キャロル・オコンネルのレビュー一覧

  • 愛おしい骨

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    デイビッド・リンチのツインピークスに影響された作品はずいぶんあったが、これはその中で、もしかしたらツインピークスそれ自体すら抜いて最良の作品なのではと思う。ある村の人たちの秘密と愛の話

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    2025年09月03日
  • クリスマスに少女は還る

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    子供の頃に双子の妹を誘拐され、殺されたルージュ(男)は警察官になっていた。

    ある年のクリスマス間近、二人の女の子がいなくなる。

    一人は副知事の娘で、知能指数の高いグウェン。
    もう一人は、ホラー映画が大好きで、他者を驚かせることが楽しみで仕方ないサディー。

    親友の二人はそれぞれの家に帰れるのか…

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    2024年08月12日
  • クリスマスに少女は還る

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    「小説という毒を浴びる」で紹介されていなければ読まなかった。
    紹介頂いて桜庭一樹さんには感謝。
    良かった。
    最後も、あーそんななんだと驚きあるし。
    もっとボリュームがあっても良かったな。もっと登場人物の話があって欲しかった。
    ルージュのお母さん良い感じだったし。

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    2023年12月24日
  • 修道女の薔薇

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     マロリーシリーズ。
     (最後? これ以降新作でてないらしい)

     修道女が行方不明になり、その捜索が依頼される。彼女には盲目の甥がいて、彼の行方もわからなくなっていた。
     数日後、修道女は、市長官邸の前に置かれた複数の死体の中で発見された。
     
     全く接点が見えなかった事件たちが、つながり絵になっていく様は、すごい。
     もっとも、その絵を強引に絵具をぶちまけるようにして、描いていくのはマロリーなんだけどね。
     
     とはいえ、今回は盲目の少年の描かれ方が…。
     オコンネルといえば「クリスマスに少女は還る」なんだろうけど、それを髣髴とさせる。
     
     にしても、盲目の甥を育てるためにまだ幼かった修

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    2022年04月27日
  • クリスマスに少女は還る

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    クリスマスを控えたある街で二人の少女が姿を消す。事件を追う警察官ルージュは15年前に双子の妹を殺された過去を持つ。監禁されながらもなんとか生き延びようと力を合わせ奮闘する二人の少女のパートと、警察、法心理学者、両親たちが事件を追う側のパートが交互に進む。少女たちの強さは涙が出るほどだが、大人たちの奮闘にも心奪われる。それは親の愛情であり、あるいは贖罪であり…。半端なピースが思いもかけないところにはまり、別の場所では思いもかけない真実が見え、読後は邦題にため息をつく。クリスマスの素晴らしい読書タイムだった。

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    2020年12月27日
  • 愛おしい骨

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    独特な世界観。
    折り重なるプロット。
    よく練られたミステリー。そして、人間の心のひだをよく描いていると思う。

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    2020年12月15日
  • クリスマスに少女は還る

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    よく練られたストーリー。
    いくつもに折り重なるプロット。
    はじめは複雑に感じるが一気に引き込まれる世界観。。少女は誰に助けられたのか。
    最後に訪れるクリスマスにふさわしい奇跡とは。

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    2020年12月15日
  • 生贄の木

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    マロリーのシリーズ、10作目。
    ヒロインの過去に関わるため重要な「ルート66」に続く作品。
    原作でもこの間は4年、間が空いています。

    キャシー・マロリーはニューヨークの刑事。
    完璧な美貌だが、特異な育ちのために普通の感情をほとんど理解しない変わり者で、天才ハッカーでもあります。
    前作で幼い頃の謎が思いがけない展開を見せ、今後にどう影響するのか?と思われましたが。
    前作を読んでいなくとも、差支えはありません。
    ほとんど出てこないので…
    届けも出さずに勝手に休暇を取った後に、何事もなかったように復帰しているという。
    ペナルティとして雑務を押し付けられているが、淡々とこなしている。怒りも見せない様

