川瀬七緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新しく桃ノ木坂町に越してきた住民たちによるトラブルや町の平穏を乱す行動に悩む桃ノ木坂互助会(老人会)の会長・光太郎。
元海自曹長でもある彼は、町に害を及ぼす住民たちを仲間たちとともにあらゆる手を使って町から追放するため、暗躍している。
次のターゲットは、大家とトラブルを起こしていた男、武藤。しかし自分たち以外にも武藤を狙っている存在があることに気付き・・・。
最初は老人たちの世直し隊の勧善懲悪モノかなーと思いきや、読み進めていくと第三者が参戦し、三つ巴のサスペンスめいた様相を呈す展開に。
話の着地点が見えず、どうなっちゃうんだろう??とページを繰る手が駆り立てられました。
終盤で予想もつか -
Posted by ブクログ
2011年の乱歩賞作品。
呪術を専門とする文化人類学者が、フィールドワークや文献調査をもって事件解決を図るという構図。
こういう題材で、ファンタジー性がないものは珍しい。
特定の専門学者を探偵とするミステリでは、背景や前提を説明のためのシーンが多くなったりしがち。
本作は、ストーリーは割と唐突に始まって、少しずつ無理なくそういった情報を盛り込んでいる。事件にも設定にも、自然と入っていけた。
あとは、解説にもあるように、ミステリとして、ガジェットの盛り込みや意外な展開・犯人、みたいなものがあると、とても完成度の高いものになると思う。
3+