篠森ゆりこのレビュー一覧

  • 黄金の少年、エメラルドの少女

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    イーユン・リーさんの本は2冊目。

    1冊目に読んださすらう者たちの登場人物たちと同様に、この短編集の主人公たちもみな、強い信念を持ちながら孤独な生活を送っている。

    みな孤独なのに、物語のテーマは全て異なり、今度はこんな話か!と飽きなかった。

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    2022年12月30日
  • さすらう者たち

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    誰かが加害者の一面しか持たないことはないし、被害者の一面しか持たないこともない、ということが徹底されていると感じた。

    それまでの価値観が揺らぎ始めたとき、その価値観を維持するか捨てるかで、生活がガラッと変わるかもしれない恐ろしさを垣間見た。
    フランス革命とかロシア革命とか、歴史では淡々と習うけれど、この作品の登場人物のように、どちら側につくべきか、恐れたり迷ったりした人がいたのかな。

    幸せな物語でも温かい物語でもないけれど、食べ物の描写だけは温かさを感じられて、どんな状況にあっても、ひとは食事によって多かれ少なかれ希望や幸せを感じられるのかなと思う。

    最近河出文庫が好き。
    河出文庫の取り

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    2022年09月28日
  • さすらう者たち

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    文化大革命後の中国で、1人の女性が政治犯として処刑されたことから、否応なく激動の時代の流れに飲まれてしまった市民一人ひとりの生き方を描いた作品。

    いずれも苦しい境遇や、ハンディ、苦悩を背負った人々がフォーカスされるけれど、妙に悲痛な描写に感じないのが不思議だ。

    「さすらう者たち」というタイトルが素晴らしく、時代の流れの中における人間の矮小さを感じさせつつ、時代を紐解く鍵は、決して教科書に載らない人々の生活の中にあることを伝えてくれる。そういった意味で、訳者後書きのコメントも素晴らしい。

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    2021年02月02日
  • 独りでいるより優しくて

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    長患いの親類女性の死を看取った男性から話は始まる。語りの穏やかさから、もっと静かな展開が掘り下げられるのかと思いきや、長患いは服毒事件に端を発しており、エキセントリックな冷たい孤児に振り回された幼馴染みはどちらも普通の幸せや家庭とは縁遠くなり… 時代も地理も視点も目まぐるしく変わり、散々なのに、やっぱり静謐が漂う。不思議なワールドだ。

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    2021年01月20日
  • 独りでいるより優しくて

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    三人の高校生の姉御的な女性が毒のために21年間寝たきりのまま亡くなる.誰が毒を飲ませたのか?という謎が三人の人生に影を落とし,互いに会うことなくいびつな暮らしを送ることになる.愛すること愛されることを恐れ,他人と関係をうまく結べないそんな人生を送ることを描きながら,誰にもがささやかな救いが訪れているような気がした.最後まで誰が犯人か考えながら,他にどんな人生があったのだろうかとも思いながら読んだ.とても面白かった.

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    2020年11月12日
  • さすらう者たち

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    文革直後の中国のお話。
    登場人物が多くて、それぞれがそれぞれの立場で必死に生きようとするお話。完全な悪人も完全な善人もそこにはいない。

    八十と妮妮がすき。世間知らずというわけではなく、むしろ世界の嫌な面をよく知っているはずなのに、二人の間に漂う純朴な空気がたまらなくやるせない。

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    2019年08月13日
  • 黄金の少年、エメラルドの少女

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    中編くらいのものも含め、全9編が収められた短編集。Yリー作品は初めてだけど、概ね淡々とした語り口で綴られていく。不貞を中心とした家庭内の不協和音が、別段恨みがましくもない調子で語られていて、同判断するかは基本的に読者に委ねられている。どの物語も真相らしい真相は明かされないし、そのあたりも淡々とした印象の原因かも。突出した逸品がない分、可もなく不可もなしと思えてしまったけど、読み心地は悪くなかったです。

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    2018年04月13日
  • 独りでいるより優しくて

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    読後丸一日経ったというのに、まだ悲しみの余韻。物語はシャオアイという少女が毒を盛られた、一体誰に?というミステリ仕立だけど、犯人探しが主題じゃない。
    ミステリと思って読むともどかしくて途中で嫌になると思う。
    作風で言うと村上春樹と江國香織を足した感じ。両者好きな方は飽きずに読めるかも。
    しかし、文体は美しいんだけど、好きな系統なんだけど、読みにくいのは、訳者ばかりのせいでもないような。原書読んでないからなんとも言えないんだけど、この作者が中国人だけど、英語で書いた小説だからっていうのも少なからず影響してるのではと予想。英語を母語とする人とは違う言語体系、が産む違和感というのか。それがある種の魅

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    2017年06月26日
  • 独りでいるより優しくて

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    やはり翻訳本は読みにくい!
    正直文章をかみ砕くのに時間がかかり
    あまり状況が浮かんでこなくて
    しんどかった。

    でもそれを差し引いても
    奥深い人間の性みたいなものが
    ひしひしと伝わってきた。

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    2016年02月20日
  • 独りでいるより優しくて

