あらすじ
乳幼児の人気は不動のトップ、アニメや本におもちゃや食品など関連グッズを含めれば今や9兆円の巨大ビジネス。おなかが空いた人に自分の顔を食べさせる不思議なキャラクター、アンパンマンはどのように誕生し、国民的ヒーローとなったのか。愛する人たちとの別れ、過酷な戦争体験、幾多の天才からの高い評価、最愛の妻の支え……生みの親である漫画家やなせたかしの生涯をたどりながら、その秘密を解き明かす。
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了解しました。以下が、あなたがメモされた内容の要約です。
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やなせたかしさんは、経験がなくてもまず行動し、現場で学びながら創作を進めていた。時代や人々の求めるものは、机上の勉強よりも実践から生まれると考えていた。ラジオや絵本、アニメ、映画など多岐にわたる分野を自らプロデュースしていた。
戦争体験を通して「正義は状況によって簡単に逆転する」と知り、しかし「献身と愛」という逆転しない正義を見出した。それは、目の前で困っている人にパンを分け与えるという、ごく身近で実践的な行為である。
アンパンマンはその象徴であり、見返りを求めず、人を助けることを自らの使命としている。顔=あんパンは助けるための“使い捨てのハードウェア”であり、その魂は変わらず存在し続ける。
やなせさんは「愛する人がいついなくなるか分からないから、出会った人すべてに全力を尽くす」と考え、その生き方をアンパンマンという作品に込めた。
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自分もお世話になったアンパンマン。
やなせたかしさんは勿論知っているけれど、アンパンマンの作者というのがほとんどのイメージ。ただ本書に触れたことで、思っていた以上に多才で、幅広い分野で活躍していることに驚き。
アンパンマンの作品自体をもう一度見てみたくなった。
Posted by ブクログ
息子がアンパンマンにハマり我が家にも、だんだんとアンパンマングッズが増えてきた中で出会った本です。
非常に面白く僅か2日間の往復の通勤電車の中で読み切ってしまった。。。
大人の自分が見ていても、アンパンマンはどこか癒され、悪役のバイキンマンもどこか憎めず可愛い。
その理由がやなせたかしさんの定義する正義に直結する部分があると認識されました。
何でも屋と卑下しながらもたくさんの天才に慕われ、
才能を見抜かれた天才。
彼のクリエイター魂と、初めてのことに対してどんどん挑戦する姿勢は感動です。
今度からアンパンマンの絵だけではなくて、言葉や詩にも耳を傾けてやなせワールドを体感したいと思います。
Posted by ブクログ
「そりゃあもうアンパンマンには感謝しかありませんよ」
そう語るのはI県にすむH氏だ。
「娘たちが小さかった頃、新車購入時に絶対こだわったのがなんだかわかります?」
こちらに考える隙も与えずH氏は続ける。
「後部座席にモニターを付けることですよ。とにかくもうアンパンマンさえ流しておけば何時間でも夢中になってくれてますからね」
アンパンマンの何が、そんなに娘さんたちを惹きつけたんでしょう?
「は?そんなの分かるわけないじゃないですか?理由なんかどうでもいいんですよ。後でおとなしくしといてくれれば」
ハンドルを握るお父さんたちにとってはそうなのかもしれない。
「違いますよ」
H氏がこちらの考えを見透かしたように言葉をはさむ。
なにが違うんですか?
