曽根圭介のレビュー一覧

  • 藁にもすがる獣たち

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    2018年年、12冊目は久しぶりの曽根圭介の長編。

    自営の理髪店を閉め、サウナでアルバイトをする、還暦直前の男。暴力団の闇金に手を出し、追い込みをかけられている刑事。FXの負債のため、デリヘルで働く主婦。三人の前に大金の影がチラつく。そして、三人は……。

    いやぁ、面白かった。予想してた人物相関関係をそう絡めてきましたか……。

    曽根圭介は長編より、短編好きな自分。『鼻』、『熱帯夜』の各表題作の要素を三人視点へ広げ、ブラッシュ・アップして長編に仕上げたような印象。個人的に同作家の長編、『沈底魚』『本ボシ』より、圧倒的に、エンターテイメントで好み。

    クライマックスが少しバタバタして、少々弱い

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    2018年05月09日
  • 黒い波紋

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    借金取りから逃げ回る日々を送る元刑事・加瀬将造は、孤独死した父のアパートを訪ね、何者かが毎月30万円を送金していたことを知る。さらに天井裏には古いビデオテープが…。

    終盤までいい感じの展開で読み応えがありスイスイと読ませた。ただオチの部分はどうだろう?急展開というか、あっけない幕切れというか、何とも淡白な終わり方だったのが残念。
    (B)

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    2018年02月23日
  • 暗殺競売

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    綺麗にまとまっていて
    驚かされるし、手軽にもさ読むには
    いい。
    海外の殺し屋モノとは
    空気感が違って新鮮

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    2017年11月26日
  • 黒い波紋

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    結局登場人物が悪い奴ばかり。どんどん死んでくし。最後まで一気に読んだけれど、強い衝撃はなかったな。政治家の家はこんななのかいな。
    それで、田村とつながる”彼”は?
    まあ、あと一つ、爺さんの会話の調子は素敵で、気に入りました。

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    2017年08月15日
  • 本ボシ

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    ネタバレ

    2017/3/11
    グイグイ読んじゃう。
    危なっかしくて。
    でも最後それ?結局どうなった?
    望月氏は冤罪として加賀美は?
    証人を襲わせたのは加賀美やろ?
    この後どうなったんやろ?
    宇津木はどこ行った?
    冤罪ってさ、この望月氏みたいなのはホントに同情するし警察に怒りも覚えるんだけど、現実に見るとどうしてもこのパターンとは思えないものがあるのよね。
    警察がミスって証拠を認められなかったとかやとそんな奴外に出してくるなよ~としか思えない。
    しかもそんな奴に賠償金とかアホらしいし、もしその人が身近に来たとき避けるよな~
    で、望月氏のような人との違いがわからない。
    1回逮捕されたら終わることがたくさんあ

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    2017年03月12日
  • 暗殺競売

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    曽根圭介『暗殺競売』角川文庫。

    四話から成るブラックな連作短編集…

    かと思っていたら、最後の最後に予想を覆す、大仕掛けが待っていた。なかなか面白い作品。

    副業で殺しを請け負う刑事の佐分利吾郎、認知症の殺し屋に成り代わり、殺しを請け負うホームヘルパーの女、伝説の殺し屋・ジャッカル、闇の組織を追う探偵の君島を主人公に四つの物語が展開していく。

    『鼻』『沈底魚』という初期の傑作の後、『本ボシ』『藁にもすがる獣たち』といった首を捻るような凡作が続いたが、久々に面白い作品だった。

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    2017年03月04日
  • 熱帯夜

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    相変わらず曽根さんは意表を突いてくるなぁ。そこに緊迫感とブラックユーモア、人間の滑稽さと悲しさが絶妙に同居。上野のパンダの名前には思わず笑いが漏れたw
    「あげくの果て」の結末はちょっと締まらなかったけど、「最後の言い訳」はオチもついてかなりの快作ならぬ怪作だと思う。

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    2017年02月14日
  • TATSUMAKI 特命捜査対策室7係

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    警察小説としての雰囲気は悪くない。ただタイトルの元でもある女刑事のキャラが弱いかなぁ。現場をかき回すから竜巻なんでしょうけど、少し強引なところはあるものの、かき回すってほどでのなかった。その点で、やや小説としての核がぼやけちゃってる感じはあるかな。

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    2016年12月09日
  • 本ボシ

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    2015年、44冊目は長らく積読だった曽根圭介。

    あらすじ:静岡県警富士署、一杉研志巡査部長は沼津署管内で起こった幼女死体遺棄事件の捜査本部へ応援で詰めることとなる。事件は元小学校教師の自供で一応の解決を迎える。しかし、元刑事、宇津木は一杉に一枚の紙を渡す。そして、二年後、またしても幼女殺害事件が起こる。

    500p弱、久々、一気読み。面白かった。『熱帯夜』の複数視点が織り成す展開、今回も叙述トリック系かと思いきや、どちらかと言うと、『沈底魚』に近い感触。冤罪を絡めて、警察機構(日本の行政機構)に対しての辛辣さが表れてる。