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    中国人が英語やフランス語で小説を書くと、傑作が生まれる確率が高いのは何故だろう。これは如玉と少艾の争いに、黙然と泊陽が巻き込まれたに過ぎないのではないか?如玉が怖かった。黙然は幸せになれた人だったろうに。

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    2015年08月05日
  • レシタティフ

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    有色人種の女性として初めてノーベル文学賞を受賞したトニ・モリソンによる実験的短編。
    人種問題、黒人性、白人性、これらを読者に問うスタイルのようだが、本邦では容易には理解しがたい概念でありそう。

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    2026年03月11日
  • 自然のものはただ育つ

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    既読の「理由のない場所」は長男が自死した後の本だったが、なんと2024年に次男も自死してしまったとのことでこの本が書かれたそう。次男のジェームズ君は内向的で無口な性格だったらしく、この本は対話形式ではない。二人の死を受けて母である著者が考えたこと、思い出などが混ざりあってつづられている。
    自分の経験を書いていながら文章はどこか客観的で、感情と対応を論理で解析するような内容になっている。それは解離というよりは性格に由来するのだろう。奈落の底で、言葉にならない思いが、周辺をぐるぐる回るように叙述されていくのに胸がギュッとなる。
    この人の本はいつもそうだが、中国人の著者が英語で書いたものを日本語訳で

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    2026年01月09日
  • 水曜生まれの子

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    訳し方なのでしようか。淡々と話が進んで登場人物の個性が私には見えませんでした。
    三篇ほど読みましたが変化がなく私には合わないな。と中断してしまいました。

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    2025年11月21日
  • 水曜生まれの子

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    ネタバレ

    名久井直子さんの装丁に惹かれて。短編集。なんだか馴染みにくかった。『理由のない場所』はすきだったんだけど。

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    2025年09月30日
  • 水曜生まれの子

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    翻訳小説が苦手なこともあって、なかなか没頭するのが大変だったが、他の方のレビューを読んで、あとがきを先に読んでみたら、初めて読む彼女の世界観の根底にあるものに触れることができ、グッと読みやすくなった。「目に見えないところに、心をかき乱すやっかいな何かが本質的に存在しているという確信があります。その部分を覆い隠すよりも、発見するために書きたいのです」「悲しみと不幸は大きくちがうとも考えています。不幸と喜びは両立しない場合が多いのです。不幸というのはむしろつらい状態に似ていて、それはよくないことです。そして、私は不幸だとは感じていません。悲しいのです。とても悲しいとは言えます。悲しい過去があるので

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    2025年09月17日
  • 水曜生まれの子

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    孤独や喪失と向かい合い静かに淡々と暮らす人たちの短編集。諦観した人ゆえの静かな強さみたいなものが感じられて良かった

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    2025年09月13日
  • 水曜生まれの子

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    中国のチェーホフと称されるアメリカ在住の作家
    訳者あとがきを読んでから本文を
    読めば良かった

    何とか読み進めたが読みながら
    何か凄い苦しみを体験した人なのかな
    と感じた
    それは当たっていた

    北京大学までの中国での生活や思いは
    分からないが
    進路変更して作家の世界へ
    自殺未遂や子どもの自死
    容易では無い
    それぞれの作品の後に
    シェークスピアやマザーグースなど
    関連があるのも私には新鮮だった

    何回か読むといろんな事を考えさせられそう

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    2025年04月30日
  • 理由のない場所

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    母と亡くしてしまった息子の著者の実体験に基づいたかのような私小説。明示的なセリフがなく、内的な心の世界と外的な現実世界の淡いをゆくような不思議な読み心地だった。

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    2025年01月30日
  • 理由のない場所

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    自殺した息子とその母親が言葉だけで繋がろうとする話。二人の会話を中心に進むけれど、結局は母親の頭の中で繰り広げられているので、「」はなくて、母が思っていることは筒抜けで、過去と現在がシームレスに移り変わっていく。

    初イーユン・リー。
    登場する親子は揃って言葉の正確さやそれらが孕む意味に鋭敏で、繊細で、彼らの話は比喩が多くて文そのもの私には共感できないというか分からないところも多かった。ただその中でやっぱり母親の愛情や、その裏側にある悲しみの深さにどきっとさせられたし、この物語そのものが安易な答えに辿りつくものじゃないんだろうなってことは分かる。本当に悲しいことは言葉にできないから、その他の部

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    2024年11月13日
  • ガチョウの本

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    不思議な物語
    作家は北京大学卒アイオワ大学大学院で免疫の研究をしていたが
    進路変更して創作の世界へ
    英語で執筆するようになった人

    幼い頃に仲良しの二人は
    世界を共有していた
    一人が語り一人がそれを文章に
    本にしようとした事で
    子どもが書いたショッキングな話に
    いろんな大人が近づいてくる

    しかも語りの友人は自分の名前は
    出さないようにしたことで
    文章を書いた少女は
    イギリスで教育を受けるべく
    フランスの田舎から出ていく
    しかし馴染めず再び故郷へ

    だが二人はもはや昔の二人には
    なれなかった

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    2024年10月22日