川瀬七緒のレビュー一覧
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傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲。
キリスト教において、人を罪に導くとされる七つの悪徳をテーマに、名前が「七」にちなんだ作者さんが描く、7作のアンソロジー。
そもそも悪徳がテーマだから、どの作品も読後感は良くない。イヤミス寄り。それでも、どの作家さんもテーマにあった内容で、個性もありながら、テンポよく、あっという間に完読。
半分の作家さんが初読みだったけど、特に嫉妬は世界観も怖くて、読んでいて、引き込まれてしまった。
既存の4人の作家さんは安定。短編でもやっぱり面白い。
七つの大罪と言うと、どうしても、映画の「セブン」をイメージしてしまっていたのだけど、それに劣らないくらい、個人的には面白かった。 -
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美術解剖学を専攻し、卓越した才能を持つ服飾ブローカーの桐ヶ谷京介。著者の川瀬さんも服装科デザイン専攻、服飾デザイン会社での勤務経験があるため、その知識が存分に発揮された新たな探偵小説。
体の動き、見た目からどのような人物か言い当てることができる桐ヶ谷が偶然目にしたテレビ番組から始まる捜査は、本人も思いもよらぬ結末へと至る。ミステリー小説としてよくできていて、東野圭吾さんや平野啓一郎さんを彷彿するかのような事件だった。この手の物語はよく二時間サスペンスに取り上げる題材として申し分なく、面白くはあるが、差別化が難しいなといつも感じてしまう。結末もどの作品がどんな結末だったか思い出せないといったことが多く、ちょっと苦手だ。
主人公の能力からして新しく、面白く読めるのに⋯。とはいえキャラが立っているので、シリーズとしての展開は確かに望めるし、育てていくことで、まだまだ深掘れる魅力があることは間違いない。
桐ヶ谷と小春の美男美女感も、想像しながら読み進めるとさらに楽しめそうだ。 -
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法医昆虫学者・赤堀涼子は、荒川河口で水死体を発見する。
遺体は、虫や動物による損傷が激しく、身元の特定は困難。付着したウジと微物から、赤堀は鑑識や解剖医が打ち出した所見に疑問を抱いた。事件の真相とは?
法医昆虫学ねえ。
聞いたことなくて、着想としては面白いと思った。どんなものかと蓋を開けてみると、どうやらそれだけでは戦えないものだという結論に至った。ウジの成長から死亡指定日時を割り出すという方法は興味深かったが、結局のところ、昆虫学を用いた仮説は、解剖学や捜査による裏付けがないと事実として成立しえない。あくまでヒントとしてしか機能しないのだ。解剖医(助手)と刑事と昆虫学者の三位一体、手を取り合って頑張ろうというシーンがあるのだが、「貢献度的に昆虫学者はちょっと対等じゃないかも~」と苦笑を禁じ得なかった。法医昆虫学モノをやるなら赤堀涼子にもうちょっとカッコよく無双してほしかったかも、、、
ちょっと地味。
実直な岩楯刑事、部下の鰐川刑事、風変わりな赤堀という登場人物たち。そう悪くはないのだが、キャラクター性としては地味目で、割と小さくまとまっている。そして刑事二人+赤堀(時々大吉)という構成なので、思いの外刑事と学者のタッグマッチという感じもしない。刑事は刑事で、学者は学者で捜査調査して、学者が掴んだ仮説を警察に共有するというスタイル。相棒感は薄く、結構ビジネスライクである。
もっとキモくてもいい。
虫を全面に押し出して、いっそもっとグロくてもよかった。割と綺麗にまとまった作品。決して飽きるほどつまらないわけではないのだが、パンチは弱め。たぶん数ヶ月したら内容を全部忘れると思う。せっかく読んだことのない切り口の作品であるのだから、もっと癖強めでよかったかも。虫もっと強めにしたやつをちょっと読んでみたい。これ続編あるのかな?どうやらあるようだ。機会があればまた。 -
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☆3.5
七つの大罪、それぞれをテーマにした七つの短編集というコンセプトはおもしろかったです。
名前に七がついている作者が6名(うち1名は三+四)というのもおもしろい。
●「十五分」
●「最初で最高のひとくち」
良かったのはこの二作。ミステリー要素強めで、真相が気になり気持ちよく一気読み。
●「移住クライシス」
不穏な雰囲気の描写に引き込まれましたが、犯人の本性や動機が結局よく分からず。おばあさんが信用に足る人物なのかも疑問… もう少し長編で読みたかった!
●「罪の名は傲慢」
途中まで良かったのですが、性被害にあった女性の人間性に問題があるような結末で、実際の性犯罪とリンクするような内容でもあるのにその設定はどうなの、と思ってしまい楽しめず。
●「手の中の果実」
ほっこり系に見えますが、大人を動かす方法を考え出せちゃう7歳の息子がなんか不気味で怖いな〜と思っちゃいました。
●「オセロシンドローム」
●「父親は〜」
物語の筋書きや結末はおもしろかったですが、途中がダラダラと長くページ稼ぎ?と少々うんざりする場面がありました…