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    2020年10月08日
  • 修道女の薔薇

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     550頁。いつもなら二日ほどあれば読めるペースなのだが、6日かかった。これがキャロル・オコンネルに取り組むときのきっとぼくの平均的ペースである。スピーディに読み進めない。きっと作者もスピーディには書いていない。すごく丹念に凝りに凝ったレトリックを駆使して、本シリーズのヒロイン、キャシー・マロリーを描こうとする。木彫りに入れられる丹念な彫刻刀のような筆致で、肌理細かく。

     それほどこだわりぬいた作風。この作家の個性。マロリーのさらにスーパーな個性。拾い親である亡き刑事ルイ・マーコヴィッツに育てられた孤独な孤児。天性のハッカーで、目的のために手段を択ばない冷徹さと頑強さ。

     彼女と鉄壁の三連

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    2020年04月05日
  • 修道女の薔薇

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    訳者のあとがきで新作が出てないと知る。
    未訳の作品リストをずらりと紹介されたきり、邦訳の出版が止まってしまっているよりはマシなのかな?(T ^ T)
    まだまだマロリーの活躍?が読みたい!

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    2020年03月17日
  • ゴーストライター

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     マロリーシリーズ。

     上演中の芝居の脚本家が、上演中に殺される。その芝居は、ゴーストライターなる人物に勝手に脚本が書き換えられているといういわくつきのものだった。

     役者は変人が多い。
     が、それらを凌駕するマロリーなのである。
     とはいえ、ちょっとまっとうに感じるのは、周りが変人ばかりなのか、それとも前作で自らのルーツがわかったからか、と、なんだか感慨深いのである。
     
     氷の女王みたいな彼女だけど、誰もが心の奥底に小さな子供がいて、それは良心という形で表出するなんていう性善説を信じたくなったりするのである。
     つか、養父養母に大事に育てられたということは、本当に大きなことなのだ。

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    2019年11月22日
  • クリスマスに少女は還る

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    ややネタバレ含むかな?
    少女の誘拐がモチーフになっているので、しんどくて一気には読めなかったけど、15年前の少年少女と事件、今の少年少女と事件、大人達が絡みあって終盤一気に収束して行くのは快感。
    古さを感じなかったので、20年前の作品だという事に驚いた。

    ※ポール・マリー神父とアーニー・パイル捜査官が似ているのは、ドクタークレイを追い詰める以外に何か意味はあったのかな?
    ※原題JUDAS CHILD、途中で気づいて裏切りの子?意味深、と思っていたけど、解説によると囮の子っていう意味だとか。
    日本語のタイトルも印象的だけど、原題も好き。

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    2018年12月29日
  • 愛おしい骨

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    ミステリ(推理もの)における犯人かもしれないくらい特徴的なキャラクタを描く方に
    ミステリ(謎解き)より力を入れてすりるでさすぺんす風味な小説
    事件全体は込み入ったものでなく
    多数の登場人物がしっかり根拠をもって奇怪な行動を繰り返すさまが延々綴られるので
    振り返って改めて構成に唸らせられる
    個人的な好みとしてはイギリス田舎でなくアメリカ田舎風味の違いなのか
    かなりくどい
    もうひとつ現代劇であることもあってか
    喜劇というか笑いの「ノリ」がもうひとつよくわからない感じであり
    Oヘンリー短編集あたりと同じく文化の違いを感じる

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    2018年12月08日
  • 愛おしい骨

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    『クリ還』のような「わ~!」がなかった代わりに登場人物どの人をどう動かすのか?という楽しみもあり、むしろ「わ~」があちらこちらにちりばめられている。一字一句読みのがしのないようにじっくりと楽しめた。ミステリーというより人間ドラマの味わいが深くなんども反芻しながらの読書時間。時間がかかってしまったけれど損はしていない感。

