漂月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大航海時代程度の文明度の異世界に迷い込んで、空飛ぶ戦艦で世界を股に掛けることになった主人公のヒロイックサーガ第一弾である。
過大な力を得て戸惑いながら、その場その場で英雄的な強い意志を見せる人々を助ける「脇役艦長」を演じる主人公の物語であり、本筋は故郷たる日本へ帰ろうと彼と戦艦の右往左往である。
心理分析テストによるとSP群C型、通称”サメ殴りキャプテン”であるところの主人公は、ある種の誘導を受けながら人が簡単に死んでいく世界でバッタバッタと敵をなぎ倒しながら進んでいく。
最後に収録されている、かつて私掠船に乗って活躍した海賊と対峙する「最後の海賊」の章などは実にハードボイルド。物語に良い余韻を残す結びとなっている。
なお、この作品は同じくアーススターノベルから「人狼への転生、魔王の副官」を刊行している漂月さんの新シリーズであり、こちらもまたネット連載をまとめた内容となっている。
内容面では当然同じ筋立てで物語が進むが、この方はブラッシュアップや加筆に優れていて、この作品内でも目を惹く加筆が多い。
書き下ろしの「ポッペンの帰省、あるいは氷海の大決戦」なども楽しい読み物だった。ソラビトペンギン音頭の創作なども、世界を広げる類の小ネタだろう。
総じて優れた書籍化作品である。一冊の本として読んでも楽しく、ネット小説の方のファンとしてもお金を払う価値のある作品だ。
ナンバリングされていないのが心配されるところだが、これからに期待する意味も込めて星五つで評価したい。 -
Posted by ブクログ
ネット小説の書籍化シリーズ8巻は、東の「ワの国」での一幕を収録している。
ここで一部完結という形になっている本シリーズであるが、それに相応しく、ヴァイトの転生の謎に迫る内容となる物語である。
この辺、ロルムンド帝国編での派手な展開に比べるとやや地味であり、以後の展開が評価が分かれる理由になっているだろうが、強大な帝国との関係が良化した以降は内部的な、ヴァイト自身やミラルディアの問題に焦点が当てられて行っている形と見るべきだろう。
また、書籍版では鵺との一戦に加筆されて物語としての起伏が増しているし、省略されてしまった魔王様との実家帰りや茸人との邂逅も書き下ろしでフォローされている。
書籍化としては申し分ない内容であり、一冊の本としても大変楽しく読ませていただいた。というわけで、星五つで評価している。 -
ネタバレ 購入済み
新しい展開に期待
最近よくある転生ものの中では内容も文章力も軍を抜いていると思う。
前巻最後に出てきた女性、転生者かと思いきや・・・そうきましたか。
転生者を呼び出していたとはねえ。
なんか、話の途中で転生装置(?)が壊れヴァイトが最後の転生者として色々思うなんて場面があったので、まさかこれが最終巻!?と不安になったが、あとがきで、9巻以降にも触れているのでまだ楽しめそうだ。
ところで、キノコと意思疎通してどうするんだ!? -
Posted by ブクログ
ロルムンド帝国編の完結となる7巻である。ここではドニエスクの乱以後、ボリシェヴィキ公を中心に巻き起こる陰謀劇が繰り広げられている。
実はこの辺の展開にはネット版では賛否があった印象があったが、こうして一冊の本として読み返してみると、きちんと整理された展開には感心させられる。ミーチャの物語に仮託されたロルムンド帝国の持つ自己犠牲の連環は、ここでは明らかに見える形で断ち切られているのだ。
その意味で、賛否のあったボリシェヴィキ公の末路についても、物語上の意味が付与されていると解釈すべきだろう。加筆された「シャリエとディリエの路」などを見ても、やはり彼らもまた連環を断ち切らんと立ち上がった者たちであり、手法の違い・手際の差はあれど、時代の変革の一翼を担ったと見るべきに思える。
と、本筋から離れてロルムンド編を俯瞰してしまったが、麗しき姫君の策謀は成り、その見送りを受けて去るヴァイトと、そのヴァイトの帰りを待つ魔人公の一幕が対比的に描かれてこのシリーズ最長となった物語は閉じられている。
書き下ろされた「剣奴の勇者」は、謎に包まれたドラウライトの大脱走が共和制崩壊を導いた歴史的な経緯をチラ見せするような内容で、シリーズに深みを持たせている。さらに同レーベルの漫画「魔王の秘書」とのコラボ企画なども挿入されている。
それらの点も加味して、ここでは星五つで評価したい。 -
Posted by ブクログ
北の帝国ロルムンドでの皇位継承を巡る内訌が本格化した六巻である。ここでは皇帝崩御後のアシュレイとドニエスク家の争いを中心に据え、そこに参戦するヴァイトとエレオラの連合軍を描いている。
おそらくはシリーズでも屈指の展開だろう。内訌に次ぐ内訌から生まれた戦争はこの一巻で収束するコンパクトさであり、この作品らしいテンポ感の良さが光る。しかし、そこでの見せ場の濃さは特筆すべきものがある。
欲を言えば、ネット版でも同様に省略されていたエレオラ軍の一幕が描かれていたならとも思うが、テンポ感を重視して加筆を行わなかったのだろう。やむなしに違いない。
巻末に付属された描き下ろし短編「吹雪の大公」はかつての若き日の剣聖とドニエスク公を描いたもの。帝国の一幕として沈んだ彼への淡い寂寥が感じられる回想である。
この短編も含め、文句なしに星五つで評価したい。 -
購入済み
買いました!
