河合克敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書店においてある、1話だけ読めるお試し版がおもしろかったので買ってきた。作者・河合克敏は、前作『モンキーターン』でも「競艇」というファン以外にはなじみが薄い世界を上手にモダンな漫画作品に仕上げていて、たいへん達者な漫画家さんだなぁと思っていた。この作品でも「書道」という一見地味ぃな世界を、魅力的に描いている。
もちろん主要キャラの立たせ方がうまいとか、ちょっぴりラブコメ風にも展開させてるとかいろいろうまいところはあるのだけれど、トリビアの入れ方がすごくうまい。古代中国の有名な書家がお手本に出てくるところとか、漢字の字体が(篆書→隷書→楷書)という順番なんだよとか、筆の種類とか……世界を説明 -
Posted by ブクログ
「木簡」で書の美しさは一方向だけではないことが示唆され、望月に迫られる選択が取りざたされる11巻。
選択をする者。冒頭の木簡で美しさの多様性を見せたあと2つの選択が望月に迫られます。選択というものはなにを選んでも後悔するものだからこそ、自分の感じるままに選ぶべきものです。望月はそれを本能的に行なっていますが、その選択に影響を受けているのは縁です。揺れる青春心があまり顔にはでてませんが、心のほうは悩み前回な模様で良い感じです。木簡の水平書きのように、望月に対して正位置を見つけられるか、河合さんの描く恋愛はなんとももどかしいですが、直球で好きです。
色々引け目を感じている縁ですが、それで