曽根圭介のレビュー一覧

  • 沈底魚

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    話が複雑な割にあっさりしている。いくつかエピソードはあるが、なんだろう、あまり心に刺さってこない。
    多分一人一人がいわゆる描かれていないからか。
    議員秘書の描き方なんて、あまりにもあっさりしすぎている。何のために出てきたんだ、というか、不破に絡ませる意味合いあったのか、というくらい、あっさりと退場。
    展開が速すぎるし、ラストもグダグダと二転三転しすぎだろ。
    でも、それなりに引き込まれるのは確かなので、頑張ってほしい作者さんだ。

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    2016年02月19日
  • 本ボシ

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    大どんでん返しがあるのかな~と期待していたけど、特になし。静岡県東部が舞台の中心となるので、このあたりに住んでいるのであれば一度は読んでみても、損はないとは思います。ドラマ「ごめんね青春」的な、内容は薄いけどご当地ネタで盛り上がるような感じで。
    警察の取り調べに関する問題も浮き出てきている。200p~から、取り調べに望む警察官としての矜持が格好良く語られているけど、それは現実でも言われそうな言葉だと思うし、こういう考えがあるから解決できた事件もあるのかもしれないけれど、やっぱり「推定有罪」の原則をたどるしか、人間による過ちを防ぐ方法はないと思うのだよね・・・

    「被疑者が落ちる瞬間ってのはな、

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    2016年01月18日
  • 沈底魚

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    2015年、35冊目はパラボスアウォード2015上半期、第4位の作家、曽根圭介のデビュー作(実際は『鼻』の方が先らしいが……)。

    警視庁公安部外事二課(中国・北朝鮮担当)を舞台にした公安&国家諜報ミステリー。

    ストーリー・テリングは、二転三転しながら、読ませる力抜群にグイグイ引っ張って行きます。ソコに一役かっているのが、キャラ設定、主要キャラの設定は実に良くできている。一方、ザコキャラはもう少しアッサリしていても良かったような……。

    そして、クライマックス。まぁ、言いたいコト、描きたいコトはこぅなんだろぅな。が分かっていても、密室乱闘と女性上司(凸井)絡みのトコ(種明かし)はアッサリし過

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    2015年08月23日
  • 沈底魚

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    不破は、目つきがいかにも刑事のような
    目つきを 少年のときからしていた。
    そして、現在は 外事2課にいて、
    中国に関する 案件を 担当している。
    その中心には 五味と言う刑事がいて、
    人望が厚く、五味一家と呼ばれていた。

    不破のパートナーは 若林で
    不器用で、コミュニケーションがあまりできないが
    人の顔は 簡単に記憶できる。

    五味は 情報提供者の『肉まん』という中国人から
    貴重な情報を つかんでいた。

    アメリカに亡命した 胡と言う中国人が
    国会議員の中に マクベスと言う スパイがいることを
    証言したが、アメリカの発表では、それは ウソだと言われたが、
    外務省筋では マクベスは いるようだ

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    2015年01月31日
  • 本ボシ

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    原題は『図地反転』。最初落丁かと思ってしまった・・くらい、評価が分かれる新鮮な終わり方。まるで打ち切りの少年漫画の最終回のよう・・・。
    でも、誰が犯人で動機があーだこーだ、警察組織の体制がどーとかがメインの話ではなく、どのように冤罪が生まれるのか、人の記憶のいい加減さを伝えたかったであろう話なので、これはこれで有りだと思う。
    冤罪に立ち向かう女弁護士や家族問題を抱えるアパート大家、独自に事件を追う元刑事の宇津木、そして本ボシと思われる人物など、登場人物への掘り下げも個人的には物足りなかったけれど、一体何を信じればいいのか、誰を信じればいいのかわからないままにしたかったっていう目的があったのであ

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    2014年01月10日
  • 熱帯夜

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    「鼻」の作者。同じく3編の中編集。ホラーと言いつつも、前作同様「世にも奇妙な物語」チックで、世界観が独特。その世界観にゾッとするような背景がありますが、叙述トリックや物語の収斂性に面白さを集約しているようなところもあり、純粋なホラーとしては楽しめなかった。つまらなくはないですけどね。

    しかしここ最近の和製ホラーは、恐怖に直接語りかける作品があんまり多くないような……?

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    2013年12月23日
  • 沈底魚

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    公安警察小説。ここまでどっぷり深いと理解しにくいところもあるが
    さすが乱歩賞を獲っただけあって国家、スパイ、警察、それぞれの思惑と騙し合いは読み応えがあった。

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    2013年05月28日
  • 本ボシ

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    舞台は沼津。
    静岡県東部在住者にはお馴染みの場所が多数登場して楽しめます。
    物語は悪くないが、全てが中途半端で終わってる感じ。残念。

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    2013年02月12日
  • 沈底魚

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    警察小説であり、国際謀略小説でもあり…。

    二転三転する真相、誰を信じてよいか分からなくなるほどの、組織ぐるみの騙し合い、主要人物と思われるキャラもあまりにあっけなく死んでゆく…。

    事件の真相と決着のつけ方には不満の方が大きいが、筆者のストーリーテリングと“読ませる力”には魅せられた。
    他の作品も手に取ってみたいと思った。

    ★3つ、7ポイント半。
    2013.01.22.了。

    ……組織に翻弄され、傷つき、戦場を去る主人公に、“絶望”ではない結末が用意されたことに安堵。
    ……続編が作れそうな結末だったのだけど、あるのかな…?

