あらすじ
東京・葛西のトランクルームから、女性の全裸腐乱死体が発見された。現場に蠅とウジが蝟集していたことから、捜査本部は法医昆虫学者・赤堀涼子の起用を決定する。「虫の知らせ」を頼りに調査を進める彼女は、珍しい植物の種が現場で発見されたことに着目する。赤堀涼子がたどり着いた驚愕の真相とは!?
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
東京、葛西のトランクルームから、女性の全裸腐乱死体が発見される。
屍体にたかったウジ、ハエから、手がかりを見つけ出す法医学昆虫学捜査官で大学准教授の赤堀涼子が活躍する。
腐乱死体に集まるウジの発生状況や成長段階を調べることで、死亡推定日時を高い精度で割り出す。
そして、その死体から、サギソウのタネも見つかる。
赤堀は、アリを見つけ、そのアリの巣を探索する。
アリが運んだ幼虫の抜け殻は、ハッチョウトンボだった、さらに、その幼虫は雌雄モザイクだった。
ハッチョウトンボの雌雄モザイクが、遺伝的に継承される。
そのハッチョウトンボの幼虫がいたところで、その死体は遺棄されていたはずだ。
赤堀の推理は、死体がどこで殺されたのかを、アリとハッチョウトンボの幼虫の抜け殻から探る。
それが、福島県の伝説のある村に繋がっていく。そこには湿地帯があり、サギソウが咲いていたのだ。その村は、都会からの移住者を受け入れており、オタクの薮木は、人形作家であり、
その村の昔の庄屋の呪いを受けている白肌美人の瑞希が登場する。瑞希は、心臓移植を受けていた。
その心臓移植をめぐる親たちの恨みが、瑞希に集中するのだった。そして、死体は。
ふーむ。臓器移植まで絡めて、虫の蘊蓄が楽しめるのはおもしろい。
岩楯刑事と赤堀涼子の絡みがちょっと弱いが、今時の若い月縞刑事が、赤堀涼子の昆虫から得られる事実に気がつき、刑事の自覚を持っていく。赤堀涼子の専門的知識によって解き明かしていく姿勢が、他人への影響力がなんとも言えない。
Posted by ブクログ
東京・葛西のトランクルームから、女性の全裸腐乱死体が発見された。現場に蠅とウジが蝟集していたことから、捜査本部は法医昆虫学者・赤堀涼子の起用を決定する。「虫の知らせ」を頼りに調査を進める彼女は、珍しい植物の種が現場で発見されたことに着目する。赤堀涼子がたどり着いた驚愕の真相とは!?
安定の面白さ
Posted by ブクログ
東京のトランクルームで女性の腐乱死体が発見され、包囲昆虫学者・赤堀涼子は近くの空き地にあった蟻の巣から見つけたヤゴの抜け殻を調べて、死体がどこから来たかを推理する。捜査会議で虫の状態を根拠に恐ろしいほど筋の通った説を披露する姿はまさに名探偵!虫の声を聞くためなら一直線で、偉い人にもそうでない人にも同じく無邪気に振る舞うが嫌われない、魅力的な涼子の行動から目が離せない。一方、「だるいな」が口癖のイケメン若手刑事・月縞と、警察の中で誰よりも涼子の能力を認めている若楯警部補のコンビにも注目。若楯の言葉で月縞の態度が変化していくのが良かった。犯人が意外な人物でこの人だったのかと驚かされた。
シンクロニシティ
今回も笑わせてもらい、恐怖を覗いてハラハラしたり最後は切なくなりました。バラバラの様な点と点が虫によって繋がってゆく。すごい話で感動です。
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾もすごく面白かった。
冒頭から続く怪奇的な空気を一撃で破壊する赤堀さんの存在感が凄まじい。初巻の前半まではキャラクター狙いの作品かとガッカリしましたが、彼女の洞察力と行動力には一貫性があり、それを捜査に結びつける構成が非常に上手い。
後半まで犯人や動機が全く分からないのに緊張感を保ち続けながら、ラストスパートでの怒涛のスピード感というバランスも良く、文句無しに星5つです。
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官の二作目。 都内の倉庫に遺棄された死体、残された植物の種子と昆虫の痕跡から殺しの現場を突き詰めていく・・
昆虫学捜査をメインにしながらも、医療問題や地方問題を交え一筋縄ではいかない内容になっています。 今作はどちらかというと警察側を主人公格として描き、その他の人物も含め一話できっちり事件の一幕による成長物語を書ききっています。 それでも要所は昆虫と赤堀さんの活躍が光ります。 やっぱりいい性格してるわ赤堀さん!!
