中原圭介のレビュー一覧
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アメリカ発のシェール革命が、日本をはじめとする世界各地の経済にどのような影響を与えるか考察した本。筆者はシェール革命によって、アメリカ経済が一早く立ち直り復活し、世界経済を牽引するであろうと主張しており、現在のところ、筆者の主張通りにメリカの一強状態で推移している。シェール革命によって、アメリカが超資源大国となり、安価なエネルギーコストを求めて世界の企業がアメリカに生産拠点を移している。(日本では、クラレが合成繊維のプラント、信越化学がエチレンプラントを建設するなど複数ケースあり)アメリカの安価なエネルギーコストが世界各国のエネルギーコスト(石油・LNG価格)を押し下げている。各国への影響は以下の通り。
・日本はエネルギーコストダウンやアメリカ経済の好調が良い方向に働くであろう。ただし、石油化学など一部産業ではマイナスに働く可能性あり(輸送費を加味してもアメリカの石化製品の方がコスト競争力が高い可能性あり)
・中東やロシア・ブラジルなどの資源国は、シェール革命に伴うエネルギー価格の下落が財政悪化を招き、国民が中央政府に不満を抱く可能性あり
・インドはインフラ面が脆弱のためシェール革命がプラスに働く可能性が高い。資源安により、貿易赤字が緩和される見込み。あとは、カースト制による労務管理の難しさ・脆弱なインフラ等のハードルを乗り越え、外資を誘致できるかにかかっている。
・中国には、アメリカを凌ぐ量のシェールガス・オイルが埋蔵されているが、地層の深さが3000~4000mとアメリカの倍近く深くに埋まっている。また、地層が複雑のため水平掘りが難しい。
本文全体を通して、筆者のアンチインフレ思想が根強く入っており、それが色濃く出ている点は少し気になった。 -
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いまやアメリカでは、全国民の7分の1が貧困層であり、6分の1が貧困一歩手前とされる。すなわち国民の3分の1近くが貧困層及びその予備軍。アメリカでは、治安が悪化し犯罪が増加した頃から富裕層が集まって自分たち専用の街を作っている。警察と消防以外の全ての公共サービスを民間に委託し自治体から独立したコミュニティーを営んでいる。古代のギリシア・ローマでは市民と奴隷で住む場所が区別されていたが、さながら今のアメリカは合法的な奴隷社会に回帰しているようにさえ見える。
イギリスのサッチャー首相とアメリカのレーガン大統領が新自由主義を謳い、それまでのケインズ型の再分配政策を放棄。市場原理主義を導入して経済の立て直しを図った。実質賃金は上昇したものの、その恩恵は所得上位の層に偏り格差をさらに拡大させた。しかも、富裕層は他の所得層と同じ割合ではお金は使わず、これがアメリカの需要危機を招いている。富の集中が公平性の問題だけでなく、低成長を招く構造的な要因ともなっている。消費性向の高い中間層の所得水準が低下すれば消費に回るお金が減り。経済が停滞していく。新自由主義の修正が必要となっている。 -
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英語は一つのツールに過ぎず、グローバルな人材は、英語力ではなく、しっかりと物事を考えられる力が必要であるとのこと。英語ばかり学習しても、考える力がなければ仕事はできないのは確かにその通りで、日本人は勘違いしているのかもしれない。
ジャンルにとらわれず様々な知識を学び、読書することで、俯瞰的な視点、大局的な視点、本質を見極める視点を鍛えることができる。知識や情報のインプット量が多ければ多いほど、物事の本質を見極めた分析結果をアウトプットできる可能性が高まるという考え方は、最近の本では珍しい。
筆者は、詰め込み教育は善としており、基礎がたいせつであることを主張しているが、私も同感である。 -
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10%くらいしか分かんなかった。苦笑
経済の話苦手すぎて…
社会人失格_| ̄|○
デフレからの脱却、賃金上昇・消費の拡大とアベノミクスではよく聞くが、知識もないのでそれが正しいことだと鵜呑みにしていた。
