吉田健一のレビュー一覧

  • 酒宴/残光 吉田健一短篇小説集成

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     一九五七年刊行の第一短篇集『酒宴』と、一九六三年刊行の第二短篇集『残光』を一冊にまとめた文庫本。短編小説集成と副題にあるが、小説というより随筆という感じの作品がほとんど。まあ一応最後まで読んどくか、と機械的にページをめくっているうち、次第に、ちょっと面白いかもという感じになった。最初期の頃の作品よりも、ある程度創作経験を重ねてからの作品のほうが読み心地が良い。建物の内部を執拗に描写するのが特徴的。一番最後に収められた「邯鄲」(pp360-378)は、お酒に酔ってみた夢のなかで世界一周、という感じの内容で、これが一番読んでて楽しかった。

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    2026年04月05日
  • 汽車旅の酒

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     父親が吉田健一のファンだった。だから、この人の作品は意図的にこれまで読むのを避けていた。それなのに、なんで今回手に取ったのかというと、あるアンソロジーに収録されていた吉田健一による、幽霊の出てくる短編がなかなか良かったからだ。
     で、近々遠いところへの出張も控えているのでこの文庫本を選んだのだけれど、「併し兎に角、旅行している時に本や雑誌を読むの程、愚の骨頂はない(後略)」(p27)という吉田健一とは、そもそも私は旅についての認識が違うのであった。そして、彼があちらこちらを旅しては、酒を飲み、肴に舌鼓を打つのをひたすら読まされても、面白くもなんともないのであった。
     だが、後半に収められた短編小説「東北本線」(pp151-180)は、たまたま隣り合わせた乗客とウイスキーを飲みながら雑談するだけの物語だが、なかなか良かった。随筆じゃなくて小説を、もう少し読みたいな。

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    2026年07月29日
  • 酒談義

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    吉田茂首相の長男の文筆家による酒にまつわるエッセイ集

    読みにくく感じる文体ではあるが、SNSで呆けた言語感覚を刺激してくれる。
    育ちの良さによるためか幅広い教養、時代背景など興味深い。
    なにかと小難しい感はあるが、
    なりより、お酒が好きなんだろうなという、
    素敵な駄目加減が素晴らしい。

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    2023年08月02日
  • 父のこと

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    父である吉田茂のことを家族の視点から描いている。このような親子関係もあるのだなと感じた。

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    2023年07月01日
  • 酒談義

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    昔のボンボン、お嬢さんが書いたエッセイは楽しい。

    情報が少なかった時代だからこそ、感じたままが素直に表現されていて、切り口が面白いからこそ、今も書店で手に入る。『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三著)、『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(石井好子著)あたりが代表格か。

    育ちの良さという意味では、吉田茂を父に持つ著者の吉田健一氏は究極だ。本書には、酒といえば日本酒(九州だと焼酎か)という時代の庶民には「???」であったろう、洋酒の数々も登場する。

    この手のエッセイは、時代ごとの価格や評価を知るための“歴史資料”的な読み方をするのも楽しい。

    酒税法が今の体系になる以前、洋酒は高かったのだが、1960年代に書かれたエッセイに「日本で西洋料理を食べに出掛けることを思えば、葡萄酒だけで、四、五千円を覚悟しなければならない」とのくだりがある。

    今の物価は、当時と比較して4倍ちょっとだから、2万円くらいか。なかなかのお値段だ。

    一方、カクテルやウイスキーの地位は異様に低い。カクテルは「洋酒の安ものを色々と混ぜて作ったもの」「まずい洋酒を旨く飲ませる方法」、ウイスキーは「ただ酔うだけが目的ならばウイスキーというものがあって」といった具合。

    まあ、あんまりいいリキュールやウイスキーが日本に入ってきていなかったからかもしれないが、高額のウイスキーやらクラフトジンがもてはやされる現代からすると隔世の感がある。一方で、日本酒はもはや大衆の酒からマニアのものになりつつある。

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    2021年09月14日
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)

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    収録作中9編は創元推理文庫『ポオ小説全集』で既読だが、
    訳が違うので新鮮な感動を味わう。
    吉田健一セレクトの短編集+
    ポオの覚え書き「マルジナリア」収録。

    ■ベレニイス(Berenice,1835)
     青年エギアスは従妹ベレニイスと共に育ち、
     長じて彼女を愛するようになったが、
     その美貌は病によって損なわれた。
     やがて……。

    ■影‐一つの譬え話‐(Shadow,1835)
     プトレマイスの屋敷に集ったオイノスたち
     七人だったが、部屋には若いゾイロスの遺体が。
     そこへ帳(とばり)の後ろから現れた影――。

    ■メッツェンガアシュタイン(Metzengerstein,1836)
     反目し合う名家ベルリフィツィング家と
     メッツェンガアシュタイン家。
     後者の若き新当主フレデリックの前に現れた馬は
     火事になったベルリフィツィング家の厩舎から
     逃げてきたかと思われたが……。

    ■リジイア(Ligeia,1838)
     聡明で美しい妻リジイアを亡くした「私」は
     放浪の果てに出会ったロウィーナを娶ったが、
     彼女もまた病に臥してしまった。
     ある晩「私」は部屋の中に奇妙な影を見出し……。

    ■沈黙(Silence,1839)
     《魔鬼》が墓の前で《私》に語った寓話。

    ■アッシャア家の没落(The Fall of the House of Usher,1839)
     旧友ロデリック・アッシャアからから
     手紙を受け取った語り手《私》は彼の許へ。
     神経をすり減らした彼の心の慰めになればと
     思ったものの、
     不調の原因は二卵性双生児である妹マデリンが
     重病に伏していることだった。
     ある晩、とうとうマデリンが亡くなり……。

