花沢健吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全十巻読んだ。この感想はボーイズ・オン・ザ・ラン全十巻を読み終えての感想です。
読んで僕が感じたこと。
人生には馬鹿みたいに腐るほど落とし穴があってそれは意図的であれ非意図的であれ人間が作り上げた穴だ。
その穴にほいほいと人は落ちていく。穴の中は真っ暗闇。絶望するにはおあつらえ向きな場所で落ちた穴の暗闇の濃さに比例して絶望の度合いも大きくなり、打ちひしがれ涙枯れるほどに泣き、ただただ泣くことにエネルギーを費やしていく。
泣きに泣き暗闇に目がなれた頃、ふと気がつけば穴の中に穴がある。暗く深い、でもどこか甘美な魅力をもっている、そんな穴だ。
穴の中で穴を見つけた人間がその後に取る行動は三つある。
落ちてきた穴から這い上がるべく上を目指す人。這い上がることもなくまた穴の中にある穴に落ちることもなくただ穴の中に留まる人。そして、穴の中の穴に身を落とす人。
この本に出てくる人間は見事にこのいずれかに振り分けることが出来る。
・・・。・・・できない人もいるかもしれない。でもそんなの気にしない!
這い上がることを選べる人間は強い人間だ。そして穴の中の穴に身をやつせる人間もやはり強い人間なのだと思う。問題はその場に留まる人間だ。この人間は弱い。何かを貫けるっていうのはやっぱ強くて、中途半端ってーのが弱さなんだと思うから。弱さを貫くことや中途半端を貫くことが確固たる信念だって胸張っていえるのならそれも強さなんだと思う。
穴の中の穴に落ちた人、留まることを選んだ人、両者共に意図的に表に歩く人間を落とすために穴を掘る。しかし前者の場合にはそれは奴の選んだ生き方からくる穴掘り作業であるのに対して、後者の場合は違う。それはどこか淀んだ穴掘り作業だ。
前者は暗闇の中であっても歩みを止めていないのに対して後者は留まり自分で歩こうとしていない。ひたすら体育座りでもしながら穴の中で助けをまったり一時的な感情で人を落とす穴をつくったりしている。
だけどこの穴の中に留まっている人は這い上がるか、はたまたさらに深い暗闇に行くか、二つの行動を選ぶことが出来るんだ。
だから。
やけに長くなっちゃったけど言いたかった事はただひとつなんだ。
ぐぁんばれ!ビッチの鑑!!
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Posted by ブクログ
自分が漫画を読み始めるにあたり、最初期に読み直した作品。
ゾンビパニックを題材にした作品だが、単純なサバイバル漫画ではなく、日常が突然崩壊したときに普通の人間がどう変わっていくのかを描いた作品。
主人公は冴えない中年漫画家で、臆病で、妄想癖もあり、どこにでもいそうな普通の人間として描かれている。
だからこそ、世界がZQNによって崩壊していく中で、少しずつ生き残るための覚悟を身につけていく過程にはリアリティがある。特に、何が起きているのか分からないまま日常が少しずつ壊れていく序盤はゾンビそのものよりも、世界がもう元には戻らないという悲壮感が伝わってくる。
また、極限状態になると人間関係や社会のルールがどう変わるのかという描写も面白い。単純にゾンビを倒して生き残るだけではなく、人間同士の疑心暗鬼や集団心理までを作者持ち前の画力によって描いているところが素晴らしい。途中、女子高生の比呂美との肉体関係を持つ描写などは必要かどうかは別として極限での男女の行動がリアルに伝わってくる。
ただし、問題は終わり方。読んでいる最中、最終巻近くになっても全く風呂敷を畳む気配なく嫌な予感はしていたが、途中まで積み上げてきた伏線や謎を一切回収せず終了。急展開での終わり方に突っ込まざるをえない。
余白を残す終わり方そのものが悪いわけではないが、非常に丁寧に世界観を作り込み、謎を提示し、登場人物の行動にも意味を持たせていただけに、その積み上げに対する結末はあまりにも酷い。
絵も含め途中までは最高傑作級だったのに、最後で大きく評価を落としてしまった作品という印象が残った。途中が素晴らしいだけにそれに見合う最後を描き切るのが難しかったのだろうか。
作者にもう一度最後を描き直してもらえないかな。