「娘がぐずったら、奥さんが後の席に移ってあれこれやって機嫌悪くなるじゃないですか。しまいにゃあなたも手伝いなさいよとかキレ始めるんです。いや運転してるしって思うんですが通じませんからね」
なるほど、それはいたたまれない。
「だからね、家庭内の平穏はアンパンマンによって守られていたと言っても過言ではないわけです。アンパンマンには感謝しかありません」
つまりアンパンマンはH氏にとってもヒーローだったのかもしれない。
Posted by ブクログ
現在50歳以下くらいの人は、誰でも子どものころにアンパンマンを知ったであろう。私も子どものころに初期のアンパンマンの絵本を持っていた。困った人を助け、お腹が空いた人に自分の頭を「ほら、食べなよ」と差し出すアンパンマンは幼心に衝撃的だった。当時はまだ周囲のキャラクターの種類も少なかった。
著者はアンパンマンの作者やなせたかしと同じ苗字だが、血縁関係はない。社会学者としてこれほどまでに幼児の心をつかむアンパンマンと作者の人となりを研究してまとめたという。
本書を通して、著者のやなせたかしへの心酔ぶりが分かる。やなせたかし氏は絵本作家であるだけでなく、もともとはデザイナーであり、今でいうところのマルチクリエイターで多彩であった。彼の作るやさしいストーリーは戦争で飢えを経験したところに根があるようだ。
私は子どもがいないが、姪が育つ過程を見てきた。例にもれず、彼女も保育園生くらいまではアンパンマンに夢中になって、家にグッズがあふれていたのを思い出す。きわめて普遍的で、平均して5歳までにはアンパンマンを卒業するそうだ。
大人になってからアンパンマンのアニメも映画も観ていないが、機会があったら是非子ども心に帰ってみてみようと思う。
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嬉々として外套を翻していたのを思い出すました 去り行く夏を惜しむようにツクツクホウシとミンミンゼミの鳴き声が降り注ぐ中 暢への感謝と鎮魂の意があった事を 世間の趨勢を一切顧みず キリスト教の礼拝に於ける聖体拝領では
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2歳のうちの子も異常にアンパンマンにハマっていて、初語はママではなく「あんぱんまん」。
言いやすいんだろうな~とぼんやり思っていたけど、この名前を0から生み出すのは天才的。
大人気のアンパンマンが誕生したのは、やなせたかしさんだから出来たこと。どんな仕事も勇敢に挑戦しつづけた絵と言葉のデザイナーだったから、と本書を読んですごく納得した。たしかに、キャラクターや絵だけでなく、ネーミングセンスは抜群で、歌詞も素晴らしいものばかり。
アンパンマンマーチには、「なんのために生まれて何をして生きるのか、答えられないなんてそんなのは嫌だ」という歌詞がある。アンパンマンのキャラクターとはズレてるなとずっと思っていたけど、誕生当初は悩めるアンパンマンだったとのこと。驚いた!私と同じやん!毎日何度も息子に母乳をあげてる私もこの子にとってのアンパンマンと思うことにしよう笑。本書でもアンパンマンの姿におっぱいをあげる親の姿を重ねてるって書いてあるし。
毎日子供たちと見ているアンパンマンの解像度がグッと上がってよかった。
Posted by ブクログ
朝ドラからやなせさんに興味を持ったのでこの本を読んだ。
やなせさんは自身の書いたエッセイでは謙虚なお人柄が伺えたが、この本からはやなせさんの仕事人の姿を知ることができた。普通の人では考えられない量の仕事量をこなされていて驚いた。特に「詩とメルヘン」制作時はご祝儀の1万円のみで、ほとんど1人で制作したというエピソードを読んだ時はとても正気の沙汰とは思えなかった。
利益を省みず、頼まれたら断らないスタンスは本当にかっこいいし、自分もまずはやってみようの精神を持とうと思えた。
Posted by ブクログ
現在朝ドラにてあんぱんまんの作者である、やなせたかしとのぶの話が放送されている。それに影響されて本書を購入したが、本書を合わせて読むことでよりドラマを面白く見ることができる。史実とドラマでは脚色があり、異なることも多い。しかし、違うからこそ本書とドラマを比較しながら視聴する事で、やなせたかしが何を伝えたかったメッセージを強く感じることができた。また、ドラマの脚本を担当しているライターとも繋がりがあり、やなせたかしから引き継がれる精神性も大いに強調されている。
あんぱんまんに対してやなせたかしは一切の遠慮なく表現をしていた訳だが、その精神性は見習わなければならない。あんぱんまんに限らず、子供向けの作品に関して物語が陳腐であることは許されない。子供が消費者のメイン層ということは、必ず親がセットになるのだ。親が楽しめないのであれば、子供も楽しむ事はできない。子供は私たちが思う以上に空気を大事にしている。それに、子供のうちに受けた影響は大人になっても薄れない。「三つ子の魂百」までという言葉があるように、子供に与える影響を考えて行動したいものだ。
Posted by ブクログ
アンパンマンのやなせたかしの話。
山梨シルクセンター、山梨の名産の絹を売ろうと山梨県職員が始めた会社だがうれず。サンダルなどを売っていたがキャラクターを付けると売れることを発見。キャラデザをやなせたかしなどに依頼して書いてもらったこの会社こそが、現在のサンリオである。
5歳で父を亡くし、弟は親戚の家に引き取られ、7歳で母を亡くして自分も親戚の家に。医者の叔父の後を継ぐ予定の弟とは違い、東京の製薬会社に広告部として就職し、戦争で中国に行って、帰ってきたら兵隊になった弟が死んで。
高知新聞社で妻と出会い上京したり。2025年のテレビ小説はやなせたかしの話なので、見ようかなと。