川瀬七緒のレビュー一覧

  • 二重拘束のアリア~賞金稼ぎスリーサム!~

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    ネタバレ

    シリーズものだと知らずに、ついこちらから読んでしまったので、評価は参考程度に。でもキャラはよくたっているので前作を読まなくても理解に困難はなかった。複雑そうにみえる物語が、一点にシュルシュルと回収されていく様は見事。ただ犯罪者の脇が甘いというか、すご腕の調査官たちの前で、そんなに大事な情報を出しちゃったらそりゃあつかまっちゃうでしょうというのはあった。あと、精神医学的にダブルバインド仮説って、今ではかつてほどの信用はないのではとも思った。フィクションとしてなら、よくできた装置として受け入れられるが。

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    2020年10月23日
  • シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官

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    ホラー仕立てにしなくてもいいんじゃないかな、と思ったけど、
    人魂を「発光バクテリアに寄生され光り病にかかったユスリカの蚊柱」として、
    ゲットする赤堀が面白かった。

    安富和男『虫たちの生き残り戦略』には
    「ユスリカの群れ(蚊柱)。ユスリカ細菌(発光バクテリアの一種)に寄生されたユスリカは光り病を発し、青く光る」
    とある。

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    2020年10月14日
  • 二重拘束のアリア~賞金稼ぎスリーサム!~

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    10月-9。3.5点。
    賞金稼ぎ3人組、第二弾。調査事務所を設立した3人。
    最初の依頼者は、娘夫婦が3年前に互いを殺害し合った事案。両親は真相を知りたいと依頼。

    再捜査、簡単に終わるのかなという印象とは裏腹に意外な方向へ。SROシリーズの近藤房子とは違った怖さがある。
    面白かった。

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    2020年10月09日
  • 水底の棘 法医昆虫学捜査官

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    シリーズ3作目。
    全2作もそうだったのだけれども、どの作品も面白い。面白いのだけれども、でも何かが違うんだよなぁ。

    読み終えた時の満足感というか、高揚感というか、そいういものが全然感じられなくて、

    「ふーん、そうなんだ」

    で終わってしまう。

    次に読みたい本がどうにもこうにも見つからない時には、きっと次の作品にも手を出すんだろうけど、そうでなければ積極的には読まないかな、的な作品。

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    2020年08月20日
  • よろずのことに気をつけよ

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    ネタバレ

    面白い、くない、という議論ならむしろ面白い方に入ると思う。
    ただ、個人的には非常に入り込みづらかったので、備忘録的に書いておこうと思う。ネタバレありなので、読む際には注意。

    面白いな、と思ったのは呪術に関する丁寧な表記。
    オタク気質なのかどうしてもディテールがしっかりしていると読み込んでしまう。文化人類学者とJKという取り合わせ、え、作者はそういったバックグラウンドの人?と思ったら文化服装学園出身とのこと。え、じゃあご自身でここまで研究したのかすごいな、と、読み進む。陰惨な殺人、温和であったはずの被害者、おどろおどろしい呪術の道具、禁忌の呪術集団…すげ~~!

    ただ、どう~~~~しても納

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    2020年01月17日
  • よろずのことに気をつけよ

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    呪いを主題とした作品だが、推理小説というより、SF寄り?に感じた。
    知識がやや表面的な部分をなぞったのみという印象を受けたが、謎が謎を呼ぶテンポの良い展開や「呪い」という人を惹きつけるテーマのおかげで、一気に読破できた。救いのある終わり方であったため、後味も悪くない。
    作品にリアリティを求める人には向かないかもしれない。

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    2019年12月14日
  • フォークロアの鍵

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    昔話の伝承を研究する大学院生が、痴呆症の老人が集まる介護施設に。
    一方、母親の教育方針に耐えられず高校に行かなくなった少年。
    ふとした事で大学院生と知り合いになり、共に調査に赴く事で次第に自分らしさを取り戻して行く。

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    2019年11月23日
  • 潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官