Posted by ブクログ
何気に買った前作がとても面白かったので、迷わず購入。いやこれも、バツグンに面白く読ませていただきました!(^o^
殺人事件の犯人を追うミステリではあるが、後半なんかサスペンスというかホラーというか、かなり猟奇的な展開を見せる。そして前作に続いてもの凄いピンチに陥る赤堀センセイ(^ ^; いやかなりドキドキしながら読みました(^ ^;
虫関連のトリビアも、相変わらず充実。人魂の正体なんて、あんなに快刀乱麻の「正解」を公表しちゃって、大丈夫なのかしら...と、心配になるくらい(^ ^; オカルト業界(?)から、刺客が放たれるのでは...と(^ ^;
惜しむらくは、前作では「必然性があった」とは言え、あれだけ印象的に描かれていた岩楯刑部の奥さまが全く登場しない。あのヒリついた夫婦関係が描かれるからこそ、赤堀センセイとのビミョーな関係性が生きてくる...ような気がするのですが...
Posted by ブクログ
おもしろかった!
導入はホラーかと心配になったが、
きちんとミステリーだった。
岩楯&月縞コンビがすごくよかった。
内容も濃く、読みごたえがあった。
Posted by ブクログ
前作に引き続き、一息に読んでしまいました。
地道な警察の捜査のなかで、犯人につながる手がかりがない、そんな袋小路に光を差し込ませる法医昆虫学の知見は、読んでいてワクワクさせられます。
赤堀と岩楯のコンビも健在です。
今回は、岩楯の相棒が別の刑事になっていますが、捜査を通して人として、また刑事として成長してゆく姿を、これからも応援したくなります。
赤堀先生と岩楯刑事の関係性がどう変化してゆくのか(妻帯者である岩楯刑事がどうするのか)という所もきになります。
相変わらず、単独行動が響いてピンチに陥る赤堀先生ですが、持ち前の負けん気と昆虫の知識、そして岩楯の助けで今回も大手柄でした。
Posted by ブクログ
テンポよく話が進んで行く場面とじっくりと登場人物の心情を描く場面のバランスがとても良い。専門用語(特に虫)が沢山出てくるのにも関わらず文章が読みやすくてサクサクと読めた。
今作で新たに増えた登場人物も魅力的でみんな幸せになって欲しいなと思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。今作も面白くて一気読みした。
相変わらず法医昆虫学者の赤堀さんが豪快で面白い。岩舘警部補の相棒になる所轄の刑事はイケメンの若手、月縞巡査。その情熱が他人に理解されなかったせいか、妙に人付き合いにドライでやる気がないように見える。藪木も似たタイプで、この二人が事件を通して変わっていくのがサイドストーリーになっていて良い。あとタエばあちゃんが可愛い。事件の背景は重いけど、赤堀さんはじめ登場人物のキャラが良いので暗くなりすぎず、楽しく読める。
Posted by ブクログ
2020/1/11
また読みたいともったいないのせめぎ合いの本が来た。
このシリーズ大好き。
なので人に勧めたら虫が無理ですとのお答えが来て膝を打つ。
なるほど虫が無理な人がいるのか。
そして虫が無理な人には小説も無理な場合があるのね。
気付かなかった。
でももったいない。
この二人最高なのに。
若い刑事さんは入れ替え方式のようです。
ひねくれた後輩への岩楯刑事の接し方が最高です。
説教が的を射すぎてぐうの音も出ません。
「組織の中で意味もなく協調性を放棄するような奴はどんなに有能でも使えない。敬意を払えないやつも同じだ」
「馬鹿になれないやつは本当の馬鹿だけだ。お前は歯向かう相手と場所を完全に間違えてる。あとは自分で考えろ」
私もこんなかっこいいこと言いたい。
Posted by ブクログ
前作と相棒が変わった
月縞さんもかなり個性的で肝の座った人だ
まだまだ手探り状態の法医昆虫学だけど気にせず突っ走る赤堀さんが清々しくカッコいい
クロナガアリの巣の大きさと集める種の量にゾッとしてしまった
犯行の動機は至極単純だけど重い
思わず自分だったら・・と考える
赤堀さんと岩楯さんの今後の関係が気になるけれど、ここは進展しちゃマズイよね。
Posted by ブクログ
法医昆虫捜査官シリーズ第2弾
今回は2センチにも満たないトンボがキーマン。
2つの舞台がどう繋がっていくのかなってワクワクしながら読めた。
法医昆虫学者の信念と刑事の執念が合わさり都会でおきた事件は山の奥へ。
話にグイグイ引き込まれてページをめくる手が止まらない。
このシリーズ好き。
Posted by ブクログ
法医昆虫学シリーズ2作目。
再読したけれど、自分の脳みそが悲しいくらいに
記憶力ないため、再読なのに新作のように
楽しめました(笑)
今回はあるトランクルームで見つかった
女性の腐乱死体。
一体、誰なのか。何故殺されたのか
そのヒントはやっぱり虫が教えてくれます。
今回はトンボ。しかもメスとオスの両方の
特徴を持った性質のものが事件の解決の
糸口へとつながります。
今回は、岩楯刑事とペアを組むのはクールな
イケメンの若手刑事月縞。
彼は蝿が大量に飛ぶ中で腐乱死体とともに
トランクルームを過ごしたからある意味で
猛者!