原作に沿ったストーリーの進め方、
そして絵として加筆された内容、
巻末プチ小説…
そしてそしてなによりも、なによりも
犬人がかわいい!
次巻も首を長くして待ってます!
よろしくお願いします! -
Posted by ブクログ
氷壁の帝国ロルムンドでエレオラを女帝へと押し上げようと企てるヴァイトの物語、いわばロルムンド編の開幕巻である。
南部の攻略、勇者との対峙、ロルムンドからの刺客エレオラとの対決と物語は南ミラルディアを中心に展開してきていたこのシリーズ、今巻からは完全なるアウェイでの物語が紡がれる。その裏話が後書きで紹介されている点などは、ネット版読者としても興味深いところだった。
まだまだ物語としては序盤であるが、やはりこのロルムンド編は重厚なテーマが通底していて、その深さはシリーズの中でも特別なものだろう。その下ごしらえがこの巻で行われている次第だ。
一つの巻としてよりも、これからロルムンドで雄飛するだろうヴァイトらへの期待が持てる序章として、星五つとしている。
三巻、あるいは四巻にまたがるだろうロルムンド編、続巻にも期待している。 -
購入済み
良い
一巻に続き二巻も読ませていただきました。
この作品を読んでいるとキャラクターたちが
イキイキしてる様に感じられます。
特に脇役のキャラたちが個性的で、印象に残ります。
そのキャラクターなりの人生、みたいなものが
少ない文章から想像を書き立ててくれます。
とても楽しいです!
出来れば、長く続いて欲しい作品です。
もう少し後に出会ってれば、
もっと一気に読めたのですが…
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Posted by ブクログ
ミラルディア大陸の南北統一編、あるいは次なるロルムンド帝国編の緒戦となる第四巻である。
表紙ともなっているロルムンドの皇女エレオラが北部山脈を超えて侵攻してきたことにより、ミラルディアの南北対立は新たな局面へと突入した。魔族との融和を選んだ南部と、それを鋭く拒む北部という対立構造に大きな変化が生じた形である。
そうした政治的な変化がドラスティックに描かれながら、ディテールにもよく気が配られている。この展開のさせ方の巧みさはさすがと、改めて読み直しても感心させられてしまう。
今回も星五つで評価している。今巻でエレオラの他に、元老院の探知術師カイトも登場している。彼に翻意を促すヴァイトの挿絵が入っているところなどは、良いチョイスだとこれまた感心させられるところである。 -
Posted by ブクログ
魔王軍による平和的な侵攻が楽しめるシリーズの第三巻は南大陸での魔王軍の伸長を描いている。相変わらずネット版からの加筆が多くされているようで、南静海で人と人魚を獲物にしていた怪物・魔の海の討伐と、ザリアにおける元老院との対峙の二部構成で綺麗にまとまっている。
書き下ろしストーリーの「迷宮の守護者」においては、ネット版でごく最近姿を見せたあのキャラが姿を見せているし、初回版限定封入購入者特典の「一番弟子の苦悩」においてもさらにネット版へと繋がるようなメレーネとパーカーのやりとりが描かれている。
これにさらにアニメイトで購入した場合は「ラシィのお料理教室」という怪文書が手に入るのだから、作者の旺盛なサービス精神には本当に頭が下がる。
一冊としてのまとまりも良く、加筆によってネット版との差別化も十分に図られている。絵もまた大変に良く、世界観に即した素敵なものばかりだ。
本当によくできた書籍化である。星五つの評価を贈りたい。 -
Posted by ブクログ
二巻はタイトルのように、二人の勇者にまつわる物語が展開され、シリーズ切っての死闘が繰り広げられる様が収録されている。
歯を噛みしめて見入ってしまうような、そんな凄まじいドラマである。特に勇者との闘いは、簡素ながら数あるネット発のファンタジー小説の中でも頭抜けた死闘ぶりであり、魔王側から見た勇者の脅威をまざまざと描いてくれている。
書き下ろしの前日譚も素晴らしく、ヴァイトの魔王フリーデンリヒターとの出会いに到るエピソードが描かれていて、出会いと別れを倒置法のような形で収録した構成は、一冊の小説としての体裁をよく整えている。お見事としか言えない。
