杉本貴司のレビュー一覧
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◯孫さんの発想の根底には量が質に転化する、との考えがある。(中略)まずは候補となるものをとことん挙げてから絞り込む。(140p)
◯自分たちが本当にすごいと思えることは何か。それを100%純粋に追求することが起業の原点なんだ(422p)
◯孫の志に共感した先達が陰に陽に協力してくれたからこそ、若い才能か開花したのだ。そして孫の志に共感する腕に覚えのあるストリートファイターたちが孫のもとに集うことで、この異形の企業集団が出来上がった。(555p)
★実績がなくても、僕と独占契約をしてくれと言う。財務諸表がなくても、1億円をプライムレートで貸してくれという。この男の考えには制約がない。 -
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ユニクロを立ち上げた柳井氏。メディアで会見を見た事がある程度で、その人柄も生い立ちも良く知らなかった。本書はとてもバランスを重視した本で、柳井氏を賞賛しきるでもなく、美談として語るでもない。エキセントリックな性格や自堕落な学生時代、親の脛をかじったストーカー気質っぽい過去も描き切る。前半だけ読んでいると、どうしてこれで大成していくのかが不思議なくらいだが、故に、柳井という実業家の深みがあり、この本の面白さがあるのだと思った。
柳井のことだけではない。アパレル業界が置かれている状況、実業についても臨場感をもって伝わってくる。デザイナーの佐藤可士和、プロ経営者の玉塚元一や澤田貴司との出会いや彼ら -
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ネット広告を見て読んだ本。
いわゆる財閥系大企業に対して成長の歴史が浅い方だと思うが、戦略なり理念なりどういう経緯があったのか、という思いと、ノンフィクション小説的な娯楽を兼ねて読んだ。
トップダウン型とは耳にしたことがあったが、この会社規模でも、会長(社長)のメッセージが下まで到達させるスタイルは印象に残った。
BtoC(小売)の海外進出は容易ではなく、現地メンバーとの付き合い方の普遍的な苦労が窺い知れる。
コミュニケーションの違いの乗り越え方として、現地トップ層に対して「あなたはどうしたいのか、ここで仕事を成し遂げたいのか」という投げかけや、現地スタッフに「スパイではなく仲間である」 -
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ネタバレちょっと手に取るのを躊躇するほど分厚い本。
普段ユニクロの服ばかり着ているし、そう言えば去年話題になったような…ということで手に取った1冊です。
結論、学びが沢山ある本でした。
ユニクロ創設者の柳井さんは、幼い頃所謂良いところのボンボンで、学生時代や社会人成り立ての頃はプー太郎生活。柳井さんのことを幼少の頃から知る知人も、「目立つような存在では無かった」とのこと。
そんな人が強い意志を持って、失敗を重ねつつも世界のユニクロと言われるまでの経営者になったこの話は、夢があって良いなと思いました。
読書家柳井さん故に、本書に著名人の考え方や名言なども載せられていて、それをただ本として文章として -
Posted by ブクログ
柳井正の子供時代〜現在までを綴った一冊。
今でこそ日本を代表する偉大な経営者だが、
子供時代は引っ込み思案、大学時代は無気力に麻雀三昧、卒業後も仕事に就かずフラフラ。見かねた父親がコネでジャスコに入社させるも9ヶ月で辞めてしまい友人の家に居候してまた無気力生活へ。
柳井正にもそんな時期があったのかと驚くような一面も描いている。
そんな生活を一変させたのが、父親の持つ紳士服点「小郡商事」の事業を任されたこと。
半ば強制的に実家に連れ戻され、そこから経営に目を向けていくこととなる。
本書では、そんな山口県で小さく経営していた小郡商事が巨大企業ユニクロへと進化していく過程をメインに描く。