永濱利廣のレビュー一覧
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日本経済はバブル崩壊以降、30年間、成長を止めたままだ。それを、筆者は4低、「低所得・低物価・低金利・低成長」と呼び、本書の中でその実態と原因を探っている。
バブル崩壊の後に大量の不良債権が取り残され、各経済主体が借金の返済等の対応に追われるうちに、すっかりとデフレマインドが定着し、そのままデフレから抜け出せない状態、デフレスパイラスの中にいる。企業や家計が金を使わないため、モノやサービスの値段が上げられず、そのために企業や店舗の売り上げが減り、働く人の給料も上がらない、あるいは減ってしまう。そうなると、ますます人は消費をしなくなるという悪循環に落ち込んでいるのだ。それは、「明日は今日よりも良いはずがない。だからお金は使わずに将来に備えるのだ」というデフレマインドが抜きがたく残っているから。こういった状態の中で、人は結婚をためらい、子どもを持つことをためらう。デフレは少子高齢化にも悪影響を与えている可能性があるのだ。
30年にもわたるデフレ状態のことを、海外では「日本化、Japanification」と呼び、経済学での研究の対象にもなっているそうだ。その研究の成果が出たのが、欧米のリーマンショックの後の対応。金融を緩和し、マネーを市場に供給する。出来る限り、早いスピードで、かつ、限界までの大量に。それによって、欧米はデフレが続くことを避けることが出来た。コロナの対応も欧米は同じことを行っている。その対応がやや行き過ぎたので、金利を上げる等の調整局面に欧米はいる。
バブル崩壊後、すぐにでもこの欧米のような対応を行っておけば、ここまでのデフレに陥らない可能性が日本にもあった、と筆者は主張する。しかし、アベノミックス、黒田日銀総裁による異次元金融緩和は2012年とか2013年のこと、バブル崩壊後、20年以上が経過し、なかなか人々のデフレマインドは解凍できず、今のところ、効果は限定的である。しかし、これを続けるしか手段はない、とも筆者は主張する。
日本が不況を抜け出せない理由について、筆者の主張が正しいかどうかは分からないが、このようにデータを使って、その理由を説明しようとする本自体が少ない(私が読んでいないだけという可能性も高いが)中で、議論の材料になるという意味でも良い本だと思う。このような説明は、本来は政治家や官僚が行うべきと思うのだが、そのような説明を聞いたことはない。 -
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日本経済が低迷し続け、平均賃金は韓国よりも低くなってしまったという事実に対して、日本人は耳を塞いでいる。
ネットでは日本が素晴らしくて韓国がどうしようもないという人たちが大声をあげているのだが、このままではますます日本は二流国になってしまう。
本書は日本経済の現状分析についてはとてもわかりやすく、類書も多い中で簡潔に原因を明らかにしている。その一方で、どうすればいいのかという点については抽象的でツッコミが足らない。
韓国との比較で言えば、日本の労働慣行があまりにも硬直かしているため、転職が不利、起業が困難、など産業の新陳代謝が進まないことが問題である。この状況を打開するために何ができるのかという点について、第一次産業が有望で、オランダを例に挙げているのはガッカリだ。 -
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経済指標を自分の生活や人生に活かすには、どうすればいいか?
GDPを知って、果たして何の意味があるんでしょう?
数字を知るだけでは、あまり意味がありません。
ただ、その数字の意味や機能、役割、他の数字との関連性に着目すれば、
その数字は、意味のある数字になり、私たちが、何か経済活動を行う上での、
貴重な判断材料となります。
自戒の念を込めて言うならば、それを、他人からの受け売りで行う場合、何も責任は生まれず、
真に主体的に生きることは、できないのかもしれません。
ただ、ただ、なんとなく、誰かに操られながら、不自由を感じ、
勘で生きるようになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、経済指標を見て、自ら分析して、
自分と社会とのつながりを再度認識し、責任を持って合理的な判断を行うことは、
非常に重要なものだと思います。
新聞を見るけだけ、毎日、多くの経済指標を目にします。
投資家にとって、経済指標は、自分が売り買いする株式や資産運用をする上で、
非常に重要な数字になります。また、経営者にとっても、経営判断を合理的に行う上で、
大切になります。私個人としては、投資家でもありませんし、経営者でもないので、
経済指標といったら、円相場、日経平均は、ほぼ毎日、
GDPとか、CPI、短観、国際収支等は、定期的に見ていましたが(というか速報で嫌でも見ます)、
鉱工業生産指数や機械統計受注は、私とは、関係のない統計指標だと思っていました。
その名前ぐらいしか知りませんでした。
マクロ経済の初歩の知識では、
経済活動の側面を支出(需要)、生産(供給)、収入(所得)に分けることができます。
経済活動の基本は、需要が生産を決定し、生産によって家計の雇用・所得が左右され、
再び需要が決定されます。このサイクルと私たちの生活は、密接に結びついています。
つまり、それら、需要側、供給側、収入側の、複数の視点から経済現象を見るかで、
経済を立体的にかつ正確に見ることができます。
その視座を与えてくれる一つの情報が、各種の経済指標です。
経済指標は、膨大にあります。それだけ、経済に伴う活動は、複雑かつ多岐に渡るといういうことです。
この本は、その膨大な経済指標から45個、ピックアップし、それぞれ、わかりやすい解説を加えて、
この経済指標の見方をレクチャーしてくれます。
言ってみれば、会社の状況を知るには、BS、PL、CFの理解が有効なように、
経済を理解するには、マクロ経済学の考え方を利用した経済指標が有効になるということです。
「自分には関係ない」と思う指標が、実は、「関係がある」。
それを知るには、指標を、理解する必要があります。
もちろん、経済指標は、ある程度の専門性が必要になります。
専門用語のオンパレードです。
また、統計データーをただ見るのではなく、
前月比や前年同月比などの比較が重要になります。
しっかり理解するには、やはり、かなりの時間を理解します。
どういう指標が、自分と関係あるのか?
