【感想・ネタバレ】人狼への転生、魔王の副官6のレビュー

あらすじ

帝位継承権争いで、ついに戦争勃発!?
北の帝国(ロルムンド)は大混乱!

俺(ヴァイト)たち魔王軍が北の帝国(ロルムンド)でエレオラによる帝位簒奪を後押ししている最中、ついに現皇帝が崩御。
それを皮切りに、それぞれの派閥が密かに動き始めていく。

順当にいけば帝位継承権1位である皇帝の息子(アシュレイ)が後を継ぐはずだったが、なんと同時期に継承権2位のドニエスク公が暗殺される。
ドニエスク家側は、アシュレイが帝位を奪われることを恐れて暗殺したと睨んで挙兵。
アシュレイ側も対抗するが、士気が高く統率のとれたドニエスク軍に圧倒されていく。

この戦い、一体どちらに“義”があるのか――!?
めまぐるしく変わる戦況、そして、ヴァイトたちの行動から目が離せない第6巻!

大幅加筆&書き下ろしストーリー「吹雪の大公」を収録!

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Posted by ブクログ

 北の帝国ロルムンドでの皇位継承を巡る内訌が本格化した六巻である。ここでは皇帝崩御後のアシュレイとドニエスク家の争いを中心に据え、そこに参戦するヴァイトとエレオラの連合軍を描いている。
 おそらくはシリーズでも屈指の展開だろう。内訌に次ぐ内訌から生まれた戦争はこの一巻で収束するコンパクトさであり、この作品らしいテンポ感の良さが光る。しかし、そこでの見せ場の濃さは特筆すべきものがある。

 欲を言えば、ネット版でも同様に省略されていたエレオラ軍の一幕が描かれていたならとも思うが、テンポ感を重視して加筆を行わなかったのだろう。やむなしに違いない。
 巻末に付属された描き下ろし短編「吹雪の大公」はかつての若き日の剣聖とドニエスク公を描いたもの。帝国の一幕として沈んだ彼への淡い寂寥が感じられる回想である。
 この短編も含め、文句なしに星五つで評価したい。

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2017年06月01日

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