川瀬七緒のレビュー一覧
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ネタバレ面白い、くない、という議論ならむしろ面白い方に入ると思う。
ただ、個人的には非常に入り込みづらかったので、備忘録的に書いておこうと思う。ネタバレありなので、読む際には注意。
面白いな、と思ったのは呪術に関する丁寧な表記。
オタク気質なのかどうしてもディテールがしっかりしていると読み込んでしまう。文化人類学者とJKという取り合わせ、え、作者はそういったバックグラウンドの人?と思ったら文化服装学園出身とのこと。え、じゃあご自身でここまで研究したのかすごいな、と、読み進む。陰惨な殺人、温和であったはずの被害者、おどろおどろしい呪術の道具、禁忌の呪術集団…すげ~~!
ただ、どう~~~~しても納 -
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法医昆虫学捜査官シリーズ第5弾。
伊豆諸島にある神ノ出島で若い女性の遺体が発見された。解剖所見から首吊りによる自殺、死後3か月以上と推定された。ところが、目と口の中は蛆に激しく喰われた形跡があるのに、体内では見つからず内臓も脳も無傷で残されたままミイラ化していた。
法医昆虫学者・赤堀涼子が遺体と蛆の発生状況に違和感を覚え虫の動きをたどりながら捜査をするうちに、さらなる驚愕の事実に突き当たる・・・。
今回は蛆の登場が控えめでちょっと寂しい気がするのはこのシリーズに首までどっぷりつかっているからか。その代わりに登場するのが島の生態系をも脅かす恐ろしい虫。
岩楯警部補とバディを組む新島署の兵藤 -
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法医昆虫学捜査官シリーズ第4弾。
東京西多摩の山中で、腐乱した男性のバラバラにされた腕が発見された。警視庁の岩楯警部補は、四日市署の警官で山岳救助隊員でもある牛久巡査長とコンビを組み捜査を始める。
毎回、岩楯と組むバディの所轄警官が楽しみの一つでもあるこのシリーズ、今回の牛久は山岳救助隊員だけあって肉体派、地元愛に溢れた熱血漢。ただ、結婚相手への理想が非現実的で子供じみていてなんだかな~。やっぱり、プロファイラー志望のメモ魔・ワニさんにはかなわない。
山間の村に隠されたよそ者への悪意と疑念、大量発生した蚊の謎、大雨の日にタクシーで訪れた男の正体・・・事件の背後にも目が離せない。
リケジ -
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法医昆虫学捜査官シリーズ第2弾。
東京・葛西のトランクルームで女性の全裸腐乱死体が発見された。死体に群がる夥しい蠅と蛆。前作で事件解決に貢献し今回も捜査を依頼された法医昆虫学者・赤堀涼子は、捜索の過程で場違いな植物の種子を発見したことに着目し、コンテナ周辺にあるアリの巣を掘り返した結果、珍しい脱皮殻を発見する。そこから手繰り寄せられる驚くべき事件の真相とは。
お馴染みの岩楯刑事と赤堀准教授に加え、今回岩楯とバディを組む所轄の刑事・月縞もなかなかの男。見た目イケメンなのに、「だるいな」が口癖で小笠原駐在所への異動を希望する無気力刑事。この月縞が岩楯と組むことで少しずつ瞳に光を取り戻す過程も見 -
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ネタバレ東京都の小さな離島で、ミイラ化した若い女性の遺体が発見された。
通常とは異なる遺体の状態に法医昆虫学者の赤堀に出動要請が入り、彼女の世話係の警視庁の岩楯も島に向かう。
解剖医は自殺と断定し、死亡推定月日は3ヵ月以上前と判明するが…。
遺体に群がる虫の痕跡から事件を紐解いていく昆虫学捜査官・赤堀涼子を主人公にしたシリーズももう五作目。
毎回異なるパターンの虫や現場が出てくるので、飽きない作品です。
今回はミイラ化遺体ということで、大量のウジ虫ちゃんが出てこないのでそんなにグロくなく、物足りない感じ。
私は別にグロいのが得意なわけではないのですが、このシリーズを読んでいるうちに耐性ができてしま -
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ネタバレテーラー伊三郎が良かったので追いかけることにした、川瀬さんの乱歩賞受賞作。
初期作だけあってかなり荒っぽいなぁ。細部に心配りしているなぁと思うところもあれば、その描写はないやろと思うとこもあったりで、塗りむらが激しいというイメージ。
呪術展開ならもっとドロドロとしてほしいし、謎解きで行くならもっとミステリーやトリックを巧妙にしてほしいし、読ませたい場所の立ち位置もなんだかフラフラ不安定。
ヒロインの描写も勝気なのか弱いのかガキなのかオマセなのか…、本人に「そう演じてるのよ」と言わせてしまうのは興ざめやぞ。
その他、小説なれしてない部分は目につくものの、筆力の強さの片りんを見せてくれる作品で -
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ネタバレシリーズ第4弾は、昨年個人的に何度か訪れた西多摩地域が舞台でした。山の中を散策したことを思い出しながら、あの辺りで本作で描かれた陰惨な事件があった(本作はフィクションですが…)と妄想すると、背筋に冷たいものが走ります。
捜査の展開としては、少しずつ状況が明らかになっていくも終盤まで事件の真相に直結する証拠が発見されず、遅々とした進捗だったように思います。そのため、話の吸引力がやや欠けているように感じてしまいました。
しかし、終わり近くでようやくミバエの出どころが分かったあたりで急展開。真犯人の目的とその行為(惨殺したことではなく、あるモノを作り上げたこと)のグロテスクさ・おぞましさが半端な