鍛治靖子のレビュー一覧
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相変わらず、設定が飛びまくってる。
読みはじめてからしばらく、え?これ、ペンリックのお話だよね?てか、セドニアてどこ?と???だらけだった。
でも、やっぱりおもしろいんだよね~。状況が分からないのに読ませるビジョルドはすごい。
さらにチートに磨きをかけたペンリックは、なんと30歳。童顔だし、素直でお人好しっぷりは変わらないので、誰にもそう見られないけども。
それでも徐々に明らかになるチートゆえの辛い経験で、老成しちゃってる部分もあり、そのせいでさらに意味不明な人に見える。
そんなペンリックに、運命の女性登場!
美人じゃないちょいぽちゃな未亡人、てところが、ビジョルドの主人公ぽい(笑)
はっきり言って、問題だらけの恋愛。ンなムチャな、つー求愛を繰り出すペンリックと、それにツッコむデスの会話がめっちゃ楽しい。
同い年なのに、ストレートすぎるペンリックと、しっかり者で我慢強くて現実的なニキスの両片思いも、にやにやできた。 -
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下巻は、大いなる魔法に至る「道」を探索する吟遊詩人たちと己の野望のために「道」を利用しようと企む宮廷詩人の追跡劇。
上巻が地味な展開だったので、下巻ではド派手な魔法戦があるのかと期待していたら、大ドンデン返し的なものもなく、地味な展開のまま話が終わってしまった。
いや、ひとつひとつのパートはすごく読み応えあるんだよね。でも、全体としてみるとクライマックスがちょっと弱かったかなと思う。
そんな中、面白かったのが非モテ感溢れる脇役ネッドの見事なリア充チェンジ。
上巻では軟弱なボンボンのネッドが、下巻では逞しい男、というか漢(おとこ)になっていて、王国随一の剣士を(二人がかりだけど)倒して許嫁(上巻でネッドを手酷くフッてる)の愛を勝ち取った上に、敵方の彼女に惚れられる(上巻の最後で関係しちゃった♡)というリア充ぶり。
ほかの男性キャラたちが軒並みロクな目にあっていないので、もう、ネッド優勝!としか言えない。
実はネッド、上巻で許嫁にフラれた後、自分を変えようと東方へ旅立ち、そこで生死を潜る冒険を重ねて帰国するという、まさに英雄物語の王道を歩んでいたのだった。
そんなわけでこの小説、吟遊詩人とか魔法とかは大して重要じゃなく、ほんとはネッドが主人公の貴種流離譚なのかもしれない。
次は是非ともスピンオフで、ネッドの東方冒険物語を読みたいな。 -
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王都で展かれる吟遊詩人の大会を利用して、禁断の魔法を手に入れようとする宮廷詩人の陰謀に巻き込まれた吟遊詩人たちの群像劇っていうお話。
表紙とオビの内容が平和的なのを見て、勝手に吟遊詩人たちがウェイウェイしながら歌会するほのぼのファンタジーだと思っていたら、オープニングから殺人事件発生でビックリ。
その後の展開も仲間の才能に対する嫉妬やら裏切り、権力者への追従やら叛逆、恋の鞘当て、異端信仰などなど、およそほのぼのからはかけ離れた内容で、読みながら「なんか思ってたのとチゲー」ってなった。
でもまぁ、ハードなファンタジー小説も嫌いじゃないし、お気に入りのキャラ(御坊ちゃまのネッドくん)もできたから下巻も楽しみ。
ちなみに、まだ上巻だからなのか、派手な魔法とか強いモンスターとかは出てこないので、そういうのを求める人にとっては、あまり面白くない小説かも。 -
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表紙はエリアニア。後ろの黒いのはアイスファイア。右下の腕を組んでいる男性はペオットレ? エリアニアの背中は刺青がそのままなのか、そういう服なのかちょっとわからない。
デューティフルとアリアニアが仲良くなって、その後にアイスファイアのいる島に着いて、アイスファイアへ到達する穴を掘り始めるまで。
シヴィルはホントに役に立たない。
40
エリアニアのけんかの後のデューティフルとのキス
74
同じく二人が気持ちを確かめ合うところ
88
デューティフルがネトルの存在を知る。フィッツの今までのいきさつも知る
159
フィッツは勘違いしてるが、ネトルはまだフィッツの正体を知らない。 -
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ネタバレクレバスに落ちたフィッツと道化は、氷下に広がる蒼白の女の宮殿に侵入する。氷の中で眠りにつくドラゴンを発見するが、蒼白の女に捕らわれる。フィッツはドラゴンを殺すことを条件に開放されるが、道化を人質にとられる。フィッツは王子たちと合流し、ドラゴンを掘り出すが、殺さずに開放する。蒼白の女は石のドラゴンをけしかけ、2頭のドラゴンと戦闘が始まる。ブリッツが重症を負いながら、スウィフトが石のドラゴンに止めを刺す。皆が六公国に帰還する中、フィッツは道化を探すため、氷河に残るところで、続巻。
氷下の宮殿からの、ブリッツ、ドラゴンたちの戦闘と、非常に盛り上がりこのままエンディングでも良い感じ。 -
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ファーシーアの一族の続編。
30代半ばになったフィッツ。
静かに隠遁生活を送っていました。
が…恩師シェイドが訪ねてきて?
