あらすじ
<2020年1月アニメ放送開始!>
<本格ミステリ大賞受賞作シリーズ!>
<シリーズ累計300万部突破!>
【放送情報】
テレビ朝日 1月11日より毎週土曜25:30~
MBS 1月11日より毎週土曜26:38~
BS日テレ 1月14日より毎週火曜24:00~
dアニメストア、GYAO!ほかにて配信!
【CAST】
岩永琴子:鬼頭明里 桜川九郎:宮野真守
弓原紗季:福圓美里 七瀬かりん:上坂すみれ
寺田刑事:浜田賢二 桜川六花:佐古真弓
【STAFF】
原作:城平 京(講談社タイガ刊) 漫画:片瀬茶柴(講談社『少年マガジンR』連載)
監督:後藤圭二 シリーズ構成:高木 登
キャラクターデザイン・総作画監督:本多孝敏
アニメーション制作:ブレインズ・ベース 制作:NAS
【MUSIC】
オープニング:「モノノケ・イン・ザ・フィクション」嘘とカメレオン
エンディング:「LAST DANCE」宮野真守
私たちは概ね嘘で出来ているのですけれど、理(ことわり)だけは通しているのです。お読みになればお解になれます。
ーー京極夏彦、歓喜!
全てが嘘なのに面白い。怪異【不合理】を虚構【不真実】でねじ伏せる、定石破りの屁理屈推理バトル!
井上真偽、驚嘆――!
「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」
妖怪と人間の調停役として怪異事件を解決してきた岩永琴子は、大富豪の老人に告白される。彼の依頼は親族に自身が殺人犯であると認めさせること。だが妖狐の力を借りた老人にはアリバイが!
琴子はいかにして、妖怪の存在を伏せたまま、富豪一族に嘘の真実を推理させるのか!?
虚実が反転する衝撃ミステリ最新長編!
【虚構推理シリーズ】
『虚構推理』
『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』
『虚構推理 スリーピング・マーダー』
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
岩永の高校時代のエピソードがわかる短編と、それに続く長編小説。アリバイがあるのに過去に妻を殺したと自白し、それを子どもたちに信じさせろと岩永に依頼した老人。だが真犯人は別にいた事を岩永が暴く。
岩永の冷静さと公正さ、そして品が(あるかないかはともかく)きちんと描かれた作品だった。まんがもいいけど小説の続きも読みたいな。
Posted by ブクログ
今回は妖怪や妖といった要素が主役では無く、人が主に関わっている事件で新鮮な気持ちになりました。けれど、相手が人であれ変わらずに苛烈に裁きを下す様はいっそ清々しくもありました。
また、高校時代から岩永琴子が今の様に得体の知れないと評される様な存在であった事が語られ、昔から変わらずきているのだと感じました。それが、頼もしい様にも感じますが、第六章で九郎先輩が話している様に危うく、いつか壊れてしまいそうな不安を掻き立てるのだと思います。自覚が無い分、心配ですが、九郎先輩が目を離す事なく側にいる事で守っているのだと思います。
次巻はまだか…
読むのは次巻が出てからでいいかな…
と、思っていたのに中々出ないので、我慢出来ずに読んでしまいました。
アニメ第二期が決まりましたし、さすがです…
一巻目ほどではなかったけど、今回も面白かった…
次巻はいつなのか…
Posted by ブクログ
「六花ふたたび」に書かれた六花さんの特徴を見る限り 美人らしいけど 拒食症を疑われるくらい細いとなると
多少 幼く見えても琴子の方がいいんじゃないかと思うのは私が琴子贔屓だからだろうか
九郎は病んで身がそがれたような女性が好みらしいから仕方ないかもしれないけれど
六花さんが 琴子に対して 性悪の悪女みたいに言ってたのが 少し胸糞悪かった
九郎も九郎で六花さんが好きだったのはわかるけど、六花さんが自分の目的のために人まで殺したことがあるのを知ってるのに いまだに六花さんを庇ったりするのが納得いかなかった
九郎と琴子の関係は好きだし、九郎としては 琴子を大事にしているかもしれないけれど もう少し 態度に出してもいいんじゃないかと思う
多少 琴子に問題があるとしても いちいち 元カノや初恋の人を持ち出す九郎は理解出来ない
琴子だけが必要以上に酷評されてるのも 少し可哀想
と思った
今までを見る限り 九郎本人も人間の範囲から逸脱しているし 琴子だけが化け物扱いされるのはどことなく腑に落ちない
この小説は好きだし 今回のスリーピングマーダーも面白かったから二人の関係は 今後に進展に期待したいと思う
それと 車に当たった六花さんも銃に撃たれた九郎も
峰打ちだって誤魔化してたところは従兄弟だからなのか似てるのかなぁって思った
