湯浅邦弘のレビュー一覧
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父に渡されて読む。
後編は何となく思うところがあった。
私は父と折り合いが悪い。ほとんど話さないし、話すと言ったら、思いやりのない言動を母に向ける父に対しての怒りやら何やらをぶつける時がほとんどだ。
正直こんなん、読みたくなかった。
何でこんなん渡したん?未だ自分が子に影響を与えられることを信じてるのか?虫が良すぎる。
何で渡されたんか分からんから、読んだ。イライラしながら読んだ。これが自分の生き様の指針としている本であるとでも言いたいのだろうか。自分に有益だから、私にも有益だと思ってるんだろうか。読めば読むほど分からなくなるだけだった。
後半、「死ぬ時になって初めて、子や財産が無益なものだと分かる」という一節を見つける。
これが、言いたいのかもしれない、と思う。父にとっても私(というか自分の子供達)との関係は苦しみ以外の何物でもなく、それでも死ぬ間際まで有益であることを信じなくてはならない苦痛なものなのである、と。
もしくは…無為自然、何者にも囚われていない自分ゆえに今がある、とか。
父は子や母の話など聞き入れてくれたことなど、ない。黙って無視を決め込み、逃げる。
それは、俗世間のよくにまみれたお前らとは次元が違うとかいう話なんだろうか。
分からない。ただ彼にとって私(子どもたち?)はやはり苦しみを与える存在なんじゃないかと、思う。それを無益だったと、思いたいんじゃないか。
じゃあ、なんで産むことに加担したんだ?
物心ついた辺りからそんな調子で、いくばくも育児などに関わらず、父は本当は子どもなんて欲しくなかったんだろうって、ずーーーーっと思っていて、それが私が生きる上でものすごく大きな生きづらさの原因になっていて、でも何とか誰も責めずにここまでやって来たのに
「子女は無益」
父にとっても「俺だって辛いのだ」と
訴えるものがこの本であるなら、私は一体これからどうしていったらこの気持ちを消化、昇華できるんだろう?
…なんて穿った見方をせずに、「あなたにも学びがありますように」という気持ちを素直に受け止めればいいのにね。だから私は、父を傷つけているのだろう。ごめんなさい。せめて害悪でなく、あなたにとって無益でいられるように、努力する。 -
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老荘思想について、新発見の資料の紹介をおこないながら解説している入門書です。
2009年になって北京大学にもたらされた大量の竹簡群のなかに、『老子』のほぼ完本に近い内容のものがあったことが明らかになりました。そのなかには、現行本の『老子』にもとづく解釈に大きな変更をもたらす可能性のあるものがふくまれていると著者はいいます。老荘思想が中国において流行した魏晋時代に、儒家の思想に対抗するかたちで『老子』が成立したという説をとなえる研究者もいましたが、戦国時代や漢代にまでさかのぼる新資料が発見されたことで、そうした解釈は否定されることになります。
本書では、こうした新発見を踏まえつつ、『老子』と『荘子』を中心とする老荘思想の内容についての説明がなされています。また、後年の中国および日本の思想史において老荘思想がどのようなかたちで受容されてきたのかということについても説きおよんでいます。
老荘思想の内容と、現在の研究状況を、この分野についての専門的な知識をもたない一般の読者に理解できるようにざっくりと解説している本という印象です。読者によってはもの足りないと思うひともいるかもしれませんが、入門書としての役割はじゅうぶんに果たしているように感じました。 -
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リーダーシップ論として、日本の経営者にも愛読者が多い中国古典。いつかは読まねばといいつつ、先送りしてきたが、とりあえずビギナーズ・クラッシックの抄訳・解説版で読んでみた。
なるほど、と思うところも多いし、リーダーとして、謙虚であること、部下の意見、ときにはそれが厳しい言葉であっても、じっくり傾聴するというのは、今でも大事なことだと思う。
一方、この頃は、まだ世の中の変化がゆっくりとしていて、また何が正しくて、何が間違っているのか、しっかりと学問をおさめた人には、わかる、つまり、なんらかの絶対的な真理があるという前提に立ったものとも言える。
残念ながら、わたしには今ひとつしっくりこない本。しかし、徳川家康をはじめ、この本を大切にしたリーダーは日本にたくさんいる。
日本の経営者やリーダーは、この本からなにを学んでいるのだろう?とわたしの関心はそちらのほうに向かった。 -
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ネタバレ中国の二大処世訓。ベースに儒教の考え方があるから、仁・義・礼・智・信の五常を基本に「道徳的に生きる」というところが基本。ただ、ベースがそこにあっても仏教やその他の考え方も織り込まれている。そして聖人君子を目指しているというものでもない。そういうところが少し現実的で受け入れやすい感じもしました。特に気になったのは、
・名誉や評価は独り占めしてはならない
・人を叱ったり注意する際は、逃げ道を一本用意してあげること
・何事においてもほどほど、「中庸」であることが大事
・欲張りすぎるな、頑張りすぎるな
・「足るを知る」ことこそが幸せに近づくための秘訣
という点。欲望を追いかけ続けるときりがない。そういう気持ちを客観的に見つめ、今に集中し今に満足するという考え方は、どこか仏教に通じるようなところを感じました。もう少し突っ込んだ専門書に進みたいと思います。 -
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中国の処世訓の最高傑作とされる明末の浩自誠の著書『菜根譚』をわかりやすく解説。『菜根譚』の来歴のほか、『菜根譚』から具体的な中身をピックアップして、現代語訳、解説、書き下し文のセットで紹介している。
『菜根譚』の中身自体は、古今の儒教・仏教・道教からの良いとこどりのような内容であり、ややインパクトに欠けるかな(少し読んでいて退屈)という印象は受けたが、もちろんどれも人生のヒントとなるような内容であった。
特に印象に残ったのは、「一歩を譲る」「清濁あわせのむ度量」「悪中の善、善中の悪」「時間と空間の悟り」「衣冠の盗」「騎虎の危」「小過・陰私・旧悪」「人生は只百年のみ」などの内容である。
「処世訓の歴史」の章は、正直、蛇足な気がした。