曽根圭介のレビュー一覧
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大どんでん返しがあるのかな~と期待していたけど、特になし。静岡県東部が舞台の中心となるので、このあたりに住んでいるのであれば一度は読んでみても、損はないとは思います。ドラマ「ごめんね青春」的な、内容は薄いけどご当地ネタで盛り上がるような感じで。
警察の取り調べに関する問題も浮き出てきている。200p~から、取り調べに望む警察官としての矜持が格好良く語られているけど、それは現実でも言われそうな言葉だと思うし、こういう考えがあるから解決できた事件もあるのかもしれないけれど、やっぱり「推定有罪」の原則をたどるしか、人間による過ちを防ぐ方法はないと思うのだよね・・・
「被疑者が落ちる瞬間ってのはな、 -
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2015年、35冊目はパラボスアウォード2015上半期、第4位の作家、曽根圭介のデビュー作(実際は『鼻』の方が先らしいが……)。
警視庁公安部外事二課(中国・北朝鮮担当)を舞台にした公安&国家諜報ミステリー。
ストーリー・テリングは、二転三転しながら、読ませる力抜群にグイグイ引っ張って行きます。ソコに一役かっているのが、キャラ設定、主要キャラの設定は実に良くできている。一方、ザコキャラはもう少しアッサリしていても良かったような……。
そして、クライマックス。まぁ、言いたいコト、描きたいコトはこぅなんだろぅな。が分かっていても、密室乱闘と女性上司(凸井)絡みのトコ(種明かし)はアッサリし過 -
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不破は、目つきがいかにも刑事のような
目つきを 少年のときからしていた。
そして、現在は 外事2課にいて、
中国に関する 案件を 担当している。
その中心には 五味と言う刑事がいて、
人望が厚く、五味一家と呼ばれていた。
不破のパートナーは 若林で
不器用で、コミュニケーションがあまりできないが
人の顔は 簡単に記憶できる。
五味は 情報提供者の『肉まん』という中国人から
貴重な情報を つかんでいた。
アメリカに亡命した 胡と言う中国人が
国会議員の中に マクベスと言う スパイがいることを
証言したが、アメリカの発表では、それは ウソだと言われたが、
外務省筋では マクベスは いるようだ -
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原題は『図地反転』。最初落丁かと思ってしまった・・くらい、評価が分かれる新鮮な終わり方。まるで打ち切りの少年漫画の最終回のよう・・・。
でも、誰が犯人で動機があーだこーだ、警察組織の体制がどーとかがメインの話ではなく、どのように冤罪が生まれるのか、人の記憶のいい加減さを伝えたかったであろう話なので、これはこれで有りだと思う。
冤罪に立ち向かう女弁護士や家族問題を抱えるアパート大家、独自に事件を追う元刑事の宇津木、そして本ボシと思われる人物など、登場人物への掘り下げも個人的には物足りなかったけれど、一体何を信じればいいのか、誰を信じればいいのかわからないままにしたかったっていう目的があったのであ -
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警察小説であり、国際謀略小説でもあり…。
二転三転する真相、誰を信じてよいか分からなくなるほどの、組織ぐるみの騙し合い、主要人物と思われるキャラもあまりにあっけなく死んでゆく…。
事件の真相と決着のつけ方には不満の方が大きいが、筆者のストーリーテリングと“読ませる力”には魅せられた。
他の作品も手に取ってみたいと思った。
★3つ、7ポイント半。
2013.01.22.了。
……組織に翻弄され、傷つき、戦場を去る主人公に、“絶望”ではない結末が用意されたことに安堵。
……続編が作れそうな結末だったのだけど、あるのかな…?
……日中米、実在の国名を使ってのここまでの謀略戦(“悪”の立場を -
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日本推理作家協会賞受賞作といえば名作が多い。だから「熱帯夜」に対する大きな期待を持って本を取り寄せた。が、読み終わって、え? って感じだった。確かに展開にだまされた部分もある。が、傑作「鼻」のドンデン返しとは質が違うと思う。こういうのを背表紙に書いてあるように「衝撃のラスト」と言うのだろうか? 悪くはない。けど、個人的には凡作に近いと思う。
ただ、他の二作はなかなか良かった。老人徴兵制度という衝撃的な設定の「あげくの果て」
は、設定どまりでなく、ある三世代のそれぞれのドラマを積み重ねていき、読み応えがあった。ゾンビが一般化した世界を描いた「最後の言い訳」は、タイトル通りそこが笑えるし、や