篠森ゆりこのレビュー一覧

  • 水曜生まれの子

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    訳し方なのでしようか。淡々と話が進んで登場人物の個性が私には見えませんでした。
    三篇ほど読みましたが変化がなく私には合わないな。と中断してしまいました。

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    2025年11月21日
  • 水曜生まれの子

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    ネタバレ

    名久井直子さんの装丁に惹かれて。短編集。なんだか馴染みにくかった。『理由のない場所』はすきだったんだけど。

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    2025年09月30日
  • 水曜生まれの子

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    翻訳小説が苦手なこともあって、なかなか没頭するのが大変だったが、他の方のレビューを読んで、あとがきを先に読んでみたら、初めて読む彼女の世界観の根底にあるものに触れることができ、グッと読みやすくなった。「目に見えないところに、心をかき乱すやっかいな何かが本質的に存在しているという確信があります。その部分を覆い隠すよりも、発見するために書きたいのです」「悲しみと不幸は大きくちがうとも考えています。不幸と喜びは両立しない場合が多いのです。不幸というのはむしろつらい状態に似ていて、それはよくないことです。そして、私は不幸だとは感じていません。悲しいのです。とても悲しいとは言えます。悲しい過去があるので

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    2025年09月17日
  • 水曜生まれの子

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    孤独や喪失と向かい合い静かに淡々と暮らす人たちの短編集。諦観した人ゆえの静かな強さみたいなものが感じられて良かった

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    2025年09月13日
  • 水曜生まれの子

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    中国のチェーホフと称されるアメリカ在住の作家
    訳者あとがきを読んでから本文を
    読めば良かった

    何とか読み進めたが読みながら
    何か凄い苦しみを体験した人なのかな
    と感じた
    それは当たっていた

    北京大学までの中国での生活や思いは
    分からないが
    進路変更して作家の世界へ
    自殺未遂や子どもの自死
    容易では無い
    それぞれの作品の後に
    シェークスピアやマザーグースなど
    関連があるのも私には新鮮だった

    何回か読むといろんな事を考えさせられそう

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    2025年04月30日
  • 理由のない場所

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    母と亡くしてしまった息子の著者の実体験に基づいたかのような私小説。明示的なセリフがなく、内的な心の世界と外的な現実世界の淡いをゆくような不思議な読み心地だった。

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    2025年01月30日
  • 理由のない場所

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    自殺した息子とその母親が言葉だけで繋がろうとする話。二人の会話を中心に進むけれど、結局は母親の頭の中で繰り広げられているので、「」はなくて、母が思っていることは筒抜けで、過去と現在がシームレスに移り変わっていく。

    初イーユン・リー。
    登場する親子は揃って言葉の正確さやそれらが孕む意味に鋭敏で、繊細で、彼らの話は比喩が多くて文そのもの私には共感できないというか分からないところも多かった。ただその中でやっぱり母親の愛情や、その裏側にある悲しみの深さにどきっとさせられたし、この物語そのものが安易な答えに辿りつくものじゃないんだろうなってことは分かる。本当に悲しいことは言葉にできないから、その他の部

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    2024年11月13日
  • ガチョウの本

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    不思議な物語
    作家は北京大学卒アイオワ大学大学院で免疫の研究をしていたが
    進路変更して創作の世界へ
    英語で執筆するようになった人

    幼い頃に仲良しの二人は
    世界を共有していた
    一人が語り一人がそれを文章に
    本にしようとした事で
    子どもが書いたショッキングな話に
    いろんな大人が近づいてくる

    しかも語りの友人は自分の名前は
    出さないようにしたことで
    文章を書いた少女は
    イギリスで教育を受けるべく
    フランスの田舎から出ていく
    しかし馴染めず再び故郷へ

    だが二人はもはや昔の二人には
    なれなかった

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    2024年10月22日
  • ガチョウの本

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    著者、イーユン・リーは北京生まれ。北京大学で生物学を専攻し、アメリカに留学して大学院で研究を続けていたが、進路を変更して創作の道に入ったという、なかなか変わった経歴。
    創作は中国語ではなく英語で行っている。
    中国を舞台にした作品が多いが、本作はフランスに住む少女たちを主人公とする。
    訳者のあとがきによれば、著者はこう語っている。
    人々は“中国について書けないか”と言います。ええ、中国について書けますけれども、中国だけが私のテーマではありません。私は友情についても書けますし、フランスの少女の友情について書くこともできるのです
    作家たるもの、それはそうだろう。

    主人公はアニエス。愚かではないが、

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    2024年10月21日
  • 黄金の少年、エメラルドの少女

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    寂しい雰囲気が全体に漂う短編集。必要に駆られて誰かと会話はするけれども、結局は一人なんだと悟っているような、孤独な人達が出てくる。
    代理母の話は中年夫婦が必死すぎて読んでて辛くなる。

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    2022年06月04日
  • さすらう者たち

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    素晴らしきイーユン・リー!
    でもこれは読むのがつらくてつらくて、休み休み進めた。
    短編で知られる彼女が、文革直後の小都市で起きた政治犯の処刑を巡る惨状…?を描く長編。
    文革とはかくも苛烈に人を歪めたのか。押し付けられた価値観が、中国の古き良き文化と伝統と共に、人の心のもっとも良い部分を破壊していく。立派になりたいと願う少年の善、虐げられた若者の間に生まれたはかない恋、長年を共にしてきた夫婦の絆…痛くてたまらない。
    これまで知らなくてごめんなさいシリーズだ…。本の学びにありがとう。
    でもしばらくはお気楽なミステリなどに逃避しまーす

