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私もコロナ禍のなか、野鳥の写真を撮るようになりました。住宅街の近くの公園の池の周りにカワセミがいることに気づき、カワセミの写真を撮るのが楽しみになりました。
この本を読んで、カワセミの生態や「幻の鳥」になった過去の歴史、近くにいて写真を撮らせてくれる「新しい野生」を獲得した現在の都心のカワセミについて知ることができました。そしてますます、カワセミに出会うのが楽しみになりました。
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皇居恐るべし。明治神宮クラスの大きさがあるといろいろ違いそう。川の名を伏せてるけど、リスト付き地図見たらわかるよ。でも、わかる人ならわかっていいと思ったのかもしれないと思いなおす。
ハクビシンでもなく、狸でもオニヤンマでもクワガタでもなく、カワセミというのがキモかも。やっぱこの人上手い。
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清流に棲むカワセミがなぜか都心に適応。生息域と高級住宅街の重なりから考察する画期的な都市論。
オオタカ、ハヤブサ同様にカワセミも都心の環境に適応している。
コロナ禍で遠出のできない環境を逆手にとって筆者が足で稼いだ力作。
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とても面白い。
都市のあり様をカワセミの生態という切り口で表現した一冊。
筆者の実に地道で弛まないカワセミの観察録に始まり、都市と自然の生態の差異を説き、人とカワセミの街に対する美意識(ここに住みたい!という思い)の親和性に至り、「カワセミが住みたいと思う街を造ることが人にとっても住み良い環境になる」という結論。
とてもユニークで、なんとなくタモリさんを彷彿とさせるマニアックさが、とても面白かったです。
環境保全の観点から、具体的な地名は伏せられていますが、なんとなくあの辺というのは分かる。
多分その近郊に住んでいらっしゃる方にとっては、更に面白い一冊になるのだと思います。
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姿を消していた東京都心のカワセミが再び戻ってきて繁殖しているのを自身の観察により明らかにしている。東京中を自転車で駆け廻っての観察記録はコロナ禍を感じさせず生き生きとして発見の喜びに満ちている。著者の結論はカワセミが暮らすのは武蔵野台地の崖に沿った「小流域源流」とカワセミ生息地を一致しており、そこは東京の高級住宅地に近く人もカワセミも住みやすい場所だとしている。前著「国道16号線」でも小流域源流の話がでてきたがピンとこなかった。この本の主張は納得できる。
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<目次>
第1章 ようこそ、カワセミ都市トーキョーへ
第2章 カワセミとはどんな鳥か
第3章 東京カワセミ日記
第4章 「新しい野生」の一部としての「東京のカワセミ」
第5章 カワセミが住む街はなぜ「高級住宅街」なのか
第6章 「新しい野生」と「古い野生」がつながる
<内容>
生物学の本なのかと思えば、第5章からは社会学的な要素が高まる不思議な本。『国道16号線』を書いた人と知れば、さもありなんと思うだろう。まあ、生き物好きなのはよくわかる。第3章ではひたすらカワセミの観察日記が続く(地名が隠されているのは、カワセミを守るため)。今の東京(新しいのでトーキョー)は、1970年代に自然破壊をし尽くした時代を経て、「新しい野生」が生まれつつある時代。人間が「環境破壊」をしてしまった後には、元の野生は戻らないと思い込んでいるが、自然は(カワセミを例に)そうは問屋が卸さないのだ。カワセミを例に挙げれば、自然湧水の谷頭があり、それなりの池とそれが流れ込む川があり、さらにコンクリートの擁壁でも、人や天敵の近寄りがたい形状であれば、彼らは帰ってきたのだ。田舎のカワセミとはちがい、さほど人間を恐れないニュータイプで。著者は、こうした「新しい野生」を人間が作る(守る?)ならば、世界に類を見ない新しい都会がトーキョーに生まれるかもしれないという。
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国道16号線に続き、わかりやすく興味の惹かれる都市論でした。外出する際、その土地の地形、地名を調べて、なるほどと勝手に納得する癖がつきました。
ちなみに、柳瀬先生のFacebookは非常に面白いので、フォローおすすめです。