安田均のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
冒険者…といえば聞こえはいいけれど
要するに、その日ぐらしの若い男が2人組である
しかし「正義」を愛しており
事なかれ主義で揉め事を先延ばしする大人たちのことは嫌っていた
そんな彼らが、村人を脅かすゴブリンの群れを退治するため
これに先制攻撃を仕掛けるところから話は始まる
…ゴブリンとの戦いには勝利するものの
それを成し遂げられたのは、お節介な大人たちの依頼を受けて
救援に来てくれた魔術師とドワーフのおかげで
若者たちは、己の無力を痛感する
しかしそこから始まる縁で、武者修行のパーティーを組んだ彼らは
さらにエルフの女と、盗賊の中年男をメンバーに加え
さまざまな揉め事に首を突っ込んでいく
もとは80年代の半ば
ゲーム雑誌上で展開されたD&Dのリプレイ企画だった
それが人気を集め
小説・アニメ等にメディアミックスされていったものである
「六英雄」なる伝説の実態を目の当たりにした冒険者たちは
仲間のひとりを失いつつも
島に戦乱をもたらした悪の大魔術師を倒すことに成功し
物語は大団円を迎えるかのように思われた
しかしその時
監獄の中で青春を潰された恨みを抱え
仲間内でもどこか浮いてた盗賊が
ある突発的な、裏切り行為に走ったことで
謎と混乱を残しつつ、パーティーは解散することになるのだった
それは、一本気で向こう見ずな若者たちに影響された
遅咲き中年の悪乗りだったかもしれないが
しかしなんというか
80年代日本における、まじめな若者たちの
切実さを含んだ結末でもあった
ただし、ゲームシナリオがベースというだけあって
小説としてはかなりご都合主義的な展開が目立っている -
Posted by ブクログ
ネタバレ〇 概要
「熱烈なキスを交わした結果,二人は二度と出会えなくなった」,「のろまを見捨てたため,彼女の出費は倍増した」など12の謎めいたシチュエーションの真相を,イエスとノーでこたえられる質問だけで真相を当てる…というゲームを行う4人の男女。推理カードゲーム「ブラックストーリーズ」を小説化した作品
〇 総合評価 ★★★☆☆
非常に短いブラックなストーリーが12本書かれた作品。どこかで聞いたことがあるような話もあって,とても読みやすい。ただ,内容は非常に薄く,読んでいるときはそこそこ楽しいけど,後には何も残らない…ポテトチップスのような作品。★3で。
〇 サプライズ ★★★☆☆
作品全体に,「初対面」という問題の出題として,「運転手」が,実際に起こした誘拐事件の告白をしたという仕掛けが用意されている。ほかにも,「投資家」は,「ロンドン塔の少女」で,「詩人」は,「子ども殺し」で,それぞれ自らの体験を告白し,「船長」は「消えた拳銃」で,自分の部下の話を告白している。それほど大きなサプライズではなく,味付け程度。★3で。
〇 熱中度 ★★★☆☆
非常に短く,そして興味深くブラックな話が読めるので,読みやすい。読むのが止まらないという作品ではないが,最後までさらっと読める,読みやすさがある。電車の中で1つずつ読んでもよいかも。★3で。
〇 インパクト ★★☆☆☆
個々の作品は,そこそこブラックなんだけど,「消えた拳銃」など古典といってもいいようなトリック。ほかの作品も,読んでいるときは,そこそこ楽しめたけど,後に残らない。インパクトは薄いなぁ…。★2。
〇 読後感 ★★★★☆
「運転手」が誘拐犯であり,その罪を告白するという展開は,やや読後感が悪い。個々の作品も,全部ブラックな作品なので,トータルで見て,読後感は悪い。こういう作風は結構好き。★4で。
〇 キャラクター ★☆☆☆☆
「運転手」,「詩人」,「船長」,「投資家」はいずれもキャラクターとして弱い。「シスター」も,超常的な存在っぽく描かれているが薄い。総じて,キャラクターの魅力はない。ゲーム的な作品なので,人間が書けてないのは仕方ないところか。
〇 希少価値 ★★★☆☆