だけど 「岩永琴子は高校生」では九郎と付き合う前の琴子が・・・
九郎の情報を調べながら 虎視眈々と別れを待つ
確かに粘着質と言えなくもないかもしれないけど
やっぱり可愛いです
「岩永琴子は大学生」では琴子は出てきていませんでしたが 九郎の琴子への思いが知れてよかったです
九郎は紗季さんみたいな普通の人と付き合ってた方が穏やかに暮らせたんじゃないかと周りは思ってて琴子自身も九郎は普通に暮らせると思ってるみたいですが、
琴子が言ってた通り 常に破綻を迎える不安や語れない秘密を抱えて生きていくのは心を蝕むだろうし
身体が普通の人間と違う以上 子供や子孫にどう影響がでるか分からない九郎より
私としては思考や性格に多少 難があっても
身体が生身の人間である琴子の方が 普通に結婚できたりしたんじゃないかと思う
あとは大学生、高校生と来たら 九郎と出会う前の琴子も
見たいです!!
Posted by ブクログ
アニメの出来がすこぶるいいので原作も読みたくなった、読む順番を間違えたのか、今やってるアニメとはちょっと違った。どちらかと言うと米澤穂信の日常系推理のようでそこに怪異の影がちらほらする程度で、本作の本題はなんともややこしい遺産相続の解決にあった。捻りに捻った展開は怪異の力も借りながら、なんとも言われぬ展開となり、本当にこれで良かったのかと言うことになってしまった。しかし琴子というキャラクターはアニメにはもってこいで、この2020年冬クールで一番の出来になりそうだ。しかし、この超深夜に一体誰が見るのだろう。
マンガで虚構推理スリーピング・マーダー読んで次回まで解決編待てそうになかったので思い切って買いました。
感想は、成る程そういうことか!と納得できる内容で買って良かったと満足しています。マンガでわからなかった細かい部分なども知ることが出来たのでもう1度読み直しているところです。
結果として音無家の人逹の心にやるせなさと暗い影を落とすことになりましたが、ちょっとした救いもあったのでこの結果も個人的には満足しています。
あとは主人公の岩永琴子の公正さと冷酷さを見ていて、『スパイラル外伝』に出てきた鳴海清隆を思い出しました。あの作品で『ワンダフル・ハート』の時の鳴海清隆が今回の岩永琴子とよく似た感じだったので、昔の本も読み直し始めたりしてるところですwww
Posted by ブクログ
『名探偵に薔薇を』を読んだら『虚構推理』シリーズに戻りたくなった。虚構推理の世界はなかなかルールが複雑でついていくのが大変なのだが、『〜薔薇を』を経たあと読むと、「謎」と「謎解き」だけでなく、その周辺、特に謎を解く人の事情を描きたかったのかもという視点が持てる。
パズルやトリックに凝りすぎるミステリー小説は、テーマが前に出すぎると、人間らしいリアリティがないといった批判をされるが(初期クイーンなど)、虚構推理は、そんな批判は織り込み済みと言わんばかりの振り切った前提が潔い。前提というのはつまり、岩永琴子は怪異と呼ばれる妖怪やもののけのたぐいにとっての知恵の神であり、相棒の桜川九郎やその従姉は不死身で未来決定能力がある、という設定のこと。また、一般人である他の登場人物の言動についても、小説の都合に従った多少の無理は淡々とした説明口調で押し切ってしまうのだが、そんな図太さもむしろ小気味いいくらいだ。主人公たちのアニメ的なキャラの濃さが、そんな文体ともマッチしている。
表向きは殺人事件を解決する(本当はちょっと違うがもう説明めんどくさい)名探偵コンビである琴子と九郎だが、文字通り人間離れしたこの二人の屈折した恋人関係こそが、まわりまわってこのシリーズの人間らしさ、温かみを感じるところとなっている。前に読んだときは、まあよくわからないけど萌えどころかなという程度にしか受け取っていなかったが、『〜薔薇を』の切実さを見たあとだと、ああ一人じゃなく二人で本当に良かったねとホロリとしてしまう(びっくりするほどの塩対応と下ネタでだいぶ覆っているが、その加減もうまい)。それだけに、従姉の六花さんがこのあとどう絡んでくるのか、続きが気になる。
『スリーピング・マーダー』はクリスティのミス・マープル最後の作品、ということは先程調べてわかったが、未読のためどう関係していたのかは全くわからない。本作では、琴子が高校生のときミステリー研究会に所属していたことが明かされた。当時の部長と部員も良い脇役を演じている。私、今どこかに入学したら、ミス研入っちゃう。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目
前と同じくマンガで先に読んでいるので物語の意外性は感じない
でも、やはり琴子さんだなぁと思えるところは面白い
・岩永琴子は高校生だった
