松井孝典のレビュー一覧
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地球を一つのシステムとしてとらえ、それを宇宙から俯瞰することによって地球や文明について語った一冊。人間が「生物圏」から分化して「人間圏」を作ったことによって現在のエネルギー問題や人口問題を引き起こした、など一見すると難しい話を平易な言葉で語っているので、いちいちストンと落ちてくる。また、惑星物理学の第一人者であるという著者は哲学にも相当深く言及していて、その博学ぶりがよく分かる。
ところで、ワタシは以前から、宇宙から地球を俯瞰する機会を持った人類が増えれば、いま地球上で起きている内紛や紛争の多くは消滅するんじゃないか、と真剣に思っている。本書を読んでその思いを新たにした。 -
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Posted by ブクログ
2012年にスリランカに赤い雨が降ったことから、過去に同様の実例があったこと、その前に隕石が落ちているらしいこと、などから話は、宇宙へと拡がる。
地球での生命誕生から進化の過程において、宇宙からのウィル氏(生命)が関与しているのではというパンスペルミア説。
カンブリア紀の生命大発生は『スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ガブリエル・ウォーカー)』という説にも、なるほど、と納得していたが、地球外からのウイルスによるものとは、新しい。
従来の進化論で説明がつかないが、パンスペルミア説で説明がつく三つの例として以下が挙げられている。
1.ショウジョウバエの一種が、地上に -
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ネタバレ著者の松井氏は、私が小学校だった時にNHKで放映された「パノラマ太陽系」という科学番組(全6回ぐらいのシリーズで、木星や土星などの太陽系の惑星について解説した番組)の出演者でした。当時、東京大学助手だった松井氏の抑揚を抑えた、かつ要点を押さえた解説に引き込まれました。その同氏が小惑星や彗星の衝突による生命の絶滅について科学的に述べた本です。白亜紀の恐竜の絶滅は直径10km程度の小惑星が地球に衝突、時速1000kmを越える爆風、1万度を越える熱風、そしてマグニチュード11を越える地震と300mに達する津波が発生。このような破滅的な事象が地球の生い立ちという時間で見れば、決してまれな事象ではないと
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地球史に興味があったため(休み休み読んでいる本も・・)、読み始めた。「宇宙、地球、文明、における歴史をまとめた本」と(著者は)述べているが・・・読み進めていく毎にいろいろなことを考えさせられた。(人間とは?人間と他の生物との差って?地球と他の星との違いって?などなど)
その中でも特に印象に残ったのは、資源・エネルギー問題も環境問題も人類の(共同幻想により成り立つ)世界を変えないと解決できないということ。そのために新たな文明の創造というが、(その)答えは見えてない(ように思える)。スケールが大きすぎてイメージはつかめないが行動しながら考えていくしかなさそう。(それが誰かが考える解への鍵になるかも -
Posted by ブクログ
小天体の衝突によってできた地球上のクレーター、近年に落下した隕石、地球近傍小天体についてまとまったものを読むことが目的だった。話題は地球の構造や年齢、太陽系の形成、生命の起源、プレートテクトニクスにまで及んでいて読み応えがあった。
・ガスとチリから成る星間雲は銀河の総質量の約10%を占める。密度が高い星間雲を分子雲と呼ぶ。
・太陽の大気の観測による元素存在比と、ある種の炭素質コンドライト(未分化の石質隕石)の元素組成は似通っている。
・39億年前までが隕石重爆撃期。32億年前ぐらいに、現在とほとんど変わらない頻度に落ち着いた。
・ウイリアム・スミスが層序累重の法則を唱え、ライエルが現在の自然 -
Posted by ブクログ
元ネタはよくわからんのですが、とりあえず人類滅亡後、地球上の生物が気温の変化、環境の変化に伴いどう進化しているのか?という感じ。
著者の妄想なのか、データに基づいた予想なのかは定かではないですが、おもしろいです。
身近にいるあんな生物がもの凄い進化を遂げていたり。
500万年後、1億年後、2億年後に分かれていて、それぞれにショートストーリーが盛り込まれています。
未知ゆえに興味深い。
実際に2億年後、どうなっているのか確認するすべもなく、また本の通りに進化を遂げたとしてもこういった本が存在したという事実は、そのとき宇宙の塵の如く消え去っているだろう。ということがとても残念。 -