吉田健一のレビュー一覧

  • わが人生処方

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    老年期に差し掛かった吉田健一さんの作品だが、人生の艱難辛苦や狂騒に明け暮れる世の中を観察して吉田さんらしい視点でわれわれへの導きを提示している。 よくよく味わいたい作品。

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    2017年09月18日
  • 汽車旅の酒

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    「酒が本当に上等になると、人間は余りものを言わなくなるものである。」そうですね(^-^) 酒は静かに飲むものだと思います(^-^) 吉田健一 著「汽車旅の酒」、2015.2発行、中公文庫です。一番心を揺さぶった箇所はw「人間は仕事が出来る間が花だ、と言うが、むしろ、したい仕事をしてしまって、天気なら日向ぼっこをし、雨なら小料理屋の隅で雨の音に耳を澄ましたり、家で読書に耽るとかする境涯こそ、人生の花と呼んでいい時期なのではないだろうか。」なんだか、読んでて無性に嬉しくなりました。

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    2017年08月11日
  • 吉田健一

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    小説やエッセイであれば、多少難しい内容で、知識が追い付かなくても何とか読めるものだけれど、評論となると知識がないと歯がたたない。本書に収められている二大評論のうち、「文学の楽しみ」のほうは半分くらいは何とかなったという感じだが、「ヨオロッパの世紀末」は歯が立たなかった。欧州の古典というのは全滅に近かった。悔しい。
    他に収録されているエッセイはとても味があり、楽しく読めた。

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    2016年09月15日
  • 東京の昔

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    国語辞典、漢和辞典、英和辞典で言葉を調べながら読みました(笑)。

    浅学な私としては、読み始めのころは、少々衒学的文章ではないかと思ってしまいましたが、日本とヨーロッパの文明・文化の比較を引き出すうえで、必然的にああいう書き方になったのだと途中から思いました。

    少ない登場人物のお酒を交えての他愛無い会話が、戦前の東京の風情をうまく醸し出されていました。

    効率・効果・成果主義と暮らしにくくなった現代人としては、こんな暮らしやすい時代が日本にあったのかと思い知らされました。

    講談社学術文庫の「あそびの哲学」で紹介されていた本ですが、吉田健一氏のあそびの本質がびっしり詰まった本を読むことが出来

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    2015年03月04日
  • この情報共有が利益につながる

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    フレームワークとケーススタディの両方が満遍なく記載されていて構成良し。

    ただの理想論ではなく「あなたの会社も失敗したでしょ?」というところから話を進めていて実践よし。

    それでも!情報共有が上手くいく会社は、きっとみんな仕事にビジネスに真面目で真摯なんだろうなぁと思います。

    どうすれば自社群に展開できるか、思案のしどころ 絵を描いてとにかくやってみるのみです。

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    2013年05月18日
  • ロビンソン漂流記

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    児童向けに再編集されていないバージョンは初めて読んだ気がする。小学校の頃は無性に無人島に行きたかったなぁ。。。

    そもそもイギリスの中流階級だったロビンソンが船乗りになっていろんな大変な目にあって行くあたり、当時もノマド的なものへのあこがれがあったんだろうか。。。

    聖書が無茶苦茶出てきた。こんなに宗教的なこと意識するお話だっけ。。。

    人食い人種が出てきた。フライデーはもう少しで食べられてしまいそうになっていた人食い人種。こんな設定覚えない。。。!こら児童向けで削除されたんだろうな。

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    2013年04月05日
  • この情報共有が利益につながる

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    情報ではなく、人中心のナレッジシェアを掲げている。事例が多く、単にITだけでは運用がうまくいかないことが良くわかる。
    リアルコム社が、昨今のソーシャルメディア、取り分け社内SNSとして出て来ているセールスフォースのChatterなどについて、同社がどう捉え、同社の製品戦略に活かしてるのか興味あるところ。

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    2011年12月18日
  • ロビンソン漂流記

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    航海途中に船が難破し、無人島に辿り着いたロビンソンが誰の力も、有効な技術も持たずに、快適な生活を求めて悪戦苦闘するストーリー。
    帝国主義に象徴される、文明国と未開地の問題やカニバリズムに対する価値観、宗教の摂理について悩む場面など、ロビンソンを通じて、当時の世界観が感じられる興味深い一冊。

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    2011年10月13日
  • 東京の昔

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    問題が発生した。まさかの、小説、であった!
    読み終わって解説を読むまで小説だとは露ほども思わない。
    完全に随筆だと思い込む。
    ああ、これが「『私』小説」のトラップ!
    こういうの読んじゃうと、ホントどの「私」も信じらんない、私不信に陥ってしまいそうだ。
    また、このタイトルが。「東京の昔」って。完全にエッセイ臭を漂わせているじゃないか。トラップだよ、トラップ。

    随筆だと思って読んでいたので、この人(私が思い込んでいた吉田健一氏)のコミュニケーション能力の素晴らしさにあっけらかんとなってしまっていた。
    近所に住む自転車屋の勘さんや、自分より一回りも年下の仏文科の学生・古木君なんかと、ちょろんと出く

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    2011年03月31日
  • ロビンソン漂流記

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    昔自分が読んだ子供向けものより宗教色が強い話だった。