    ■群衆の人(The Man of the Crowd,1840)
     語り手《私》は秋のロンドンのコーヒー店で
     窓辺に座り、通りを行く人々を観察していた。
     雑踏の中に一人の老人を見出した《私》は、
     その人物の挙動が気になり、後をつけた。
     すると……。

    ■赤い死の舞踏会(The Masque of the Red Death,1842)
     疫病から身を躱そうと、
     臣下と共に城に閉じ籠もったプロスペロ公。

    ■アモンティラドの樽(The Cask of Amontillado,1846)
     amontilladoはシェリー酒の一種。
     語り手こと《私》=モントレゾルは
     自分を侮辱した酒好きのフォルテュナトに復讐するため、
     大樽を入手したと偽って……。

    ■シンガム・ボップ氏の文学と生涯~
     『グースゼラムフードル』誌元編集長の自叙伝
     理髪師の息子シンガム・ボップ氏は
     いかにして文壇に名を馳せ、
     また有名文芸誌の編集長になったか。

    ■覚書(マルジナリア)
     ポオが蔵書の余白に書き込んだメモ。
     切れ味鋭い箴言の数々。

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    2021年05月29日
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)

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    短篇作品はもちろんどれも味わい深いですが、「覚書(マルジナリア)」が、ポーの随筆・文学論・人生論的断片が集められた感じで、芥川龍之介の「侏儒の言葉」に近いノリで楽しめました。

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    2021年05月25日
  • 父のこと

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    予想外に、(勝手にタイトルだけで借りた)政治の言葉出てきて、わー読めるかなと思ったけど、最後まで読んでよかった。泣いちゃった。なんだか。父のことだった。

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    2020年12月01日
  • わが人生処方

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    人生の黄昏の時期にならないと理解、共感できない類のエッセイかもしれない。文庫用のオリジナル編集、とのことだが誰が編集しているのかな?

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    2019年06月06日
  • ロビンソン漂流記

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    昔読んだ印象とだいぶ違った。
    無人島みたいなところに行ってみたくなったけど一人ぼっちで長期間行くのはやだなぁ

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    2018年08月15日
  • 舌鼓ところどころ/私の食物誌

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    全国各所の素材や料理のうまさを、それを食べた時の様子と併せて綴っている本。味を伝えるためにまどろっこしい表現をすることを忌避し、〈うまいものをたらふく食べて「食べた」と実感することが食べることの醍醐味だ〉というポリシーを最初から最後まで貫いていて潔い。

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    2018年02月18日
  • 舌鼓ところどころ/私の食物誌

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    嘗ての総理大臣の息子、グルマン吉田健一の名を広く知らしめた食べ歩きエッセイ「舌鼓ところどころ」と全国各地の旨いものを綴り全100編を数える「私の食物誌」の二大食味随筆を一冊にまとめた作品。

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    2017年09月20日
  • 汽車旅の酒

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    旅行といえば移動中や宿泊先で楽しむ酒のことが真っ先に頭に浮かんでしまうくせに、肝機能の数値におびえ深酒に後ろめたさを覚える呑兵衛たち。そんな我々を嘲笑うがごとく、酒を愛する著者の飲みっぷりがなんとも潔い。どれだけこの人は酒好きだったのだろう、果たして素面でいる時はあったのだろうか。

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    2016年08月06日
  • 汽車旅の酒

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    汽車旅を愛し、美酒と美食を求め、各地を彷徨う。そんなエッセイ。エッセイの斬れ味という点で、物足りない。

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    2015年10月24日
  • 吉田健一

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    難解・長い・読みづらい。。。
    評論の2作(文学の楽しみ、ヨーロッパの世紀末)は
    本当に読みづらい。
    その2作とも、その中で述べたいことの中核は、
    そんなに難しいことではなく非常に普通のことで
    それをそこまで難解にするか!!という感じが
    しました。
    そのほかの小説や随筆はまだ読みやすいと思います。
    難解・読みづらいというひとつは、そこにかかれてある
    西洋や日本の文学、詩歌などをまだまだ知らないことが
    多いからという面もあると思います。

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    2015年09月22日
  • ロビンソン漂流記

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    読まなくても良かった。「塩狩峠」で主人公が読んでいたので、読んでみた。楽しかったのだけど、読まなくても良かった。ところどころで泣いてはいたのだけど。

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    2015年02月03日
  • 東京の昔

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    これといったストーリーがあるわけでないが、数少ない登場人物の語らいを通して、ひとの幸せってなんだろうかということを考えさせられた。夢を抱いてその夢の実現のために生きている人、いま住んでいる町が好きだから商売も大きくせずにじっとそこで生活をする人、高等遊民でいられる人、彼らがつかの間の幸せな暮らしができた、そんなひと時もこの日本にはあったようである。

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    2013年06月08日
  • ロビンソン漂流記

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    ネタバレ

    小さい頃に読んだ時とは全く印象が違った。冒険物だと思っていたけど、むしろ主人公の内面の動きに主眼が置かれているように感じた。

    話の大半は主人公の無人島での生活で、その他の部分は若干おまけのように感じた。

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    2012年05月05日
  • ロビンソン漂流記

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    大学課題で。

    内容はそのまま、ロビンソン漂流記。
    教授はロビンソンを「馬鹿」と言った。
    ロビンソンは愚かだけれど、馬鹿ではないと私は思った。
    馬鹿ってなんだ?

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    2009年10月08日