緑川ゆきのレビュー一覧
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妖怪が見えてしまうというだけで妖怪たちから絡まれてきた夏目貴志と、祖母・夏目レイコが作った友人帳とそれを譲ってもらう約束のもとで妖怪たちに名を返す手助けをすることになった妖怪・斑(ニャンコ先生)の物語。
妖怪たちに翻弄されるだけだった貴志が、ニャンコ先生と出会うことで色々なことを知っていく。夏目友人帳は出会いの物語でもあるんだなぁと思う。良いことばかりじゃないけれど、悪いことばかりでもないんだよ、と。
それは人間相手であったり妖怪が相手だったりするけれど、心にしっかり刻まれていく。知らずに逃げ回るよりも、知って傷つく方がいいこともあるんだろうなぁ。だからきっと切なくてあったかいんだ。
第一 -
Posted by ブクログ
大人になっていく夏目。
ってことで、恋愛がらみですよ。っても、夏目のじゃないけどね。
人と妖かしであっても、ひかれあい断ち切ることのできない絆に…今回は傍観者であったけれど、いつかその選択を迫られることになるって、どこか気づいている夏目はやっぱり寂しい。
なかなか、寂しい子供であったという、その所から抜けきれないね、夏目。
と、名取と的場の過去が。
いやあ、今みたいにまだやさぐれてない的場が新鮮でした。
と、名取はなんだかんだって、夏目に似てるんだね。だからこそ、夏目を気にして心配してるのだろう。
結局、ここにでてくる人は皆やさしい。
世界がそうあるべきだと、きっと夏 -
Posted by ブクログ
妖と人。
どちらにも溶け込みきれず
居場所をなくしていた夏目は
もう遠い遠い日々のようでいて、
まだ夏目の心の中で気遣ってばかりの
ブレーキとなり、逆にみんなに
心配をかけたり寂しい思いをさせてしまったり。
一人でいることを決意するよりも
心を広げ、時に傷つくことも恐れずに
真っ直ぐに人と付き合っていくのは大変かもしれない。
でも傷ついてもなお、誰かと寄り添うことで
一人では知りえなかったことを知ることも
何かを得ることもできる。
「心を通わせる機会があるなら恐れぬことだ」
夏目の小さな一歩が積み重なって
穏やかで芯の強い幸せに変化していくといいな。 -
Posted by ブクログ
人から妖へあてた手紙。妖から人への手紙も前にありましたが、どちらも互いの文字を読むことが出来ないからこそ、より特別に思えます。夏目に出てくる妖や人はどちらも本当に優しい人たちばかりです…。
季節が冬に変わって、夏目が学ランが着始めました。なんて学ランが似合う…!!それだけでテンションあがったのはここだけの話…(笑)
ニャンコ先生の夏目はいつもよりガサツで言葉使いも荒くて、ある意味で新鮮ですが、やっぱりいつもの優しい夏目がいいですね。
田沼との付き合い方も、少しずつ少しずつ、進んでいるようです。逃げるだけではなく歩み寄れる関係になれたらいいなぁ。名取さんが言うように、夏目は捨ててはいけないんで -
Posted by ブクログ
今回の巻は、どちらかというと妖怪というよりも『人』に焦点を合わせたお話が多いかなっと。
文化祭の話や、田沼に妖が取りつく話では、今まで距離を置いていた友人関係が少しずつ近づいているのがよく読み取れた。
危険なことに巻き込みたくない夏目の気持ちもわかるが、やっぱり何も話してくれないのは寂しいし、頼ってほしいと思ってしまいます。これをきっかけに少しずつ友人を頼ることを覚えてくれるのを期待。
そして最後は藤原夫妻との出会いのお話。
親戚の家で過ごしずらかっただろうなぁ…。冷たくされるよりも、近くでああいうのを見る方がよっぽど寂しかっただろうに。だからこそ、町であった塔子さんの笑顔が言葉が余計にあっ