・六花ふたたび
・明日のために
・スリーピング・マーダー(前編)
・スリーピング・マーダー(後編)
・岩永琴子は大学生である
・岩永琴子は高校生だった
琴子さんが高校1年生のときのお話
ミステリ研究部の部長 天知学と新入生の小林小鳥が部の存続のために琴子さんを入部させようとするが……
学くんがゲスい
でも、琴子さんにかかればそんな意図すらも掌の上というね
「ロウフィールド館の惨劇」
ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである。
ある意味でミステリのネタバレ厳禁ルールを逆手に取った定番ネタの作品だなぁ
ま、私は未読なんですけどね
・六花ふたたび
行方知れずの六花さんがどうしているかのエピソード
自殺者が連続する部屋
その理由
居場所を見つかったと見るや、立ち去り際に琴子さんに後の処理を丸投げする六花さん
強い……
・明日のために
学くん再び、そしてスリーピング・マーダーの前日譚
学くんの伯父 藤沼耕也が琴子さんがどんな人なのかを聞く
琴子さんが世間的に如何にアンタッチャブルな存在なのかの説明回
怪異に関して頼る事は是としても、決して探ったり利用したりしてはいけないという心構えが必要
・スリーピング・マーダー
狐に依頼した殺人の報いがあるという事を孫子に示したいという依頼
この本のメインのお話
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「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」
妖怪と人間の調停役として怪異事件を解決してきた岩永琴子は、大富豪の老人に告白される。
彼の依頼は親族に自身が殺人犯であると認めさせること。だが妖狐の力を借りた老人にはアリバイが!
琴子はいかにして、妖怪の存在を伏せたまま、富豪一族に嘘の真実を推理させるのか!?
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怪異に依頼して成された殺人のため、関係者にはアリバイが成立している状況
遺産相続の優先権という名目で、その犯人が自分である証明をせよという課題
その判定役に琴子さんを指名するが、その解決はやはり琴子さんらしいものに……
・岩永琴子は大学生である
スリーピング・マーダーの後日譚
マンガ未収録のエピソード
九郎が琴子のことをどう思っているかがわかるので、マンガしか読んでなかった人にも以外な発見がある
スリーピング・マーダーに関係した一冊となっているけど、六花さんのエピソードを加えて、琴子さんを利用しようとするとどうなるか?という共通点がある
六花さんは先々まで練っているので琴子さんを利用できる
学は恋路に関する事だけは自分の望み通りになったが、それ以外ではデメリットの方が大きかった
そもそも、世間的には琴子さんの事を調べる事すらアンタッチャブル
でも、怪異の解決の依頼であればむしろ良い結果になる
ただ、怪異の解決依頼だとしても、自らのシナリオに巻き込もうとすると想定以上の結末が降り掛かってくる
やはり、琴子さんを安易に利用してはいけないという教訓なのでしょうねぇ
しかしまぁ、ペイズリー柄の下着というのはどうなんだろ?
しかもあの琴子さんですしねぇw
あと、峰打ちのくだり
六花さんと九郎くんが車と銃弾の違いはあれど天丼構造になってますね
Posted by ブクログ
アニメで興味を持ち読み始めたシリーズ、うっかり2巻をとばして、この3巻を読んだ(通りで第二期アニメでやってない内容)。岩永琴子が高校生だった時のお話。その時にミステリ研に誘った部長のおじさんが相続争いのようなことになっているので、話が繋がっていた。ホテル王の音無は当時の経営で邪魔だったカリスマ性ある社長=奥さん、音無は婿養子、を妖狐との契約で殺したのだという。
そこはあやかしの頂点に立つ琴子なら簡単に解決なのかと思いきや、何時ものように何転も結論が変わって行くのが凄かった。そもそもよくこの独白転回の話をアニメにしようと思ったよね。アニメ、鬼頭明里独断場みたいになってるもんな~。話の間に六花さんのとある日常(ディープ)がありました。
Posted by ブクログ
怪異による事件に対し、合理的な虚構による解決を付けるミステリシリーズ。たしかにミステリには真相が何であったか、ということより、納得できればそれでいい、というところがあるかもしれません。怪異も楽しいとは思うんですけど。
高校時代の琴子の物語もあって、「事件」でなくても彼女の推理構築力の凄まじさには舌を巻くばかりでした。なるほど、敵に回してはいけない相手だな。でもまあ可愛いところも……ないではないか?