六公国を襲った外島人の「赤い船団」が撃退されて15年。
王ヴェリティが去った後、王妃が一粒種の王子を育てながら、六公国を統治していた。
ヴェリティの兄の庶子であるフィッツは、陰の存在としてシェイドに教育され、時には暗殺者として働いた過去が。
シェイドは今や王妃ケトリッケンの顧問として、表に出ている立場。
王子デューティフルの教育をフィッツに依頼に来る。
だがフィッツは表向きは処刑されているのだ。<気>をあやつった咎で。
この15年の間に、<気>はいちだんと疎まれ、リンチで八つ裂きにされるという事件さえ起きていた。
動物と絆を結ぶことが、一歩間違えば獣同然になってしまう可能性もあったのだ。
フィッツは狼のナイトアイズと絆を結び、時には共に狩りをし、共感する部分を持っている。
吟遊詩人の奔放な女性スターリングが気まぐれに訪れ、愛人となっていたが、実は都で結婚していたと知り、別れを決意するフィッツ。
養い子のハップの行く末も考える時期が来ていた。
そして、さらに訪問者が…? -
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15年後。フィッツ・シヴァルリ・ファーシーアは、貧しい農民トム・バジャロックとして、年老いた狼のナイトアイズ、もらわれ子のハップとともに暮らしていた。怒濤の前3部作に比べてずっと平和で穏やかな導入部。フィッツはすっかり大人というより爺さん化してきてるし、ナイトアイズは相変わらず。ただしこちらは本当に老いているようだ。
小屋には入れ代わり立ち代わり様々な客人が訪ねてくるが、フィッツの反応や感想が違うのがなかなか面白い。まったく歓迎されないシェイドは不憫だ。そしてスターリングの、どこか影のあるしたたかさは変わってない。
その間、前作では語られなかった空白部分が明かされる。
フィッツは今の穏やかな暮らしを手放すつもりはさらさらなく、ハップが一人前になれるよう、手助けしてやりたいと願っているから、物語は大きくは動かない。しかし、巻の最後に話が、フィッツがいよいよ動き出す。
この巻に限らないが、人間同士の関わりの描写がリアルだ。相手と意見が食い違い衝突したり、助けられたり、時には些細なことで腹をたてたり。100%の関係は存在せず、絆を結んだナイトアイズとの間にさえ、すれ違いが生じる。もどかしさややるせなさ。日常、他人に対してとりとめもなく抱く感情を思いおこすほど、リアル。 -
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「精霊を統べる者」(2021)の続編…かと思ったら、実はこっちの方が先だった!
①「カイロの死せる精霊」(2016)
②「ハーン・アル=ハリーリの天使」(2017)
③「空中ケーブル015号憑依事件」(2019)
①と②は短編。③が中編。従って、この3作の続編が長編「精霊を統べる者」だったのだ。日本での出版順序が逆だったのだ。なるほど、納得。
魔術省捜査官ファトマと、のちにパートナーとなるシティの出会いが語られる①。失血死した精霊の謎を追う物語。
カイロの街ハーン・アル=ハリーリで、天使に願い事を叶えてもらおうとする少女。天使は少女に代価を求める②。
ファトマと同期の捜査官ハメドと新人オンシが空中ケーブルに取り憑いた魔物を退治する③。二人を陰から支えるシティ。のちの物語に繋がるエンディングになっている。
…やっぱりこっちから先に出版すべきだったんじゃないですか?創元社さん!