何かを諦めたような気怠げな感じでしたが
岩楯刑事とコンビを組む中で変わっていくのも
見どころです。
赤堀さんは相変わらずの無邪気さと豊富な
昆虫知識で事件解決へと邁進する姿が
とてもかっこいい。
臓器移植についてのお話が出てきますが、
それを自分の私利私欲のために利用する人は
とても胸糞悪いなと感じました。
臓器移植の対応は様々な事情を踏まえると
難しい問題だと感じました。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。最初に読んだのが4作目だったが、このシリーズはバラバラに読んでも大丈夫ということなので、こういう順番になった。殺人の現場に残る虫からわかることの多さ。ちょっと都合が良すぎないかと思う一方で、それを納得させるだけの蘊蓄。法医昆虫学者と警察との関わり方が変化していくという意味では、シリーズの順番通りに読むべきだったかもしれない。出てくる虫の量が半端ないので、苦手な人には勧められない。
匿名
2作目!とても面白かったです。
今回の相棒とのかけ合いもよかったですし、赤堀も相変わらず面白いキャラで楽しめました。
ストーリーも登場人物が豊富でいい味だしていて、誰が犯人かなかなかわからなかったです。
Posted by ブクログ
『法医昆虫学捜査官』シリーズ二作目。一作目が面白かったし、心配してた虫の描写も大丈夫だったので手に取ってみたんだけど虫の描写に関しては一作目よりもどぎつく感じて眉間に皺を寄せながら読んだものの、やはり面白かった。
なんかこう川瀬七緒さんの業を感じるけど。(何故好き好んでこんなシンドイ描写を…)でもまあ、それは読んでいる自分も同じ何か、という気がした。
Posted by ブクログ
シリーズ第2弾!
相変わらず、はじめは、凄い状態の遺体発見から…
まぁ、ウジ虫が主役?なんで仕方ないけど…ちゃうわ、主役は赤堀先生!
法医昆虫学の先生!
今回は、トランクルームで発見!
でも、ウジちゃんから、ここでは殺されてないとか、冷凍されてたとか色々分かる。
トンボから、殺害場所まで分かるというこの学問!凄い!
しかし、赤堀先生!ウジちゃんとかに…
「この子」って言うのは…
確かに、事件に貢献してるし、敬いたい気持ちはないではないけど…(^◇^;)
そんな言葉使って、喜んで懐いたら、どうすんねん!
私なら病む!
あっ!私もちゃん付けしてる…(・_・;
心臓などの移植は、日本では、なかなか厳しいとはいえ…
そら、殺されても、同情は出来んな…
可哀想なのは、瑞希ちゃん…
「わたしは、死んだ方がいいですか?」
って…
頑張って、生きて下さい〜
家の呪いとか、そんなん吹き飛ばして!