そしてメインの事件。自身が過去の殺人の犯人であることを親族に知らしめようとする大富豪。実際は妖狐と取引をしたという真相なのだけれど、そのせいで強固なアリバイを得てしまった彼をどのように断罪することができるのか。そして琴子がもたらす結末は、どのようなものになってしまうのか。冷酷なようでもあり、しかしどこまでも理に忠実な琴子のスタンスは、たしかに危うさも感じさせられるものかもしれません。だけどひたすらに強固で一途なその姿勢は力強く、凛々しいものでした。実にカッコいい。けれど、関わり合いたくはないかも(笑)。
Posted by ブクログ
スリーピングマーダー後半の最後の最後虚構を重ねた上での真実が予想外。
虚構を積み上げて行く説明文は気を抜けない、読み手が虚構に惑わされてしまう。
琴子と九郎の特殊な相思相愛感が面白い。
Posted by ブクログ
琴子の高校生のときや六花さんのその後などしれて良かった。相変わらず納得のできる虚構を作り上げるというお話作りは面白く、自分も考えながら解答を見てなるほどっとなるのも楽しいです。
Posted by ブクログ
普通に面白かったですが、前作に比べて知恵の神の感じが薄いのと、九郎の能力もあまり生かされていなくて残念でした。
どんどんシリーズが出て欲しいです。
これもミステリ
遺産相続にからみ、23年前の殺人の謎を解く…ミステリの王道的展開と思いきや。一捻り二捻り三回転宙返り。で、最後まで読むとやはりミステリ。しかも一級品。
…元ミステリ研部長氏が認めてくれるかはわからないけど。
Posted by ブクログ
収録内容については第六章以外は先に漫画版を読んでいたので、読む際はモノローグ部分や漫画と違う部分に注目して読んでいたかな
そのお陰で琴子のロジックの組み立て方や細かい心理描写について知ることができたのは良かった
あと、意外な発見としては『峰打ち』を上げたい。あれって天丼だったんだ!
漫画で読んだ時は発表時期が離れていたものだから気付かなかったな。九郎と六花は不死について同じ誤魔化し方をしていたのね
この本のメインエピソードとなる「スリーピング・マーダー」。漫画を読んだ時と大きく異なる印象を一点上げるとすれば、漫画よりも琴子の容赦のない冷徹さがより感じられるようになっている点かな
漫画版では特にラストの解答を披露するシーンに代表されるように晋達のリアクションが事細かに描かれている。しかし、小説版では剛一が何も言えなくなっている様子を筆頭に他の者達のリアクションは最低限を少し下回る程度の描写しかされていない
これによって小説版では琴子が場を完全に支配し、裁定を下しているとの印象を強く抱けるようになっている。琴子の容赦の無さが強調されている
これを踏まえると六花がこの事件を通して何を九郎に見せようとしていたのかも明瞭となってくる
琴子が真相を皆に理解させるために回りくどい手を使ったように、九郎に直接接触できない六花も九郎に理解させるためにかなり回りくどい手を使ったわけか
けれど、第六章を読む限り、九郎は琴子の危うさを理解した上でまだ一緒に居るつもりなのか
この作品って琴子と九郎の関係性については琴子の視点から描かれる場合ばかりだから、九郎の想いを知る機会って少なかったりする。だからこそ、普段琴子をぞんざいに扱っているように見える彼ばかり目立ってしまうけれど、曲がりなりにも彼氏として琴子をかなり気遣っているということか
ただ、それこそ六花からすれば「ひどい捨てられ方」をされてしまう状況となるわけだけど……
Posted by ブクログ
半年前に出ていたシリーズ最新刊を、今頃読んだ。長編第2作との触れ込みだが、大変唸らされた長編第1作『虚構推理』と比較すると、やや異質な印象を受けた。このシリーズの作品世界自体が、異質ではあるのだが。
長編とはいえ、敢えて言うなら連作長編か。第一章「岩永琴子は高校生だった」。現在は大学生である琴子。当然高校時代があったわけで、当時から普通の生徒には謎めいた存在だった。でも、このくだりは必要か?一応伏線なのか。
第二章「六花(りっか)ふたたび」。六花とは、琴子のパートナー桜川九郎の従姉だが、過去作品に出ていたのか記憶にない。厄介な存在らしいが…。第三章「明日のために」は、本題に入るための序章か。少しでも欲しい琴子の情報。前置きが長くない?
