安斎勇樹のレビュー一覧
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漠然としたモヤモヤをうまく言語化してくれる一冊。読んだらきっと「そうか!私の悩みの種ってそこにあったんだ!」と気づけるはず。ちなみにソーシャルノイズ診断をしてみたところ、私は「常識礼賛タイプ」だった。
後半はアイデンティティや興味を見つける方法が丁寧に書かれていて、仕事に追われて趣味が何だか分からないという現代人にぜひ読んでほしいと思った。
この本を読んでいたら、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を思い出した。ソーシャルノイズには頑張って耐えようとするのに、本というノイズには耐えられない現代人のなんと多いことか。もっと静かに自分と向き合える時間が作れたら、ゆっくり本を読んだり、本当に自分がしたかったことにチャレンジできたりするんじゃないだろうか。
今日から意識的に「静かな時間」を作って内省し、自分の信念を見つけてみたい。 -
Posted by ブクログ
『静かな時間の使い方』は、仕事や日常生活に押し寄せるソーシャルノイズの中で、静かな時間を確保し充実させるための実践的なガイドです。著者は、慌ただしい日々の中に自分を見つめ直す時間を持つことの重要性を説きます。なぜ日々の生活の中でリフレクション(内省)が置き去りになりがちなのでしょうか。最も大きな理由は、現代の生活が絶え間ない情報と刺激に満ちていることにあります。スマートフォンの通知やSNSの更新、仕事の締め切りや家庭の用事といった「ソーシャルノイズ」によって、私たちの注意は常に外側へと引き寄せられています。その結果、立ち止まって自分の内面を見つめる余白が失われがちです。
また、内省には意識的な「静けさ」と「時間」が必要です。しかし忙しい日常では、思考を整理し感情を振り返るためのゆとりが後回しにされ、短期的な課題や目の前の刺激に優先順位が奪われてしまいます。さらに、内省は即座に目に見える成果を生まないため、効率や生産性を重視する現代社会では軽視されやすい側面もあります。
つまり、リフレクションが疎かになる背景には、情報過多による注意の分散、時間的余裕の欠如、そして短期的成果を優先する価値観が重なっています。この負のスパイラルを断ち切るには、意識的に静かな時間を確保し、自分自身と対話する習慣を生活の中に組み込む必要があります。
本書の中心は「リフレクション(内省)」の習慣です。感情、技術、興味といった複数の側面を振り返ることで、読者は自らをより深く理解できます。そして、こうした個々のリフレクションを重ねるうちに浮かび上がる「信念のリフレクション」は、自分の価値観や行動原理の根幹に迫る手がかりとなります。
著者は、静かな環境の中での内省を通じ、なぜ自分を分析し理解する必要があるのかを丁寧に解説しています。感情・技術・興味という各分野のリフレクションを通して、今まで意識していなかった信念を明らかにできるよう導かれます。
『静かな時間の使い方』は、信念のリフレクションを起点に、自分らしい人生を設計するための指針となる一冊です。 -
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口語体なのに読むのは若干しんどいめ。
ファシリテーションを「技術」として分解し、どのように参加者の思考をドライブさせるかを体系化した一冊。正直、導入の事例などは「ドリルと穴」の話の焼き直しに感じられて目新しさがない部分もありましたが、中盤以降のフレームワークには実務に転用できそうなヒントが多かったです。
特に役に立ちそうな点として印象に残ったのは、以下の3点です。
1. 「負の制約」からの逆転思考
「やりたいこと」を考える際に「やってはいけないこと」を定義する手法。単に「何もしないこと」を挙げるのではなく、「やってしまうと大変なことになること」を挙げること として捉えるという自分なりの解釈を得ました。これは、守るべきラインを明確にすることで、逆に自由な発想を促す強力なツールになりそうです。
2. 問いを機能させる「足場の問い」とアイスブレイク
議論が抽象論で滑ってしまう原因は、問いの解像度の低さにある。本質的な議論の前に、参加者の個人的な視座や過去の経験を掘り起こす「足場の問い」を置くこと、そしてそれをアイスブレイクに組み込む重要性は、これまで盲点でした。入社からのバイオリズムをグラフ化するような視覚的な手法も、組織の文脈を共有する上で面白そうです。
