【感想・ネタバレ】ひとりの商人 岡藤正広 私の履歴書のレビュー

あらすじ

「こんなことをやっていたら会社が潰れる」――
一流半と揶揄された伊藤忠商事を「商社3冠」にまで躍進させた男は、一度も海外赴任経験のない異端の革命児だった。
大好評の日本経済新聞「私の履歴書」に大幅加筆を行い、待望の書籍化!

「岡藤は使えない」
「商談の席では一切しゃべらず、ノートにメモだけを取っておけ」
こんな悪評や屈辱にまみれた、さえない若手。

イヴ・サンローラン、トラサルディ、ジョルジオ・アルマーニほか、ヨーロッパ中を駆け回ってファッション界の大物たちと話を付け、ブランドビジネスの扉を開いた気鋭の商人。

「かけふ」(稼ぐ・削る・防ぐ)を合い言葉に徹底的な経営改革を行い、純利益・時価総額・ROE(自己資本比率)の「商社3冠」を達成した辣腕経営者。

その波瀾万丈の半生を、赤裸々に語り尽くす!


「こうして思い返せば栄光や成功だけではない。その裏にいくつもの挫折や葛藤、それに強烈な劣等感といった負の感情を抱えながら走り続ける自分がいた」
「どうせ書くなら成功譚を自慢げに振り返るのではなく、その奥にあった迷いや葛藤、時に襲う絶望といった私にのしかかってきた感情とちゃんと向き合うものにしようと考えた」――「はじめに」より

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Posted by ブクログ

ひとりの商人



家庭教師に売店のおばちゃんが推薦してくれる、営業マンは特に若い頃は愛嬌があった方がいい。

交渉相手が会ってくれないというなら、まずは会ってみても良いかも、と相手が根負けするまで足を運ぶ

商売は人間がやるもの、義理人情、筋を通すこと、時にはプライドを捨てること

相手が巨人でも筋を通す、交渉ごとでは100%にこだわらず相手が納得できる利は何かをいつも計算に入れて妥協点を探り、理を分け合うこと、自分からは決して諦めない

商社の仕事は、自分たちにしかできない付加価値と主導権

話を進めながら相手の目の前で覚書を手書きして双方でサインする、手書きの方がサインしやすい。次の日になったら振り出しになることを防ぐため。

カンパニー制の縦割りから、自分たちの領域しか考えず調整コストの高さを実感する。CEO就任後に新しい横割り横断の事業部を作った

会議嫌い、予習の徹底をし、仮説や結論をもって会議に臨めば意思決定の場にできる

稼ぐ、削る、防ぐ

極意はもう一歩の努力で手が届きそうな目標をいかに作り、組織をそこに導けるか。負け癖から抜けるには小さな勝ちの積み重ねが必要、あまりに高い目標は最初からやる気が出ない
リーダーに問われるのはギリギリ届きそうな目標をどう設定するか

株主資本コストを上回る最終利益の確保を目的とする全社一律の投資基準では弱い部門が手を上げずらいため、事業ごとに投資基準を個別に定めるよう見直した。

業績の悪い組織にいると個人の評価も悪かったが、個人の成果や努力に報いることができるようにした。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

日経新聞の私の履歴書に一部追加した内容。岡藤氏の半生は苦労も多く、そこから這い上がってきた点は興味をひく。普通の会社員からここまで有名になることは珍しいと思っていたが、その裏に沢山の支援者がいたのだろうと想像した。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

仕事柄、国内/海外の商社機能を持った企業とやり取りすることが多いが、大半は横流しで手数料を稼いでいるだけで、著者の様な圧倒的な付加価値を考えビジネスをする企業/人を見つけるのは大変。はたまた、メーカーとして各社が付加価値を考えられる程の商品を提供できていないのか。

若手のうちは愛嬌が一番大事だと改めて思う。組織内で反発しても最終的に愛嬌があれば必要とされていくと思う。

渋沢栄一の蟹穴主義については勉強となった。リーダーやマネジメントも部署やチームがギリギリ届きそうな目標や課題を渡すことで、モチベーション維持になる。

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2025年07月30日

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