でもよくよく考えると(個人側の視点で)、別にすごく苦しいとか、すごく疲弊しているとかそんな感じはなく、一人生きていく分には何ら影響はなかったなと。ただ最近はお給料も上がりつつあるのかもしれないけど、税金は増え、物の値段は上がり、大してアベノミクス効果を感じることもなかったなというのも事実。
この本の中では、悪いデフレよい悪いインフレの方がさらに悪だと言っているが、日本はたしかに悪いインフレに向かっているような気がする。
この本で言うと2017年。
近い将来日本に起こる経済の問題。
末恐ろしいなと思った。 -
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2025年という20年後の社会を想定した本。
こういった予想モノは当たり外れはどうしてもあるし、人によって見解は異なる。
読んでいて思ったのは、どうしてもこの方の得意不得意がありそう、ということ。
シェール革命などのいわゆるエネルギー革命とそのインパクトに関する記述はとても説得力があったが、20年経てば海外との賃金格差がなくなり日本社会の正社員雇用が増える、とか、車は勝ち残り、今後は観光と農業と医療だ、みたいなその他の産業のトレンドについては、違和感があり、どこか直感的な記述が目立った。
雇用マーケットは今後食えない仕事が増えるという話題は世の中で大量に取り上げられており、正社員雇用も減ることが予想されている。
農業は確かに産業としては今より効率化されるが、都市型社会に加速して行く中で、地域格差は大きくなると予想されている。
医療はこれから伸びると言われているが、そもそも日本は世界的に製薬などの分野は強くない。
そこを、どう底上げされていくのかは書かれずに、単に高齢化社会の中で従事者が増えるという話だけ。
エネルギーまわりの話は参考に、その他の変換の部分は読み流すのが良さそうだと感じる本だった。 -
購入済み
良い・悪い❌インフレ・デフレ
インフレ・デフレをそれぞれ良いインフレ・デフレ、悪いインフレ・デフレに分けて考え、非常に分かりやすく現在の経済政策を解説した良書。
シェールガスの供給量増大による世界的なデフレ圧力がもたらす影響についても必読なり。 -
Posted by ブクログ
・シェールガスは、今やアメリカの天然ガス生産の3割を占める。
・ピークオイル論では世界の原油埋蔵量は2兆バレルと考えられていたが、海底油田などが採算が合うようになると3兆バレルに上方修正された。シェールガスの埋蔵量推定は発表されていないが、西シベリアのバジェノフだけで2兆バレルあると考えられている。
・アメリカで生産されているシェールガスは主に国内で消費されているが、2016〜2017年には世界に供給され、価格は下落する。
・2011年以降、アメリカ国内の需要減少を反映して、WTI原油価格が他の地域に比べて安くなっている。
・アメリカに輸出されていたカタールの天然ガスは欧州に流れ込み、ガスの価格を押し下げている。
・ブラジルではクレジットブームによって、家計の可処分所得の22%が借金返済に充てられている。2000年以降、エネルギーや鉱物資源の価格上昇によって資源国が利益を得てきたが、シェール革命によって価格が下落すると逆風になる。
・中国のジニ係数は2000年に0.41に上昇し、警戒ラインに入った。大学の調査によると、2010年には0.61に達して、危険ラインを越えている。
・李克強はかつて、中国の統計で信用できるのは電力消費量、貨物輸送量、銀行融資の3つをあげたことがある。 -
Posted by ブクログ
前半、本当に日本を変えることができるのかもしれないと読みつつページを括るとなんか裏切られた気持ちになってしまった。
著者は明らかにアメリカ好きで、なおかつ安倍改革を支持している感じがする。まぁそれはそれでよいのだが、やはりアメリカを尊重するのがどうも気に食わない。
これから本当にこの国をよくしたいのならば何故、なぜこの国のやり方でこの国の人がすべてをやろうとしないのだろうか。それができて本当の成功ではないのか。経済学云々よりもその点をだれもつかないのが情けない。
以下気になる論点
安倍首相は成長産業として医療を強調していますが、本気で日本の医療を成長させたいのであれば、日本の病院を㈱会社するのが必須条件だと私は考えています。
東南アジアでは、医療を受けるために外国を訪れる医療ツーリズムが好調ですが、成功している病院はいずれも㈱会社です。 186
観光も有望な分野です。安倍政権も「クールジャパン」などと言っていますが、その割にはそもそも観光庁の予算が圧倒的に足りていません。