3. リーダーの視座と時間軸
「俯瞰か個人か」「過去か未来か」という視座の切り替え。現在の延長線上の議論か、将来のビジョンか。組織の状態によって部長クラスであっても打てる手は限られる中で、今のリーダーたちがどの時間軸にフォーカスして決断してきたのかを問い直すきっかけになりました。
また、2時間のワークショップを前提としたタイムテーブルの考え方も、1〜2年のプロジェクト単位にスケールアップして適用すべきだと感じました。
「ファシリテーターを役割分担する」といった大規模前提の記述など、自分の立場では使いにくい部分もありましたが、今の仕事の中から「何を捨て、何に注力するか」を整理するための、良質な補助線になる一冊です。
最後の一節、ムハマド・ユヌス氏の「Denial of the opportunity(機会の否定)」という言葉が、本書の内容を超えて最も深く胸に刻まれました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「この企画を一箇所だけ変えるとしたらどこがいいか?」「自分が顧客ならこの企画は何点をつける?」などの問いかけで会議を活性化する手法。背景としてはVUCAと表されるような時代の変化に対応して働き方がファクトリー型からワークショップ型へと変わっていく中でファクトリー型の弊害を取り除く必要がある。具体的には4つの弊害が挙げられていて、判断の自動化による認識の固定化、部分的な分業による人間関係の固定化、逸脱の抑制による衝動の枯渇、手段への没頭による目的の形骸化である。
問いかけの例「営業で心がけていることは?」→「営業で意外と上手く行ったテクニックは?」などの抽象的→具体的な問いかけ、「カーナビをどう改善したい?」→「そもそも何でカーナビを売りたいの?」というメタ的な問いかけなどが挙げられている
1.相手の個性を引き出しこだわりを尊重する、2.適度に制約をかけ考えるきっかけを作る、3.遊び心をくすぐり応えたくなる仕掛けを作る、4.凝り固まった発想をほぐし意外な発見を促す
問いかけのサイクル=見立てる、組み立てる、投げかける
見立て=評価にはそのための価値観が何であるかが重要、未定義の頻出ワードに着目する、ミーティングでの姿勢・態度などから不満や抑えられた衝動を見つけ出す
ミーティングの主な目的は1情報共有、2すり合わせ、3アイディア出し、4意思決定、5フィードバック
問いかけには予め準備しておくものとその場で突発的に必要になるものがある。問いかけは自分の立場seniorityや芸風によって意味合いが変わるものがあるが、特に突発的な質問で自分の芸風を変える必要はない
問いかけに際して何を主語にするかという幅の広げ方もある。あなたはどうするべきか、チームは、組織は、社会はなどと問いかけることで視野を広げたり集中させたりできる
深掘り質問1.素人質問、2.ルーツ発掘質問、3.真善美。揺さぶり質問1.パラフレーズ(動詞化、禁止)、2.仮定法、3.バイアス破壊
問いかけの手法、1.予告、2.共感、3.扇動(前提を大げさに強調する)、4.余白(により質問に惹きつける)
実際に問いかけるときにはどのような言葉を使うかも考慮する必要があり(レトリック)、また相手の反応に対してどのように質問をつなげるかなども詳細に説明されている
ミーティングでの他者に対する問いかけの手法の話だが、自分自身の思考に対しても、そのパターンや硬直性を打破するために自問自答する手段として活用できそう。 -
Posted by ブクログ
評価
元々の問いかけの作法よりも、さっと見やすい
感想
冒険的な世界観と相まって、より理解しやすい内容に
仕上がったと思います。
あとは実践できるか…だな。
内容
1.冒険的な世界観へ
・効率から創造へと、柔軟な思考による答えのない世界への適応が始まっている
・全てを軍事的や冒険的にするのではなく、割合を持って使い分けるのが現代
1.やるべきことをチームで見つける
2.好奇心に基づいて実験する
3.未知なる状況において変化を厭わない
4.チームで多様な個性を混ぜ合わせる
5.試行錯誤を楽しみ、失敗から学ぶ
2.問いかけのルール
・相手の個性を引き出しこだわりを尊重する
・適度に制約をかけて考えるきっかけを、つくる
・遊び心をくすぐり答えたくなる仕掛けを施す
・内緒で一つ工夫をするとしたら?
