あらすじ
ロルムンド編完結! 女帝エレオラ誕生!!
「小説家になろう」年間ランキング第2位!
1億6000万PVの大人気転生ファンタジー!
シリーズ累計30万部突破! コミック版も大好評連載中!
帝位争いのなかで起きた「ドニエスクの乱」が鎮圧されてからしばらく、俺(ヴァイト)は北ロルムンドの名家の当主ボリシェヴィキ公と会っていた。
ボリシェヴィキ公といえば、ドニエスク家の最大の後ろ盾だったにも関わらず、先の乱で真っ先にエレオラ軍に投降してドニエスク家を裏切った人間。
そんな彼は、今度はエレオラ側とアシュレイ側の両方に声をかけているようだ。
こいつは一体……何をするつもりなんだ?
そんな中、新皇帝アシュレイの姉ディリエの縁談が持ち上がる。
相手はなんと、ボリシェヴィキ公。
そして、新皇帝のための神聖な戴冠式の直後、ディリエは貴族たちの前で言い放つ――「私ディリエは、ボリシェヴィキ公シャリエ殿と婚約いたしました」
ロルムンドの政情に、特大級の爆弾が落ちる――!
ロルムンド編、最後の敵が登場! 帝位は一体、誰の手に!?
大幅加筆&書き下ろしストーリー「剣奴の勇者」を収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ロルムンド帝国編の完結となる7巻である。ここではドニエスクの乱以後、ボリシェヴィキ公を中心に巻き起こる陰謀劇が繰り広げられている。
実はこの辺の展開にはネット版では賛否があった印象があったが、こうして一冊の本として読み返してみると、きちんと整理された展開には感心させられる。ミーチャの物語に仮託されたロルムンド帝国の持つ自己犠牲の連環は、ここでは明らかに見える形で断ち切られているのだ。
その意味で、賛否のあったボリシェヴィキ公の末路についても、物語上の意味が付与されていると解釈すべきだろう。加筆された「シャリエとディリエの路」などを見ても、やはり彼らもまた連環を断ち切らんと立ち上がった者たちであり、手法の違い・手際の差はあれど、時代の変革の一翼を担ったと見るべきに思える。
と、本筋から離れてロルムンド編を俯瞰してしまったが、麗しき姫君の策謀は成り、その見送りを受けて去るヴァイトと、そのヴァイトの帰りを待つ魔人公の一幕が対比的に描かれてこのシリーズ最長となった物語は閉じられている。
書き下ろされた「剣奴の勇者」は、謎に包まれたドラウライトの大脱走が共和制崩壊を導いた歴史的な経緯をチラ見せするような内容で、シリーズに深みを持たせている。さらに同レーベルの漫画「魔王の秘書」とのコラボ企画なども挿入されている。
それらの点も加味して、ここでは星五つで評価したい。