椎名優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっぱりこの独特の世界観が好き。
タイムリープに飽きを感じないし、複雑な時系列ながら難しさを感じさせない作りで非常に読みやすい作品。
ライトノベルくささ(?)を感じさせない所もとっつきやすくていいのかも。
魔女と老人、ケイと赤目の少女。
個々のキャラの心情がよく伝わってきて、1巻からの登場キャラにはより厚みが増した気がします。
そして少しずつ明らかになっていくケイの過去。
「野良猫のような少女」の話には毎回考えさせられます。
世界の定義だとか、なるほどと頷いてしまった。
次巻ではついに過去が明かされるそうなので早く読みたいとうずうずしてます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ河野裕『サクラダリセット』最終第7巻。
終わった。よかった。
しばらく余韻にひたれるほどに。
たしかに媒体としてはラノベなんだけど、テーマとその取り扱いの繊細さは、
ラノベ作家のなかでも群を抜いてるとあらためて思った。
細部の描写、わたしがいうincidentのような「ロマネスクのかけら」が存分に含まれていて、
それが生まれては消え、ストレートな物語の展開と、
登場人物たちの(悪く言えばありがちでテンプレートな)「テーマとの格闘」をリアルなものにする。
これは今日、Twitter副垢でちょっと書いたことに関係しているし、
自分が書き手としても追求したいことのひとつだったりする。
そしてそ -
Posted by ブクログ
サクラダリセット見事完結!
最初の数巻は雰囲気を楽しむ小説かなーと思いながら読んでたんだけど、相馬菫が蘇った頃から物語が大きく動いて、素敵な短編を挟んで最後は街の未来を決める怒涛の展開。
大変面白かったです。
この作品の魅力は、ひねくれながらもずっと春埼のことを思い続けるケイのキャラクターだよね。
分かりづらいけど、一途なキャラってやっぱイイわ。
分かりづらいといえば、何考えてるのかよく分からないのがヒロインの春埼。
でもこの娘もちゃんと成長してるんだね。
お似合いの二人だと思います。
そうなると可愛そうなのが相馬菫・・・俺が貰ってやんよ!←
無事完結ということで、河野先生の次回作 -
Posted by ブクログ
本巻を読み終わってからの最初の感想は、なんと無駄のない物語であるのかということでした。
無駄のないというのは、既刊を振り返った時に、キャラクターの行動が全てこの巻での行動に結びつくように構成されていることです。不必要な登場人物がほぼ登場しないというのはある意味恐ろしいです。
本作はケイからの視点を中心に展開しながら、最後の最後でようやっとケイの本質を理解するところまで、全てがケイの物語といえるでしょう。ケイの行動が人を動かし、この結末を迎えたのだと思います。
ライトノベル作品では、テーマや流れがぼやけてしまうケースも多いのですが、本作ほど一貫していた作品は最近では珍しいのではないでしょう