世界観もずっと一貫してますもの。やっぱりネビュラ賞とか獲った長編を優先したのかなぁ。でもこっちを先に読んでいれば、あんなに混乱しないで済んでたような気がするぞ!
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前作『精霊を統べる者』《錬金術省》シリーズの続編、頭を空っぽにしてファンタジックな世界観に飛び込もう
■きっと読みたくなるレビュー
19世紀のエジプト、伝説の魔術師によって精霊との扉を開かれた世界の物語。『精霊を統べる者』《錬金術省》シリーズの続編です。
本シリーズは精霊や魔法など超自然的存在と共存する幻想的な雰囲気、前作では魔術省の女性エージェント・ファトマが活躍する長編小説でした。本作では世界観はそのままに、ファトマが主人公の作品をはじめ、合計3つの短編が収録されている作品集です。
■各短編の簡単レビュー
●カイロの死せる精霊
失血死した精霊の謎を追うファトマと警察アアシムの物語、前作でファトマと恋人だったシティが登場。
文字だけでファンタジーを表現するのって高難易度だと思うんだけど、本作ではいとも簡単にやってくれるんだよなー。現実と仮想の距離感が近いのと、設定やら現象やらひとつひとつの解像度が高いんすよね。
さらにアクションもテンポがいいし、会話も洒落が効いてるし、プロが幻想世界をエンタメで表現するとこうなるんかと感心しきりでしたね。
●ハーン・アル=ハリーリの天使
死にかけている姉を救いたい少女アリアは、天使〈探求者〉に助けをもとめるが…
追い詰められた少女と、謎多き天使の会話が続く。まるで黄泉の国で審判をうける、魂と閻魔様のようです。天使は少女の心の奥底に潜む罪の意識を赤裸々にするんですが…
読んでると何だか、おまえも苦しいことから逃げてんじゃねぇぞって言われてる気がするんすよね。天使の言う通り、魂の重荷をおろしことで心って軽くなるだよね。
●空中ケーブル〇一五号憑依事件
公共交通機関の空中ケーブルに何やら取りついてしまったという事件、魔術省エージェントのハメドとオンシが解決に挑む。
引き続きファンタジックな世界観ではあれど、人間関係やら予算やら参政権やら、やたら現実的な課題がテーマになっている作品。事件が徐々に拡大していくのですが、エージェントふたりも活気づいていく様子に力が入りますね。
また終始女性の参政権にまつわるシーンが挟まれおり、社会課題への意識を感じます。そしてラストは前作に繋がるエピソードもあり、青春っぽさもあって、ほっこりしちゃいました。
■ぜっさん推しポイント
まるでゲームの世界に飛び込んだような作品なんですが、描かれている本質は現実世界のこと。特に本作で感じるのは、女性の扱いについて課題提起をされているように思います。普段つい見過ごしている歪みを、より生々しく気づかさせてくれました。 -
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ネタバレペンリックの4冊目。
ペンリックの義兄将軍を暗殺しにきた女刺客を捕らえて、逆に帝国の大元の悪い奴らを叩きに行く。
刺客には魔が宿っていて刺客から切り離そうとしたが、庶子神がなぜかその女を認めてその刺客は魔術師となってペンリックの弟子になる。
その旅のメンバーが、ペンリックと元暗殺者、聖者。聖者は前作の女性とは違う漁師の男性。前作の女性聖者もキャラが立っていたが、この男性聖者も重要な役割を果たす。
帝国内で懐かしい面々に助力を得て目的を果たす。
訳者が言及していた登場して嬉しかった人物はたぶんsの将軍。ペンリックと良い意味で因縁がある人物。
庶子神というかこの世界の神は、必ずどの人物をも導いてくれるわけではない。徹底的な悪人に対しては見捨てて神と切り離すこともあるんだなと。
2編目は、殺人事件に取り組むミステリー仕立て。
庶子神にまつわるある儀式が出てくる。自分を犠牲にして悪事を行った人物を殺害する。こんな儀式が成立する世界なのだ。
前作にて、ペンリックが保護した姉妹もちらっと登場。
ペンリックの仲間達が何人か増えてペンリック自身にも家族が増えて時の流れを感じた。、