ
わたしはなんだかんだ10年以上櫻いいよの作品を読み続けてるんだけど、そうか、あの秀作乳メスから10年経って、これを書いたのかと頭を殴られたような感覚。すんごいの書いてきたな!
大人の恋の話って、なかなか好みにハマるものがなくて、それは大人になっていろんなことを知ってしまったからなんだよな。恋愛の美しさも醜さも狡さも知ってしまっているからこそ、フィクションで語られる恋のなかに、心を動かされることが難しくなる。
美しさだけを語られたら眉を顰めたくなるし、醜さをリアルに描かれると今度は目を背けたくなる。
狡さと脆さを見せられたら、安心してしまう。
そんななかで、最新の櫻いいよが描く本作は、そりゃもう危うくて脆くて狡いし、決して美しくはないのになぜか穢れも感じない。
奏の弱さも流生の弱さもとても良い。人は強さよりも弱さに惹かれがちなんだよな。そして弱さで惹かれ合うとたいていこういう結末を迎えるんだよね。
欠けた小指に意味はないのかもしれないし、欠けたまま生きていくと決めるのも、それを埋めたくて必死になるのも、正しくもなければ間違いでもない。
この先奏が与えなくとも息ができるようにと願うばかり。
わたしは恋のない愛を肯定派なので、恋をせずとも愛を得た奏と彼に結婚祝いを贈りたいなとおもいます。
友よ、最新刊のコレが、いちばんすきだぞ。