加筆によって深められた世界もまた素晴らしく、文句なしに素晴らしい書籍化である。ネット版のファン以外にも是非読んでもらいたいシリーズだ。今回も星五つで評価したい。
しかし、本当に素晴らしいドラマだった。ネットで一度読んでいるにもかかわらず、終盤の展開には息を呑むような思いで読みふけっていたのだから、その質の高さは推して知るべし、と言ったところだろう。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、ファンタジー世界で人狼に転生した、魔王軍で副官を務める主人公の物語である。と言ってもダークヒーロー物ではなく、魔王軍において人間の心情を推し量れる貴重な人材として制圧した拠点であくせく働く、ある種の内政物であり、軍記物である。
元はネット小説であり、この感想を書いている時点でも精力的に投稿されておいでなのだが、この書籍化に当たって加筆部分が多数見られる。特に目につくのは、拠点としているリューンハイトの太守アイリアのヒロイン化が顕著なところだろうか。
その上で、主人公の幼少期も書き下ろされているのだから、読者としては頭が下がるところである。執筆に割かれるだろう手間暇は、ちょっと想像を絶するところがある。
内容のまとまり良く、ストーリーのテンポ感も優れている。それでいて、キャラを描けていないわけでもない。イラストも世界観に似つかわしく、魅力的である。
シリーズとしても魅力的な作品だが、この一巻のみで評価しても星五つは固いだろう。続巻も期待して待ちたいところだ。 -
購入済み
次の戦場は荒野、騎兵超怖い
初陣から戻ったマスケットガールズ達は部隊を再編制することに。ユイナーの友人ロズをオブザーバーに、ハンナを中核とした砲兵隊を結成。
言葉巧みにハンナをかどわかしたユイナーはしかし、彼女の胸に秘められた自身への恋慕の情に気づくこともなく、互いの思いは掛け違う。
更に他にも一般隊員のレラや、上司のアルツァー閣下など、ユイナーに思いを寄せる女性陣に囲まれて、益々ラブコメ色が深まっていくが、リトレイユ公の次なる陰謀により、空気は一変シリアスなものに。
リトレイユ公の画策によって他国への侵攻を余儀なくされたマスケットガールズ達。しかしそれは失敗する確率の高い無謀な計画であり、敗退はほぼ確実。ユイナーはマスケットガールズ達の生存帰還を目的に、生への足掻きを始める。
綿密な準備ののち、空しくも実行された侵攻。マスケットガールズ達は敵の待ち構える荒野を進み往くが、遂に敵に補足されてしまい、更に友軍の失敗によって窮地に立たされることに。
果たしてユイナーとマスケットガールズ達は生き残れるのか?
甘い雰囲気から地獄の展開に持っていくのは鬼畜行為だと思いました。次の地獄が楽しみです(涙)。
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初戦から
戦闘開始の第2巻。
敵が戦いの定石を知らないが故に余裕かと思われたが、なんだかんだとまあまあ苦戦を強いられる。
籠城戦はやはり守備、死守のイメージが先行するからか、緊迫感も相応に出てくるものです。惨状のほどはご覧の通り。守るべき砦がああも無惨な姿に。
増援もたまげたことでしょう。さぞ激しい戦闘だったに違いない。あんな惨状のなか、味方を多く生存させた参謀殿は稀代の名将…と呼んでいいのか…?
屋上でティータイムのシーンはトンチキでお気に入りです。 -
購入済み
嫌われない男
異世界転生した主人公が女性軍人だらけの部隊で参謀として活躍する話。一見よくある設定ですが、1巻を読む限りかなりしっかりした戦記ものって感じがします。現代を知っているからこそ無双できるところはして、しかしそれ以外を埋める世界観の詰め方が骨太。面白い。
本格的な実戦は2巻からですが、主人公の男性からも女性からも好かれるような人間的な気持ちの良さは読んでいてかなり爽快。いい主人公だし、節々で見られるセリフのセンスは見習いたいほど。実に良い作品です。