第四、五章で前後編に分かれた「スリーピング・マーダー」がようやく本題。妖狐と取引して妻を殺してもらったと告白する、大富豪の老人。琴子への依頼は、老人の親族に、自身が殺人犯であると認めさせること。何て面倒な依頼を…。
もちろん、妖狐が殺したなんて親族たちが信じるわけがない。論理的に納得できる嘘の解、すなわち虚構推理にたどり着くよう、琴子が導くわけである。この依頼には遺産相続の優先権を懸けた推理勝負という側面もあるのだが、親族が集まってみると、富豪一家らしく、関係はなかなかこじれていたのだった。
金欲しさの勝負だったらわかりやすいのだが、そもそも金に執着せず、勝負に積極的ではない者もいる。大体、父が殺人犯なんて聞いたら動揺するだろうし、勝負に勝っても嬉しいかどうか。彼らの内心など、琴子には知ったことではないが。
そんなの聞いてねえという情報が続出するのは、「虚構推理」なのだがら別に構わない。でも、最終的に導かれた結論に、何ともすっきりしないのであった。琴子は依頼を果たしただけとはいえ。迂闊に引っ張り込んではいけなったということか。
第六章はエピローグか。彼は二度と関わらない方がいいかもね。九郎の存在感がないのも気になったが、六花は今後の作品で一悶着起こすのだろうか。シリーズの方向性がわからなくなってきたかなあ。
Posted by ブクログ
真実とは異なるが誰もが納得する虚構の真実を構築する。これが、虚構推理の構図です。今回もその前提でストーリーが展開するのですが、、、。
真実の奥にある衝撃の事実に、気づけた読者っているのでしょうか。読者でさえも欺く展開に驚愕し、一気に読んでしまいました。続編もあるということですし、楽しみに待ちたいと思います。
Posted by ブクログ
妖狐と契約して妻を殺してもらったのだという大富豪の老人から岩永琴子が依頼を受ける。自分が殺人犯であることを親族に認めさせてほしいとのこと。岩永の高校時代の話、六花の話も交えて長編になっている。
非現実的な出来事を現実的な出来事として納得させていく手腕に、毎度のことながら感心する。
Posted by ブクログ
いつもは妖怪の相談役となっている岩永だが、今回はむかし妖狐と取引して人を殺してもらったという大富豪の老人からの依頼。親族に自分が殺人犯であることを知らせたいが、妖狐の力を借りた彼にはアリバイがある。怪異の力を伏せたまま親族に納得させることはできるのか。
変な依頼だが、ラストで岩永の苛烈さが冴え渡る。
前振りとして岩永の高校時代のエピソードや六花の話もあり、なかなか面白かった。
岩永や九郎は特殊な設定なので、前作や短編集を読んでからの方が楽しめると思う。
アニメ化決定だそうでそれも楽しみ。
Posted by ブクログ
虚構が足りない!人でないものがあまり関わらないのも物足りない!とはいえ、今回も面白かった。九郎の特徴のないビジュアルがますます想像できないが、コミック読んだらそのイメージになってしまうので読みたいような読みたくないような。
Posted by ブクログ
2020年1月からTVアニメ化が決定している城平京の「虚構推理」シリーズの第3弾。いきなりここから読み始めてしまうという失態を犯しました。序盤は、ミステリアスな雰囲気はありますが、岩永琴子を中心とした学園ものというか、恋愛ものっぽい感じですが、中盤から後半にかけて、一気に物語が動きます。これってミステリで良いのかという議論は残りますが、紙一重のところでオカルトになっていないというのは凄いな。とはいうものの人物像を把握するために、ちゃんと1冊目から読み直そう。
Posted by ブクログ
話題の『虚構推理』シリーズ最新長編。初作を読んだのが8年前だがそれから何度か再読し、短編集を読み、今回の長編でより世界観は深く理解できた。作中の論理の綻びを綻ぶ前に作中の論理で丸め込む作風は昔からだが、ここにきて特異な作風は、虚構で「真実」を作り出すこのシリーズに相応しい居場所を見つけたのではないか。
