時雨沢恵一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
黒星紅白のイラストが先で時雨沢恵一の小説つけたキノの旅もどきの短編集。
youtubeにMVのオーバーレイ・ワールドがある。2021年に別ブランドで出版。
初仕事の思い出:隕石で滅びる世界の田舎でのアイドルステージ
歌合戦、出場:歌でダメージを与え合う戦争
領主の結婚:村娘の婚約者を演じ、悪徳領主から娘を救う?
ロウソクは消えない:本物の死を撮りたい映画監督
たった一つの願い:一人の人間の願いでトウモロコシに支配された世界で歌う
救済のメソッド:スター女優が演技に入りすぎて自分を失う。半生を描いた劇。
因幡のメランコリア:滅びゆく異世界にいってワクワクする自分
駅前の雑居ビル3Fにある有栖川 -
Posted by ブクログ
全編が「電話の会話」だけで進む異色のサスペンス。
地の文がない世界で、声と想像だけが真実を形づくっていく。
読んでいると、まるで自分が“事件の盗聴者”になったような感覚になる。
この物語の面白さは、単なる推理やトリックにとどまらない。
暴力に惹かれる人間の心理、見えない相手と話すことの危うさ、
そして「想像することの罪と救い」という、時代を超えたテーマが潜んでいる。
現代のSNSやネット社会は、声や文字だけで人と関わる世界。
私たちは毎日、他人の物語を“推理”しているのかもしれない。
事実を語るつもりが、いつのまにか自分の物語を作っている――
そんな人間の矛盾を、たった一本の電話が静かに暴 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第一話でキノが「一緒に行きましょう」と誘う場面には珍しさを感じた。普段は一定の距離を保って旅を続けるキノが、自発的に誰かを誘うなんて滅多にないという認識。
第二話では懐かしい師匠が登場し、キノの過去や成長の軌跡を垣間見ることができた。師匠との関係性を通して、キノがどのような経験を積んで今の旅人になったのかが伝わってきた。
第三話では、自分が理解できないことは排除しようとする人間のエゴが剥き出しになっていて、ぞっとした。異質なものへの恐怖が暴力に変わる瞬間の描写は、現実世界でも頻繁に目にするものだけに、より一層リアルに感じられた。
第四話では、耐えきれない経験に直面した時に記憶を改ざんしてやり過 -
-