片瀬茶柴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大円団!
原作を読んでいるので展開などは全て知っていたのですが、いやあ、本当に見事な漫画化でした。
原作者あとがきで書かれてますが、この漫画に関しては(原作者の方には嬉しくない言葉でしょうが)原作よりも漫画の方がより魅力的な表現ができているのではないかなと思います。自分、原作読んだ時全然琴子が好きになれなかったんですけど、漫画の琴子は本当に魅力的なキャラクターになっていると思います。
まあ正直、内容としては明らかに漫画よりも小説向きの内容で、これをあえてコミカライズしようとするのはよっぽど弾に困ってんのかなと編集部の内情を心配したくなっちゃうほどなのですが、片瀬先生が本当に見事な仕事をしてくれ -
Posted by ブクログ
ろくろ首の葵と良助のエピソードは印象が二転三転するミステリ然とした内容だったなぁ…
82話で描かれた内容は『雪女のジレンマ』を思い起こす要素と見え、異類婚姻譚として申し分のない逢瀬と思えた
なのに真相と共に明かされるのは、ただの妖怪を恐れる人間、人間を祟ろうとする妖怪という昔話として嫌な意味でよく聞く話
というか、葵の正体がバレてしまった時に良助の中から愛情よりも恐怖が勝り、良助の裏切りを知った時から葵の中で愛情が消え去ったというのは哀しくは有るのだけど、それによって二人が辿ったのが復讐であり計画殺人だった点も併せて『雪女のジレンマ』とは別の意味で人間と妖怪が共に生きる難しさを見た気がするよ -
Posted by ブクログ
『廃墟に出会う』と『まるで昔話のような』は九郎をフューチャーしたお話だったようで
普段の九郎と言えば琴子に協力的であれば彼女のワトソンとして機能し、協力的でなければ事件の表舞台に立つ事もない。琴子が機能しない状態の時だけ彼女の役割を代理する事は有っても彼女より目立つ事はない
その意味では彼がどう行動するかが事件解決に直結するかのようなこの2編は珍しいと言えるかも
廃墟で九郎が偶然であった相良が語るのは姉の死に纏わる疑念
些細な不納得から始まった彼の調査は姉の遺言によって展開を広げるというのはミステリ然としているね
相良が話すのは自殺か他殺かという疑惑に絡むものだからおいそれと話せるものでは