あらすじ
「男と女」から見る、目からウロコの日本論!
■増えない給料/■晩婚化・少子化/■格差拡大/■消費の低迷/■草食系男子/■女子会ブーム などなど……
日本を襲うさまざまな変化の根本は、「労働市場における男性の価値の低下」、
すなわち男性不況にあった。
男であることの価値が希薄化している日本で、
いま何が起きているのか。
気鋭のエコノミストが、日本変質の根本に鋭く迫る。
●著者からのメッセージ
私は女性の地位が向上すること自体は、すばらしいと考えています。
けれども、「よい変化はよい結果しかもたらさない」という単純な意見には与しません。
たとえよい変化だったとしても、それが思わぬところに悪影響を及ぼす可能性はいつもあります。
「女性の地位の向上」というよい変化の一方で、男性には困った問題が生じています。
それは、日本社会が大きな変質をとげているからなのです。
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Posted by ブクログ
研究発表の文献に使用した,数少ない男性不況の書籍。データを中心にわかりやすく述べられており,他のジェンダー関連の本に比較して客観性が高いものの,論文集ではないため男性に対する主観的偏見も混ざっている。どの書籍でもそうだと思うが,表やグラフを読み取るときの批判的思考は必要であり,本書もそれに相当すると感じた。ミクロからマクロまで,幅広い観点から考察されていて興味深い一冊だった。
Posted by ブクログ
この数十年の労働市場における日本の男性の価値は相対的に大きく低下している。男性の雇用が100万人以上減少し、平均賃金が下落し、家族を養うことのできない男性が増加している一方、女性の雇用は増加し、男性の賃金格差が大幅に改善されている。男性の雇用を支えてきた製造業や建設業が不振である一方、女性が多く働く医療・福祉の雇用が増えている。このような労働市場の「女性高・男性安」傾向により、少子高齢化や格差の拡大、家族のあり方や消費市場の変化が起こっている。男性不況発祥の地アメリカでは、自国通貨安を容認しつつ製造業の輸出拡大策により雇用者数が改善に転じている。
Posted by ブクログ
■男性不況
男女間の給与格差が縮まると、男性並みの給与をもらう「高所得女性」が増える。
この高所得女性と高収入の男性のカップルの増加が、家計間の所得格差を広げる一因になっている。