    ……日中米、実在の国名を使ってのここまでの謀略戦(“悪”の立場を

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    2015年08月21日
  • 熱帯夜

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    下記3編からなる短篇集。
    ①『熱帯夜』・・・☆☆
    凡庸。設定自体が面白いだけに残念だ。

    ②『あげくの果て』・・・☆☆☆
    世界観と物語の構築の仕方が素晴らしい。

    ③『最後の言い訳』・・・☆☆☆☆
    現代日本を皮肉たっぷり。ブラックユーモア満載。そして切ない。
    非常に良くできたゾンビ物語だ。ただ。。。

    いずれも「後味の悪さ」が舌に残る。いい意味でも悪い意味でも。
    特に3編目。別の結末も読んでみたい。

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    2012年10月24日
  • 本ボシ

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    「沈底魚」で乱歩賞を受賞した著者の第二作。
    幼女殺害事件の「本ボシ」とは誰なのか。

    肩すかしの結末。

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    2012年09月29日
  • 沈底魚

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    ネタバレ

    ミステリー小説に挑戦。国内に大物スパイがいるらしい、というところから話が始まり、最後は国家間の大物フィクサー同士の諍いに話が落ち着く。警察組織/官僚組織への批判と地道な警官の努力、フィクサーの万能な感じが入り乱れており、踊る大走査線とルパン三世(マモーの時のやつ)を足して2で割った感じ。
    話がどんどん進み、伏線が次の伏線をよび、さらに次の伏線になる展開は読んでいてテンポが良く、読みやすい。ただ、オチと議員秘書の存在の必要性がいまいちよくわからない。

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    2012年08月26日
  • 熱帯夜

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    昔「鼻」を読んで以来、ファンになっていた曽根圭介さんの新作を本屋で見かけたので購入。

    期待し過ぎたためか、あまり心に残らなかった。確かにかなり上手な作品だと思うのだけれど。
    …趣味趣向が変わったのかしら。

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    2012年08月22日
  • 沈底魚

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    なかなか誰が真実を言っているのか、二転三転して面白いストーリーでした♪
    ラストの終わり方が、もうひとつ物足りない感じだったけど、一気に読めた面白い作品でした。

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    2012年07月14日
  • 沈底魚

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    公安ものはテロや国際的な政治の絡んだ内容が多く苦手だったが、チャレンジしてみた。読み始めるとどんどん引き込まれていき、少し難しい部分もあったが、予想に反し最後まで読み進める事が出来た。

    誰が真実を言っているのか?物語が二転三転していく。

    読んでみて良かった。他の公安ものもトライしてみようと思えるいいきっかけになった。

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    2012年07月12日
  • 熱帯夜

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    ホラーばかりでない短編集。一作目はミステリっぽい叙述もの、二作目は筒井康隆っぽいブラックユーモアもの、三作目も同じような感じ。筒井康隆系というのが一番近いと思う。

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    2012年04月07日
  • 熱帯夜

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     日本推理作家協会賞受賞作といえば名作が多い。だから「熱帯夜」に対する大きな期待を持って本を取り寄せた。が、読み終わって、え? って感じだった。確かに展開にだまされた部分もある。が、傑作「鼻」のドンデン返しとは質が違うと思う。こういうのを背表紙に書いてあるように「衝撃のラスト」と言うのだろうか? 悪くはない。けど、個人的には凡作に近いと思う。

     ただ、他の二作はなかなか良かった。老人徴兵制度という衝撃的な設定の「あげくの果て」
    は、設定どまりでなく、ある三世代のそれぞれのドラマを積み重ねていき、読み応えがあった。ゾンビが一般化した世界を描いた「最後の言い訳」は、タイトル通りそこが笑えるし、や

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    2011年11月20日
  • 熱帯夜

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    藤子・F・不二雄のSF作品を彷彿とさせるような切り口は悪くないし、構成力も水準以上だとは思うが、いかんせん展開、オチが普通。
    もしかしたら期待値が高過ぎるのかもしれないが、ミステリーを標榜する(してなかったらごめんなさい)エンターテインメント作品としては、もうひと頑張りしてほしい。

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    2011年08月28日
  • 熱帯夜

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    ネタバレ

    グロイ。
    食事しながら読むのはよくない。
    でも重すぎない。
    気軽に読めるホラー。
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    猛暑日が続く8月の夜、ボクたちは凶悪なヤクザ2人に監禁されている。友人の藤堂は、妻の美麗とボクを人質にして金策に走った。2時間後のタイムリミットまでに藤堂は戻ってくるのか? ボクは愛する美麗を守れるのか!? スリリングな展開、そして全読者の予想を覆す衝撃のラスト。新鋭の才気がほとばしる、ミステリとホラーが融合した奇跡の傑作。日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作を含む3篇を収録。

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    2015年06月03日
  • 熱帯夜

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    ネタバレ

    ミステリーはあまり読まないのだけど書店のお勧め文庫コーナーに平積みされ”’09年日本推理作家協会 短編部門受賞”とあったので手にとってみた。
    3編中、受賞作の”熱帯夜”・・・ありきたりな借金地獄物語として始まるが読み進めていくうちに『アレッ!アレレッ~!』ナニ何、となって最後は『アッレマ~、ソウキタカ・・・』と終わるストリーで結構面白かった。
    読後感=アレレッ!

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    2011年01月15日