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    法医昆虫学捜査官シリーズ第5弾。

    伊豆諸島にある神ノ出島で若い女性の遺体が発見された。解剖所見から首吊りによる自殺、死後3か月以上と推定された。ところが、目と口の中は蛆に激しく喰われた形跡があるのに、体内では見つからず内臓も脳も無傷で残されたままミイラ化していた。
    法医昆虫学者・赤堀涼子が遺体と蛆の発生状況に違和感を覚え虫の動きをたどりながら捜査をするうちに、さらなる驚愕の事実に突き当たる・・・。

    今回は蛆の登場が控えめでちょっと寂しい気がするのはこのシリーズに首までどっぷりつかっているからか。その代わりに登場するのが島の生態系をも脅かす恐ろしい虫。

    岩楯警部補とバディを組む新島署の兵藤

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    2019年09月16日
  • メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官

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    法医昆虫学捜査官シリーズ第4弾。

    東京西多摩の山中で、腐乱した男性のバラバラにされた腕が発見された。警視庁の岩楯警部補は、四日市署の警官で山岳救助隊員でもある牛久巡査長とコンビを組み捜査を始める。

    毎回、岩楯と組むバディの所轄警官が楽しみの一つでもあるこのシリーズ、今回の牛久は山岳救助隊員だけあって肉体派、地元愛に溢れた熱血漢。ただ、結婚相手への理想が非現実的で子供じみていてなんだかな~。やっぱり、プロファイラー志望のメモ魔・ワニさんにはかなわない。

    山間の村に隠されたよそ者への悪意と疑念、大量発生した蚊の謎、大雨の日にタクシーで訪れた男の正体・・・事件の背後にも目が離せない。

    リケジ

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    2019年09月14日
  • シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官

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    法医昆虫学捜査官シリーズ第2弾。

    東京・葛西のトランクルームで女性の全裸腐乱死体が発見された。死体に群がる夥しい蠅と蛆。前作で事件解決に貢献し今回も捜査を依頼された法医昆虫学者・赤堀涼子は、捜索の過程で場違いな植物の種子を発見したことに着目し、コンテナ周辺にあるアリの巣を掘り返した結果、珍しい脱皮殻を発見する。そこから手繰り寄せられる驚くべき事件の真相とは。

    お馴染みの岩楯刑事と赤堀准教授に加え、今回岩楯とバディを組む所轄の刑事・月縞もなかなかの男。見た目イケメンなのに、「だるいな」が口癖で小笠原駐在所への異動を希望する無気力刑事。この月縞が岩楯と組むことで少しずつ瞳に光を取り戻す過程も見

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    2019年09月09日
  • 潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官

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    ネタバレ

    東京都の小さな離島で、ミイラ化した若い女性の遺体が発見された。
    通常とは異なる遺体の状態に法医昆虫学者の赤堀に出動要請が入り、彼女の世話係の警視庁の岩楯も島に向かう。
    解剖医は自殺と断定し、死亡推定月日は3ヵ月以上前と判明するが…。

    遺体に群がる虫の痕跡から事件を紐解いていく昆虫学捜査官・赤堀涼子を主人公にしたシリーズももう五作目。
    毎回異なるパターンの虫や現場が出てくるので、飽きない作品です。

    今回はミイラ化遺体ということで、大量のウジ虫ちゃんが出てこないのでそんなにグロくなく、物足りない感じ。
    私は別にグロいのが得意なわけではないのですが、このシリーズを読んでいるうちに耐性ができてしま

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    2019年09月06日
  • よろずのことに気をつけよ

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    呪術ミステリーと謳われてたんで、もっとホラー的なミステリーかと思いきや。
    結局真由の祖父がどうやって殺されたのかとか、いろいろ疑問に思うところはたくさんあったのだけど、仲澤先生と真由のやりとりは面白かった。

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    2019年05月18日
  • よろずのことに気をつけよ