本作品は表題の『スリーピング・マーダー』とその前日譚、後日譚という事実上の中短編集に近い構造になっている。コミカライズが先行している逆輸入スタイルで作られた物語であるが故かもしれない。漫画原作者と小説家とを兼任しているからこそできる芸当だろう。
正直なところ、前日譚後日譚は回想パートで十分な内容なので短編クラスの文量があると少々間延びしている感があるが、その分丁寧に背景が語られているので、表題の『スリーピング・マーダー』を中心とした物語群としてはうまくできている。
表題作の『スリーピング・マーダー』を独立した中編として捉えてもかなり巧い。鋼人七瀬よりも怪異は抑え気味だが虚構のロジックと多重解決の巧さは相変わらずで、論理の隙は必ず回収され正されるという確証が持てる程にこの作者は信頼できる。退屈させない展開と落とすべきところにしっかり落とす物語の綺麗さが良い。
Posted by ブクログ
「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」
ワンマン社長で家庭内でも有無を言わせない妻に殺意を抱いた時、話しかけられたのは狐の怪異。 苦でもない対価を払い殺人を代行してもらった彼の依頼は遺産の相続権を持つ息子たちに「私が妻を殺した」という虚構を披露してもらいたいというもの。 この珍妙な依頼に知恵の神・岩永琴子の下す結論とは!?
補填的な短編と表題作の中編が収録。 怪異によって鉄壁のアリバイが出来てしまった者を殺人者に仕立て上げるというストーリー。 真相は狐を締め上げたらあっさり分かったので後から嘘を創作してゆく。 今作は虚構推理としての論理は勿論仕上がっているのだが、それ以上に知恵の神としての琴子の倫理が垣間見える。 あくまで神として、中間の立場として存在する彼女は人間が襲われそうになれば命を賭するし、人間の都合で怪異が巻き込まれれば時に非情な判断もする。 神としての矜持を全うする琴子とそれに賛同もせず否定もしない中間的な存在の九朗が印象に残る作品であった。
Posted by ブクログ
虚構推理シリーズ 3作目 前作は短編集やったけど今作は長編!!
長編やけど途中に小ネタ?小事件があって解決しながら本題に入っていくので短編集のように楽しんでいける!単純な事件を関係者が納得いく形に嘘の真実をでっちあげるこのシリーズやけど毎度毎度きれいに偽の伏線を回収して収める感じはすごいなぁ〜
ミステリーにはいろんなジャンルがあるけどこんな感じな作品はこのシリーズオリジナルな感じで面白い
Posted by ブクログ
【目次】第一章 岩永琴子は高校生だった/第二章 六花ふたたび/第三章 明日のために/第四章 スリーピング・マーダー(前編)/第五章 スリーピング・マーダー(後編)/第六章 岩永琴子は大学生である
大富豪の老人・音無剛一の琴子への依頼。それは、昔妖狐と取引して妻を殺害させたが、自分が犯人だということを親族に認めさせてほしいというもの。
なかなか食えないジジイだが、琴子に依頼したために想定外の事実を知ることになるのは痛快。相変わらずの琴子のプラス思考、苦笑しつつ見守る九郎のしれっとした異能ぶりが楽しい。そして六花の不気味さが後を引く。
Posted by ブクログ
「スリーピング・マーダー」のように(『虚構推理』もそうだったけれど)仮設がいくつも出てくると結局一体どれが真実だったのかがぼやけた印象になる。そういう意味では、それ以外の四篇のような短編の方が、このキャラたちには向いているのではないかと思う。どんなに破天荒な性格でもいいのだけれど、その一線だけは超えないでほしいというラインを微妙に超えた言動をする琴子さんはほんとに残念に思う。逆にそういう点も含めて魅力と感じられるようになるときが来るのだろうか? 現時点では、品位を落として魅力を減じているようにしか感じられない。関係ないけれど「高校になって」という表記は気になるなあ(高校生にはなるが高校にはならない)。
Posted by ブクログ
今回のスリーピングマダーはの遺産相続の
謎解きは説明が多くて、小説だと分かりにくい。
改めて漫画で読むといいかも。
岩永琴子の活躍がまだ見たいので続編希望!