ゲーム的な内容の作品であり,ブラックミステリーズというゲームの紹介的な内容なので,再販などもなさそう。いずれは手に入らなくなる作品だと思う。★3で。
〇 トリックなどのノート
〇 プロローグ(出題者:シスター)
拳を握りしめたまま,男は道ばたで溺死した。
→ 漢は排水溝に落とし物をした。体は路上にあるまま,頭だけ排水溝に突っ込んだ。排水溝に詰まり,手を伸ばして落とし物をつかんだが,抜け出せなかった。やがて,雨で排水溝の水嵩が増して,溺死した。
〇 一生分の一分間(出題者:運転手)
熱烈なキスを交わした結果,二人は二度と出会えなくなった。
→恋人と交わしたキスによって,彼は一本遅い電車に乗ることになった。その電車が事故を起こしたせいで,彼は命を落とした。
〇 のろま(出題者:詩人)
のろまを見捨てたため,彼女の出費は倍増した。
→彼女はバスで試験会場を目指していた。だが,渋滞に巻き込まれ,仕方なく降車し,徒歩で目的地に向かい始めた。やがて渋滞は緩和され,先ほどのバスが隣を通りかかった。彼女はしぶしぶ二度目の運賃を支払い,同じ車両に乗り込んだ。
〇 消えた拳銃(出題者:船長)
ある男が頭を打ち抜かれて放牧地で死んでいた。拳銃は離れた小屋で見つかった。
→男は拳銃に長いテープをくくり付け,その端を離れた山羊小屋に垂らした。男が自殺をした後,山羊が紙テープを食べ,拳銃を引き寄せた。やがて紙はなくなり,拳銃は小屋に転がった。
〇 満杯の絶望(出題者:運転手)
倉庫にたくさんの食料が残されていたため,島は地獄になった。
→船は無人島に旅行客を運んだが,積荷を下ろさずに出航した。食料もないまま無人島に残された客たちは,地獄のような時間を過ごした。
〇 渾身のジャンプ(出題者:投資家)
タイミングを厳密に図り,彼は渾身の垂直飛びを行った。60センチをジャンプして,直後に死んだ。
→男はケーブルが切れて落下するエレベーターに乗っていた。彼は,着地の瞬間にジャンプすれば助かるという都市伝説に賭けてみた。だが,むろんそんなことはあり得なかった。男はちょうど60センチ飛び上がり,直後に死んだ。
〇 いつまでも赤(出題者:運転手)
赤,赤,赤。どこまでも続く赤に絶望して,男は死亡した。
→ルーレットで,男は黒に賭け続けた。だが何度繰り返しても,どこまでも赤が続いた。全ての金を使いきった彼は,絶望して,死んだ。
〇 やましい三人(出題者:詩人)
心にやましさを抱えた三人が,並んだ箱に入っている。
→下着泥棒が女子更衣室をあさっていたところ,外から足音が聞こえてきた。あわててロッカーに隠れた直後,入ってきた男女が過剰な愛情表現を始めた。さらに外から足音が聞こえ,男女もロッカーに飛び込んだ。女子更衣室に入ってきた別の女性は,人の気配に首をかしげた。その背後では,やましい男女が息をひそめている。
〇 ロンドン塔の少女(出題者:投資家)
少女はロンドン塔の前で,「はい」と答えた。男はテムズ川に身を投げることにした。
→男は莫大な借金を背負っていた。貸主は,返却期限の延長を賭けで決めようと持ち掛けた。観光客の東洋人女性の国籍を質問し,どう答えるかを賭けた。彼女は日本人であり,男は賭けに負け,破産した。
〇 子ども殺し(出題者:詩人)
男は自由と引き換えに,自分の子供を殺した。
→男は逃亡中の凶悪犯だった。顔を整形し,なにも知らない女と結婚し,子供を作り,幸せに暮らしていた。だが子供は整形前の男とそっくりに育った。このままでは警察にしっぽをつかまれると考え,男は自分の子供を処分した。
〇 列車の指跡(出題者:シスター)
たびたび人身事故を起こすその列車は,整備工場に戻るたび,一直線に並んだ指の跡が見つかる。
→列車が事故を起こした。切断された指が隙間に入り込み,見逃された。その指は列車用の洗車機ブラシにかきだされ,そのままはまりこんだ。列車が洗車機で洗われるたびに,回転するブラシについていた指が跡を付けていた。
〇 死はすばらしい(出題者:船長)