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    2018年09月15日
  • 生贄の木

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     マロリーシリーズ。
     
     前作で、がっつり職場放棄をやらかしたマロリーは署内で微妙な位置にいるのだけど、まぁ、そんな風に思っているのは周りだけで、本人はまったく気にしてないというか、いつも通りで毎度ながら強い。
     唯一繊細なキャラ、チャールズは右往左往してるんだけどね。
     それに対して、もう完全に開き直ったって感じなっているライカーがへんにいけてる。素敵オジサマになってるよww

     森の中で袋に入れられて木につるされていた3人。
     唯一の目撃者は、ウィリアムズ症候群の少女だった。
     
     子供だろうが、まったく躊躇しないマロリーなので繊細なチャールズと対立するのだが、当の少女はマロリーにめっち

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    2018年09月13日
  • 生贄の木

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    マロリーシリーズ10作目。最新邦訳本に追いついたー
    氷の天使が妖精になつかれるの巻

    まだ未翻訳があると知って嬉しい!

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    2018年06月26日
  • ルート66 下

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    マロリーのシリーズ、9作目、後半。

    古い手紙をたどりながら、ルート66をフォルクスワーゲンで走るキャシー・マロリー。
    じつは、亡き父親が若い頃に書いたという手紙だった‥

    ルート66では連続殺人事件が起きている。
    行方不明の子供を持つ親たちのキャラバンが移動している最中で、地元警察やFBIも捜査に入り、マロリーも介入せざるを得なくなる。
    マロリーを心配して追うライカーらも、これに加わることに。

    型破りなマロリーだけど、意外と親切?なところもあったり。
    二重三重に絡み合う事件ですが、広い空間をどんどん動いていく展開だからか、もつれた糸が解けていく快感があり、読後感が良かったせいか、物語は重苦

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    2018年06月02日
  • ルート66 上

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     マロリーが失踪して、彼女の部屋には女性の遺体があった。

     相変わらずのクールビューティーっぷりで、周りをひっかきまわしまくってるマロリーですが、今回はちょっと違う。
     なんか、ちょっと壊れてるというか、とりつかれている感じで、読んでるこっちがびびるよ。つか、他のキャラたちもビビってる感じがすごいあって、そのへんにものすごくシンクロしてしまう。
     って、オコンネルはこの辺が上手いのかと、認識する。
     主人公ではなく、いわばモブとして、物語と感情を同調させる術に長けているのだろう。
     うん。過去作品を思い返すにそんな気がしてきた。

     ともあれ他の追従を決して許さないマロリーは、暴走

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    2017年11月09日
  • ルート66 下

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     マロリーが失踪して、彼女の部屋には女性の遺体があった。

     相変わらずのクールビューティーっぷりで、周りをひっかきまわしまくってるマロリーですが、今回はちょっと違う。
     なんか、ちょっと壊れてるというか、とりつかれている感じで、読んでるこっちがびびるよ。つか、他のキャラたちもビビってる感じがすごいあって、そのへんにものすごくシンクロしてしまう。
     って、オコンネルはこの辺が上手いのかと、認識する。
     主人公ではなく、いわばモブとして、物語と感情を同調させる術に長けているのだろう。
     うん。過去作品を思い返すにそんな気がしてきた。

     ともあれ他の追従を決して許さないマロリーは、暴走

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    2017年11月09日
  • ルート66 下

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    キャロル・オコンネル『ルート66(下)』創元推理文庫。

    マロリー・シリーズの第9作。

    マロリー・シリーズの根幹を成すのはマロリーの数学やコンピュータの分野での天才的能力を活かした捜査というより、その特異な謎に満ちた生い立ちとトラウマにあると思う。そう言う意味で、原点回帰という色合いが強い本作はシリーズでのターニングポイントとなる作品ではなかろうかと思う。

    ルート66上で起きた幼い子供を狙った連続殺人事件。殺人鬼の魔の手は大人にも及ぶ。行方不明となった子供の親たちの奇妙なキャラバン、事件を追うFBI捜査官。マロリーは幼い子供たちを守り、犯人を逮捕できるのか。そして、マロリーの自らの過去を辿

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    2017年04月04日