Posted by ブクログ
シリーズを大人買いして、第1弾の後すぐに読みたかったところをこらえて7カ月。何もこんなに辛抱しなくてもよかったのに(笑)。
プロローグは三津田信三が混じった内藤了みたいな感じで期待が募る。赤堀女史が登場すると一気に明るくなるけれど、期待に違わず面白い。
昆虫はわりと苦手な私ですが、なぜか昔からトンボを捕るのだけは得意で、今でも素手で捕まえられます。しかしトンボに性モザイクなんてあることも知らなかったし、昆虫業界がどういうことになっているのかもわかって、あらゆる点で興味を引かれました。
刑事と女史のロマンスはないままでお願いします。(^O^)
Posted by ブクログ
このシリーズはいつも読むのに時間がかかる。しばらく時間が空いてから読むので思い出すのに苦労した。物語の最後で明らかとなる殺人の動機であるが、初めはなぜドナーの父親である竹田も殺人に関与したのか理解できなかったが、竹田の言い分を聞くとやりきれない気持ちになった。
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官シリーズ二作目。
葛西のトランクルームで見つかった腐乱死体現場に蠅とウジがいたことから、法医昆虫学者の赤堀が起用される。
今作も、赤堀は真っ直ぐでぶっ飛んでいて気持ち良い!岩楯刑事は今回は曲者イケメンの若手刑事月縞とコンビを組んでいるが、あまり印象に残らないのは、田舎の空き家に移住している藪木が気になったからかも。
最後まで、引き込まれてあっという間に読み切りました。
Posted by ブクログ
テンポも良く、寝る間も惜しんで早く読みたいと思わせるミステリーだった
コーンウェルの死体農場(ボディーファーム)を読んでいたので、どんな展開になるのか楽しみにしていたが、面白かった!
Posted by ブクログ
読み友さんがウジやらちょっと気持ち悪いけど…とおすすめくださり、母は1巻目途中でおもしろいんだけどちょっと気持ち悪いと現在停止中。虫は苦手だしどうしようかと思いながら母が1巻を持ってるので私は2巻から読むことに。確かに最初げっ!となるところはあったんですが、昆虫がこんなに法医学の世界で有益なものだと、それもかなり確実性の高いものだと知って目から鱗でした。やっぱり自然の力は偉大です。事件はなんともやるせない、加害者が被害者の、そんなつらい事件でした。タエおばあちゃんと藪木の関係がよかったです。赤堀先生の次の活躍も期待!しかしひとつのことにのめり込むのって、どんな分野でも度が過ぎると変態ですよね。
Posted by ブクログ
腰を入れて、よし読むぞ。と読み始める。
やっぱり面白い。読者に犯人探しをさせるようなミステリーではないが、ドラマになったら面白い。絶対面白い。
腐乱死体から端を発する話だから、地上波は難しそうだけど。
Posted by ブクログ
前作より虫一本槍でなく、社会課題や民俗的なしかけやら、複合的に使ったミステリーとして面白かった。前作と比べてラブ要素を減らしたのは連続させる意志がここで出たからかな?とも思った。
Posted by ブクログ
前作が面白かった人ならまぁ間違いは無いかと。虫が脇役というかメインストーリーの飛躍を埋めるカギという感じになっているが、少々飛躍しすぎなのが気にはなった。赤堀は飛躍してナンボだけど。
Posted by ブクログ
法医昆虫学についての蘊蓄に加え、呪われた家系に産まれた美女と人形師の恋、更に臓器移植の闇と盛りだくさん。やっぱり盛り込み過ぎな気はする。お話の性格上、捜査側と犯人側の物語が分離するから、どうしてもそうなるのか。
Posted by ブクログ
ホラー仕立てにしなくてもいいんじゃないかな、と思ったけど、
人魂を「発光バクテリアに寄生され光り病にかかったユスリカの蚊柱」として、
ゲットする赤堀が面白かった。
安富和男『虫たちの生き残り戦略』には
「ユスリカの群れ(蚊柱)。ユスリカ細菌(発光バクテリアの一種)に寄生されたユスリカは光り病を発し、青く光る」
とある。
Posted by ブクログ
法医昆虫学捜査官シリーズ第2弾。
東京・葛西のトランクルームで女性の全裸腐乱死体が発見された。死体に群がる夥しい蠅と蛆。前作で事件解決に貢献し今回も捜査を依頼された法医昆虫学者・赤堀涼子は、捜索の過程で場違いな植物の種子を発見したことに着目し、コンテナ周辺にあるアリの巣を掘り返した結果、珍しい脱皮殻を発見する。そこから手繰り寄せられる驚くべき事件の真相とは。
お馴染みの岩楯刑事と赤堀准教授に加え、今回岩楯とバディを組む所轄の刑事・月縞もなかなかの男。見た目イケメンなのに、「だるいな」が口癖で小笠原駐在所への異動を希望する無気力刑事。この月縞が岩楯と組むことで少しずつ瞳に光を取り戻す過程も見どころ。
様々な問題を盛り込みながら、最後にはしっかり収束させるところは前作と同じ。サイエンス・ミステリであり、警察小説でもあるという様々な魅力をもったこのシリーズ、次作には前作のメモ魔・鰐川刑事が再登場するらしいのでこれまた楽しみ~