柳瀬博一のレビュー一覧
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了解しました。以下が、あなたがメモされた内容の要約です。
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やなせたかしさんは、経験がなくてもまず行動し、現場で学びながら創作を進めていた。時代や人々の求めるものは、机上の勉強よりも実践から生まれると考えていた。ラジオや絵本、アニメ、映画など多岐にわたる分野を自らプロデュースしていた。
戦争体験を通して「正義は状況によって簡単に逆転する」と知り、しかし「献身と愛」という逆転しない正義を見出した。それは、目の前で困っている人にパンを分け与えるという、ごく身近で実践的な行為である。
アンパンマンはその象徴であり、見返りを求めず、人を助けることを自らの使命としている。顔=あんパンは助けるための -
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これは、たくさんの人に読んでほしいなと思った。
結構ハードな話だろうか?と思って読み始めたがそんなことはまったくなく、一気に6章まで読んだ。
2021年5月21日というたった1日の、たったの2時間足らずがこんなに濃密に書かれている本はないだろうな。
リハーサルなしで「納棺師」の仕事を手伝うことになった著者兄弟の話と、お父さんが亡くなる前までの話。
その後、付章1・2、エピローグ、あとがきと続くが、著者が納棺師の経験を通して感じたことを掘り下げている内容で、本の1/4ほどのボリューム。
6章までと同じくらいの軽やかさで、重要なことがギッシリと詰まっていた。
思いがけず納棺師の手伝いをしたことは -
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神奈川県三浦半島の先端、小網代の谷は、奇跡の自然だ。
何が奇跡なのかというと、一つの流域、川が雨水を集める流れ始める源流から河口まで自然が残っていることである。
たくさんの偶然が重なって、小網代の森の自然は残ったといってもいい。
古くは水田があったところにゴルフ場の開発などが計画されながらも、開発が進捗せず長い時間に手付かずの自然となった。また、開発計画の途中でバブルが崩壊して積極的にゴルフ場開発ができなくなった。
大規模な開発計画があったからこそ、住宅などが細分化されて建たずに、手付かずで放置されていたのである。
また、バブル絶頂時のリゾート開発のときからも
、この貴重な自然 -
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ネタバレ三浦半島の先端にある小網代(こあじろ)という「源流から河口までまるまる保存されている自然」公園があります。都市に近い場所で、「流域」丸ごと保存されている場所は同緯度帯では世界でここだけ。
この本は、リゾート開発や宅地開発の波からどのようにこの自然が守られて、それが継続されて、公園になって、市民に支え続けられたか、を、実践的な「プロジェクト管理」の視点から記載されています。
今までの保全の常識とは異なる懐深い長期的な対策がこちら。
1.珍しい絶滅危惧種を見つけて貴重だから守れという
2.開発企業や自治体を「悪者」といいふらす
3.開発は何が何でも反対。木一本でも倒すな!
4.いろい -
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抽象的な「モノ」に感じる三人称から二人称へ。
「さわる」から「ふれる」へ。
すずさんのすすめで、納棺するのにお父さんの着替えをする中に気持ちがどんどん変わっていく。
「手を握っただけで、私の感覚ががらりと変わった」
死後硬直は筋肉が固まるからではなく、関節が固まるから。関節部分を暖めて、ほぐして、柔らかくしてあげれば、柔らかくなるし、いったん柔らかくなったら、もう固くならないことに驚いた。亡くなった人を家族がケアすることで、家族自身の心のケアができる。そして、お別れができるのだ。
私は気づいたら、両親、祖父母もお棺の中に入っていたから、気持ちが長い間置いておかれたような感じであった。こ -
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息子がアンパンマンにハマり我が家にも、だんだんとアンパンマングッズが増えてきた中で出会った本です。
非常に面白く僅か2日間の往復の通勤電車の中で読み切ってしまった。。。
大人の自分が見ていても、アンパンマンはどこか癒され、悪役のバイキンマンもどこか憎めず可愛い。
その理由がやなせたかしさんの定義する正義に直結する部分があると認識されました。
何でも屋と卑下しながらもたくさんの天才に慕われ、
才能を見抜かれた天才。
彼のクリエイター魂と、初めてのことに対してどんどん挑戦する姿勢は感動です。
今度からアンパンマンの絵だけではなくて、言葉や詩にも耳を傾けてやなせワールドを体感したいと思い -
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「そりゃあもうアンパンマンには感謝しかありませんよ」
そう語るのはI県にすむH氏だ。
「娘たちが小さかった頃、新車購入時に絶対こだわったのがなんだかわかります?」
こちらに考える隙も与えずH氏は続ける。
「後部座席にモニターを付けることですよ。とにかくもうアンパンマンさえ流しておけば何時間でも夢中になってくれてますからね」
アンパンマンの何が、そんなに娘さんたちを惹きつけたんでしょう?
「は?そんなの分かるわけないじゃないですか?理由なんかどうでもいいんですよ。後でおとなしくしといてくれれば」
ハンドルを握るお父さんたちにとってはそうなのかもしれない。
「違いますよ」
H氏が -
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「上野公園・谷根千を世界一の観光スポットとして磨き上げる特区に!」の取り組みをもとに著された一書。
このような活動があることを知らず、全く前提知識なしで読み始めたが、上野の成り立ちの歴史、そして地形の魅力を上野にかかわる方々の想いを聞きながら知ることができた。
個人的には昔不忍池の周囲で馬が走っていたのは衝撃だった。
たまたま1回不忍池から谷根千エリアに歩いたことはあるが、ただ分断されたエリアを渡り歩いたといった感覚で、「上野公園・谷根千」という1つのエリアで捉えたことも、感じたこともなかった。
そういった意味でこれからのこのエリアに抱かれている構想は興味深かった。(無論デメリットもないかもし -
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とても面白い。
都市のあり様をカワセミの生態という切り口で表現した一冊。
筆者の実に地道で弛まないカワセミの観察録に始まり、都市と自然の生態の差異を説き、人とカワセミの街に対する美意識(ここに住みたい!という思い)の親和性に至り、「カワセミが住みたいと思う街を造ることが人にとっても住み良い環境になる」という結論。
とてもユニークで、なんとなくタモリさんを彷彿とさせるマニアックさが、とても面白かったです。
環境保全の観点から、具体的な地名は伏せられていますが、なんとなくあの辺というのは分かる。
多分その近郊に住んでいらっしゃる方にとっては、更に面白い一冊になるのだと思います。