安斎勇樹のレビュー一覧
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担当する研修で、「問い」を扱う回があり、パラパラめくる程度だった本書をちゃんと読んでみることにしました。
私の仕事であるコーチングや対話の場においても、重要になってくる「問い」。
この本は、「問い」という曖昧で掴みづらい対象を、論理立てて見事に説明してくれています。さすがワークショップやファシリテーションの研究者ですね。
同時に、「問い」は感覚的に身につけていくものでもあると思うので、深い理解においてはやはり実践を積み重ねるしかないと思います。
気に入ったのは「哲学を宿す」という言葉。
そう、良質な「問い」は、何気なく過ぎゆく日常に哲学を宿してくれる。
「問い」が、本質的な変化を生 -
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前半はワクワクしながら読みましたが、中盤の自己紹介の辺りは「おぇ〜( ˚ଳ˚ )」となり…そもそもワンピースが苦手なので最初っから違和感はありましたが、そんな感じで残りは半ば流し読みでした。
決して悪い本ではないですし、これから目指すべき組織の方向性は頷けるのですが、細部が理想主義と善意に寄りすぎていて、ディストピア感を感じてしまいました。
あと、どうでも良いことかもですが、造本が嫌でした。
やたらデカイ文字にスカスカの行間で、なのに400ページ超えって…資源の無駄だし、読者をバカにしてるとしか思えません。
内容のポテンシャルは高いのに、いろいろと残念ポイントの多い一冊かな? と。 -
Posted by ブクログ
哲学カフェの運営に興味を持ち、ファシリテーターを勤めるのに何か役立つ情報がないかと思い、手に取りました。
日頃、何気なく行なっている問いかけについて、理論的・体系的に言語化してくれており、非常に有益。
当方教員で、普段から教室やさまざまな場で問いかけを行っているが、その際使っているであろうテクニックがタグ付けされていて、コミュニケーションの奥深さを感じた。
一つだけ印象に残っていることを挙げるなら、対話の大きな流れを事前にデザインする手法に関して。
自分➖組織と過去➖未来を軸にマトリックスを作って、上下に行き来しながら対話を展開するとダイナミズムが生まれるというようなことが書いてあり、 -
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前作『問いかけの作法』が非常に良かったので楽しみにしていた本作。出会いの衝撃が大きかった前作ほどではないが本作も自身の経験や課題意識とも通ずる部分が多く面白かった。
「軍事的世界観」からの脱却が中心に据えられていて、それ自体は特段目新しいものではないが、本書ほど本質的に、そして現場の実態に即して述べられたものは私は読んだことがなかった。「戦略」や「ターゲット」などの用語が軍事由来だとして批判するような表面的なことだけをいっても「じゃあどうすれば良いのか」は一向に見えてこないのですが、本書では新たな時代や環境に適合する冒険する組織への変革を目指すにしても、軍事的世界観の中で培われてきたノウハウや -
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ネタバレ『冒険する組織のつくりかた』読書メモ(安斎勇樹 著)
【基本テーマ】軍事的世界観(効率・統制)から冒険的世界観(創造・探究)への転換
■核心モデル:CCM(Creative Cultivation Model)
・二重整合性:機能的整合(事業構造/業務設計)+精神的整合(心理的安全性/組織文化)
・生態系比喩:個人(根)→チーム(幹)→組織(葉)が相互作用し社会的価値を創出
■5つの基本原則
1. ALIVE目標設定:
- Aspire(志):社会的ミッションとの整合(例:カーボンニュートラル推進)
- Learn(学び):個人の成長機会設計(A -
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著者は組織開発で豊富な経験を持つ専門家。確かに「軍事的世界観」から「冒険的世界観」への転換が必要だ。
これは私自身も肌で感じていることだ。
今までの組織の在り方を変えていかなければ、これからの時代には到底対応できない。
今までの「軍事的世界観」では、すでに限界を迎えていたにも関わらず、新しい組織の形に作り変えるところまで至らなかった。
当社内は今でも、上意下達、トップダウン文化が根強く残っている。
当然何十年間もそれで事業を継続してきたのだから、簡単には変えられない。
トップダウンでもきちんと機能していれば、なんの問題もなかったのだが、今はそういう時代ではない。
あまりにも環境変化は激しいし、 -
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組織デザインの本。
これまでが軍隊的な組織の作り方だったとするなら、これからは冒険する仲間たちのような組織の作り方が求められている、という前提のもと、冒険する組織の作り方がどのようなものかを説明している。
5つのレンズを通して物事を見ることや、CCMというオリジナルのモデルから組織構造や個々の探究をつなぐ組織作りなどについて解説がある。
時代の変化とともにあるべき姿は変わるはずで、ここで提言されている内容には非常に共感ができた。
正直に言えば実践が難しいところも多い印象だが、諦めずに探究し続ける姿勢や対話が大事だと書かれている通り、プロセスに焦点を当てることが重要なのだろう。
自分としては、 -
Posted by ブクログ
非常に評価しづらい一冊でした。著者の思想は好きですが、どう考えても、絵に描いた餅に感じる内容でした。
冒険する組織と軍事的組織を対比させ、内容的にはとても分かりやすいです。今の企業のほとんどが軍事的組織の流れがあるのはその通りだし、それを著者の言うような冒険する組織にするには、目標管理、会議体、研修、組織構造などありとあらゆるものを変える必要があります。
でも、そのエネルギーと権力を持っている読者って本書の読者の何%いるんだろうか?と思いました。
そして、著者も書籍の中で述べていますが、軍事的組織はその良さがちゃんとあると思うのです。例えば工場で冒険する組織に変えようと思うと、かなり苦労