キャロル・オコンネルのレビュー一覧
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マロリーシリーズ。
(最後? これ以降新作でてないらしい)
修道女が行方不明になり、その捜索が依頼される。彼女には盲目の甥がいて、彼の行方もわからなくなっていた。
数日後、修道女は、市長官邸の前に置かれた複数の死体の中で発見された。
全く接点が見えなかった事件たちが、つながり絵になっていく様は、すごい。
もっとも、その絵を強引に絵具をぶちまけるようにして、描いていくのはマロリーなんだけどね。
とはいえ、今回は盲目の少年の描かれ方が…。
オコンネルといえば「クリスマスに少女は還る」なんだろうけど、それを髣髴とさせる。
にしても、盲目の甥を育てるためにまだ幼かった修 -
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マロリーのシリーズ、10作目。
ヒロインの過去に関わるため重要な「ルート66」に続く作品。
原作でもこの間は4年、間が空いています。
キャシー・マロリーはニューヨークの刑事。
完璧な美貌だが、特異な育ちのために普通の感情をほとんど理解しない変わり者で、天才ハッカーでもあります。
前作で幼い頃の謎が思いがけない展開を見せ、今後にどう影響するのか?と思われましたが。
前作を読んでいなくとも、差支えはありません。
ほとんど出てこないので…
届けも出さずに勝手に休暇を取った後に、何事もなかったように復帰しているという。
ペナルティとして雑務を押し付けられているが、淡々とこなしている。怒りも見せない様 -
Posted by ブクログ
550頁。いつもなら二日ほどあれば読めるペースなのだが、6日かかった。これがキャロル・オコンネルに取り組むときのきっとぼくの平均的ペースである。スピーディに読み進めない。きっと作者もスピーディには書いていない。すごく丹念に凝りに凝ったレトリックを駆使して、本シリーズのヒロイン、キャシー・マロリーを描こうとする。木彫りに入れられる丹念な彫刻刀のような筆致で、肌理細かく。
それほどこだわりぬいた作風。この作家の個性。マロリーのさらにスーパーな個性。拾い親である亡き刑事ルイ・マーコヴィッツに育てられた孤独な孤児。天性のハッカーで、目的のために手段を択ばない冷徹さと頑強さ。
彼女と鉄壁の三連 -
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マロリーシリーズ。
上演中の芝居の脚本家が、上演中に殺される。その芝居は、ゴーストライターなる人物に勝手に脚本が書き換えられているといういわくつきのものだった。
役者は変人が多い。
が、それらを凌駕するマロリーなのである。
とはいえ、ちょっとまっとうに感じるのは、周りが変人ばかりなのか、それとも前作で自らのルーツがわかったからか、と、なんだか感慨深いのである。
氷の女王みたいな彼女だけど、誰もが心の奥底に小さな子供がいて、それは良心という形で表出するなんていう性善説を信じたくなったりするのである。
つか、養父養母に大事に育てられたということは、本当に大きなことなのだ。
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マロリーシリーズ。
前作で、がっつり職場放棄をやらかしたマロリーは署内で微妙な位置にいるのだけど、まぁ、そんな風に思っているのは周りだけで、本人はまったく気にしてないというか、いつも通りで毎度ながら強い。
唯一繊細なキャラ、チャールズは右往左往してるんだけどね。
それに対して、もう完全に開き直ったって感じなっているライカーがへんにいけてる。素敵オジサマになってるよww
森の中で袋に入れられて木につるされていた3人。
唯一の目撃者は、ウィリアムズ症候群の少女だった。
子供だろうが、まったく躊躇しないマロリーなので繊細なチャールズと対立するのだが、当の少女はマロリーにめっち -
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マロリーのシリーズ、9作目、後半。
古い手紙をたどりながら、ルート66をフォルクスワーゲンで走るキャシー・マロリー。
じつは、亡き父親が若い頃に書いたという手紙だった‥
ルート66では連続殺人事件が起きている。
行方不明の子供を持つ親たちのキャラバンが移動している最中で、地元警察やFBIも捜査に入り、マロリーも介入せざるを得なくなる。
マロリーを心配して追うライカーらも、これに加わることに。
型破りなマロリーだけど、意外と親切?なところもあったり。
二重三重に絡み合う事件ですが、広い空間をどんどん動いていく展開だからか、もつれた糸が解けていく快感があり、読後感が良かったせいか、物語は重苦 -
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マロリーが失踪して、彼女の部屋には女性の遺体があった。
相変わらずのクールビューティーっぷりで、周りをひっかきまわしまくってるマロリーですが、今回はちょっと違う。
なんか、ちょっと壊れてるというか、とりつかれている感じで、読んでるこっちがびびるよ。つか、他のキャラたちもビビってる感じがすごいあって、そのへんにものすごくシンクロしてしまう。
って、オコンネルはこの辺が上手いのかと、認識する。
主人公ではなく、いわばモブとして、物語と感情を同調させる術に長けているのだろう。
うん。過去作品を思い返すにそんな気がしてきた。
ともあれ他の追従を決して許さないマロリーは、暴走 -
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マロリーが失踪して、彼女の部屋には女性の遺体があった。
相変わらずのクールビューティーっぷりで、周りをひっかきまわしまくってるマロリーですが、今回はちょっと違う。
なんか、ちょっと壊れてるというか、とりつかれている感じで、読んでるこっちがびびるよ。つか、他のキャラたちもビビってる感じがすごいあって、そのへんにものすごくシンクロしてしまう。
って、オコンネルはこの辺が上手いのかと、認識する。
主人公ではなく、いわばモブとして、物語と感情を同調させる術に長けているのだろう。
うん。過去作品を思い返すにそんな気がしてきた。
ともあれ他の追従を決して許さないマロリーは、暴走 -
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キャロル・オコンネル『ルート66(下)』創元推理文庫。
マロリー・シリーズの第9作。
マロリー・シリーズの根幹を成すのはマロリーの数学やコンピュータの分野での天才的能力を活かした捜査というより、その特異な謎に満ちた生い立ちとトラウマにあると思う。そう言う意味で、原点回帰という色合いが強い本作はシリーズでのターニングポイントとなる作品ではなかろうかと思う。
ルート66上で起きた幼い子供を狙った連続殺人事件。殺人鬼の魔の手は大人にも及ぶ。行方不明となった子供の親たちの奇妙なキャラバン、事件を追うFBI捜査官。マロリーは幼い子供たちを守り、犯人を逮捕できるのか。そして、マロリーの自らの過去を辿