湯浅邦弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
諸子百家について、近年新たに出土した文献を踏まえて、網羅的に分かり易く解説している。
諸子百家が活躍したのは、紀元前722年から秦の始皇帝が天下を統一した紀元前221年まで約500年続いた春秋戦国時代で、各国が、自国の存立や理想的国家の建設のために、優れた思想家を優遇して招き、場合によっては宰相や将軍として抱える中で、思想家達が自由に自らの思想を構築し、諸国を巡って熱き夢を説いたという時代背景があった。
諸子百家の時代を切り開き、人間の善性を高く評価して「天命」の思想を掲げた“儒家”。
「兼愛」・「非攻」の理念を掲げて天下を駆け巡りながら、秦漢帝国の誕生と共に姿を消した“墨家”。
「上善は水の -
Posted by ブクログ
本書を読むにあたり、時代を超えて共感できる部分とそうでないところの見極めはいるだろう。
人生の先輩達が老いて気付いた人生の tips は時が移ろうが全く色褪せない。しかしながら、その英知も男尊女卑を肯定しており、今に合わないということも忘れてはならない。
この本で気付いたのは、言葉ができた経緯を理解せずに安易に当てはめて用いる危うさである。例えば、中庸でいることの重要性は、力いっぱいやっている人の警句であり、サボるための口実ではない。本来の意味を知らず言葉を用いていた愚かさに今更ながら赤面してしまう。
とはいえ、この本は古いのである。確かに、人間の愚行は数多繰り返されるのだろうが、時代は明らか -
Posted by ブクログ
大き目の本屋さんに行きますと、東洋哲学・東洋思想といったコーナーがあります。東洋医学を実践するものとして、そのようなところにも時々足を運ぶのですが、『儒教』や『老子』といった定番に混じって、『菜根譚』という本が置いてあることがあります。この『菜根譚』という書物がどのようなものか、私は全く知らず、「野菜や根菜類のお話しか?だったら食養生として読んだほうがいいかな?」と、書名を見るたびに思ったものでした。どんなものか一度手にして中をめくってみたりもしましたが、どうも食養生ではなさそうだなと、手に入れて中身を読むということはないまま時が過ぎました。
先月本屋さんに行きますと、この『菜根譚―中国 -
Posted by ブクログ
父に渡されて読む。
後編は何となく思うところがあった。
私は父と折り合いが悪い。ほとんど話さないし、話すと言ったら、思いやりのない言動を母に向ける父に対しての怒りやら何やらをぶつける時がほとんどだ。
正直こんなん、読みたくなかった。
何でこんなん渡したん?未だ自分が子に影響を与えられることを信じてるのか?虫が良すぎる。
何で渡されたんか分からんから、読んだ。イライラしながら読んだ。これが自分の生き様の指針としている本であるとでも言いたいのだろうか。自分に有益だから、私にも有益だと思ってるんだろうか。読めば読むほど分からなくなるだけだった。
後半、「死ぬ時になって初めて、子や財産が無