自分の生活や人生に関係あるのか?
また、その指標を使って、どうすれば、自分の人生がより豊かになるのか?
明確な答えは、もちろんありませんが、習慣として、統計指標を、確認し、理解し、
応用できるようになれば(それは投資や経営等の方面だけではなく)、
よりより人生を形作る上での一つの要素となるのかもしれません。 -
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リフレ政策とは、緩やかで安定的なインフレ
金融政策、財政政策、成長戦略
インフレ目標2%
バーナンキFRB議長
現金決済は、日本が6割、アメリカ欧州は2割
投資家は理論ではなく、期待で動く
CPI 消費者物価指数
CPIコア 天候など経済とは関係のない要因で価格が変動しやすい生鮮食品を除いた指数
CPIコアコア 輸入品の影響を受けやすい食料とエネルギーを除いた指数
健全な財政状態とは、基礎的財政収支を黒字にするとこ、名目GDP成長率がその国の長期金利を上回ること
名目GDP470兆を530兆まで引き上げたい
日本の高い法人税率38%は、企業の海外流出を誘引し、海外からの流入を妨げる -
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「大きな声では言えませんが【アベノミクス】て本当はよく知りませんでした。」
図解 90分でわかる! 日本で一番やさしい「アベノミクス」超入門
永濱 利廣 (2013/4/5)
2012年12月26日、第二次安倍晋三内閣が発足。
「失われた20年」などと言われるほど長きにわたって低迷を続けてきた日本で、なぜ、安倍内閣が発足する前、実際には何の政策も行っていないうちから円安・株高が進み、日本経済がにわかに活気づいたのか。
その重要なきっかけが、安倍首相の一連の経済政策「アベノミクス」である。
本書では、この「アベノミクス」について、経済の知識がない方にもその本質を理解できるように、かみ砕いて以下の4章において説明している。
①日本はなぜ、デフレなのでしょうか?
②アベノミクスは、何を狙っているのでしょうか?
③なぜ、アベノミクスに反対する声があるのでしょうか?
④2~3年でデフレは終わり、日本経済は復活します。
アベノミクスはアメリカの経済学者フィッシャーが提唱した「リフレ政策」の考えをもとにしている。
リフレ政策とは、「穏やかで安定的なインフレ(物価上昇)を目指す政策」
アベノミクスにおける経済再生のための大きな方針である
3本の矢とは?
①大胆な金融政策
2%のインフレ目標等グローバルスタンダードな金融政策
②機動的な財政政策
政府が使うおカネ(公共工事)を増やすこと
③民間投資を喚起する成長戦略
産業競争力を回復させる「日本産業再興プラン」
新市場を戦略的に育成する「新ターゲティング・ポリシー」
企業の海外進出を支援する「国際展開戦略」
である。
上記の施策の結果として以下のような景気回復を目指す。
2%のインフレ目標や無制限の量的緩和の結果
→インフレ期待
→円安になって、景気が良くなると考える人が増える
→実際に円を売り、株を買う人が増え円安・株高になる
→為替円安を受け輸出関連企業等儲かる企業の増加
→同時に輸入品の価格が上がり、価格競争力から国内でもモノが売れる
→財務内容改善し資金調達能力改善から設備投資増加
→保有資産の増加から家計においても消費が増加
結果として円安・株高から企業も家計も需要が増加
改めて勉強になったこと
①アベノミクスはグローバルスタンダードな政策
アベノミクスという経済政策については、世界的に見れば真新しい政策を行っているわけではなく、グローバルな視点から見れば、当たり前のことであり、今まで行っていなかったことの方が疑問であるという政策。
もちろん日本という島国の特性から全てが全て外国に合わせる必要はないものの、その特性を勘案した上でもあまりに日本の過去との比較ばかりに目を向けすぎて気づいていなかったことが多すぎたのではないかということ。
②複合的な絡まりはあるものの結局期待感が重要
20年近くデフレの影響を受け続けてきた日本。1+1=2のような単純数式なように答えはでないように思う。理論だけでは経済を変えることは出来ず、実際理論では解明できないからここまで日本経済が落ち込んでしまったのは事実。色々な背景やある程度の知識を基に予想やその備えはする必要はあるものの理論では解明できない「国民の期待」による経済の改善も日本経済の回復には大いに必要であると感じた。
アベノミクスが成功か失敗なのか。どちらでもないのか。
その答え、結果がわかるのはもうしばらく先になりそうである。
しかし、どちらにしても今は日本の将来から見ればものすごく大切な時であることはわかる。その中でも自国の行く末を考えるには「アベノミクス」の概念はおさらいすべきだと感じた。
日本の夜明けは近いのか。