【感想・ネタバレ】人狼への転生、魔王の副官 11のレビュー

あらすじ

ヴァイト編クライマックス!
国王と沿岸部の諸侯の対立を解決するため南の国に渡ったヴァイト。
様子のおかしい傭兵隊隊長ザカルを見張っていたところ、奴は「ヴァイト」の名を語って国王を呼び出し殺害、証拠隠滅のために死体を井戸へと投げ捨てた。

国王が行方不明となり国中が混乱するなか、ザカルは国を自分のものにすべく隊を王都へと置き功績を上げようと画策する。
そんな強欲の化身ザカルの狙いをわかっていたヴァイトは全力で邪魔することに……。

大幅加筆&書き下ろしストーリー「ミラルディア四英雄とクウォール諸侯会議」「副官クメルクの英雄論」の2本を収録!

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Posted by ブクログ

 シリーズ本編完結巻である11巻である。クウォール出張編にケリを付け、なおかつ異世界で最初となるだろうカイザーの成功例を描いた物語である。
 クウォールでの物語は、実際のところ一つ歯車が狂っただけで大乱となったに違いない危うさを孕んでいるが、副官殿があまりに優秀なためにイージーに見えてしまうのが難点である。
 ザカルに罠を仕掛けて山の民の元へと誘導し、そこで始末をつけた。かつ、勇者製造機を保管する彼らを単騎打ち破って信頼を得るという「お前以外誰ができるんだ」感の溢れた結末が待ち受けている。
 この辺、敵にも有能揃いだったロルムンド出張のせいで、難易度の把握が(読者もヴァイトさんも)おかしくなっている感は否めないだろう。

 とはいえ、西E田さん担当としては最後となるこの巻は、書籍化としては魅力ある一冊だ。
 ザカルに終わりを告げる副官殿や、去り行く陛下の横顔、手術成功後の家族の仲睦まじき絵など、西E田さんが本当に力を入れてくださっているイラストばかり。
 加えて今回は書き下ろしもヴァイトが去った直後のクウォールでの会議を描いた「ミラルディア四英雄とクウォール諸侯会議」と、クメルクが後に来たる同胞に宛てただろう「副官クメルクの英雄論」の二本が収録。
 そして初代魔王が二代目魔王に宛てた遺書を披露する初回版限定封入購入者特典「魔王から魔王へ」など、書籍化で加えられた魅力は多い。

 というわけで、シリーズ本編完結巻としての豪勢さも含め、またシリーズ全体の評価も併せて、星五つで評価したい。
 次巻からは平和となったミラルディアで成長する彼女の物語。
 ネット版では(主に作者さんの私生活の影響で)描かれなかったエピソードも加筆されていくようなので、新たなイラストレーターである手島nariさんの絵と共に楽しみにしたい。

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2019年02月08日

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