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    2021年03月29日
  • ハウスキーピング

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    初読み作家。ピュリツァー賞を始め高い評価を得ている。かといって日本人に合うといえないと感じた。静謐、豊かな自然描写を背景に「ハウスキーピング」-家を守る概念をそれぞれの人物が語り、動く。祖父、祖母、母の余りに哀しい死に方。双子が辿る人生に大きく関わってくる叔母の影はある意味疎ましく、煩わしい。聖書の言葉を随所に置きつつ、ルーシーとルシールが手繰り寄せる「生きる道」を読み手がどう受け止めるか。私にはシルヴィのはき違えて「謳歌する自由」にざらつきばかり感じさせられ最後まで流れるような文章を咀嚼できなかった。
    日本語役に好き嫌いがかなり別れそうな感がある。
    長い文が多すぎる・・饒舌というのではなく、

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    2020年10月07日
  • 独りでいるより優しくて

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    ネタバレ

    一人の女の子の死(服毒自殺?他殺?)が、それに関わった三人の少年少女のその後の人生をまさに毒のように蝕む様子を書いた小説。三人とも自分を罰するように家庭を築くことに失敗し、他人との深いかかわりを避けて都市の中で漂流して孤独に暮らしている。
    天安門事件あたりの北京の暮らしの様子が生き生きと描かれているのは面白い。
    最後に明かされる死の真相は奇をてらわず順当にという感じだけど、よく泊陽は如玉をぶん殴らないで我慢できたね!泊陽のやれやれ系スカしたおっさんっぷりははっきり言って嫌いなんだけど、白々しく犯行について弁解して「で?殴れば満足するならそうすれば(笑)」という態度の如玉の不快度はそれをはるかに

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    2020年09月07日
  • 黄金の少年、エメラルドの少女

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    『ティエンイの物語』にもあった、共産主義社会下での諦めの境地。
    ティエンイは男性目線、本作はたいへん女性目線。
    愛とか夢とか語ってられる幸せを実感する。

    優しさ (Kindness 2010)
    彼みたいな男 (A Man Like Him 2008)
    獄 (Prison 2006)
    女店主 (The Proprietress 2005)
    火宅 (House Fire 2007)
    花園路三号 (Number Three,Garden Road 2009)
    流れゆく時 (Sweeping Past 2007)
    記念 (Souvenir 2006)
    黄金の少年、エメラルドの少女 (Golden b

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    2018年11月21日
  • 独りでいるより優しくて

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    モーランの罪は赦された
    南の暖かい風が泉のように、流れ 永遠に終わらない夕焼け
    振り返らないけれど彼女は穏やかで優しい世界にいるのでは 灰色の牢獄のような国を後にして

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    2018年09月22日
  • 独りでいるより優しくて

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    これまでの作品すべてが素晴らしかったイーユン・リーだけど、
    これはちょっとネタ切れ感というか、素晴らしい才能の上にあぐらをかいた感が否めない。
    この作品でいったん一区切りして、新しい境地を切り開いてくれるのかなーと期待をこめて☆3。

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    2018年08月17日
  • ハウスキーピング

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    米国の湖畔の町に両親を亡くしたルースと妹のルシールは、祖母と暮らしていた。やがて祖母が亡くなり、母の妹である叔母のシルヴィがやって来て、姉妹と暮らすようになる。しかし、シルヴィは流れ者とみられ姉妹の保護者としての資質には疑問が持たれる。姉妹は、半年もの間学校へ行かなかった。湖畔の自然の中で自由に暮らしていた。やがて妹のルシールは、自分たちの生活の異端さを意識するようになり、みずから家を出て学校の女教師の家に転がり込む。ルシールは、ラテン語の授業に打ち込むことで学校での居場所を見つけるが、シルヴィの誘いで学校を休んで湖へと向かっていく。シルヴィの奔放さに危惧を感じた住民たちは二人の生活に干渉する

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    2018年06月24日
  • ハウスキーピング

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    ネタバレ

    ハウスキーピング=家を維持すること
    家という言葉にはもちろん、家族、家系も含まれる…

    大きな湖のそばの一軒の家
    湖に落ちた列車の車掌だった祖父。病気でなくなった祖母。湖に車ごと飛び込んだ母。流れの労働者になった叔母。ルースとルーシー

    聖書の引用。耳馴れない言葉。長いワンセンテンス。
    とても美しい英語の小説と言われていますが、読むには味わう余裕が必要かも。

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    2018年06月11日
  • 独りでいるより優しくて

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    急速に発展する中国と豊かなアメリカの二つの大国を舞台に、ある事件に関わった3人は、それぞれ孤独であることを選ぶ。
    どこまで行っても、3人はずっと事件に縛られているが、事件にあった女性の21年後の死により、彼らは少しずつ変わっていく。
    でもやっぱり、事件から完全に逃れることはできないのではないか。
    誰には決して嘘がつけず、誰には嘘がつけるのか、難しい。

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    2016年01月29日
  • 独りでいるより優しくて

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    ネタバレ

    なんとも不思議な読後感があった。話はある女性の服毒による死から始まる。それに関わる三人の男女が21年に亘り、その事件を引きづり、人生の舞台から降りて自分の人生を謳歌することを回避し、孤独であることを選びとって生きている。
    その3人の人生も女性の死によって変化が起き、”独りでいるより優しい”方へと流れてゆく。
    作者の巧みな心理描写が主人公たちの猜疑心や悲しみ、孤独を描き出し、服毒事件というスリリングな設定であるにもかかわらず、人の心の葛藤を説得的に描いている。読み始めると手放すことができない魅力を持っている。

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    2015年11月02日