少女は死んだ。そしてとても喜んだ。
→少女は過保護な両親に地下室に閉じ込められて育った。「外に出ると死ぬ」と言い聞かされ,それを信じて疑わなかった。彼女は地下室を抜け出て,初めて外の世界を見た。彼女は死んだのだと思い,死後の世界はなんと自由なのだろうと喜んだ。
〇 初対面(出題者:運転手)
計画は予定どおりに完了した。最後に被害者の顔をみて,誘拐犯は絶望した。
→女は殺してしまった子供の死体を処理するために,嘘の狂言誘拐を計画した。仲間に引き込んだ実行犯に金を渡すふりをして,子供の死体を押しつけた。それは予定通りに進行し,実行犯の手元には,死体だけが残った。 -
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短編4話。
最初の話は…ずるをしてはいけない、ともとれます。
しかし力の使い方、が分かるきっかけになったと思えば
安い努力だったかもしれません。
2話目は、よくあるパターンといいましょうか…。
という事は、父親の方は土とは
知り合えなかった、という事でしょうか?
精霊とどう契約を交わすのか、が分からないので
何とも言えません。
3話目…これは、少女がすべてのきっかけでは?
とはいえ、まさかこうなるとは思わないでしょうし
そんな所に転がり込む、とも思わないでしょう。
表題になっている4話目。
人間、思い込みがすごいです。
それがきっかけで、使えたり使えなかったり。
最後に対して、切り替えればいけるのでは? とか
思ったのはいけない事でしょうか? -
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ネタバレ家の隅で眠っていたシリーズ群。コクーン3冊、続いてティルト2冊まで読みました。
小説なのに、お話の構造が物すごくTRPGセッションで、(ところどころセッションぽくないですが)、ああ、こうやって遊んだんだなあと思えるところは楽しいです。
反面、TRPGセッションの枠からどうしても出られないので、小説として読むにはとっちらかっている感じもあったり。「事件」がゲームの都合的な何かで展開して、「真相」が世界観の都合的な何かで集束する、そんなところ。
あと、登場人物が、好みとはちょっと外れてて……。
あ、TRPGセッションで同卓する分には楽しいキャラ達だと思うのですが。
小説として読む分には、自己中心的というか、自己完結的な部分が目につくのが、ちょっと苦手。
ティルトに入ると、ソアラまで短絡キャラの仲間入りしてるしなあ。あれこれ考えるセッションスタイルの人は遊びにくいマスタリングなのかな、とか思ってしまいます。
ただ、情緒あふれる世界感を素材にする友野GMの手法は、以前からとても好きで。
コクーンの後半、ティルト序盤の漫遊記的な描写は、とても楽しませてもらいました。
あと、続きはティルト1冊、アビス3冊、そして最終巻があるらしいのですが、入手が難しいので足踏み状態。 -
Posted by ブクログ
評価★★★:そのジャンル(ゴーストハンターや、ホラー系TRPGや、クトゥルフやら)が好きなら手を出してみてもいいかも
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電源ゲームはやったことはない。
TRPGでゴーストハンターシリーズは遊んだことがある。
以上の状態で、実は「ラプラスの魔」を読むのは初めて。
TRPGのリプレイなどで登場人物の何人かは把握できていたし、クトゥルフ系ネタも少しは理解できたので、読むのがラクチンだった。
傾向はホラー、SF。
ついでに1920年代に興味があるとなお読みやすい。
導入はいわゆる幽霊屋敷探検だが、後半は一転して舞台が広がる。
恐怖の規模も大きくなるのだが、逆に大きすぎて読者がゾッとした気分を味わいにくい。
(これは「コズミック・ホラーをどう表現するか」の難しく面白いところだと常に思うのだけど)
後半はSF色をぞんぶんに楽しむ形ということかな~。