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    ネタバレ

    よろずのことに気をつけよ/川瀬七緒:第57回大賞受賞。2011年。
    女性W受賞だそう。これは呪い。子供を殺された親の呪い。都会から遊びにやってきて、好き放題していく者への呪い。なので、犯人は後から出てくる人物なんだろうな。と。
    土着。呪術。に絡めた虐待された子。子を殺された親。そして虐待された子を救えなかった主人公。
    呪い、土着といえば、横溝正史賞だと思うのだが。ここに応募で評価されるんだね。
    重いっちゃ重い。どのテーマもいまだ(2019年)に解決されていない。

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    2019年04月21日
  • よろずのことに気をつけよ

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    ネタバレ

    テーラー伊三郎が良かったので追いかけることにした、川瀬さんの乱歩賞受賞作。

    初期作だけあってかなり荒っぽいなぁ。細部に心配りしているなぁと思うところもあれば、その描写はないやろと思うとこもあったりで、塗りむらが激しいというイメージ。
    呪術展開ならもっとドロドロとしてほしいし、謎解きで行くならもっとミステリーやトリックを巧妙にしてほしいし、読ませたい場所の立ち位置もなんだかフラフラ不安定。
    ヒロインの描写も勝気なのか弱いのかガキなのかオマセなのか…、本人に「そう演じてるのよ」と言わせてしまうのは興ざめやぞ。

    その他、小説なれしてない部分は目につくものの、筆力の強さの片りんを見せてくれる作品で

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    2018年09月15日
  • 水底の棘 法医昆虫学捜査官

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    法医昆虫学捜査官シリーズ第3弾
    今回は全然進まなかった。遺体の身元もどこから来たのかも。終盤までなかなかもどかしい時間が続いた。被害者がゲスい奴で加害者が可哀想でやるせない結果だった。
    おでこの広いメモ魔がまた相棒になったのは嬉しかったな。次も早く読みたい。

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    2018年07月07日
  • メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官

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    ネタバレ

    シリーズ第4弾は、昨年個人的に何度か訪れた西多摩地域が舞台でした。山の中を散策したことを思い出しながら、あの辺りで本作で描かれた陰惨な事件があった(本作はフィクションですが…)と妄想すると、背筋に冷たいものが走ります。

    捜査の展開としては、少しずつ状況が明らかになっていくも終盤まで事件の真相に直結する証拠が発見されず、遅々とした進捗だったように思います。そのため、話の吸引力がやや欠けているように感じてしまいました。

    しかし、終わり近くでようやくミバエの出どころが分かったあたりで急展開。真犯人の目的とその行為(惨殺したことではなく、あるモノを作り上げたこと)のグロテスクさ・おぞましさが半端な

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    2018年01月09日
  • メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官

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    東京都西多摩で、男性のバラバラ死体が発見される。岩楯警部補は、山岳救助隊員の牛久とペアを組み捜査に加わった。捜査会議で、司法解剖医が出した死亡推定月日に、法医昆虫学者の赤堀が異を唱えるが否定される。他方、岩楯と牛久は仙谷村での聞き込みを始め、村で孤立する二つの世帯があることがわかる。息子に犯罪歴があるという中丸家と、父子家庭の一之瀬家だ。──死後経過の謎と、村の怪しい住人たち。残りの遺体はどこに!

    科学的な記述には驚かされるが、それ以外はありきたり。

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    2017年12月17日
  • シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官

    購入済み

    物足りない。。。。

    ミステリーとしては先が読めない展開がとても面白い

    でも!
    今回はロマンス的な事がなくて
    残念。。。

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    2017年03月22日
  • 水底の棘 法医昆虫学捜査官

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    ネタバレ

    どうやって犯人割り出しにつなげるのかと思ったら、今回もまた意外で面白かった。
    ラスト赤堀は大丈夫だったが、なるほどそうきたか。

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    2017年01月15日
  • よろずのことに気をつけよ

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     何よりもしっかりした文章を書かれる。恨みをはらすという、いささか古風な感情にリアリティを与えている。(柳田國男に呪いに関する書籍はあるのか。)著者の初期の本なのだが、子供服のデザイナーをしながら、このような物語を紡いだ才能は本物だと思います。

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    2016年10月05日