    放蕩息子が困難にあって改心し、その後自分の生活の糧に感謝するというのらまさにそうであるし、神が与える生活の必然性と幸福を繰り返し説いているのは印象的だった。

    また、人を食べる黒人やそれを奴隷とし宗教を教え彼らを討ち滅ぼすことは、英国人がアフリカ大陸を占領しキリスト教を広めたことを連想せざるを得なかった。


    しかし、そういった宗教色が強い点を除いても、ロビンソンの島での生活や彼の考えの変化は昔と同じように非常に面白く、ポルやフライデーとの交流は心温まるものだった。

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    2010年10月26日
  • ロビンソン漂流記

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    冒険譚というよりは、一人の人間が如何にしてキリスト教徒となっていくかという物語、といったほうが正しいと思います。
    「罪の文化」や「神と向かい合う」というキリスト教的な道徳精神が理解し難い我々日本人にとって、主人公ロビンソンの心の動きは分かりやすい教材になるでしょう。

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    2010年10月15日
  • ロビンソン漂流記

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    3年前に読んだ時は、途中で飽きてしまったけど、今回再チャレンジして楽しく読めた。すごい冒険の世界。2度の遭難、救助、脱出、そして帰国・・・って、本当に波乱万丈。無人島での暮らしは、完全に自給自足だし、後悔したり、神に感謝したりの繰り返しで、想像を絶するものだった。

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    2009年10月04日
  • この情報共有が利益につながる

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    「情報活用」は企業の課題だが、うまくやれるところは少ない。「情報」と一言で片付けるがいろんなタイプがあり、流通やストック方法も異なっている。きちんとアプローチさえすれば結果はだせると思えた。目からウロコ。

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    2009年10月04日
  • 酒宴/残光 吉田健一短篇小説集成

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     一九五七年刊行の第一短篇集『酒宴』と、一九六三年刊行の第二短篇集『残光』を一冊にまとめた文庫本。短編小説集成と副題にあるが、小説というより随筆という感じの作品がほとんど。まあ一応最後まで読んどくか、と機械的にページをめくっているうち、次第に、ちょっと面白いかもという感じになった。最初期の頃の作品よりも、ある程度創作経験を重ねてからの作品のほうが読み心地が良い。建物の内部を執拗に描写するのが特徴的。一番最後に収められた『邯鄲』(pp360-378)は、お酒に酔ってみた夢のなかで世界一周、という感じの内容で、これが一番読んでて楽しかった。

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    2025年11月23日
  • 汽車旅の酒

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     父親が吉田健一のファンだった。だから、この人の作品は意図的にこれまで読むのを避けていた。それなのに、なんで今回手に取ったのかというと、あるアンソロジーに収録されていた吉田健一による、幽霊の出てくる短編がなかなか良かったからだ。
     で、近々遠いところへの出張も控えているのでこの文庫本を選んだのだけれど、「併し兎に角、旅行している時に本や雑誌を読むの程、愚の骨頂はない(後略)」(p27)という吉田健一とは、そもそも私は旅についての認識が違うのであった。そして、彼があちらこちらを旅しては、酒を飲み、肴に舌鼓を打つのをひたすら読まされても、面白くもなんともないのであった。
     だが、後半に収められた短

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    2025年11月14日
  • 酒談義

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    吉田茂首相の長男の文筆家による酒にまつわるエッセイ集

    読みにくく感じる文体ではあるが、SNSで呆けた言語感覚を刺激してくれる。
    育ちの良さによるためか幅広い教養、時代背景など興味深い。
    なにかと小難しい感はあるが、
    なりより、お酒が好きなんだろうなという、
    素敵な駄目加減が素晴らしい。

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    2023年08月02日
  • 父のこと

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    父である吉田茂のことを家族の視点から描いている。このような親子関係もあるのだなと感じた。

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    2023年07月01日
  • 酒談義

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    昔のボンボン、お嬢さんが書いたエッセイは楽しい。

    情報が少なかった時代だからこそ、感じたままが素直に表現されていて、切り口が面白いからこそ、今も書店で手に入る。『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三著)、『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(石井好子著)あたりが代表格か。

    育ちの良さという意味では、吉田茂を父に持つ著者の吉田健一氏は究極だ。本書には、酒といえば日本酒(九州だと焼酎か)という時代の庶民には「???」であったろう、洋酒の数々も登場する。

    この手のエッセイは、時代ごとの価格や評価を知るための“歴史資料”的な読み方をするのも楽しい。

    酒税法が今の体系になる以前、洋酒は高かったのだ

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    2021年09月14日
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)

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    収録作中9編は創元推理文庫『ポオ小説全集』で既読だが、
    訳が違うので新鮮な感動を味わう。
    吉田健一セレクトの短編集+
    ポオの覚え書き「マルジナリア」収録。

    ■ベレニイス(Berenice,1835)
     青年エギアスは従妹ベレニイスと共に育ち、
     長じて彼女を愛するようになったが、
     その美貌は病によって損なわれた。
     やがて……。

    ■影‐一つの譬え話‐(Shadow,1835)
     プトレマイスの屋敷に集ったオイノスたち
     七人だったが、部屋には若いゾイロスの遺体が。
     そこへ帳(とばり)の後ろから現れた影――。

    ■メッツェンガアシュタイン(Metzengerstein,1836)
     反目

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    2021年05月29日
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)

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    短篇作品はもちろんどれも味わい深いですが、「覚書(マルジナリア)」が、ポーの随筆・文学論・人生論的断片が集められた感じで、芥川龍之介の「侏儒の言葉」に近いノリで楽しめました。

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    2021年05月25日