シンガポールやタイと比べて、日本の経済規模は数十倍。しかし観光予算は両国とほぼ同じ規模です。それでは観光客を呼び込むことなどできるはずがない。
具体的な方法を考えるのは民間に任せた方がいいですが、他国と比べて圧倒的に予算が足りなすぎるのです。
夜中に皇居の周りを女性ランナーが一人で走っているような治安のいい国がほかにあるのでしょうか。医療の質も高いから長寿も実現できます。食事もおいしいし、水や空気もきれいだし、人も親切です。これだけの観光資源があるのですから、これを生かさない手はない。 191 192
安倍政権の成長戦略には、海外からの企業の誘致という項目も挙がっています。
シンガポールや香港、台湾は、「法人税はいくらでも安くします」という戦略で企業を誘致しています。これらの国の法人税は、おおまかにいうと日本の半分以下です。 193
すでに年金の原資は足りなくなっており、2012年から基金を取り崩しています。将来の積み立て不足は推計で500兆円とも言われており、この金額は日本の名目GDPを上回っています。 204
アメリカのシェール革命によって日本の電気代が安くなり、アメリカ貿易赤字の縮小と同時にドル高定着が進めば、技術力の高いアメリカ企業が、日本に拠点を置くことも視野に入れるかもしれません。
つまり、日本企業が国内に回帰するだけでなく、海外の企業が日本に進出するモチベーションを高める可能性もあるのです。そのためにも、法人税見直しは絶対に必要です。 210
にもかかわらず、日本の大企業経営者の多くは、労働市場改革を求めています。しかしそれは、需要を掘り起こせない自らの無能をさらす言い訳にすぎません。
そういう経営者には、「トヨタを見習え」と言いたいです。企業の社会的責任は、「従業員の首を切ってでも利益を出すこと」ではありません。雇用を守って、国民を豊かにすることです。 212
アメリカからのシェールガスの輸入が始まれば、日本の電気代は半分以下になる可能性もあります。 219
アメリカも製造業の育成を放棄し、金融業偏重でインフレ誘導の政策を進めてきたせいで、格差を拡大させてきました。その反省からかどうかはわかりませんが、現在のアメリカでは、製造業の回復が図られています。
221
知的財産権侵害に厳罰を設けることで事実上、中国をTPPから締め出すのが、アメリカの戦略とも考えられます。 230
ロシアという国も、政権が代わったときには、契約価格をつり上げられるかもしれません。中国と同様、信用できない国だと思います。 236 -
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ネタバレアベノミクスのインフレターゲットによる景気の回復を鵜呑みにしてはいけないことは分かったが、著者の論理も鵜呑みにできないほど、根拠がしっかりと記されていない。
結局、テレビ番組で適当な意見を言う解説者と変わらない。
単なる親米でしかない。
15/11/16 再読。
デフレ脱却を景気回復のポイントとするアベノミクスに反対し、デフレのままで成長産業を育てて行こうという趣旨。
やや親米のところもある。
以下、読書メモ。
・景気回復するから物価が上がるのであって、物価が上がったから景気回復するのではない。p67
・公共工事を増やすことで一時的には雇用が生まれるが、余った労働力がサービス業に流れ、賃金が下がり、質が低下した。p94
・海外投資家の日本国債所有額は80~90兆円。p92デフレスパイラルはデフレが起点ではない。p105
・銀行が破綻し、国が守ってくれないという危機感から中小企業にお金を貸さなくなった。資金繰りが厳しくなり、給料があげられなくなったわp111 -
Posted by ブクログ
この本を読んで良かったことは、いかに自分が経済のことと、自然エネルギーのことを知らないか、ということを認識させられたことだった。
正直、これらに関する基礎知識の本を読んでから、再度この本を読まないと、書かれている内容を理解できているとは言えない。(恥をさらすようだけど)
しかし、こんな脳天気な結果になるのかなぁというのも正直感じた。
折しも、中東に詳しい人のツイートで、サウジアラビアとUAEでは、2017年には本格的に太陽光発電所が稼働するという。
ロシアが負け組になるというのもにわかには信じがたい。
経済的にはそういう傾向があるだろうが。(プーチンは政治的にはやり手だぜ。。)
TPPも日本経済のためにいいというスタンスというのが、そもそも私的には気に入らない(笑)から、そういう目で見てしまうのかもしれないが。。。