    ラストは「えっ?コレで終わるの?」と思うかもしれないが、読んだそれ

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    2015年09月23日
  • 鼻

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     収録作品は3編。

    「暴落」はあらゆる人間の価値を株価で示すようになった世界が舞台。例えばいい会社に入ればその人の株価が上がり、逆に犯罪などを起こせば、株価が下落、さらには上場廃止となります。そして上場廃止された人間に待つ運命とは…

     なんともシニカルでブラックな展開となっています。社会的評価のない人間が地の底から這いあがることの難しさや、一度セーフティーネットからはみ出してしまうと、とことん落ちてしまう日本の現状を皮肉的にとらえた一編だとも思います。そういうわけで主人公の転落ぷりはなかなか笑えないところでもあったり…

    「受難」は目が覚めると手錠で腕をパイプでつながれていた男が主人公。

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    2015年09月07日
  • 鼻

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    2015年、13冊目は完全初読みの作家さん、曽根圭介。

    第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作含む3編収録。

    収録順に簡単にあらすじ&感想を……。

    「暴落」
    人間の「株」を株式の「株」としたお話し。この波瀾万丈の展開と二段オチ的なトコは大好物。

    「受難」
    酒に酔い、目覚めるとビルの隙間に手錠で繋がれていたという話。いわゆる、不条理モノ。

    「鼻」
    人は、鼻を持たないブタと、鼻のあるテングに分かれ、テングはブタによって迫害を受けている。ソレをブタで医師の「私」とテングで刑事の「俺」の視点で綴っている。やがて、2つの物語が重なって……。途中、途中で引っ掛かるトコがあったが、そう言うコトだっ

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    2015年04月08日
  • 鼻

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    ホラー小説大賞受賞作。何が怖いって、出てくる人間の腐り具合が怖いから、読後感は正直かなり悪い。品がない小説だが、面白い。巻末の解説も、あまり品がない。こちらは、良い解説ではない。

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    2014年12月20日
  • 熱帯夜

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    この短さでここまで秀逸なミステリー・ホラーはなかなかお目にかかれないのでは。
    不条理過ぎない設定が絶妙。

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    2014年08月14日
  • 藁にもすがる獣たち

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    3人を主人公とする長編。
    奥田英朗『最悪』を彷彿とさせるような設定・ストーリー。奥田英朗より自然な流れかもしれない。
    意外性はないが、文章の上手さで読ませる。

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    2014年02月10日
  • 藁にもすがる獣たち

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    面白いんだけど、もっとすごいオチを期待してしまっていたようで•••
    これまでに読んだ短編よりは
    インパクトがなかったかな〜?

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    2014年03月09日
  • 沈底魚

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    最後まで誰が真の黒幕なのかが分からず、読み応えがあった。ただ、人の名前と関係やスパイの暗号名を覚えるのが大変だった・・・。

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    2013年11月23日
  • 藁にもすがる獣たち

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    複数の人物の視点から書かれるという構成や、忘れ物の中に大金という設定に真新しさはないが、とても面白い本だった。正に藁にもすがる状態のどうしようもない人たちに、どうしようもない事が次々と起こり、なんとも救いようがない。ただ不思議と暗さを感じないのは、著者の作品「鼻」や「熱帯夜」に見られるような、ある種ブラックユーモア的な文章が効いているのだと思う。ハラハラさせられた〜。

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    2013年10月18日
  • 熱帯夜

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    曽根圭介の短編ホラー、面白い〜!ホラーといってもおどろおどろしいものでなく、ブラックユーモアが効いているのがなんとも好み。ただ評価は同じ星4つながらも、同じ短編ホラー集の「鼻」の方が面白かった。

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    2013年08月22日
  • 藁にもすがる獣たち

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    大金の入ったバッグを預かった初老のサウナ店のバイト、デリヘルで働く主婦、暴力団に借金のある不良刑事という一癖も二癖もある三人が繰り広げる物語。そう来るのかという思わぬ展開が待っている。

    曽根圭介さんの作品は『沈底魚』が最初。こういうハードな公安警察小説を書く作家なのかと思ったが、『鼻』を読むと、えっ!こういう作品も書くのかと驚いた。『熱帯夜』『本ボシ』と作品ごとに作風が変わり、この作品にも驚かされる。曽根圭介さんは変幻自在の作家なのか。

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    2013年08月13日
  • 沈底魚

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    ーーー中国への機密情報漏洩に現職国会議員が関与している!?
    二十年以上も潜伏して国の中枢に食い込んだスパイをあぶり出すべく、警視庁公安部が極秘裏に動き出す。


    曽根圭介の書く、警察スパイ小説

    まず、「熱帯夜」で肌が粟立つホラーを書いた作家とは思えないジャンルの幅広さに素直な驚きがあった。

    本作は、主要キャラが好対照に描きわけられていて、楽しめたし心理描写が自然に入ってきた(・∀・)

    陰謀とその推理に基づいた行動でめまぐるしくストーリーが進んでいくのは映像向けかな、という感じ

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    2012年12月30日