・何かいい失敗ネタはないか
・凝り固まった発想をほぐし意外な発見を生み出す
・単純な効果アップではなく、よくないけどついやってしまう。とか、潜在的にダメになりそうなことってある?と言った逆転の発想
3.問いかけの作法 見立てる
・何かに囚われていないか、こだわりはどこにあるか、こだわりはずれていないか、何かを我慢していないか
・何かを評価したり、同じ言葉をつかったり、姿勢が前のめりだったりすると出ている
4.問いかけの作法 組み立てる
・未知数を定める(明らかにしたいわかっていないこと)
場の目的や、みたい景色、変化のありなしを軸にして味付けをした問いかけが大事
・方向性を調整する(主語の大きさや、時間軸を決める)
・制約をかける(回答しやすいような制限。、個数など)
トピックの限定、形容詞を加える、範囲を指定、答え方を指定 -
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ネタバレ本書は、ファシリテートが上手な人を理論と事例を交えて非常にわかりやすく説明している一冊だった。
特に勉強になったのは、「ファクトリー型」と「ワークショップ型」の組織の違いの視点はである。著者は、ワークショップ型の組織では、参加者それぞれのこだわりを許容することが必要だと述べている。一方で、自分を振り返ると、他人のこだわりに対してどこか非寛容になってしまう傾向があることに気づかされた。
ただ、その非寛容さは単なる拒絶ではなく、相手のこだわりが「深い思考の結果」なのか、それとも「何も考えずに出てきた思いつき」なのか判別しづらいという難しさに由来しているのだと思う。実際、質の高いこだわりは創造性につながるが、質の低いこだわりは議論を妨げてしまう。その見極めは、相手へ問いを返し、背後にある考えを引き出すことでしかできない。本書を読み、この“見極めるための問い”こそが、ファシリテーターに求められる重要な技術だと改めて理解した。
また、「未定義の頻出キーワード」という概念は特に重要だと思った。背後に明確な考え方があれば“こだわり”として扱うべきだが、思考が伴わず形骸化した状態で用いられている場合、それはただの“とらわれ”になる。自分の会社の会議でも、マジックワードが先行することで議論が曖昧になってしまう場面が多々ある。そうした言葉が出てきた際に、背後の思考を引き出し、こだわりなのかとらわれなのかを判断する力の重要性を強く実感した。
本書は、会議を効率的に進めるためのテクニックにとどまらず、参加者一人ひとりの思考の質をどう高めるかという深い問題に踏み込んでいる。その中で、自分自身の思考のクセや姿勢を振り返るきっかけも得られた、非常に学びの多い一冊だった。 -
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担当する研修で、「問い」を扱う回があり、パラパラめくる程度だった本書をちゃんと読んでみることにしました。
私の仕事であるコーチングや対話の場においても、重要になってくる「問い」。
この本は、「問い」という曖昧で掴みづらい対象を、論理立てて見事に説明してくれています。さすがワークショップやファシリテーションの研究者ですね。
同時に、「問い」は感覚的に身につけていくものでもあると思うので、深い理解においてはやはり実践を積み重ねるしかないと思います。
気に入ったのは「哲学を宿す」という言葉。
そう、良質な「問い」は、何気なく過ぎゆく日常に哲学を宿してくれる。
「問い」が、本質的な変化を生み出すトリガーになるのだと改めて認識しました。
この本を読んで、「問い」を味方につけましょう。 -
Posted by ブクログ
前半はワクワクしながら読みましたが、中盤の自己紹介の辺りは「おぇ〜( ˚ଳ˚ )」となり…そもそもワンピースが苦手なので最初っから違和感はありましたが、そんな感じで残りは半ば流し読みでした。
決して悪い本ではないですし、これから目指すべき組織の方向性は頷けるのですが、細部が理想主義と善意に寄りすぎていて、ディストピア感を感じてしまいました。
あと、どうでも良いことかもですが、造本が嫌でした。
やたらデカイ文字にスカスカの行間で、なのに400ページ超えって…資源の無駄だし、読者をバカにしてるとしか思えません。
内容のポテンシャルは高いのに、いろいろと残念ポイントの多い一冊かな? と。